栄通記

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2009年 04月 11日

965) 品品法邑 「本田滋・絵画展 『風の彩ー絵・空・間』」 終了・3月30日(月)~4月9日(木)

○ 本田滋・絵画展
    「風の彩ー絵・空・間」
        
 会場:品品法邑(2階)
    (北郷13条通の北側。道路を挟んだ同じ北側に法国寺有り。)
    東区本町1条2丁目1-10
    電話(011)788-1147
 期間:2009年3月30日(月)~4月9日(木)
 休み:火曜日(定休日)
 時間:10:00~18:00 
     (最終日は、~17:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーーーー(4・11)

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 「絵を愛する人・本田滋」

 本田さんとはギャラリー巡りで時々お会いする。
 スケッチする姿を眼に浮かべてしまう。葉書き大の用紙に会場やその場の雰囲気をスケッチしているのだ。ペンでささっと。描く時の目は真剣だが、傍によると顔を崩して相手をしてくれる。その日は人形展だった。

 「何かこの人形、優しくって愛情豊で、チョッと描いてみたくて、描いてあげるのも良いかなと思って描いちゃったんですよ」

 描き終えた絵を展覧会関係者にお渡ししていた。その人達とのにこやかな会話が場を飾っていた。


 またある時は学生展だった。
 「これ、君が描いたの?良いね。気持ちが伝わってくるなー・・・。君の持っている温かいものが絵に出ていると思うよ。・・・」学生への屈託の無い言葉が聞こえてくる。僕は内心、「そんなに褒めちゃダメだよ」とも思うが、恥ずかしいくらいな褒め言葉を続ける彼の心には参ってしまう。

 
 彼は画論や技術のことは語らない。そういうことは「僕は知らないから」っと言って、微笑むだろう。
 絵を見る姿勢、絵を通して語る姿勢は、彼が絵を描く時も同じだ。描かれた対象(画題)への思いやり、絵全体を包む温かい雰囲気に気を配っている。
 もっとも、表現したいことはそうであっても、絵として他人に見せれたかどうか?その気持ちは分かるが、絵としてドーンとくる、あるいはしみじみと感じ入るものになったかどうか?「絵を愛する男」の絵が、「愛される絵」になったかどうか?
 本格的に描き始めて4年とのことだ。驚くほかはない。間違いなく「語りたくなる絵」だ。にっこり笑いながら絵を見てもらいたい。微笑みながら見る、ということは絵の本質とは重ならないかもしれない。ならば、画家に笑いながら本質を語り合える絵を更に更に描き進めて欲しいと注文しよう。

 今展はモチーフや大きさにはあまり拘ってはいない。2点1対構成で本田滋の絵心が会場全体に響くことができたかを試みている。作品一つ一つは組み作品ではないが、あえて対構成にしている。会話を重んじる画家の姿勢だ。老若男女を問わず人と人とのふれ合いを大事にしたいのだろう。作品自体を擬人化して仲間達を演じているのだ。

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     ↑右、「背伸びする街」・日揮展 2006年 F40。
     ↑:左、「赤い自販機のある街」・日揮展 2008年 F20。

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     ↑:左、「風 舞 花」・アクリル美術大賞07入選 F100。
     ↑:右、「瞬 舞 花」・アクリル美術大賞08入選 F100。

 かなりイメージが強い。花のある実景から部分をクローズアップして、画家の花への強い思い込みを描いている。今展の都市の風景画は小さい。反して、作られたイメージ画は大きい。実景に縛られないで自由に伸び伸びと描きたいのだろう。装飾過多でイメージに流されがちだが、画魂(がこん)の大いなる通過点だ。僕自身は花の乱舞よりもビルの踊りのほうが好きだが、七色の絡み合いを表現するには花のほうが向いているのだろ。

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     ↑:左、「凍てる風・札内川」・F20。
      ↑:右、「碧流の札内川」・F20。

 赤が魅力的だ。実景に忠実に取り組んでいる。


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     ↑:「寄り添って」・F40。

 いろんな意味で異質な絵だ。思いはタイトルが示す通りだ。大地に生きる寄り添う二人に太陽が燦々と祝福している。
 枝のうねりは人生の皺だ。枝と枝の隙間、その隙間に乱れ込む光や風や空気、白やピンクや黄色中心の限られた色で追求している。

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     ↑:「深川発札幌行」・F10。

 とても上手な絵です。より良く描けるようになったので、その分絵から児童画的遊び心が減った感じだ。路面に写ったビルの姿などは実に驚かされる。正直、僕はこういうリアルな絵を本田さんに予想していなかったので何と言っていいかわからない。色もピカピカしていて全体を一層明るくしている。堅実で重厚な都市の風景だ。小さい絵だが小ささを感じない。
 上手さと遊び心、車の両輪のように共に大きくなっていくのだろう。愛情を隠し味にして。

by sakaidoori | 2009-04-11 09:48 | (くらふと)品品法邑
2009年 03月 22日

942) 美唄 「ピパの湯・ゆ~りん館  北浦晃・作品」 

 ピパの湯・~りん館
 場所:美唄市東明町3区

ーーーーーーーーーーーーーー(3・22)

 アルテピアッツァ美唄に「田村陸・展」を見に行った。帰りにゆーりん館で温泉入浴。以前にも行ったことがあるのだが、暗闇の遅い時間で、ただ入るだけで終わった。
 時間もあるので館内を散策する。建物は吹き抜けの二階建て。二階が温泉施設だ。左右に二つある階段と壁に挟まれた通行の少ない回廊をすすむと、4点の北浦晃・静物画があるではないか。その先の突き当たりの壁にも大作の風景画がある。左側は光が燦々と入る吹き抜けの休憩コーナーだ。
 施設に失礼の無い範囲内で写真を載せさせていただきます。

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     ↑:北浦晃、「美唄・楓ヶ丘」・1992年 130.3×162cm(F100号)。

 風景画を描き始めた頃の作品ではないでしょうか。木々の周りを枠で囲い、装飾模様が風景を覆っている。この手法はそれ以前の大きな静物画の手法の残滓で、風景画への移行期の作品に多く見られる。絵そのものは明るく、新たな展開への画家の喜びが伝わる。
 この絵に表現された日本画的様式美が氏を袋小路に追いやった。それを乗り越えて本格的風景画家になられたのだ。長き画業で何度危機に会い、画風を変えられたことか。今では以前には拘りで描かれなかった画題にも積極的に取り組まれている。旺盛な作画生活の日々を過ごされている。
 頻繁に発表されている画家です。次回の個展も報告したいと思っています。


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          ↑:「祝花」・1991年。

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          ↑:「卓上の林檎」・1984年。

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          ↑:「林檎五つ」・同上年。

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          ↑:「冬の窓辺」・同上年。

 特に1984年の静物画は緊張を強いる。林檎の形、その影、林檎そのものの存在感、全体の構成美と骨格の力強さ、風景画を描く以前に氏が追求していた一端が想像される。一言でいえば絵に高い精神性を求めていたのだ。それは日本画の伝統であり、日本人の美意識の大きな柱の一つだ。狭い狭い箱庭における禅の修業を感じる。
 それにしても素晴らしい。僕はもっと小さな絵でこういう作品を知っていたから、再会を喜ぶばかりだ。
 妻は北浦・作品にこういうのがあるのを知らなかった。驚きで顔の崩れること、風呂に入る前にオーラの湯気が上がっていた。

 (近々、「田村陸・展」を載せます。)

by sakaidoori | 2009-03-22 22:40 | [美唄]