栄通記

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2007年 10月 07日

338) ①市民ギャラリー 「第49回 学生美術全道展」 10月6日(土)~10月9日(火)

○ 第49回 学生美術全道展

 会場:札幌市民ギャラリー ・1F全室
     南2東6
     電話(011)271-5471
 会期:2007年10月6日(土)~10月9日(火)
 時間:10:00~17:00(最終日16:30まで)
 料金:無料
 主催:全道美術協会、北海道新聞社

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(「ちょうだい」、堺ゆり、札幌大谷2年)

 高校以上の学生を対象にした公募展。しかし、大学・各種学校の部(第1部)は搬入点数・9、入賞点数・8で、実質、高校生展と断言していいと思う。例えば、浅井学園(現北翔大学)などは、嘗てかなり出品していた。彼らにとっては学生展時代は終わり、道内3大公募展時代に入っている。公募展で力を付ける姿勢に変わりは無いが、レベルが上がった証拠でもある。

 高校生展。しかも圧倒的な数の女性。入選者・284名、呼び名だけの判断だが、男性名は25名前後だ。間違いなく、1割いないと思う。ことさら男女比を問おうとは思わないが、寂しさを通り越してあまり良くない現象だと思う。これが社会風潮なのか。男子生徒は高校時代に何に情熱を傾けているのであろう。スポーツ?オタク?ブンゲイ?入賞者27名中、男性名が5人。この数は全体の比率に反して男性数が高い。先天的に男性の能力が高いということか?男性の努力が女性のそれを上回っているということか?選考委員の価値観が無意識的に男性の表現を好むということか?単なる数字上の気まぐれ、偶然、一過性ということか?
 会場からは男臭い雰囲気、力づくの作品は目立つことはない。その分、女子高校的な一様性で会場構成が貫かれている。男性作品は友情、あるいは招待作品だ。明るい元気さに満ちている。自己追求的な自画像は傍らに、絵を描ける喜びの作品群が勝っている。
 全体のレベルの判断は見る人に任せたい。

 会期が短い。ここは1週間単位の賃貸しだからか。審査、準備に時間が取られてしまって、わずかに4日間だけ。しかも午後5時まで。この3連休に札幌を離れた一般サラリーマンは見れない。こういう展覧会は一般人への美術普及・宣伝に使わないといけない。ウ~ん。残念なことだ。

 個別作品の写真紹介は後にして、会場風景を載せます。

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by sakaidoori | 2007-10-07 15:08 | 市民ギャラリー | Trackback | Comments(0)
2007年 09月 01日

308)③市民ギャラリー 「新道展」 8月29日(月)~9月9日(日)

○ 第52回 新道展

 会場:札幌市民ギャラリー 2階3階
     南2東6
     電話(011)271-5471
 会期:2007年8月29日(水)~9月9日(日)
 休み:月曜日
 時間:10:00~17:30(最終日16:30まで)
 料金:

 一般・会友を中心に紹介します。

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 ↑:一般(新会友)・藤本恵里子、「飛翔」・立体造型変形150・180×180。続く

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 一般・関口幸子、「花火2」・油彩・F50。
 立っている女の子のノーテンキな笑顔とアンバランスな造型が面白いです。その面白い女の子をマジに見つめる妹?との関係がユーモラスです。なんとも言えないちぐはぐさが気に入りました。

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 ↑:協会賞、一般・櫻井亮、下・「追憶」・アクリル・180×90、上・「回想」・同じ。
 今年度の最高賞作品です。賞は下の作品ですが、もう一点の応募作も陳列されたものです。なかなか粋な計らいです。古風な色調・画題です。金箔模様など日本画を意識した美意識です。作家は御いくつなのでしょう。とても20代とは思えません。古風な中に写真的要素を加味していて、新しさも感じられます。新道展の幅が広がって、会としても喜んでいるのではないでしょうか。

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 ↑:会友(新会員)・園部信二、「回顧・紙芝居」・油彩・S120。
 古き良き時代を「動」の世界で再現する園部さん。オーソドックスな構成ですが、画題が明快なので楽しく見れます。なかなか多人数を描ききる作家が少ないので、大いに楽しみにしている作家です。画題や動きによる物語性と色や形・構成の物語が更に更に高まって欲しいと思っています。
 ところで、家内は地方の農家の出身なのですが、紙芝居体験は無いとのこと。人が集まらなければ商売として紙芝居は成立しません。北海道ではどれくらいの普及があったのでしょうか。僕は炭住育ちですから知っています。5円だったか、飴玉を買ってはしゃぶりながら見たものです。中身は全て忘れました。園田絵画のような動きはそんなにありません。あんぐりして見ていました。

