栄通記

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2010年 10月 22日

1388) 門馬ANNEX 「熊澤桂子・展 ーBony Glass Instalationー」 終了・10月4日(月)~10月17日(日)


○ 熊澤桂子・展

   ーBony Glass Instalation



 会場:ギャラリー・門馬 ANNEX 
     中央区旭ヶ丘2丁目3-38
     (バス停旭ヶ丘高校前近く) 
     電話(011)562ー1055

 会期:2010年10月4日(月)~10月17日(日)
 休み:27日(月)
 時間:11:00~19:00

ーーーーーーーーーーーーーー(10.4)

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     ↑:(会場入り口からの風景。)

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     ↑:(会場の奥からの風景。)

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     ↑:(下からの眺め。暗くなってきたので照明が登場した。)


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     ↑:パーツの接合部分。接合部分も透明感で仕上げることも可能なのだが、今回は骨筋として残していた。


 ガラス作家の熊澤桂子さん、彼女のガラス・ニンジンをご存じの方も多いと思う。そのリアルな赤きニンジンに代わって、今回はなめるような白き「骨」の行列だ。そして今展は、その「代わった・変わった」という点が一つのポイントなのだろう。

 今年、ニンジン・ガラスを生んだ富良野から十勝・豊頃町に移られた。そこは大根の産で有名なのだが、作品化するにはイマイチ大根は合わなかったみたい。富良野になくて豊頃にあるもの、それは海であり魚であり、魚の骨・・・大地から大海に目を向ける。新鮮な驚きや喜び、その出発が今展の「魚の骨の行列」だ。

 だから、今回は何か大きな明確な意図があってのものではないと思う。決してニンジンと決別したのではないが、そればかりだと作り手の方にアクというか淀みが溜まってくる。それでは面白くない。気持ちのリフレッシュ、既知のものへの再発見や気付き・・転居と同時にリスタートとしての「骨」だ。
 個展は他者へ見せるものだが、まず「熊澤桂子」という他人が今展を見る。新たな構想が湧いてくるかどうか?情念・意欲はどうなのか?その確認展なのだろう。


 今回は「白い軌跡」だ。透明感と柔らかさ、そういうガラス感をそのまま生かした素直な表現だ。骨先は優しく、キバは封印されている。砂浜に打ち上げられた朽ちた骨を、拾っては繋ぎ合わせて、海に返そうとしているみたい。女性特有の再生という生命観なのだろう。
 次は何がでてくるのか、楽しみにしよう。

by sakaidoori | 2010-10-22 11:30 | 門馬・ANNEX
2010年 04月 25日

1279) 茶房法邑 「熊澤桂子・展 ガラス変形にんじんインスタレーション」 4月21日(水)~4月29日(木)

○ 熊澤桂子・展
    ガラス変形にんじんインスタレーション
           ~inside World~

        
 ・会場:茶廊法邑
    東区本町1条1丁目8-27
    電話(011)785-3607

 期間:2010年4月21日(水)~4月29日(木)
 休み:火曜日(定休日)
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~16:00まで) 

ーーーーーーーーーーーーーーーー(4・24)

 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

 お馴染みのスタイルになるのだろう。ガラス・ニンジンがあり、映像があり、そのニンジンの由来の説明があり、不思議な空間を作ること・・・そんな予想をしていた。確かに予想通りだった。初めからテーマに対する新鮮さを求めていない。作家のこだわりと空間作りの妙を楽しみにしている。

 作家は「廃棄された」「変形」「にんじん」と「富良野の風景」にこだわっている。それが「ガラスのニンジン」になり、「映像」として再生される。ここまでは「何を、どうするか」の問題だ。テーマがあり、その作家の解釈と主張だ。同じテーマと解釈が続けば、マンネリに陥り人は笑う。熊澤桂子にもその危険はある。だが、マンネリは作家なり人間の宿命だろう。

 僕は作家の「こだわりの強さ」に注目している。どこまで徹底的にこだわれるのか。こだわった到着点のようなものを見定めたい。
 そして、僕は熊澤桂子は空間作家だと思っている。この場合は「ニンジン」などは作家の小道具でしかなく、テーマそのものは二の次の問題だ。古い言葉で言えば、「芸術の為の芸術」だ。「空間のための空間」、「美のための美の追究」とも言える。それは作家が持って生まれた肉体なり心なりの内側の問題を、外に産み落とす行為だろう。空間という熊澤生理が面白い。
 熊澤桂子の空間は、とにかく広くありたいという願いなり夢だ。いかに変形ニンジンやニンジン色の赤が画面なり空間全体を覆ってもドロドロしていない。アッケラカンの健康的な明るさがある。清々しい風が流れている。

