栄通記

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2007年 11月 22日

408) 富士フォト・サロン 「ウリュウユウキ 写真展」 終了・11月16日(金)~11月21日(水)

○ ウリュウユウキ 写真展
    旅をするフィルム

 会場:富士フォトサロン札幌
    北3西3 札幌北三条ビル1階・北向き
    電話(011)241-7366
 会期:2007年11月16日(金)~11月21日(水)
 時間:10:00~18:30

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 ダーク・グレーの壁に新旧作品・87点の展示。モノトーンの写真に白の額装、何点かを一塊にして、流れるような配置。レイアウトの工夫も見事で、飽きることはない。これだけの作品数を一定の緊張感を維持しながら見せるということは大変なことだ。彼の充実感が伝わってきて、実に好ましい。

 1976年長野生まれ、ということは現在31歳。
会場には本人の「写真と旅」に対するメッセージが用意されている。とても大事な言葉ではあるが、極力無視して作品をかなり長い間眺めてきた。彼にとっての旅とは何か?僕にとっての旅とは何か?そもそも旅とは何か?そんなことに意識が集中した。僕には写真を言葉にするには難しい。なぜ写真を言葉にするのが難しいのだろ。

 「旅」・・・タビと聞いて現代人はどんなイメージが膨らむのだろう。心の旅、レジャー、物見遊山、逃避行、逢瀬、暇つぶし、明日への活力の為のリフレッシュ、日常からの離脱、思い出作り・・・。一人で旅する場合、恋人や不倫の人との二人連れ、気の会った連中とのグループ旅行。
語源的(中国人の考え)には、旗ざおの下に人々が連なって進む様とのこと。旗ざおはその氏族を束ねる精神的な象徴で、霊的な集団行為を意味しているようだ。商売としての隊商、はためく軍旗を先頭に厳かにすすむ旅団、山や川の神に供え物をささげに行く祭りとしての移動、これ等は全て旅であった。

 集団性と神性から切り離され、個人の問題としてウリュウ君の「旅」を目にしている。
 彼の旅は過去的だ。過去に住んだ場所に行き自己確認のようにして写真を撮る。
 旅で出会った風景の写真を撮る。やや曇天風で、ビシッとくっきり撮っていると思う。ぼかしを強くしたり過度な露光もなく、行き過ぎた心象性を表現してはいない。写生と心象の緊張感。
 日々の暮らしの中での写真。電線や建物の内部風景。これらは絵画的造形を楽しんでいるようだ。線や面の織り成す様に自分の心象風景を重ね合わせようとしているみたいだ。「旅をするフォルム」だ。

 過去的ロマンを秘めながらウリュウ君は旅を撮り続ける。現場主義としての写真は記録と過去性を宿命的に帯びている。その宿命を「旅」として自己の作品の総合タイトルにするのは、写真という行為を全面的に受け入れているのだろう。「今見ている」という現在と写真の過去との反復がウリュウ君の明日への旅になるのだろう。(11・17)

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 ↑:会場の外、屋外の路上から撮った写真。ここは屋外とドア一つ隔てて直結しているのですが、外からは中が見えないように工夫されています。唯一覗ける狭い空間に全作品の映像を一齣を長くしてノンストップで流しているのです。呼び込み用であるのですが、グリコのおまけでもあり、内と外で二度楽しめるわけです。なかなかの展示工夫です。

by sakaidoori | 2007-11-22 13:46 | 写真)富士フォト・サロン | Trackback | Comments(0)
2007年 11月 13日

400) ミクロ 「足立成亮・江波戸剛・遠藤博美 写真展」  終了・10月26日(金)~11月11日(日)

○ 足立成亮・江波戸剛・遠藤博美 写真展 
     bye-bye “gallery micro.”