続く

by sakaidoori | 2007-09-01 16:54 | 市民ギャラリー | Trackback | Comments(0)
2007年 08月 30日

306)②市民ギャラリー 「新道展」 8月29日(月)~9月9日(日)

○ 第52回 新道展

 会場:札幌市民ギャラリー 2階3階
     南2東6
     電話(011)271-5471
 会期:2007年8月29日(水)~9月9日(日)
 休み:月曜日
 時間:10:00~17:30(最終日16:30まで)
 料金:

 個別に好きな作品、気になる作品、気にしている作家の作品を載せます。会員から。


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 ↑:会員・佐藤愛子、「Magic」油彩・162×260。
 いつも注目してみています。彼女(決して若くはありません)の画材は色爛漫の油彩と白黒の鉛筆画の二本立てです。ともに、自由さが売り物です。油彩は少し乱暴で雑な感じがして、落ち着きのある鉛筆画を好まれる方のほうが多いかもしれません。どちらかに絞った方が良いという意見があるかもしれません。僕は両方ともに強い関心をもってみています。
 今展では、油彩となっていますが彼女なりに先ほど言った油彩と鉛筆画を統一させようとしているみたいです。変化を目の当たりに見れてとても嬉しい。変に安定的な絵を求めることなく、「破綻、何するものぞ」という意気込みで描き続けて欲しい。とにかく自由な精神を見てもらいたい。

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 ↑:会員・東誠、「つまむ練習」・油彩・F100。
 軽い絵です。ブラックと言うより、ホワイト・ユーモアと呼びたい。つまんでいるのでは無く、刺しているようにも見えます。血は出ていません。おそらく背中をつまんでいる絵なのでしょう。東(あずま)さんは食べ物や食べるということを画題にしています。仕上がりはポップな感じ。もちろん社会・文明批判や皮肉をこめているのでしょう。ですが、僕は単なる文明批判的表現だけの絵は採りません。批判するも、批判されるも最後は表現者自身へと刃は向けられるのです。そういうことへの可笑しさ、哀しさを感じる絵が好きです。
 さぁー、今夜は何をつまみましょうか。酒や煙草だけでは男が廃ります。震える手で琴線をつまみましょう。

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 ↑:会員・白鳥洋一、「どうぶつ園の雪の朝」・油彩・P150。
 白鳥さんの絵はまだ深くは考えていません。深くは考えていませんが、その童画のような世界にいつも引き込まれています。いわゆる「ヘタウマ」な作品だと思っています。個展を見たことがないので、じっくりと白鳥体験をしたいものです。

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 ↑:会員・山本家弘、「赤い屋根07’」・アクリル・F120。
 この絵は変なというか不思議な絵なのです。
 ヨーロッパの町並みの赤い屋根と白い壁を描いています。日本にはない石造りの家並み、樹の緑は全然無く、赤と白のリズムを楽しんでいるようです。それを引き立たせるために空も青ではなく茶系にしています。
 僕の驚きの中心はそこにはないのです。中央最奥の塔、まるでピサの斜塔のように右に傾いて見える。遠くの家並みと空の輪郭線が少し右下がりに見える。この二つの縦と横の斜線が頭の中でついていけれなくて、焦点を定めようと努力していると、壁の白さや屋根の赤さが、不規則にランダムに迫ってきて、全体が踊っているように見えるのです。風景でありながら、風景でなくなってくるのです。そうなると絵画のボリューム感が膨らんで、枠が自然に取り払われて、絵の画題とは全然違った真実味が伝わってきたのです。

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 会員・今庄義男、「古里」・油彩・変300。
 (少し写真写りが悪いようです。今庄絵画のファンの方には申し訳ありません。出来れば差し替えをしたいと思っています。)