 今展、広い会場で「廃棄」という説明的な語句も少なくて、美的空間を作っていた。
 以下、会場風景を載せますが、空間はそこに行かなければ楽しめれないところがあります。その場の空気の匂いです。そこが絵画の産む虚の世界とは違う所でしょう。



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 エンドレスで映像が流れている。だが始まりと終わりは真っ白で、無機質とも言える線と面だけだ。ここに作家の都会性・近代性に対する愛着を思う。
 段違いで写される時の流れ。映像を囲む白が大きい。白に囲まれた鑑賞者、その人の姿と目を思って下さい。点景のようにガラスニンジンの赤と緑が灯っている。
 
 以下、流れる順序に関係なく載せます。


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 映像は「見る人・見られる物」の関係が明白だ。それは見る人は常に安全な位置に居て、まことしやかな冒険の為のカラクリなのだから。
 会場には幾つかのニンジン陳列の置物がる。映像感覚での仕掛けだ。中はガラスになっていてニンジンを写し、外からは単なるガラスとして中を透かして見る事ができる。「見られる存在としてのニンジン」と「覗く存在としての鑑賞者」。熊澤桂子の表現スタイルは、「見る・見られる」という一方的関係性を空間が包むという構造だ。とても安定している。この安定感が、今後どう強化あるいは逆転するか?
 今展は「ミラー」を駆使していた。トリックから生まれる小さな幻影の世界だ。映像という大きさと、箱入り娘的な夢の世界。


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 奥の方にある長方形の箱。裏側から中に入ると・・・、草間トリックのよう。赤と緑のおとぎ話、小さい部屋に大きな明るい闇の世界。



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by sakaidoori | 2010-04-25 12:09 | (茶廊)法邑
2008年 12月 18日

852) JRタワーARTBOX 「熊澤桂子 ~Funny Carrot こっけいにんじん」 11月1日(土)~1月31日(土)

○ 熊澤桂子
    [Funny Carrot こっけいにんじん]

 会場:JR札幌駅東コンコース・JRタワーARTBOX
     中央区JR札幌駅構内
     (地上東コンコースの西壁面。東改札口の南側)
     問合せ・
      JRタワー展望室アートチーム・電話(011)209-5075
 日程:2008年11月1日(土)~1月31日(土)
     (会期中無休)
 時間:7:00~23:00

 次回予告: 国松明日香(スチール・スカルチャー)

ーーーーーーーーーーーーーーー(12・16)

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 昨年の門馬ANNEXでの「キャロット・トンネル」・展と手法・画題・画材の基本的コンセプトは同じです。顔を見合わせる関係から、不特定多数の人へのアプローチです。そういう人達の心にどこまで迫れたかが課題でしょう。

 富良野で生まれ育って収穫されたにんじん達。商品ルートに乗れない変形にんじんを、機械で収穫されたその場で即座に畑に廃棄されていく姿が映像として流れています。
 そして、廃棄にんじんを鋳型にしてのガラス作品、その再生にんじんがキャンドルのようにしてボックスの床に置かれたり、宙に吊り下げられています。

 門馬ギャラリーでの映像は空間を通路(トンネル)に見立てて、床や左右の壁一面に映し出されるという方法でした。迫力満点、アッと驚かされました。その効果を高めるために自然の緑やにんじんの赤を強調して、スピード感がありました。
 今回は収穫され捨てられるまでをじっくり見てもらおうという映像です。

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 会場には作家の解説文があります。折角作ったのに捨てられる食べ物、ことさらその社会性を問おうとはしていません。美学者でもある美術家が、鮮やかな赤と個性的なイビッチョにんじん姿に惚れ込んだことを強調するばかりです。後は見る人の判断に任せる態度です。

 そうは言っても、キャタピラの跡に取り残されたその残骸を写す姿には、にんじんを取り巻く社会性を訴えているのは明瞭です。

 変形にんじんを個性的と言って擬人化しています。個性的な人は変人扱いされたり、リストラされたり嫌われたりするものだとも言っています。
 「変形にんげんよ!笑って闊歩して社会を泳げ」と言っているのでしょうか?「反撃の闘いをせよ!」と檄を飛ばしているのでしょうか?綺麗に上手ににんじんを再生する熊澤さんです、そんなに強いことを言っているのでしょうか?
 キャンドルのように心に灯火を、凛々しい立ち姿・・・美術家が言葉で言えることはここまでかもしれません。



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 (昨年の門馬ギャラリーの様子は下のタグの「熊澤桂子」を押して参考にして下さい。)

by sakaidoori | 2008-12-18 13:19 | JRタワーARTBOX
2007年 05月 07日

172) 門馬 「熊澤桂子展」・映像&ガラス ~5月12日まで

○ 熊澤桂子展   Carrot Tunnel

 会場:中央区旭ヶ丘2丁目3-38
     門馬 ANNEX・バス停旭ヶ丘高校前近く 
     電話(562)1055
 会期:5月3日~5月12日(土)・無休
 時間:11:00~19:00

