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2010年 03月 17日

1225)②時計台 「2009年度道教育大学岩見沢校美術コース 第1回卒業制作展」終了・2月15日(月)~2月20日(土)

○ 2009年度 北海道教育大学岩見沢校 芸術課程・美術コース 
    「第1回 卒業制作展


 会場:札幌時計台ギャラリー
      中央区北1条西3丁目
       札幌時計台文化会館
      (東西の中通りの北側にあるビル)
     電話(011)241ー1831

 会期:2010年2月15日(月)~2月20日(土)
 時間:10:00~16:00まで)

ーーーーーーーーーーーーー(2・20)

 続きが遅くなりました。1階A室以外の会場風景と、個別作品を何点か載せます。

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     ↑:2階。

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     ↑:1階C室。

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     ↑:1階B室。


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     ↑:映像研究室・太田博子、「スキンシッパー」。

 大きなぬいぐるみだ。人の五感(生理)を前提にして、作品、会場、人との関係作りを模索する太田博子。
 ぬいぐるみはお触り自由だ。というか、触れるようでないと学生の意図はくめないし、触るのを拒否されれば学生の失敗でもある。
 ざっくばらんで大らかなのは良いのだが、この会場では無理があるみたい。それと、「恋人ゲット作戦」を展開した太田博子にしては少し温和しすぎる。個人的には色気なり、アイロニーが欲しいところだが、それは卒業後に期待しよう。


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     ↑:デザイン研究室・牧野裕子、「空間が含んでいるもの」・アクリル 透明シート 紙 糸 320×420×40㎜。

 アクリル板が何層にも積まれ、その間に写真が転写されたシートなどが挟められてある。何を写しているのかは定かではない。写された物を心象風景的に見て、記憶の層と理解したくなる。
 それよりも、作品自体が清楚だ。空間にすっぽり取り込まれた愛おしさがある。

 この作品もいろいろと展示の工夫があるのだろう。暗がりで柔い光のスポットライトを当てるのも一つの方法だが、少し重たそう。「よりよい光と空間」を作品自体が欲しているようだ。


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     ↑:木材工芸研究室・遠藤美佳、「clip-clop」・木材 布 236×80×70㎜。

f0126829_11255250.jpg 見ての通りの「下駄」です。
 無料配布の図録には、「日本の伝統的なものが好きです。下駄をかっこよくはきこなせたらいいなと思います」。
 この下駄をはいて教育大生は花火遊山です。





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     ↑:デザイン研究室・米本琴美、「ふくらむ果実」・アクリル絵の具 クレヨン パステル クリアラベル(デジタル写真による合成・加工) 1030×728㎜×3点。

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 遠くから作品を見ると派手で可愛いいだけのよう。近づいて見ると、びっしり「りんごという果実」が並んでいる。「可愛いピンクには気をつけよ!」、部屋一面を甘酸っぱい果実で満たしたい人なのだろう。

by sakaidoori | 2010-03-17 11:47 |    (時計台) | Comments(0)
2010年 03月 11日

1224)①時計台 「2009年度道教育大学岩見沢校美術コース 第1回卒業制作展」終了・2月15日(月)~2月20日(土)

○ 2009年度 北海道教育大学岩見沢校 芸術課程・美術コース 
    「第1回 卒業制作展


 会場:札幌時計台ギャラリー
      中央区北1条西3丁目
       札幌時計台文化会館
      (東西の中通りの北側にあるビル)
     電話(011)241ー1831

 会期:2010年2月15日(月)~2月20日(土)
 時間:10:00~16:00まで)

ーーーーーーーーーーーーー(2・20)

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     ↑:1階A室。


 ゆったりした展示で、のんびり見れた。インパクトの強い作品が少なかった。全体としては例年より良い感じなので、より個性的で驚く作品を見たかった。残念なところだが仕方がない。

 以下、絵画中心の簡単な掲載です。学生数が多くてそうしきれないかもしれない。

 絵画は特に個性的な作品が少なかったと思う。皆なそれなりに仕上げているのだが、勉強の集大成といった感じだった。「絵画という様式」と「若者(学生)の志」との関係が強く強くこちらに迫ってこない。皆なおっとりと画業に努めているのだろう。気ぜわしく見るこちらが良くないのかもしれない。


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     ↑:油彩画研究室・桂下いずみ、「A fortune's favorite」(幸運児)・綿 油彩 アクリル 1800×2150㎜。

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 腐食版画を拡大して着色した感じ。
 紅いつぶつぶの塊、もし黄色だったらチョウチョが葉っぱに付けた卵とまったく同じに思ってしまう。黄色い卵は成長すると黒い薄紙のようになり葉っぱに引っ付いている。粘着膜で覆われているのでなかなか取り除けない。そして、黒さに厚みができて動き出す。やがて小さな青虫に。その糞の黒丸さはだんだんと大きくなり、体は緑も増して3,4㎝にもなる。俗に嫌われるメタボ状態で図太く葉っぱに食らいついている。その先の成長する姿は見たことがない。