 優しくなったなー、軽くなったなーというのが第一印象です。「古里」をいろいろな視点で表現されているので、これが今後の方針という訳ではないと思います。引っかきラインをいれたりして、大地の掘り返しや時間の刻印といった静かに重く、それでいて見る者にそれぞれの「古里」を思い出させる絵が今庄ワールドだと思います。深さを追求する絵に軽さが跳ねだしたのです。一見、同じような絵ばかりを描いているようですが、好きな者にとってはわずかな変化が喜びなのです。作家とは日々留まることができなくて、大変な存在だとつくずく思ってしまった。

by sakaidoori | 2007-08-30 22:56 | 市民ギャラリー | Trackback | Comments(0)
2007年 08月 29日

304)①市民ギャラリー 「新道展」 8月29日(月)~9月9日(日)

○ 第52回 新道展

 会場:札幌市民ギャラリー 2階3階
     南2東6
     電話(011)271-5471
 会期:2007年8月29日(水)~9月9日(日)
 休み:月曜日
 時間:10:00~17:30(最終日16:30まで)
 料金:

 2007年度、道内公募展の第二段「新道展」が始まりました。
会員・92点、会友49点、一般・128点、遺作・1点の270点です。初出品者数が37名で、予想以上との関係者の言葉です。会員数等の数字の変遷は後日にご報告したいと思います。

 まずは会場風景を紹介したいと思います。

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 ↑:入り口直ぐのメイン会場の第一室。天井は高く、陳列は1列でじっくり見れます。新道展は彫刻(立体)部門を特に設けていないようです。替わりに、インスタレーションが空間作品として会場を埋めています。真ん中にベンチのような作品があって、どうしても座りたくなってしまって困りました。
 一番下の写真作品:手前のいすのような作品は会員・池田宇衣子、「失くしたもの見つかりましたか?」。
 左の白い作品は会員・白鳥洋一、「どうぶつ園の雪の朝」・油彩・P150。 真ん中の青い作品は会員・藤野千鶴子、「宙ー天国の青いポスト」・S変200。
 右の丸い作品は会員・比志恵司、「浮遊する種子」・油彩・S80。

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 ↑:第二室。順番としては第一室の直ぐの区画ではないのですが、インスタレーションの会員・細野弥恵、「「導く鳥」の部品が二室の部屋中に散りばめられています。

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 ↑:第二室の一区画。

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 ↑:二階のロビーの空間。

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 ↑:二階の一室。二階は二段組になっている所もありますが、平均にゆったりと作品を見ることが出来ます。

 まずは全体の写真紹介でした。個別作品や、全体の印象は明日にでも書きます。

by sakaidoori | 2007-08-29 23:48 | 市民ギャラリー | Trackback | Comments(0)
2007年 08月 01日

278)市民ギャラリー 「北海道陶芸展」 終了(7月29日まで)

○ 第36回公募展 北海道陶芸展

 会場:札幌市民ギャラリー 2階3階
     南2東6
     電話(011)271-5471
 会期:2007年7月25日(月)~7月29日(日)
 時間:10:00~18:00(最終日15:00まで)

 主催:北海道陶芸協会


 入って直ぐに今は亡き下澤土泡氏の作品が特陳として並んでいる。氏の作品は一目でそれとわかる。土臭さを全面に溢れさせている。日本陶芸の歴史の中で北海道らしさを追及した結果なのかもしれない。歴史の浅い道内の陶芸の自立のために戦った姿がしのばれる。「道内の陶芸普及と北海道らしさ」を出発として、次代の陶芸協会の作風はいかに「今」を付加して表現するかが課題だろう。作品を見渡せば見事に二分された姿が窺い知れる。土泡的泥臭い作風と、ほとんど無縁と言ってもいい若い人の軽やかな感性とに。「工芸表現」と「陶としての自己表現」とに。後者のもっとも最先端に位置するのが最高賞(北海道陶芸協会大賞・会員推挙)を受賞した、多田昌代「戦死のゆりかご ー君にしばしの安らぎを」だろう。

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 土泡氏の泥臭い作品の目の前に違いを際立たせて並んでいる。白の世界、陶が包み込むように空間を作り、更にその中に一つの生き物のように何かを収めている。タイトルが物語を盛り上げている。この作品を戦士とその永久の揺り籠として見れーと、作家は叫んでいる。優しい空間の中に強烈な個性を見た。