 会場:cacoi・カコイ(ギャラリー・ミクロ)
     中央区南16条西8丁目1-30
     電話(011)300-8533
 会期:2007年10月26日(金)~11月11日(日)
 時間:18:00~24:00(日曜は11:00~20:00)

 初めて行ってきました。新生ミクロ・・ではありません。名前を改めてcacoi(カコイと以後表記します)として出発です。「ミクロ名には愛着はあるのだが、いろいろと事情があってカコイにしました」とのこと。だから、写真展のタイトルが「バイ・バイ・ギャラリー・ミクロ」とあるのは以前のギャラリーの建造物が取り壊されるのを被写体にしてのバイ・バイ・ミクロ。これからは以前のギャラリーとは別の場であるという、宣言としてのバイ・バイ・ミクロ。ミクロは良い意味でも悪い意味でも、青年を中心にして群れて騒いでお祭り的な要素が強かったと思います。それらを全否定するわけではないでしょうが、場も名前も換えて、新たな思いを付加しようとするのでしょう。どういう風に変化するかは展覧会の進行によって明らかになるでしょう。

 今回の記事はギャラリー紹介を中心にします。

【以下案内パンフから】

・住所、連絡先は今展の会場と同じ。
・定休日は月曜日。
・駐車場五台分あり(1丁東側の北にA・B・Cと表示された空きスペースが在ります。関係者に場所を確認した方がいいでしょう)。

レンタル料金。一週間単位。1日貸し応相談。
 A⇒カコイ・ルーム。3万円。総合壁長さは12.75m。
 B⇒和室。1万5千円。〃11・18m。
 C⇒ちょっと不思議な場所。5千円。一ヶ月常設可能、1万円。

注意:以上の料金設定は2007年中のもの。設備が整い次第、改訂の予定。

 築造70年ですが、立派に改装がほどこされています。展示壁などは白を中心にしていますが、意匠なのでしょう、ざっくばらんなペンキ仕上げです。かなり広い。和室は天井をはずして、50cmほど高くする予定。照明は充分とは言えませんが、近いうちに完備するそうです。以下、写真展の紹介で部屋を想像して下さい。

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 ↑:B室、和室。足立成亮。

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 ↑:A室、カコイ・ルーム。遠藤博美。

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 ↑:A室、カコイ・ルーム。江波戸剛。

by sakaidoori | 2007-11-13 22:30 |    (カコイ・ミクロ) | Trackback | Comments(0)
2007年 11月 07日

392) af 「ヨガ・ラハルジャ(バリ)・ジャワ舞踊写真展」 10月30日(火)~11月24日(土)

○ ヨガ・ラハルジャ(バリ)・ジャワ舞踊写真展

 会場:アリアンス・フランセーズ
   南2西5 南2西5ビル2F・入り口は西向き
    電話(011)261-2771  
 会期:2007年10月30日(火)~11月24日(土)
 休み:日曜・祝日
 時間:10:00~19:00 (土曜日は18:00まで)

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 最近のこの会場ではお馴染みの写真展だ。

 ある作家のジャワ舞踊の写真展だと思っていた。そうではない。二つの写真群の組み合わせ展だ。
 一つは、ヨガ・ラハルジャの作品展。彼は1968年ジャワ島セマラング生まれ。初の個展である。舞踊に焦点を当てつつも、踊り手の人間にスポットを当てている。
 一つは、19世紀末の作者不詳の作品展。ジョグジャカルタ王国出身の舞踊団の写真。おそらく、写真の為に動きを止めての撮影で、西洋人の為の記録・商売用の写真であろう。前者のリアリティー、動き、人間臭さに反して、舞踊そのものの魅力には欠けるが、当時の記録としては価値のある作品である。

 インドネシアは国土も広く、多民族国家だ。多様性に満ちていると言えば聞こえが良いが、人口人工国家で統合性に欠ける。。東インドネシア和蘭領という被植民地としての擬似的統一以外には、一つの国家になる歴史的必然性は薄い。近代国家の統合理念に欠ける集合国家である。だから、東ティモール問題にしろ、国家統合に関わる事件が日本にも頻繁に伝わってくる。会場にも、そういう国家をわずかな写真では紹介できないと明言している。ともあれ、南洋の一地域の限られた写真ではあるが、いつものように刺激に満ちた展覧会である。

 バリ島は観光地として有名だ。その土地の舞踊は文化人類学の良き材料を提供している。日本人にとっては、多くの日本女性が結婚して当地で暮らしいると、テレビで紹介されることがある。当地の男性が優しいとのことだ。傷心な若き女性が心を癒されるのだろう。(11・6)

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 ↑:ヨガ・ラハルジャの作品。


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 ↑:19世紀末、ジョグジャカルタ王国出身の舞踊団。原版そのものがセピア色。

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by sakaidoori | 2007-11-07 21:45 | af | Trackback | Comments(0)
2007年 11月 02日

384)②テンポラリー 「(石田善彦追悼展併催)森美千代・写真展」 終了・10月23日(火)~28日(日)