 この絵もやはりドローイングと言って良いのだろう。伸縮する線というよりも、一個の生命体と呼ぶべき一筆一筆の痕跡だ。良性の腫瘍のようだ。今作の画家は若い。熟女と呼ばれる年齢になった時、その時、この好光性のドローイング世界はどういう方向と色に向きあっているのだろう。


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     ↑:油彩画研究室・湯田慶子、「物語の余白ー採掘場」・木製パネル 油彩 194×162㎝。
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装飾模様という姿で女のベッドルームから「何か」が遠慮がちに空間をうかがっている。 とにかく緑が眩しい。そして、課題として出品している人物画が大作と一体化している。大作の隠された人物の顔、それが画面から飛び出て画面をにらみ返している。まるで晒し首の怨霊のように。










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     ↑:日本画研究室・大西愛子、「ものいうかめ」・木製パネル 和紙 岩絵具 1621×2272㎜。

 新生教育大学に新たな日本画指導者が赴任された。その指導による第1号の卒業生作品群の一つ。

 とても丁寧で綺麗で上手です。大判の絵巻物の一枚を見ているみたい。竹藪の密な世界などもさらりと濃厚に仕上げている。たいしたものだ。日本昔話の「もの言う亀」が題材とのことだ。
 ただ、学生がしっかりと絵に取り組んでいる姿勢はよくわかるのだが、「描き手の生理・意図」が伝わってこない。こういう作品は注文主がいたり、飾るところがあらかじめ決まっている場合の作品のように思える。
 焦ることなく、今後を見続けることにしよう。


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     ↑:油彩画研究室・武田紗千、「デッサン」・キャンバス 油彩 1303×1621㎜。

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 小品の人物画が好きだ。厳しく人を見つめている。大作は年配者を描いている。優しく描いている。


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     ↑:油彩画研究室・山内太陽、「明日はきっと忘れている」・綿布 油彩 1606×2000㎜。

 山内太陽、この二年程不定期的に作品を見続けている。風景と遊んでいる画家だ。時にいたずらっぽく、時に心象性を高めて、時に「画家・山内太陽」として力強く「風景」を描く。彼の作品に対してとりとめなく思うのは、彼が「形」をしっかり描いたり描かなかったりするからだろう。「形」、「奥行き」、「拡がり」に対して本人の意識はどの辺にあるのだろう?試行錯誤の右左なのかもしれない。
 今作、まるで自作をうち捨てるようなタイトルだ。卒業作品だ、「描き終えたこの位置にはオレはいない」という自己宣言か?確かにこの絵は何を描いているのかが判らない。モヤモヤした気分だ。そういう意味でも忘れ去られるのだろう。
 「夜明けのこない夜はない」と、初めは見てしまった。


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     ↑:油彩研究室・高木瑛、「ある風景」・キャンバス 油彩 1800×1600㎜。

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 全体は公募展的なオーソドックスさで、部分部分に自分流を出そうとしている感じ。
 装飾模様で女の下着やベッドルームから「何か」が遠慮がちに空間をうかがっている。現代版若き入れ墨師になって、女の背中やシーツに背景に、「ある風景」を遠慮せずに迫ればいいのに。
 
 掲載した「頭の部分図」あたり、絵らしい嘘さがあってアンバランスな感じが好きなのだが、このアンバランスさが絵全体の中でより効果的になればと思う。
 足など、とてもリアルだ。リアルに迫る絵にしたいのだろうか?リアルに描けるから描いただけなのだろうか?片方の足先だけでもぞんざいに描いたらどうなるのだろう?


 (あと数名項を改めて書きます。)

by sakaidoori | 2010-03-11 16:23 |    (時計台) | Comments(0)
2010年 02月 17日

1201) 大丸藤井セントラル 「札幌大谷高校美術科 第21回卒業制作展」 終了・2月1日(火)~2月7日(日)

○ 札幌大谷高校美術科 第21回卒業制作展

 会場:大丸藤井セントラル 7Fスカイホール
    電話(011)231-1131
    中央区南1条西3丁目
     (東西に走る道路の南側)

 会期:2010年2月1日(火)~2月7日(日)
 時間:10:00~19:00
    (最終日は17:00まで)

ーーーーーーーーーーー(2・4)

 おおむね、高校生展は終了しました。多くは会期中に載せれませんでした。おいおい載せていきます。「大谷高校」、「北海高校」、「旭丘高校」、「道展 U21」などです。

 今回は「大谷高校」です。

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 絵画部門、立体部門、デザイン部門の3部構成です。毎回同じ展示方法です。入り口側の壁面に絵画作品。残りの壁面にはデザインというか、非絵画作品の展示。中央の空間に立体作品です。いつものように、絵画と立体作品のみの紹介であり、文章です。

 絵画は個性バッチリで充実しています。
 フワーッとした作品も多くあり、それらは瞬間的にはインパクトは少ない。不思議な感じで見ていると、「何を画きたいか」が明快で、「フムフム」と見続けてしまって、なかなか楽しい時間でした。