 何点かお気に入りを紹介します。


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 ↑:左側、大石俊久・「まるいの」。
 右側、丹野茂雄・「対対」。似たような他の作品が奨励賞でした。写真で見ると輝いて見えますが、渋い中に豪華さを意識した作品。着物に顕著な日本伝統美を追求しているのでしょうか。


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 ↑:左側、堀史佳(学生)・「練上山空景色花器」。似たような他の作品が学生奨励賞でした。いかにも若くて爽やかな作品です。
 右側、森雅子(初出品)・「胎動」。新人賞です。土臭さを現代風にアレンジしたようです。射光土器をアレンジしたみたいです。僕はこういうのが微笑ましくて好きなのです。人体のデフォルメに限りない関心を持っています。


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 ↑:剣吉雄也、「若勢~JAKUSEI~Ⅰ」・学生の部最優秀賞(北海道科学文化協会賞)。デザインとして文字を使っているのが陶として面白いのでしょう。こだわりの無い若者気質が見えて好感の作品。

結構楽しめる作品展です。もう少し紹介したいと思いましたが、最後に他の優秀賞を載せて終わりにしましょう。


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 ↑:左側、山本恒雄(会員)、「群芽(ぐんが)」。北海道陶芸協会特賞(文部科学大臣奨励賞)。
 右側、菊池真一(会友推挙)、「靄(もや)」。NHK賞。

by sakaidoori | 2007-08-01 23:27 | 市民ギャラリー | Trackback | Comments(0)
2007年 06月 24日

229ー2) ②市民ギャラリー 「全道展」 ~7月1日まで

 ①では主に会場風景の写真を載せました。②では一般入選者を中心に個別の写真紹介をします。

 f0126829_22365451.jpg ←:佐々木※(函館)、「大地の仔」。
 入り口ロビーにあります。背中が黄ばんで見えますが、照明の関係で変色しているだけで、全面同じ色です。安定しているような、していないような三角形のポーズが大仰な中にユーモアを感じられます。






f0126829_22461747.jpg →:新会友・山本美沙(札幌)、「蛹」。
 若い女性です。この人は自分の体がすっぽり入るような大きさを得意としています。棺桶とも、胎内ともとれる作風です。今回も同様ですが、蛹(さなぎ)になってから生まれ出ようとしています。単なる球体造形作家がより表現力を強めていて、好感が持てます。









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 ↑:新会友・佐藤艶子(幕別)、左の作品「処へ」。
 実は右の作品は昨年の作品で、「黒い鳥が飛ぶ刻」です。この作品を帯広に昨年行った時に、美術館横の記念館でのグループ展で覚えていたのです。一目で思い出し、随分よくなったものだと感心しました。十字の象徴性は好みではありませんが、仕方がないでしょう。鳥の表現が消え入るようでそこにいて、ぼやけた表情が全体の中で存在を強めているように思えました。

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 ↑:左側、宅実恭子、「生命力を感じる時」。
 宅実さんは札幌市の美術展で腕をあげた人です。自信を深められたのでしょう、最近は全道展を腕の振るい場所にしているようです。親しく観ていた人が思いっきり描いているのを第1室で観れるのはうれしいことです。大きく大きく、写実的に対称に迫る作風だと思います。タイトルが少し心もとないと思いました。

 右側、北海道新聞社賞・石本久美子(札幌)、「骨と人」F150。
 若い時に描ける絵というものがある。まさしくこの作品です。黒の飲み込む世界、人を寄せ付けない世界、「死と生」を込めているのでしょうか、「骨と人」。アー、黒が単なるクロで、色としてのクロになっていないのが拙さ故か、ガリガリに掻きむしるような浅いクロ。未熟なクロが不安よりも若き情熱を感じました。

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 ↑:全道美術協会賞・志田翼、「周囲の加速」F130。
 完成度の高い作品なのでしょう。しっかりとした描写力。貼り絵とは言えないのですが、描かれた物の描き方の違い、重層的配置による目くらまし効果。絵画の空間性の中に犬と人の仕草、特に人を二重に描いて動きと時間性の表現。画面一杯、四隅まで緊張感を緩めてはいません。どこかプロ好みの作品です。
 ですが、絵としては面白くないです。技術の高さに支えられた主張に破綻がなさ過ぎて、つまらない面も同時に持っていると思います。美大で修得した最良のものの集大成のような感じです。自然に出てくる若さの持つ相克のようなものが感じられなくて、「見る絵」としては「修得した絵」の高さに比して物足りなさを感じます。

