栄通記

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2013年 08月 26日

2167)① 「北海道教育大学油彩画研究室 大学院生展」 時計台 終了・8月19日(月)~8月24日(土)

   


北海道教育大学油彩画研究室 

  大学院生展
      
        


 会場:時計台ギャラリー 2階 A・B室
      中央区北1条西3丁目 
       札幌時計台文化会館
      (中通り南向き)
     電話(011)241-1831

 会期:2013年8月19日(月)~8月24日(土)
 時間: 10:00~18:00 
      (最終日は~17:00まで。)

 【参加学生】
 山崎麻乃 村岡陽菜 清武昌 橋本知恵 山越美里   

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(8.23)


A室の風景


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   ↑:左側1点のみが院1年・山崎麻乃、他は院2年・村岡陽菜


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   ↑:全作、院2年・橋本知恵



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   ↑:人体作品が院2年・橋本知恵、右側の2点が院1年・山崎麻乃




B室の風景

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   ↑:左壁面が院2年・清武昌。他は院2年・山越美里



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   ↑:左側2点が院2年・山越美里、右側壁面が院2年清武昌



 AB室を広々と使った立派な展覧会だ。院2年生・男一人に女三人、院1年一人・女性という5人構成。基本は院2年生4人の為の展覧会で、そこにちょっとお邪魔しますと院1年生。だから、今展は院2年生の院生時代の総括展といっていい。
 総括的だが、決して準備万端の展覧会ではないだろう。当館の年間予定表が年末に配布されている。最近、当館では教育大生の研究室展のオン・パレードだが、全く予定表にはない。もしかしたら、空きを生かすために、当館と教育大学の半企画的展覧会が浮上したのだろう。

 そこで院生達は、それなりに描き貯めていたものを一挙に吐きだした。だから、個展並みの集合展覧会だが、あくまでも院時代の全員の日頃の姿を見てもらおう、だ。用意周到、準備万端の発表ではないだろう。
 だから個展的だが、個展並みのテーマ性はない。それでもテーマ的にそれぞれが見える。それが院時代の姿だからだろう。いろいろなことをしているのではない。狭い関心の中で一所懸命に絵画を模索している。
 (発表歴の豊富な清武昌の場合は、当てはまらない意見ばかりです。)

 していることは実に堅実でクラシカルだ。試みとか、冒険心、挑戦意欲は乏しい。あくまでも個的な小さな絵画動機を大きな絵にしている。そこに物足りなさ、不満を感じる鑑賞者は間違いなくいる。実力を見て、なんだかんだと思う人もいるだろう。今風の色爛漫や完全心象風景での若人気質の世界ではない。皆で楽しもうにはならない渋い作品展だ。


 僕は大いに楽しんだ。やっと院の姿が見えたから。ようやくチャンと全面公開してくれた。残念なのは、こうして自己を晒すことが半年から1年ほど遅いと思う。もっと早く自分の学業を見せて、他との交流を図ればいいのに。そして、最後の1年は入念に大量に描き込んで、それだけで、自分を「どうだ!」とはじけ飛べばいいのに。
 半年後には終了展が待っている。その時はバリバリの新作2点ほどで「院の最後」を見せるのだろう。時間がない・・・。
 今や人生の長さからすれば院の2年などはわずかだ。が、60歳の僕の2年と、20代の君たちの2年では質量、充実度が全然違う。
 「のんびりしているかな院生達よ」、それが感想の総括だ。
 「のんびりするなかれ院生達よ」、それが僕の願いだ。




 会場風景だけで本項を終えるのも寂しい。院1年生の山崎麻乃の全作・3点で締めます。



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   ↑:「(?)」。



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   ↑:「ミゼリコルディアの聖母」・油彩 アクリル キャンバス。