 1970年 横浜生まれ
 1993年 武蔵野美術大学 造型学部建築学科卒
 1996年 富山ガラス造型研究所 造型科卒
  現在   北海道富良野市在住、キルンワークによるガラス造型をおこなう

 熊澤さんは富良野の畑作地域に住んでいて、札幌では初個展。
 「Carrot Tunnel」・・ニンジンのあなぐら、何のことだろうと思って会場を拝見。確かに穴倉だ。窓、出入り口を塞ぎ、二部屋の穴倉を作っている。初めの部屋はほんの小部屋で、真っ暗な中に縦長の細い台の上にガラス・ニンジンを置いて、鑑賞者を次の部屋に誘う心の準備をさせる。真っ暗な部屋に、台座からの光にあたって赤く燃えているニンジン君を不思議な気持ちで見るのだ。まぶしく燃えるニンジン・・黒いカーテンを開けて次の部屋に入る、何だかわからない模様が左右の壁に映り、通路に先程みた台座の上のニンジン列を見るのだ。もぞもぞしていると向こう側の撮影機の辺りから優しい女性の声で、「こちら側のほうが良く見えますよ」と、顔も見えず聞こえてくる。仕方なくというか、だまされたような変な気分でニンジンの間をすり抜けながら、それでもニンジンを手にとって眺め確認しながら、声のする人の居る場所に辿り着き、振り返って今来た通路を眺めることになるのだ。驚いたね、かなり速いスピードで画像が流れているのだが、緑色した部分が富良野の風景で、赤い部分が大量のニンジン達で、ニンジン達が選別機でころがり回り、ニンジン・コンテナに集められ、なぜだか解らないが、緑なす野に捨てるかのように堆積されているのだ。一応映像は5分間だが、エンドレスのように流れていて、その間に製作者・熊澤さんがガラス・ニンジンと映像の説明をするのである。映像はかなり早い、アップにしたり離れたり、ストーリーの展開も気ぜわしい。二次的映写空間が狭い左右の壁をスクリーンにして、しかも右側の窓のある壁は10cm程壁から下がって段ちができているので、映像も妙に屈折していて、立体表現になっているのだ。真ん中のニンジン台座にも映像は写っていて、益々立体感、赤と緑の迫力はガラス作品を薄くしていて、今展が映像作品と呼ぶにふさわしいものになっている。
 
 作品の中身は何か、作家の言葉を引用しよう。「ガラス作品なんですが、私、ニンジン選別所にアルバイトに行ったことがあるのですよ。選別機を流れるニンジンの中に形のいびつな変なニンジンがあるのです。その形が面白くて、売れないはね品ですから、断って貰って集めたわけなんです。そのニンジンを原型にして鋳型を作り、ガラスを流して造ったのが、展示されているニンジンなんです。4年ほど前のことですが、ニンジンの大豊作で、生産調整、流通量調整のために小さいニンジンなど集めては無造作にその辺の道路脇から見えるところにでも、廃棄処分にしたのです。今流れている映像はそれらの廃棄ニンジンなんです」

 作品について。ニンジンは重さをのぞけば、肌触り色合いとかなり再現性の高いものです。重さも同じようにはできるのですが、そうすると下から光を当てた時の深い妖艶な色合いが出ないとのこと。ガラス作品の命である光との相互作用。異形のニンジンに対する興味も単なる造形的関心からだけではないだろう。食べられることの無い、人から無視される運命にあるニンジンにスポットを当てて、ニンジン界を見る、ニンジンと人間の関係、ニンジンを通した人間社会を見るということだろう。

 建築を学んだという経歴と映像を見て思ったのだが、彼女にはガラスの単品制作に満足できない、表現しきれないものがあるのだろう。建築という思想性・全体性と実用性の強い表現様式の勉学経験が社会経験を積むにしたがって、ガラスを核にしながら、より大きく表現したいという気持ちを強くしているのではないだろうか。その一里塚としての今展の映像とインスタレーションだと思う。都会人が田舎に入り田舎を斬り、返す刀で都会を斬る。ニンジン君達の廃棄処分というあまり無い社会現象に遭遇しての作家・熊澤女史の思想が視覚化された時である。自然の擬似再現、リサイクルなども彼女にとってはキー・ワードかもしれない。誰でもが思い、多くの作家たちがそれぞれに表現しようとしていることでもある。新たな視点をどれだけ付加できるかがこれからの勝負だろう。

 今展の「熊澤流」はなかなかに面白い。行きにくい場所ですがわざわざ行くことも鑑賞者のテンションを高めるでしょう。もし面白くなかったら、栄通とともに夕餉(ゆうげ)のニンジンを笑ってください。

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by sakaidoori | 2007-05-07 16:27 | 門馬・ANNEX