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 ↑:左側、伊藤あけみ(函館)、「altro monodo Ⅰ」。
 タイトルが意味不明なので困ります。小文字だから都市名ではないのでしょう。訳のわからないときは勝手に見るしかありません。
 写実的に描かれたヨーロッパ的街並みと公園。そこにに天使のような子供が絵とはミスマッチのように立っています。この子供と風景の違和感と、違和感に基づいた全体の一体感が気に入りました。敢て、合わないかもしれない何かを風景の中に入れてみる、すると全体がどういうことになるのか、そんな絵の楽しみを持ちました。もっとも、作者はミスマッチと思って天子を描いているかどうかわかりません。見る僕がそう思ったのです。

 右側、池田正子(室蘭)、「TUGUMI」。
 近美で野田さんの個展をしています。僕は女体や頭骨という象徴性や具体性の強い物を描き込むことよりも、池田さんのように普通のものを森閑とした中に描いた絵のほうが好きです。もっとも卵と巣は命の象徴性なのでしょうが、さりげない大きさの分だけ好ましいです。しかし、こういう絵は難しい。是非是非精進されて、更に良い絵を描いてください。楽しみにしています。


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 ↑:左側、丹野由紀子(苫小牧)、「テリトリー」。
 写真では細かいところが解らなくて残念です。アリがマンホールを覗いていて、マンホールへの排水口から生き物の尻尾が出ていて、下で子供が遊んでいます。テリトリーとは誰にとっての領域なのでしょうか。マンホールそれ自体の空間と異種混合の世界を遊んでいます。「何処にでも、どんな環境でも、生き物もいれば、楽しみもあるものだ」と、言っているようです。文明に対する皮肉を見る人がいるかもしれませんね。僕はそうは見ない。

 右側、田塚麻千子(函館)、「素」。
 牛です。顔を細密に描いています。特に目から鼻にかけての髭もじゃに作者は精魂傾けています。何の衒いもなく、牛の力強さ、生命力、美しさを描いています。気持ちのいい作品だと思います。

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 ↑:左側、林由希菜、「おかえり ただいま」・版画、平板。

 右側、山谷美由紀(札幌)、「幕開け 0204」。
 室町後期以降の洛中洛外図仕立てです。後ろを向く二人の子供がタイム・スリップして古き良き時代を眺めているようです。輪郭くっきりと、異物とわかるように描いています。何の幕開けでしょう。時代を色を楽しまねば。

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 ↑:東本恵、「座る女」。
 古風な絵です。力強い絵です。赤と白と黒。自画像的肖像画。油彩の魅力に肖像画・自画像があると思うのです。ビシッと人間を見る。人間を描く。日本には自画像作家が極端に少ないと聞きます。明治以降のヨーロッパ化の中で気付かされたジャンルです。「己を見る」という、病や狂に通じる世界。近代病といっていいかもしれません。古くからあり、これからも廃ることのない画題だと思います。

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 ↑:左側、佳作賞・高橋幸子(恵庭)、「Kの菜園」、版画、併用。
 ご夫婦で版画をされています。線描のような模様部分が腐食画法・エッチングだと思います。色の部分はリトグラフでしょうか。模様地は暗いのですが、色が軽くて、タイトルを見ると菜園となっています。模様地を菜園仕立てにしたことに意外性を感じました。

 右側、本間弘子(札幌)、「菫程」、版画・平板。
 菫程、キンテイ、スミレ道ということでしょうか。どこかイラストというか童画風の人物が物思いにふけりながら逍遥しています。チョッとセンチメンタルです。どうということはないのですが、いつも本間さんの版画を見ています。好みというものはどうしようもないですね。

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 ↑:左側、西澤光(函館)、「鼓動A」。
 何でしょうか?車が走っているような、人の顔がよじれているような、ユーモアと躍動感のある絵だと思います。明快な赤です。輪郭図太い黒です。すっきりした白です。デザイン、イラスト、絵とのせめぎあい。