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   ↑:「メデューサの魔女」・同上。



 インド風サイケで元気がいい。空間処理という半端な言葉を吹き飛ばす勢いだ。

 こういう画風を教育大の卒展で時々出会うことがある。どうしたわけか、そういう学生達のその後が伝わらない。画風を代えたのか、公にそれほど発表していないのか・・・。「学生時代の勢い」で終わって欲しくない。



 間違いなく②に続きます。少なくても一人だけは個別掲載したい。 

 

by sakaidoori | 2013-08-26 10:22 |    (時計台) | Trackback | Comments(4)
2013年 04月 28日

2032)「ひみつきち展 ~14人の宝物~」 アイボリー  4月24日(水)~4月28日(日)

   

ひみつきち展 ~14人の宝物        
    
    
 会場:ほくせんギャラリー ivory(アイボリー)
      中央区南2条西2丁目 
      NC・HOKUSENブロックビル4階
      (北西角地、北&西に入り口あり)
     電話(011)251-5130 

 会期:2013年4月24日(水)~4月28日(日)  
 休み:
 時間:11:00~19:00
      (最終日は、~16:30まで)

 【参加作家】
 大内里絵子 菅野早帆 木村怜美 島本さとみ 千葉麻美 猫宮まどか 山崎麻乃 阿部ゆう 飯野佑理 板津奈々子 小島小夜 佐藤歩惟 時田麻里奈 能登有嵯・・・以上、14名。(北海道教育大学美術関係現役&OB)   

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(4.27)


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 こぢんまりと気持ちよくまとまったグループ展。タイトルの「宝物」が示すように、「ちっちゃくても、それぞれの大事な宝物」だ。できれば、「あふれる宝物」のほうが若いエネルギーを感じて楽しいのだが。


 とても全員は載せれません。わずかばかりの人達ですが楽しんで下さい。



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     ↑:山崎麻乃、「キルトルーム 2」。



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 キルトだ、パッチワークだ。古物や切れ物をゴマンと集めて、切って張って縫い合わせて、あれこれと拡がる自分の世界だ。

 「ルーム」と名を売っているのだから、いっそのこと4畳半ぐらいの部屋を作ればよかったのに。キルトカーテンをめくってキルトルームに進入、そこは山崎麻乃の夢の中だ。キルトの裏側が見えるからダメだって?裏が見えたって良い。裏があっての人生だ。裏を見せたくなかったら、反対側も表地で作ればいい。何っ、大変だって?秘密基地なんだから、めっとりと自己追求しなくっちゃ。




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     ↑:佐藤歩惟(あい)、「シカクカクちゃぶ」。


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 脚も折りたたみ式で、愛すべき今風ちゃぶ台だ。
 表面の手触りはすべすべ滑らかなのは当然だ。貼り合わせているから、微妙にウェーブラインというか凸凹感が伝わってきて、これが何とも宜しい。真っ平らな機械感とは違った味がある。模様や引っ付き具合も角張っていて、完璧精巧派の職人が見たら口がへの字になるかもしれない。ところが、この素人クササというか、ウブな精巧さが新鮮だ。なかなか愛すべき一品だと思う。

 現役の学生とのことだ。金工が専攻で、木工との兼ね合いを模索中とのことだ。鉄もする、木もこなす、なかなか器用な人なのか。




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     ↑:阿部ゆう、「town」。


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 釉薬無しの質感がいじらしい。

 大きいのが大好きな当方ですが、この人に特大は求めにくい。ならば、小物を沢山作って、「阿部ゆうの街作り」に励んだらと思う。焼き物で間に合わない時は、色鉛筆でドローイングだ。可愛くって暖かそうな街を作ってくれるだろう。






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     ↑:菅野早帆、「モギーと相棒の物置 (おっちゃんこ/のびのび/まるまる)」。


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 この作品は数だね。とりあえず、嘘八百の800個だ。鋳型で作っているのだから、やる気があればそれほど難しくはないだろう。ついでに鋳型は10種類ぐらいは欲しい。
 さー、その800個をどう料理するかだ。期待しようではないか、菅野早帆のあふれる世界を。物置から小部屋へ、小部屋から大広間へ、大広間から街にでよう!