○ 石田善彦追悼展

 会場:テンポラリー スペース
     北16西5 北大斜め通り・西向き 隣はテーラー岩澤
     電話(011)737-5503
 会期:2007年10月23日(火)~10月28日(日)
 時間:11:00~19:00

同時開催:2階吹き抜けスペース
 森美千代・写真展「時の記憶」


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 (↑:上段は現テンポラリーの改装風景写真。下段は旧テンポラリーの引越し時の写真。この中に何枚か石田さんが写されています。)

 石田善彦追悼展会場に、森美千代さんの写真展が併催されていた。

 この写真群は直接には石田さんに関係しない。円山に在った旧テンポラリーの引越し風景と、新テンポラリーの改装作業中の写真である。前者と後者をそれぞれまとめて別々に展示してある。石田さんは引越し時のコーナーの写真群に何枚か写っていた。メイン会場の追悼が石田氏の翻訳という仕事にスポットを当てているとするならば、この追悼展がテンポラリーで開かれる意味を象徴的に明らかにしている。テンポラリーのオーナー・中森氏をキーにした、「人と場」の流動的息吹の場である。

 もっとも、森美千代さんはルポ的写真を撮る事を得意とはしていない。それらを発表しようとは撮影時にどれだけの自覚があったかも疑問である。実際、ランダムに貼られた写真は、セピア色に加工されたものが多数だ。引越しという人生の大きな節目を、虚実という隙間に置き換えようとしている作家の意思が窺われる。現実から一歩離れた写真家の位置と、芸術というものの遊びが伝わってくる。一枚一枚の写真はスナップで、決して上手いというものではない。写真家はリアルという表現様式に関心が薄いから、切迫感もそんなに伝わってはこない。いわゆるミスマッチ的要素を多分に含んでいる。
 だが、不思議なものだ。階下の書籍の展示が実行委員の性格によるのか、几帳面に翻訳だけに焦点を当てているだけ。それに反して、決して上手とは言えないランダムな写真群が動きと遊びを伴って、二階でざわついている。それらが狭い部屋にいて、心地良く感じられるのだ。展示の妙というのか、階上・階下の「動と静」、「遊び心と真摯さ」、「写真と本」・・・一つのコラボレーションになっていた。

 展示材料の一つ一つがしっかりしている証拠だろう。人と人の信頼関係のなせる結果でもあろう。(10・24)

 参考サイト⇒365)①テンポラリー 「石田善彦追悼展」 10月23日(火)~10月28日(日)
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by sakaidoori | 2007-11-02 20:10 | テンポラリー | Trackback | Comments(2)
2007年 10月 25日

365)①テンポラリー 「石田善彦追悼展」 10月23日(火)~10月28日(日)

○ 石田善彦追悼展

 会場:テンポラリー スペース
     北16西5 北大斜め通り・西向き 隣はテーラー岩澤
     電話(011)737-5503
 会期:2007年10月23日(火)~10月28日(日)
 時間:11:00~19:00

○同時開催:2階吹き抜けスペース
 森美千代・写真展「時の記憶」

○石田善彦追悼ライブ(終了)
 演奏:ベーカー ストリート・碇昭一郎(tp)、鎌田誠規(gt.)、森井千香子(p.)、鎌鈴徹(b)
 日時:10月23日(火)、19:00~
 料金:1500円


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 翻訳家の石田善彦さんは昨年の10月23日にお亡くなりになりました。享年63歳。

 友人である山内慶さんを中心にした追悼展です。大きな部屋での展示ではありません。展示の中心は「翻訳本を見てください」というものです。推理小説を中心にしたアメリカ英米文学の訳本、文庫・新書・単行本がおよそ100冊ほど表紙を見せて展示されています。本の邪魔にならないように原作者・出版社・出版年・ページ数・価格などのキャプションが綺麗に付き添っています。
 全体の展示量としてはたいしたことはありません。静かに見渡すことができます。各種の資料が黒ファイルにしっかりと収められています。各種雑誌への寄稿文などです。石田さんの人となりに親しもうとするならば、こちらの方が貴重かもしれません。
 他に、追悼展には欠かすことのできない、石田さんの愛用品・・ペン、ギター、娘さんとのトゥー・ショット・・・。