 立体作品、個々はおもしろいのですが、全体の印象はどことなくコンパクトな感じ。「小さな幸せ、小さな表現、だってオンナノコダモン」そんなつぶやきが聞こえそうです。男子学生不在だからでしょか、もう少しオテンバ娘振りを発揮してもらいたいところです。
 原因の一つに、作品の大きさ制限が足かせになっているのではと思いました。全員がバカでかい作品では関係者も困るでしょう。その辺はケースバイケースで対応して、より大きな作品にチャレンジする学生がいてもいいのでは。

 それでは、個別作品を何点か紹介します。
 まずは絵画で、インパクトの強い三羽ガラスから。

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     ↑:左側 ①岳田ななつ、「quill」。
     ↑:右側  ②渡辺ちはる、「ロマンチック」。

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     ↑:③小島小夜、「ゆりかご」。

 どうですか、このギラギラ振り!それぞれの視点はかなり違いますが、主張が明確・明快・爽快。しかも、単に元気良いばかりでなく、「絵」というものをかなり操り、「絵」に対して自由なのが良い。

 ①の羽根の絵が特に気になるります。「自分の好きなもの、画きたいものを詰め込みました」と学生は語っています。
 その詰め込まれた物がマジシャンの不思議袋の中で顔を出しているみたい。一見すると何なのかは判りにくい。一つ一つの部分を、元気よくたくましく描き上げ、それぞれに好みの順番をつけない。その平等精神が、かえって何を画いてるかを判りにくくして、絵の魅力を増している。

 ②の人物画も目を惹く。人物を白い点線で囲っているのが注目だ。この部分が強く目に飛び込んで、個別の物の強さを減らす効果になり、全体で3D的な立体画になっている、「渡辺ちはる風・遠近法」だ。
 「目」が飛び込んでくる、女の子の「顔」が迫ってくる、「帽子」の中の生き物たちも負けずに追っかけてくる。「赤いリボン」が凛々しく眩しい。背景の色の縦縞もセールス・ポイントです。

 ③の「手」、ただの大きな大きな「手」です。「この中は安全だよ。でもずっと居ちゃいけないよ。白い小鳥へ」、学生の言葉です。
 「手」を鳥のゆりかごに見立てている。
 ここに二人の小島小夜さんがいる。力強い自分という「手」。卒業、18歳を過ぎる宣言かもしれない。その手は、か弱き小鳥という「自己」にもなる。二人の自分、大きな存在、小さな存在。卒業する自信と不安・・・、タイトルと重ねて見た時に、もう一つの鑑賞ができる作品です。

 次に静かな作品です。

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     ↑:左側 ④・吹田侑華子、「めいてい」。
      ↑:右側 ⑤・佐藤しおり、「こんばんは」。

 両作品とも、学生の説明文には感心します。

 ④吹田さんの「めいてい」、高校生なのに変なタイトルです。
 吹田さんの高校3年間は酔っぱらっているかのような楽しさ一杯とのこと!でも、「絵」にかんしては低迷時代で辛かったと!そんな「酩酊(めいてい)」で「低迷(ていめい)」な気分での作品です。
 絵が描けなかったと彼女は言う、モヤモヤしていたとも言う。青春を本人の代わりに「絵」が苦しんでくれたのでしょう。カンパイしましょう、メイテイさんに!

 ⑤は暗い作品だ。高校生のブルーな心象風景なのかな?
 「静かで生命感のない建物を描きました。建物の奥行きや寂しげな所をみてもらいたいです」
 あー、何て正直な言葉なのだろう。「空気感を出したかった」、そんな言葉でなくてよかった。しっかりと、その寂しげさを僕は見た。


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     ↑:左側 ⑥戸叶愛理、「蛹」。
     ↑:右側 ⑦姫野やよい、「BOX」。

 ⑦のボックスが良い。もう、完全な抽象画と言ってもいいかもしれない。画いた人が「四角を描いた」と言えばいいのです。それにしても、何もないBOXだけを描こうという心根がいいですね。何がしかの気分を伝えようとする絵でしょう。物に囚われないで、色と形と組み合わせだけで絵にする。絵画のスタンダードをしっかり実践しています。

 他にも面白い絵画が沢山あります。残念さを理由にして、この辺で立体に移ります。直ぐに移りたいのですが、疲れてしまったので、後日ということで。ゴメン!

by sakaidoori | 2010-02-17 17:45 | 大丸藤井スカイホール | Comments(0)
2009年 12月 17日

1131)③コンチネンタル 「平岸高校デザインアートコース3期生卒業制作展」終了・12月8日(金)~12月13日(日)

○ 札幌平岸高校デザインアートコース三期生
    卒業制作展


     会場:コンチネンタル・ギャラリー
    南1条西11丁目 コンチネンタルビル・B1F
    (西11丁目通の西側)
    電話(011)221-0488

 会期:2009年12月8日(金)~12月13日(日)
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~17:00まで)
  
