栄通記

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2009年 06月 17日

1011) ①ツアー 「三井物産&日本野鳥の会企画:森と自然とふれあおう ~鵡川河口人工干潟」 6月13日~14日

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     (↑:6月14日早朝、ホテル四季の館の前の駐車場。向かいの茶色の建物が町役場。)

 2,000円の1泊4食付森林体験ツアーに当選した。
 ㈱三井物産と(財)日本野鳥の会の主催。地元のネイチャー研究会inむかわスタッフが一所懸命に協力してくださった。
 
 初日の似湾山林散策、翌日早朝の似湾山林バードウォチング、それらは後日書くことにしよう。


 6月14日、12:30~15:00 小雨。
 最後の予定の鵡川人工干潟散策だ。
 あいにくの小雨模様なのでガイダンスを旅館で済ます。雨模様なので、滞在時間を危ぶみながら現地に向かう事になった。身軽にせよという事で資料を持参しなかったのが惜しまれた。
 (メモをしなかったので、記事の中の数字は間違いがあるかもしれません。)



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 (↑:宿泊ホテル・四季の館から徒歩での散策だ。
 直ぐに無舗装の田舎道になったのには驚いた。10分ほど歩けば車止めがある。
 写真は車止めの手前の草地。現在は牧草地かも知れないが不明。

 この広場は、かつて鵡川を放流させた伐採木材の集積場とのことだ。鵡川駅に行く引込み線があり、苫小牧の王子製紙工場に運ばれた。
 材木の川流しという大胆な方法は長続きしなかった。大正末年頃に富内線が開通すると廃れたようだ。鵡川町木材繁盛物語は昭和の声と同時に過去のものとなった。
 三井物産が今回の主催だ。その三井物産所有の似湾山林は鵡川に面している。似湾木材も、かつてはここで一休みしただろう。

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     (↑:旧鵡川の横断地点。)
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     (↑:横断地点からの旧鵡川。左は上流、右は下流。)

 車止め柵から直ぐに旧鵡川に着く。2年前には立派な橋があったそうだ。氾濫で流されたとのことだ。作って直ぐの出来事だ。その後、横断方法をどうするかでもめたそうだが、現在の姿に治まった。
 とても橋を流すだけの流量も力もなさそうな川の姿だ。氾濫時期の姿は想像できない。
 新鵡川へと川の流れが変わったのは何時頃だろう?先ほど見た木材集積場は旧鵡川時代だろう。

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     (↑:のんびり歩く。柵があるから左右は牧草地だろう。)

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     (↑:上。ようやく鵡川に着く。川向こうに見える緑地は鵡川左岸。
     ↑:下。こちら側の防砂壁。)

 櫛状の防砂壁が12箇所ある。右岸に砂が溜まらないための装置とのことだ。川の流れを安定させて、河口を砂で埋め尽くさないためか?


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     (↑:人工干潟は直ぐ傍。右側の茶けた草の奥の水溜りだ。左に鵡川が見える。)

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     (↑:干潟の全貌。)

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     (↑:干潟の泥。全然臭くない。穴ぼこは目指すゴカイの足跡。)

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     (↑:目的のゴカイ掘り?ゴカイ探索?掘れば間違いなくきれいなゴカイが居る。)


 ようやく人工干潟に着いた。
 長方形状に水が溜まっている。水の流れをよくするために、2m程掘られている。
 奥の方の左側で海と結ばれているとのことだ。(次回の個人的探索にはそこまで行こう。)
 鵡川の氾濫は、この干潟には良いそうだ。多量の水が干潟をかき混ぜて新鮮にしてくれるとのことだ。

f0126829_17325049.jpg 畑のミミズの効能は誰でも知っているが、干潟の働き者はゴカイだ。ほぼ同じ働きだ。初めて知った。干潟には無数の穴ぼこがあり、ゴカイの繁殖を知ることができる。
 そして、このゴカイを食べに渡り鳥がやってくる。シギ・チドリの類だ。土壌もゴカイのおかげで新鮮だ、北や南に向かう渡り鳥達にとっては絶好の休息地とのことだ。

 かつて鵡川河口には33haの干潟が拡がっていたとのことだ。それが現在では自然干潟の多くは消滅した。
 幾つかの複合的原因があるだろうが、元凶ははっきりしている。鵡川新漁港の建設にある。漁港は30年前頃に作られた。そして、20年前から急速に河口の姿を変えることになった。長さにして400mも海が進入し干潟が消失した
 港の堤防が海の流れを変えたのだ。港の東側では砂が溜まり、鵡川河口のある西側へは砂の供給(漂砂)が途絶えてしまった。この現象は鵡川ばかりではない。太平洋岸に新しくできた漁港周辺では全て同じ現象が起こっているとのことだ。
 漁港の南壁も砂で覆われやすく、定期的に除去作業をしている。
 鵡川も河口の砂を人工的に海に排出して、海流を利用して河口右岸に砂を供給している。
 この作業は半永久的につづくだろう。

 変貌する海岸を目の当たりにして、2001年3月に第1次人工干潟造作工事が終わった。2003年3月にも第2次造作工事が終わった。
 見てもわかるようにこの干潟は内陸に作られている。これ以上の造作はないだろう。

 「人工干潟」、北海道では例の無い存在であり、全国的にも珍しい。国家を含めた各種研究機関の注目の的であろう。生態系の大掛かりな実験場でもある。
 野鳥の会にとっては渡り鳥達の安息の場の回復が目的だろう。
 研究者にとっては自然の科学的理解の場であろう。
 漁民にとっては人工干潟は負の財産だろう。有力な資源であるシシャモの為には損なわれてはいけない鵡川なのだ。干潟には関心が無くても、鵡川には絶大な関心があるだろう。

 鵡川から遠く札幌に住む私、人工干潟という存在を知った私。とりたてて私は何もしない。知的興味以上をでない自然の姿、興味の枠をはみ出る自然の一瞬の姿。現代に生きるとは何と複雑な系の中に身をおいていることか。

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     (↑:昭和40年代の鵡川河口。
 干潟健在な頃。現海岸線を書けばもっと理解できるのだろう。どの部分が干潟なのかを聞き忘れてしまった。河口部分が随分出っ張っている。そこが中心か?)

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     (↑:この日はカラスしか居なかった。からすも肉食だからゴカイが好きだろう。
 青い草は干潟には迷惑なそうだ。草の根が大地を固めるからだ。
 鵡川本流に青サギが1羽いた。)

by sakaidoori | 2009-06-17 18:42 | ◎ 風景 | Trackback | Comments(0)