 もし、石田さんの翻訳の仕事を全体の英米文学、他の翻訳家との比較など、本格的な位置づけを求めようとしたら不満が残るかもしれません。
 もし、石田さんの言葉としての翻訳の特徴を知ろうとしたら、やはり不満に思うことでしょう。
 もし、石田さんの文章仲間や交流関係を知りたいと思ったならば、ほとんど知ることはないでしょう。
 もし、もし・・・

 多くのことを求めてはいけません。ただただ石田さんが仕事として訳本を残した。それを見ることです。
 もし僕達の中で、死後、どんな形であれ世の中に紹介される人が何人いるのでしょう?紹介してくれる知人を持っているのでしょう?石田さんの最後は親類、知人に看取られたというものではありません。そういう意味では幸せとはいえないでしょう。ある文豪が「人生とは何か」と問い詰め、「思い出として人の心に残ること」と思い至った。石田さんの人となりは詳しくは知りません。今展で多くの訳本を世に出した人、として記憶に残るでしょう。

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 (↑:山内慶さんが石田さんと知り合うきっかけになったモルフォ蝶のレリーフ。「う~ん、綺麗だね」、この言葉がきっかけになって、交流が始まったそうです。)

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by sakaidoori | 2007-10-25 22:18 | テンポラリー | Trackback | Comments(2)
2007年 10月 08日

340 ) af 「マルシアル・クードレット(東南アジア)写真展」 9月19日(水)~10月13日(土)

○ マルシアル・クードレット(東南アジア)写真展

 会場:札幌アリアンス・フランセーズ
   南2西5 南2西5ビル2F・入り口は西向き
    電話(011)261-2771  
 会期:2007年9月19日(水)~10月13日(土)
 休み:日曜,祝日
 時間:10:00~19:00 (土曜日は18:00まで)


会場案内文よりー

 「1977年、フランス生まれ。
 現在フランスを拠点に活動しているが、資金的余裕ができると、東南アジア、中でも特にタイに飛ぶ。そこで、エキゾティズムの新たなフォルムを探るのである。そして、華やかではないが確固たる仕事に裏打ちされた写真の一枚一枚が出会いのストーリーとなる。元々は主に風景を撮っていたが最近はポートレートへと移行。
 今回の展覧会では、その最新シリーズを紹介する」

 二段組10列、20枚の写真作品展。タイを中心にビルマ、ラオスの子供達、働く男女、老人、少数民族などの顔を中心にしたポートレイト群。作品は正方形だ、カットしたかもしれない。顔を中心からずらし、あどけなさ、はにかみ、恥じらい、ふくよかさをより一層膨らませている。単純だが、作家の視線に好感の持てる写真だ。

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 フランスにとっての東南アジアといえばベトナムである。撮影時に20歳代のクードレッド君。ベトナム戦争といえばアメリカが浮かぶ、フランスの大国主義が戦争の遠因でもある。アフリカにおけるアルジェリア、フランスに近いだけ物理的心理的に深い傷を残して去ることになった。ベトナムは案内文にあるように、エキゾティズムの対象ではないのかもしれない。そこを撮ることに少しの躊躇があるのかもしれない。物理的にタイが行きやすい、手続きの都合でベトナムが行きにくいだけかも知れない。

 2004年に函館美術館で「スーパーリアリズム展」を見た。好展であった。フォト・リアリズムと呼び変えてもいいくらい彼らの手法は莫大な写真を使う。会場最後に、米国人アンソニー・ブルネッリの「ハノイの市場」という作品があった(下の写真、同展図録より:2003年-35歳?、68.6×165。1cm)。最後を飾るにふさわしい大作である。ベトナムとアメリカとのわだかまりを、現地取材という形で作家自身が乗り越え、希望に満ちた作品に仕上げた。
 クーレッド君のベトナム人の顔ー見たいものだ。

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by sakaidoori | 2007-10-08 00:12 | af | Trackback | Comments(2)
2007年 09月 26日

324)道新プラザ 「松田芳明 写真展・矢野直美 作品展」9月20日(木)~10月2日(火)

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○ 松田芳明 写真展
    夕張炭鉱(ヤマ)に生きた人々

 会場:道新プラザ・ギャラリー
    大通西3 北海道新聞社北1条館1F・入り口は東向き
    電話
 会期:2007年9月20日(木)~10月2日(火)
 時間:10:00~18:00 (最終日16:00まで)