ーーーーーーーーーーーーーーーーー(12・8)

 (1113番①、1119番②の続き。)

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     ↑:上下とも丹代(たんだい)裕子。上、「針花」。下、「まくま」。
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 この人の、大きいと言うか膨らむ感覚が良い。「包み込むよう造形感覚」というのでしょう。雪が包んでいるようなボリューム感です。
 そうして「中心は輝き、発散させる」、というのが彼女の本領だと思う。花のガラス片?はまさにその言葉どおり。縫いぐるみに包まれて、中の人間の「満ち足りた気持ち」が輝き発散させている。
 それにしても二つの作品、すぐに同じ人の作品とは思えない視点だ。表現の幅の広い学生だ。

 大らかな精神に、ユーモアはピッタリです。
 「佐藤一明以上のTeacher」と、自己PRのキャプションに、招来の抱負を宣言している。佐藤一明さんとは、担当の先生でしょう、だるまのような木造ストーブを手掛ける造形作家です。先生としての氏を超えれるかもしれませんが、作家として超えれるか?期待しています。


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     ↑:小林ゆい。上段左、「ドウブツスキー博士の好きな日本語。上段右、?
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 帰りしなに、受付の女子学生に自身の作品を尋ねてみた。参加学生と何もお話ししないで帰るのは、少し物足りないではないですか。
 「天上天下ゆいが独尊」とPRしている「小林ゆい」さんです。どうして「ゆいが」を漢字にしないのだろうと思ったら、「ゆい」だからです。

 丹代裕子が膨らむ人ならば、彼女は宝箱に大事な物(動物)をしまい込んで、夢語りのように物語を作る人のようです。
 聞けば、来年は日本画を学ぶとのこと。輪郭すっきり、色鮮やかな彼女のスタイルは「日本画」的です。道外の進学が決まったとのことです。おめでとう。大学時代の大作をいつの日にか見たいものです。


 約束していた二人の紹介がやっと済みました。画けばキリがありません。来春の道展主催・「U-21」で、再会できるかもしれません。

by sakaidoori | 2009-12-17 10:04 | コンチネンタル | Comments(0)
2009年 12月 11日

1119) ②コンチネンタル 「平岸高校デザインアートコース三期生卒業制作展」 12月8日(金)~12月13日(日)

○ 札幌平岸高校デザインアートコース三期生
    卒業制作展


    
 会場:コンチネンタル・ギャラリー
    南1条西11丁目 コンチネンタルビル・B1F
    (西11丁目通の西側)
    電話(011)221-0488

 会期:2009年12月8日(金)~12月13日(日)
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~17:00まで)
  
ーーーーーーーーーーーーーーーーー(12・8)

 (1113番①の続き。)

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     ↑:眞柄花穂、「rapport #64」。

 ルーベンスが下敷きになっています。彼の絵は、そのベタベタ感と動きの大仰さで大人には人気が薄いようです。その肉感たっぷりと画面を覆う雰囲気を眞柄さんは好むのでしょう。エネルギッシュだ。
 強さと真剣なユーモラスが印象的。

 絵には日本と深い関係のある三ヵ国を暗示的に挿入しています。
 花の日本、肩のハングル文字の韓国・北朝鮮、原子爆弾の合衆国、右下の看板と飛行機はどこの国だろう?中国ではなさそうだ。


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     ↑:三浦有葉、「夫婦愛」。

 かなりの大作で色が溢れている。そこ無しの明るさ、派手さ加減が良い。
 タイトルにチョッと驚く。「恋人同士」ではないのだ。両親の永久の愛、死ぬまで愛し合って欲しいという願いを込めているとのこと。
 三浦御夫婦は恥ずかしいやら嬉しいやら、頬が緩みっぱなしでしょう。
 次は「自分の愛」を画きましょう。


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     ↑:高橋和加奈、「情報社会」。

 立体造形という彫塑に正面から取り組んでいる。美術と社会、個人をつなごうとしている。確かに派手では無いが、これが基本だろう。ここから全ては生まれる。
 絵本作家になりたいとの希望。ボンボン物語を作って語って美術にして下さい。


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     ↑:林麻衣、「」。

 中品。他のノート大の連作を含めて、静かに向こうに行きたくなるような感性・空気感・距離感を表現している。今風と言えばそれまでだが、ぶれない感性が新鮮だ。


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     ↑:平出彩、「世界に贈る」。

 腹の底から笑ってしまった。
 「最後の晩餐」は世界の子ども達に夢を贈る戦略会議になってしまった。作品は贈りもので飾られている。こういう底抜けのユーモア、小さいながらも大きな笑いを僕はもらった。何事もこういう徹底さ、常識を吹き飛ばす智慧をもたなければいけない。大いに感心してしまった。

 「情熱大陸に でられるような できる女 になる」
 そういう女に是非なってもらいたい。


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     ↑:朝比奈ふぶき、「いえ~い」 「CITY」。