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     ↑:小島小夜、「かくしちゃった」。


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 やっぱり、こういう作品展には絵が欲しい。それなりの量を、しっかり気分でまとめてくれた。ここまで描けば、もっともっと描きたいだろう。





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     ↑:木村怜美、「十人十色お茶わん」。


 日用品に徹した焼き物だ。というわけで、僕も一つ買った。早速、今日の朝ご飯に使った。ちょっと大振りで持ちやすい。青が新鮮だった。


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          ↑:時田麻里奈、「連れてって」。




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          ↑:千葉麻美、「うじりとさじり」。


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 「うじりとさじり」?何のことはない、「右尻と左尻」だ。なかなかアイデアがハッピーだ。次は、「うぱいとさぱい」を期待しよう。



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          ↑:大内里絵子、「トランシルバニア○○」。





 教育大学生のグループ展が非常に多い。概ね今展のような感じで、小品に多人数という構成だ。思うに、誰か言い出しっぺがいて、それに皆なが反応しているのだろう。何かを作っているし、描いているし、それを見せたい気持ちが強いのだろう。一方で、小なりとも完結した姿で自分の世界を見せるまでには至っていないのだろう。
 こうしてグループ展を多数開くことは良いことだと思う。が、このグループ展のうねりがもっと高まればと思う。個展、二人展、三人展とか、より個人の責任の高いものになればと思う。そういう伝統を築いて欲しい。今は、その前段階の時期だろう。



 今日(28日)までの展覧会です。



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by sakaidoori | 2013-04-28 07:58 | 北専・アイボリー | Trackback | Comments(1)
2013年 03月 05日

1953)①「北海道教育大学 修了・卒業制作展Ⅱ期(札幌)2012年度」サテライト 2期:2月24日(日)~3月8日(金)

  
   
2012年度 

北海道教育大学 修了・卒業制作展
  
 


 【札幌会場】

 会場:北海道教育大学・札幌駅前サテライト
     中央区北5条西5丁目7
      sapporo55ビル4階 
      (紀伊國屋書店札幌本店の入居しているビル。)
     電話

 1期:2013年2月10日(日)~2月22日(金)
 2期:2012年2月24日(日)~3月8日(金) 

 時間: 10:00~21:00
      (土火祝日・最終日は、~16:30まで。)


 【岩見沢会場】

 (省略) 

ーーーーーーーーーーーーーーー(3.3)


 概ね絵画の部屋、書道の部屋、映像の部屋という構成。絵画の部屋だけでも載せます。


 (以下、敬称は省略させて頂きます。)




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          ↑:油彩研・五十嵐あり沙、「-私的生活空間-」、2273×1818㎜ 油彩 キャンバス。


 なんていうか、ヌメッとした湿度感というか、画家独自のタッチが魅力だ。童画気分と青春臭さが同居していて、ムンク調の「叫び」の前で、「壊れようか、それともこのただれ感を楽しもうか」と夢見心地だ。



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          ↑:油彩画研究室・佐々木あかね、「Presentiment」、2250×1800㎜ パネル 布 油彩。

 葡萄の塊がベタベタッとある感じ。きっと暗い気分を表現しているのだろう。葡萄色は血の濁り感、不純感でもあろう。
 それでも意外に薄塗りで淡い世界。もっともっっと腐れた葡萄色で画面を覆い、境界もあるかないか分からないぐらいにドロドロしたら迫力が生まれたろう。そうすれば不安というか、嘔吐嘔吐の世界だ。
 でも、こういう「汚系」の作風は良い。若者らしい。


  ※※


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     ↑:油彩画研究室・柏木健祐、「絵画」・1620×970㎜ 1620×1720㎜ 1620×970㎜ 板 油彩 テンペラ。