 会場3分の2のスペースでの炭鉱写真展。
夕張の真谷地炭鉱が舞台。松田さんが坑内に入って、労働風景、坑内での昼食時ーアルミの弁当箱を少し開いて顔を真っ黒にしての写真などが展示されています。仕事を終えた直後の、やはり真っ黒顔の風呂の光景は笑顔と重なってヒューマン・ドキュメントです。受付けに最近出版した写真集が置かれています。その大判の原版がほとんど全て展示されています。

 会場には作家の松田さんが案内役を勤めています。常駐のようです。訪れる人は被写体の人物を知っている人もいるようで、実名を挙げての写真談義を傍にいるだけで聞くことが出来ます。覗き聞きから・・・「・・ここにタオルで耳を隠して、ほおっかぶりをしている人がいるでしょう。その上にヘルメットをしています。普通、坑内では異常音を聞き分けるために耳を隠してはいけないのです。ですが、真谷地では粉塵が多くて、ベテランの人は皆こういうスタイルなのです。だから、新人は耳を隠していないので、直ぐに見分けが付くのですよ。タオルがプライドになっているのですね・・・・」なるほどと思いながら聞き入ってしまった。



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○ 矢野直美・作品展
    ゆれて ながれて であって

 同会場の奥の方での写真展。(期間等、全て松田さんの項目と同じ。)
 矢野さんは時々テレビに出演しているので、名前は知っていました。ジャーナリズム出身で電車と旅、旅の写真と文章を綴る人です。出会いということにスポットを当てた仕事をしているようです。テレビ受けするチャーミングな笑顔の持ち主です。

 作品は刺激的なということではなくて、旅情や思い出を醸し出すように加工されていて、スーと入って、スーと出て行く感じです。炭鉱写真を見た後には、いかに松田さんの写真の笑顔が素敵だといっても、現場の迫力が強いので、ミスマッチのような感じで見てきました。


(以下、道新への雑感。続く)→書きたいこと、書かねば成らないことが沢山あります。次の機会に「道新への雑感」を書きます。

by sakaidoori | 2007-09-26 13:59 | 道新プラザ | Trackback | Comments(0)
2007年 09月 26日

326) 富士フォト・サロン 「駒井千恵子写真展」 9月21日~9月26日(水)

f0126829_116041.jpg○ 駒井千恵子写真展
    野に山に誘う「花のギャラリー」

 会場:富士フォトサロン札幌
    北3西3 札幌北三条ビル1階・北向き
    電話(011)241-7366
 会期:2007年9月21日~9月26日(水)
 時間:10:00~18:30

 富士フォトサロン・札幌が移転しました。既に9月の初旬のことです。直ぐ近くで、西武百貨店の南向かい側です。隣にコンビニがあります。

 いつも何のあても無く行くのです。今回は北海道の山の花の写真です。
見慣れたお花畑、見慣れた写真・・・・なのですが、不思議ですね。一枚一枚は何の大仰なところも無く、普通なのです。どこがどういう風に良いのか上手く言えないのですが、写真との距離感が縮まってきて、親しみがもてるのです。女性の優しさといえばいいのでしょう。決してスナップ写真などではないのですが、写真から伝わる自然な空気感、自然との触れ合い、花を愛でる気持ちが心地良いのです。

 この会場では、ほとんどブログ用の写真を撮ったことが無いのですが、何だか自然に会場風景の掲載をお願いして、気さくに許可を頂きました。本も一冊買ったのですが、途中の雨に気を取られて、某ギャラリーに忘れてきたのです。その本に書かれた作家の言葉などを引用しようと思ったのですが、今は手元に無いので細かい紹介は出来ないのです。
 会場風景を何枚か紹介します。やはり、連続的に写真を体感してもらわないと、優しさは解りにくいと思います。

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by sakaidoori | 2007-09-26 01:23 | 写真)富士フォト・サロン | Trackback | Comments(0)
2007年 08月 27日

301) 門馬 「森 美千代・写真展」8月25日(土)~8月31日(金)

○ 森 美千代・写真展
   -DILEMMA- エキウムECHIUM

 会場:中央区旭ヶ丘2丁目3-38
     門馬 ANNEX・バス停旭ヶ丘高校前近く 
     電話(562)1055
 会期:2007年8月25日(土)~8月31日(金)
 時間:11:00~19:00