 悶々とした絵だ。
 キャプションに「働きたくない」と書いてある。ならば絵を飽きるまで画こう!!苦しみをもっともっと吐き出して、人が嫌がる絵を画こう。僕はそういう絵が大好きだ。そういう絵が見たい。


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     ↑:湯田紗綾、「in the box」。

 何てことのない箱を期待もせずに覗くと・・・、小さな世界がずーっと向こうまで続いている。チョッとした工夫なのに、なぜだか幸せな気分になってしまった。


 (あと二人は載せたいのですが疲れたので、③に続く

by sakaidoori | 2009-12-11 23:59 | コンチネンタル | Comments(0)
2009年 12月 09日

1113) ①コンチネンタル 「平岸高校デザインアートコース三期生卒業制作展」 12月8日(金)~12月13日(日)


○ 札幌平岸高校デザインアートコース三期生
    卒業制作展


    
 会場:コンチネンタル・ギャラリー
    南1条西11丁目 コンチネンタルビル・B1F
    (西11丁目通の西側)
    電話(011)221-0488

 会期:2009年12月8日(金)~12月13日(日)
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~17:00まで)
  
ーーーーーーーーーーーーーーーーー(12・8)

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     (↑:A・B室を3コーナーに分けての展示。)


 とても良い展覧会です。
 自分の表現したい事を、今の自分の技術・スタイルで貫いている姿勢が良い。
 目一杯、チャンと作品を作っている。確かに「楽しんでいる」、という言葉は間違いではないが、作品に対する執着度がこちらにグッ迫るから、そんな言葉だけを学生達に贈るのはとても失礼な感じだ。
 「表現したい具体的な何か」という目標が定まっていて、使う道具・技術にも「これっかない、これで行こう、足りなければ勝手に作ろう」という姿勢だ。悩み苦しみ楽しみなどはどこ吹く風という、作品と学生との一体感がはっきりしている。悩み・苦しみ・楽しみが作品に会場全体に詰まっている。
 この自分を信じる姿勢を今後も貫いて欲しい。結局、最後は自分しかないのだから。作品と社会生活とはイクオールではないのだから、安心して「傲慢」な「我」を通した作品を作って欲しい。


 30人以上の作品群です。とびきり驚いた二人から載せます。

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     ↑:橋本康平、「精一杯の抵抗」。

 鹿?会場入り口でドーンと迎えてくれる。
 材料は流木。流木の収集や乾燥、塩抜きの苦労話の説明がなされている。「抵抗」の中味は作品で勝手に理解せよ!と突き放している。
 おそらく、流木拾いが楽しくて楽しくて仕方がなかったことだろう。ある流木には作品全体像のどの位置が良いかが見えていて、早く作りたかったことだろう。ただただ流木の姿・形・感触に満足して拾い歩いたことだろう。打ち捨てられた場の匂いや空気に浸ったことだろう。なるほど。
 担任?の先生が「幼い頃の積み木(ブロック)遊びの延長みたいな・・・」、そんなことを語ってくれた。
 一個々の流木が、彼の現在の抑えがたい悶々の結晶で、細胞や骨のようにして自画像としての鹿の内部に存在している。「何か」を叫んでいる。体つきは細身でなくてはならない。

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     (↑:頭と尻。)


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     ↑:小野穂奈美、「カンパニー・オノ」。


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 古さと新しさ、コピーとオリジナルが混ぜこぜになった雑貨屋さん。

 ラジカセが鳴っている。(なんてレトロなんだろう。)聴きたい音楽のメニューに通し番号が打ってあり、それらのCDがビニール袋に入れられている。(自由に聞いていいのだ。)全てのカバー意匠は、パソコン仕立てで作り替えられている。展示物は「商品もどき」で、個々の作品性よりも展示全体のムードを重んじている。だから、どれを見ても同じに見える。重たい小野・金太郎飴だ。
 展示机の下にダンボールがあり、何かの箱が無造作に入れられている。商品の在庫だ。まるで演劇の小道具のようで、隅から隅までの配慮は心憎い。

 恐るべき手作りさで、他人の世界を強引に自分の世界(価値観)に作り変えている。コピーとオリジナルの境界がない。柔な不透明な境界線でなくて、強い一体感で境を吹き飛ばしている。デザインの色合いはベッタとしていて匂いにもなり、虚脱感めいた音楽は色を漂わせている。
 個々も全体も自分好みに作り変えている。この執着心、強引さが良い。
 今は小さなシュールな世界だが、それを徹底して大きくしてもらいたい。大きく成長して欲しい。間違いなくいろんなことが出来る人だ。


 (思いの外、二人のことばかり考えてしまいました。②に続くと言うことで。)

by sakaidoori | 2009-12-09 15:29 | コンチネンタル | Comments(0)
2009年 03月 30日

955) 円山・CAI 「第13期 CAIアートスクール卒業制作展」 終了・3月22日(日)~3月28日(土)