 これは立派な大作だ。ビュリューゲル風寓意画、風刺画だ。象徴、暗喩、比喩なんでもござれだ。それも日本の戦前軍事国家が舞台だから恐れ入った。アンチ国家神道、アンチ軍人、そして当然ながら天皇制批判も感じるではないか。(日本人は戦前の天皇個人、及び天皇制の戦争責任を不問にして今日に至っている。日本を裁いた東京裁判は、確かに見せしめ的要素が強くて、批判されて当然だ。が、米国主導の東京裁判を批判する前に、日本人自身が公的に日本人のしたことを問うていない。そのことのほうが問題だ。この消化不良がある間は、真の戦争教育および高度な外交活動は無理だと思っている。)

 何となくヨーロッパ的風土の仕上がりだ。それは、輸入表現としての油彩の限界か。単に画家のルネサンス気分の反映か。それにしても、物語の追究姿勢と言い、粘っこさ、重厚さはたいしたものだ。この物語の続編なり、違うパターンを続けて見せて欲しい。続けることが、この作品をより一級品にすることにもなる。


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          ↑:油彩画研究室・山崎麻乃、「スピンドル」・2331×1910㎜ 油彩 アクリル キャンバス。


 黄色の自己主張、色爛漫、そして額縁の手作り模様がセールス・ポイントだ。インド絵画特有の無手勝流のサイケと無意味な乱舞には遠いが、静けさや楚々とした日本美をかなぐり捨てて、猪突猛進姿勢にはアッパレだ。おそらく、この大きさでのサイケな世界はあまり経験してないのでは。どことなく何となく手探りというか、遠慮を感じるが、それも初々しくて楽しいものだ。

 黄色を魅せたくて、随分と面積をとった。結果、人間が貧弱に見えたのが残念なところ。黄色も目立ち、画題も目立つ、要するに画面全部が目立つとは難しいことではある。解決は一つ。描き慣れて、作品を発表して客観的にみせることだ。。
 それと、インド風のサイケな曼荼羅画を志向するならば、男女の絡み合い画を思いっきり描き連ねることだ。ことさら官能的に画く必要はない。山崎麻乃風のカーマ・スートラ(性の指南書)にすればいい。
 

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          ↑:(部分図。)


 額装を見て欲しい。丁寧に宝石風に細々と貼り合わされている。浮き彫り仕立ての凝った意匠だ。素晴らしいとしか言いようがない。貝殻も使って、ちょっとセクシーだ。

 
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          ↑:油彩研・伊地知遥佳、「SHAMAN:GECKO」・2273×1818㎜ 油彩 キャンバス。


 これまた、ストリート落書き風のわけの分からん世界だ。きっとそれを画家はねらっているのだろう。腹の底から湧いてくる不可知な力を表現しているのか?
 図録によると鹿児島生まれで、当地で育った人のようだ。ウルサ系の絵画は南国育ちだからか。卒業後は地元に帰るのだろうか?もし北国に残るのならば、この勢いで北の世界を攪乱して欲しいものだ。


  ※※※※※※※※※※

 油彩画、いつになくドロドロ風で粘っこい作品が多かった。その勢いに負けて、絵画研究室の学生を皆な載せてしまった。
 それにしても不思議だ。昨年、この研究室の合同展覧会「油展」をコンチネンタルで見た。その大人しさに少しばかり不満だった。なのに、卒展では楽しんでいる。このギャップは何だろう?おそらく、「油展」は「普段着の発表会」で、力んだ姿を見せたくないのだろう。卒展は「ハレの場」で、特別に一所懸命なのだろう。チョットまずい現象だと思う。「油展」も校外展なのだから、並々ならぬ努力の成果を見たいものだ。


 予定外ですが、②に続く

by sakaidoori | 2013-03-05 09:39 | サテライト | Trackback | Comments(0)