「・・テースティングする中で、ポジとネガをリバースしプリントアウトして出来上がったプリントが、異次元の世界のものとなり私の目の前に出現した。・・・」(案内文より)


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 (実は、この展覧会の飾り付けをしたのは私なのです。ですから、以下の文章で過ぎたほめ言葉を感じましたら、割り引いて読んでください。作業はあくまでも作家の意思に沿ったもので、なんらアドバイスや私の趣向は反映されていません。一度、並び順の助言を求められましたが拒否。)


 植物(花)を接写して拡大した普通の写真と、その原版を加工した写真を二枚一組、裏表にして展示されている。85cm間隔で14組。普通版は黒枠、露出過多風の加工版は白枠、部屋全体は白。白、黒、作品の緑、ピンク、赤が強烈に目に飛び込んでくる。最初の作品はチョウが止まっていてわかり易いのだが、だんだんと何を撮っているのかが解りにくい写真を見ていくことになる。ようやく作品の意味をつかめた頃、今度は裏側がどういうことなのか気になってくる。顔を右、左とせわしなく動かして確認していく。その度に目には見たい作品以外の部屋全体、他の作品が飛び込んで熟視するのを邪魔をする。作品と向き合うことは出来ないのだが、作家の遊び心が展示方法によって伝わってきて可笑しさがこみ上げてくる。アクリル板のない作品が最初の驚きとは違って優しく目に迫る。何度も何度も首を左右に振って、運動した効果が作品との距離感を縮めたのだろう。

 「虚実」という言葉がある。「夢現(ゆめうつつ)」という言葉がある。写真は「真」を「写す」と書く。もちろん、この場合の「真」は写真にとっての「真」であって、作家はその「真」を逆手にとって写真の「嘘さ」加減を遊び心という味の素で煙に巻いてみせる。
 作品をじっくり見たい人にとっては欲求不満の残る展示だと思う。壁に二枚並べて欲しいと思うだろう。だが、作家はそのことを拒否しているのだ。作家の拒否の姿勢に賛同する必要は無い。なぜ拒否しているかを考えることは楽しいものだ。個展とは会場全体を使った作家の思想なのだ。




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by sakaidoori | 2007-08-27 21:40 | 門馬・ANNEX | Trackback(1) | Comments(6)
2007年 07月 16日

259) タピオ 「大岩晋の風景写真展」 ~7月21日(土)まで

○ 大岩晋の風景写真展

 会場:タピオ
    北2西2・中通り東向き・道特会館1F
    電話(011)251-6584
 会期:2oo7年7月9日(月)~7月21日(土)
 時間:11:00~19:00

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 ↑:①
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 ↑:②
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 ↑:③.3点、会場風景

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 ↑:拡大写真図。

 1944年 愛知県常滑市で生まれる
 1964年 北海道大学入学
 1971年 タピオデザイン事務所で働く
 1973年 デザインルームティオを主宰する
 1983年 ~1991年 1993年 大岩晋の風景写真展
 2006年 ネコ師大岩のねこ展
 2006年1月7日 逝去


 「風景」、それは皮膚の拡大写真図です。 ②の作品などはマッチ箱程の実物の拡大したものです。縦幅が80cmほどです。おそらく医療専門家が見れば被写体の老若男女もわかることでしょう。彼等の判断をまたなくても、若い女性だと思います。肌つやの張り、滑らかさ、うねり、しっかりした刻印・・間違いないでしょう。
 今展のシリーズは個展を始められた頃の初期のもの。作品が大きくて、そのことが幸いしてそっくり残っていたので遺作展に利用したとのこと。25年前の作品ということになります。当時にあっても、相当に気合を入れて充実した個展だったと思います。
 会場には樹の表面を撮ったものもあります。整理中ということで他の作品も見れましたが、道路や壁を接写したものでした。一瞬、一原有徳の腐食版画を連想されます。会期後半に並べられるかもしれません。

 作家にとっては綾なす物の表面、そのミクロな場所が「風景」なのでしょう。美しくも静にうねった世界、恥毛という「性」と「肉」の秘所すら、そういうことを前提にしながら何かを求めて止まない男心、探求者精神のもだえを感じます。拘りの精神が見るものを惹きつけ、観者自身が接写という形で、別次元か付加次元か各々の「風景」を探求するのでしょう。

by sakaidoori | 2007-07-16 12:27 |    (たぴお) | Trackback | Comments(0)