○ 第13期 CAIアートスクール卒業制作展

 会場:CAI現代研究所
     中央区北1条西28丁目2-5
     (環状線から北海道神宮方面に曲がり、直ぐの左側の中小路に入る。50mほど先の右側、コンクリートの一階建て。)
     電話(011)643-2404 (13時以降)
 会期:2009年3月22日(日)~3月28日(土)
 休み:
 時間:13:00~19:00 

※ オープニング・パーティー:3月22日(日) 19:00~

 【出品学生】
 井口工真 植田美知代 大西亜美 柿澤万里沙 笠井睦代 黒岩絵里子 鈴木悠哉 高木利沙子 蓼内由香里 田中裕子 星野将毅 松久恵理・・・以上、12名。
    
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・2)

 不思議な展覧会でした。
 卒業制作展ですから、作家の主張が全面にでた作品群になるはずなのです。何故だか、妙に一つにまとまった展覧会でした。栄通流に名付ければ「やさしい展覧会」です。まるで自分の個性を集団の中で際立たせるのを避けようとしている、そんな勘違いをしてしまいます。
 「やさしい展覧会」ですから、個性的な作品が少ないということです。

 何故、やさしく見えるかというとーー

 ① 舞台装置のように石がそこかしこに置かれています。インスタレーション作品の石ころです。結果として会場全体が均一なムードやリズムを帯びることになった。

 ② 授業で習ったと思えるような画材としての風船が、適当に散りばめられています。①と同じ効果。作品と言うより、飾りになっています。作家を特定しにくい。

 ③ 一人の作品の展示領域を限定していなくて、2、3ヵ所に分散されています。「鑑賞者ー作品ー作家」という会話を妨げている。作品に際立った質の高さや違いがないのは仕方がないのです。差異をを生んでいなくて、「誰が描いたのだろう?」という意識が薄かった。

 ③ 以上の理由で、メインの会場が匿名性で覆われている。キャプションはしっかりあるのですが、いろんな理由で誰の作品かは分かりにくい。
 別室の作品は、メインの部屋の廻りを浮遊している感じ。全体とのからみで個が成り立っている。それは全体あっての遊び空間になっている。


 卒業制作展を何かのテーマだけで統一することは無理だろう。だが、今回の学生達は無意識に他人の事(作品)を優しく配慮している。相手の領域に静かに入り込んで、居心地良く振舞っている。普段の授業で、学生達の強い親和性が生まれたのだろう。良いことなのか悪いことなのか?
 今回の彼等の表現力は、まだまだ拙い。それは構わない。作品に実力が備わった時でも、何食わぬ顔で融合展ができるのだろうか?


 会場風景と個別作品を数点載せます。

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     ↑:松久恵理。大作は「生きるときめてから」、床の黄色い作品は「私」。

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     ↑:柿澤万里沙。上の階段のタイトルは「あなたがその手を汚してまで手にしたものは何でしたか」、あるいは「さよならの音は聞こえましたか。」

 丹念な線描画です。マジシャンが袖を通して掌からハトを出すように、繰り返された模様の線描の中からロマンが生まれるみたい。小室でも構わないから、個展の中での物語を見たいですね。


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     ↑:カサイ ムツヨ、「白闇に」。

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     ↑:ami、「うねり」。

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     ↑:井口工真、「心象スケッチ」。

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     ↑:左側、井口工真。右側、カサイ ムツヨ。


 個別作品としては広いメイン会場よりも、隣接した部屋の作品の方が印象に残りました。おそらく、オーソドックスに独立しての展示だったからでしょう。
 以下、それらの作品です。

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     ↑:鈴木悠哉、「loft」。
 メイン会場の置くにある階段上の部屋。
 屋根裏部屋のようなゴチャゴチャとして狭い空間が好きな人のようです。その部屋で一人何かの作業をして、その痕跡を楽しんでいるようです。作品は絵ですが、絵そのものよりも、写真のように記憶として関わっているみたい。


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     ↑:左側、星野将毅・「唯」。右側、蓼内由香里・「Soul」。

 喫茶ルームでの展示。 
 「Soul」、小さい作品ですけど一つだけですから妙に目に入ります。鎖の位置を変えて楽しむのでしょう。

 「唯」、下がり壁の展示。目が仲間達を見ている。


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     ↑:白い建物は田中裕子・作。室内の作品(本)は高木利沙子・作。

 今展で最も興味深かったのが、この白い建物です。当然、中に入って気分を味わってきました。女の子の秘密のカプセルです。
 中には製本された写真本があって、その制作者がカプセルを作った人だと勘違いしそうです。一人だけの部屋ですが、やっぱり今展の「やさしい展覧会」を象徴しています。誰が作ったのかは二の次みたいです。皆が喜んでもらえればそれでいい、と。

 天井はお月さまみたいに光り輝いていた。白い部屋を温かくしていました。


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by sakaidoori | 2009-03-30 18:57 | CAI(円山) | Comments(0)
2009年 03月 04日

931) 札幌市立高専構内 「卒業・修了制作展’09 ◎本展」  2月17日(火)~3月7日(土)

○ 札幌市立高等専門学校
   第14回本科卒業制作展・第12回専攻科修了制作展 ’09

◎ プレ展

 会場:大丸藤井セントラル 7Fスカイホール
    電話(011)231-1131
 会期:2009年2月10日(火)~2月15日(日)
 時間:10::00~19:00
   (最終日は、~17:00まで)

◎ 本展

 会場:札幌市立高等専門学校 
    南区芸術の森1丁目
    電話(011)592-5400
 会期:2008年2月17日(火)~3月7日(土)
 時間:10:00~17:00
    (最終日は、~12:00まで)

ーーーーーーーーーーー(3・3)

 初めてこの学校に行った。築造20年弱の近代建築物だ。展示はその建物全体を使っていた。広い、というより長い展示だった。訪問者用のイスも無く、ただ淡々と歩いた。もちろん作品を見るのが最大の目的だが、近代建築とは何か、学舎とは何かをいやがうえにも考えさせられた。確かに建物は素晴らしい、自然も申し分無い。近くには道内を代表する美術館もある。恵まれた環境と建物だ。設立時、中卒後に入学した学生は面食らって通ったことだろう。札幌の中の東京だ。その刺激に15歳の青年達は自己を育てきれたのだろうか?

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     (↑:学内の全景。卒業終了制作展図録より。)

 左に伸びている道路はバス路線のメイン道路にたどり着く。当然そこにはバス停がある。そこを南に行けばすぐに芸森の入り口がある。

 バスから降りて、ほんのわずか2、3分歩けば校門入り口だ。そしてその広い敷地、かなりの高低差のある建物群は空中回廊で結ばれていて、外に出ること無く1日の学業を終えることができる。我々夫婦2人の美術好事家は予期せぬ学校のたたずまいに作品を見ながら歩き回った。入り口のホール、エレベーター、空中回廊、初めて左に曲がり二つの広場、バベルの塔の懐のような空間、作品は無いのだがその建物の最上階と階下へと降り、同じ道を辿って入り口に戻った。

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     (↑正面玄関ホール。)
 受付の女子学生が2人、並んでちょこんと座っている。過去の図録が無料配布されている。今年の図録はただ今作成中。実に立派だ。美術系の図録では道内一だと思う。

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     ↑:朴成羅、「フタモノ」。
 茶色のテント風な袋の中には手作りの都市の建造物などが並んでいる。木のふたをはずして中を見るわけだが、幾つもふたは有り、場所場所によって中の風景が変わって見える。何てことはないが良いアイデアだと思う。
 作者の学生は韓国名のようだ。留学生なのかな?

 階段もあって上に行けると思ったが行き止まり。仕方なく戻ってエレベータで・・・。

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     ↑:環境デザイン・奈良詩織、「地球と月の間から」・自然の素材を用いた空間表現。

 エレベーターを降りるとまさにそこは空中展望台だ。光、光、山と民家と雪と・・・。
 その場を生かした作品が展示されている。説明文を読むと非常に壮大で意欲的だ。この場所で地球を見て、月を見て全宇宙の臍のような場としてここを体感させようとするのだ。使われた植物の素材は学園近辺から四季折々に集められたもの。
 できればイスかゴザが欲しかった。立ってばかりではこの場所の魅力は半分だ。寝て座って友と語らい自然と語らう・・・どうでしょうか奈良さん、僕の意見は?

 ただ立ち去るのはもったいないので、ここからの風景写真を載せます。

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     (↑:芸森方面。以下左回り。)

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 さー、これから長い長い鑑賞の旅が始まるのだ。しっかり報告したいが、建物の方が僕の能力を超えている。竜頭蛇尾に終わりそうだ。だが、建物の特徴がわからなければ作品のムードも、学生達の5年間という意味もわかりにくいと思う。
 適当に続編を書きます。
 

by sakaidoori | 2009-03-04 23:37 | ★その他 | Comments(0)
2009年 02月 21日

917) ②写真ライブラリー 「札幌ビジュアルアーツ写真学科 卒業制作写真展」 2月18日(火)~2月22日(日)

○ 専門学校 札幌ビジュアルアーツ・写真学科
    卒業制作写真展

 会場:札幌市写真ライブラリー
    中央区北2条東4丁目
      サッポロファクトリー・レンガ館3階
    電話(011)207-4445  
 会期:2009年2月18日(火)~2月22日(日)
 時間:10:00~19:00
    (最終日は ~?:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(2・20)

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 (①・916の続き。)

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     ↑:中明昌弘、「或肖像、或想像」。

 上が撮影者の野菜を組み立てての肖像画写真。下がそれらの写真作品を子供達に見せて書いてもらった絵、と説明書きにあります。
 この方法自体は取り立てて目新しくも無い。例えば、教育大学の学生が「子供にとっての絵画の可能性」という課題でパネル展示をするかもしれない。街中の公共空間の壁面を使っての展示も普通にあるだろう。
 していることはもしかしたら全く同じかもしれない。実際、説明書きには「小学校低学年の想像力を養うための教材としての写真」とある。
 だが、「ビジュアルアート」の卒業写真展の中でこういうのを見ると、ある種のアイロニーなり、この撮影者ならではの遊び心を感じてしまう。僕の誤解かもしれないが。


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     ↑:横塚大志、「バイタルチェック」。

 ピエロのパントタイム映像を見ているみたいです。痩せぎすで神経質な都会の青年のセンチメンタルな孤独と、自分しかできない哀しき曲芸の個性、その対比構成です。
 とても臭い、臭いがスケボーの動きが生きていて臭さも味になっている。心象的なムード先行の写真が無いのも良い。
 それにしてもスケボーの被写体と撮影者の呼吸はぴったりで感心ものだ。


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     ↑:李 嘉慧(韓国アンニャン芸術高校出身・韓国からの留学生)、「Fake」。
 「シンプルなものは美しい、美しさの中に遊び心を」、そんな見本のような作品。
 膝下のラインや素肌、若い生命力を思う。かかとの上がった姿も人目を引く。街中のショー・ウインド用に大きなポスターを作ってみたい。

 学生が会場にいたので話がしたくなった。写真のことよりも、その人のムードが知りたかった。優しく綺麗な日本語だ。日本語の感情表現もしっかりしている。昨年の年末にも資料館で韓国人の学生2人を見かけた。
 来日する韓国の観光旅行者も大事だが、こうして日本に何かを学びに来る男女の学生を見ていると嬉しくなる。彼等の人格は知らない。それで充分だ。ただ来てくれるだけで、会える機会があるだけで何かが生まれる。
 市役所の地下食堂でも予習として生徒に中国語を教えていた中国女性を見たことがある。キャリア・ウーマン的な美貌で30歳位だった。盗み聞きするその中国語の何て綺麗なこと!水玉の流れるようなリズムだった。途中に聞こえる彼女の日本語滑らかで、ついつい話しかけてしまった。


 被写体に対する考察、何を撮りたいかというテーマもしっかりしている。人間を撮る学生も沢山いた。一人ではあるが労働者を通して社会を見つめる作品もあった。ありきたりの風景や情緒・心象に流れすぎる作品は無かった。
 一方、より強い社会性や風俗、都市に迫る作品も無かった。それは今の時代に、学生には高望みなのだろうか?
 が、良い写真展だった。是非、個展・グループ展と発表し続けて、自己のテーマを掘り下げて欲しい。

by sakaidoori | 2009-02-21 22:28 |    (写真ライブラリー) | Comments(0)
2009年 02月 20日

916) ①写真ライブラリー 「札幌ビジュアルアーツ写真学科 卒業制作写真展」 2月18日(火)~2月22日(日)

○ 専門学校 札幌ビジュアルアーツ・写真学科
    卒業制作写真展

 会場:札幌市写真ライブラリー
    中央区北2条東4丁目
      サッポロファクトリー・レンガ館3階
    電話(011)207-4445  
 会期:2009年2月18日(火)~2月22日(日)
 時間:10:00~19:00
    (最終日は ~?:00まで。)

 【出品学生】
 (だいだい色の目録を載せます。拡大して確認して下さい。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(2・20)

 16名の学生達です。学生の作品としてはとても良いと思う。ありきたりの心象や風景に流されずに自分のテーマを見つめよう表現しようとしているのが何より良い。
 卒業した彼らにとって、「カメラ」がどういう位置になるのかは知らない。是非、良き仲間を見つけてグループ展なり個展を開いて欲しいものだ。

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     ↑:浪江佳代、「セルフポートレイト ~そんなこと~」

 こんなに自分好みの作品に出会えたのは久しぶりだ。
 被写体の主人公は撮影者の浪江佳代さんだ。セルフタイマーでの撮影。そのために少しピントとかは甘い感じだし、動きにも欠ける。だが、そんなことよりも極端に創ったシチュエーションを買うべきだろう。この作品の主旨は、「見て見て、笑ってもらって有り難う。私、あなたを笑わしてあげるわ!」が全てだと思う。
 それにしても感心な工夫をしている。写真屋の店先、スタジオ、病院、レストラン、銭湯、結婚式場などなど、舞台背景をそれぞれのお店と交渉して利用している。そして自分自身が演技者になっている。
 この行動力、創意工夫は見上げたものだ。
 個人的希望を言えば、魚眼レンズを使ったり、広角を利用したり、ドアップの変体過剰気味なのもあっていいのでは。演技とは裏腹に写真としてのバラエティーに少し欠けた感じ。
 次の個展なり、グループ展があれば是非見たい。



 (②に続く。)

by sakaidoori | 2009-02-20 23:02 |    (写真ライブラリー) | Comments(0)