 右側、松田寿美子(札幌)、「秋風」。
 風景画ないので一枚載せます。全道展は広々とした風景画が少ないのですね。風景作家は道展を目指すのでしょうか。この絵も細密的な風景画ではありません。輪郭を抑えて中間色をサッサッとさばいて心地良い秋風をかもし出しています。

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 ↑:佐藤雅奉(滝川)、「うねり’07」。
 やっと最後になりました。最後を飾るべく、可笑しく力強い作品を紹介したいと思います。本郷新の影響を感じますが、気合の入った意欲作です。この勢いをドンドン突き進めてもらいたい。上手くならないと困るが、上手さは後からついて来るのでは。斧や鑿や金づちを持って、木の前で立ち向かっているのを想像してしまいました。次はビッキを目指し、佐藤流を築いてください。


 とりとめもなく自分好みを紹介しました。文章のないのはおいおい書くとして、このくらいで止めましょう。おそらく③で会友・会員の写真紹介をします。6点以内に収めます。キリがありません。
 一応、観想を書き終えました。勝手なことばかり書いて、どうもです。

 

by sakaidoori | 2007-06-24 14:54 | 市民ギャラリー | Trackback | Comments(2)
2007年 06月 24日

229-1) ①市民ギャラリー 「全道展」 ~7月1日まで

○ 第62回 全道展

 会場:札幌市民ギャラリー、全館
     南2東6
     電話(011)271-5471
 会期:2007年6月20日~7月1日(日)
     月曜日は休み
 時間:10:00~17:00(最終日16:30)
 料金:一般800円、図録3000円

 初夏の公募展が始まりました。全道展です。

 図録より、陳列点数を紹介しましょう。

          絵画 版画 彫刻 工芸   合計
会員点数  :  93  24  14   7   138
会友点数  :  76  14  14   4   108
入選点数  : 218  38  24  33   313
応募点数  : 627 103  31  58   819
陳列合計  : 387  76  52  44   559  

 会員数  :  94  29  17   5   147
 会員数  :  85  20  17   5   127     (2007年6月現在)
 新会員数 :   5   1   0   1     7
 新会友数 :   6   3   2   0    11   

 沢山の作品群です。とても詳細に報告できません。①では会場風景と簡単に感じたことを書きます。②では一般入選者を中心に写真紹介をします。(追加記事)③では会員・会友の写真紹介をします。余裕があれば付録編を考えていますが・・・・。

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 ①↑:入り口、ロビーの展示。

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  ②
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 ③↑:メイン会場ともいえる、入り口直ぐの天井の高い会場。

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 ④
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 ⑤ 
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 ⑥ 
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 ⑧↑:1階の主に会員達の部屋。 

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 ⑨↑:2階に上がって直ぐの版画の部屋。

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 ⑩↑:2階のロビー会場。彫刻と、壁は賞を取られた方の作品があります。ここまで来るのにかなり疲れたところで、受賞作品を見るわけです。ソファーもありますから、ゆっくり一休みして、気合を入れて先に進んでくださいという配慮です。天井が低いのがここの致命的欠点です。柱も邪魔です。

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 ↑:2階ロビー会場の奥の空間、工芸品があります。詳しくはしりませんが、昔は工芸作品も沢山あったとのことです。自然に減ったのか、分裂したのかわかりませんが、総合展と言っても存在意義の危ぶまれる部門です。


 とりあえず、①②③と写真紹介だけ先に済ませました。
 単純に箇条書き風に印象をメモしていきます。

 ・会場外の建物の出入り口に彫刻作品が2点あります。悪くはないのですが、総合展でお祭り的な要素もあるから、ここには大胆な作品が欲しいです。小宇宙すぎるように思いました。そうは言っても韮沢淳一さんの「鉄毛運動」は面白いし、屋外に置ける作品が少ないのも一因かもしれません。

 ・入り口ロビーの作品は楽しかったですね(写真①)。若手、中堅を輝くように展示してあります。数ある作品からの選択です。展示の妙です。入場料は一般で800円です。高いと思って見たくない人はここだけでもお奨めです。無料です。

 ・中堅、ベテランの格別に目を惹く作品が少なかったような感じです。神田一明さんは今年は人も描かれてなく、渋い色合いでした。昨年は大きな人物に感動したものですが、少し寂しかったです。淡々と一人一人が日頃の積み重ねを発表しているといった感じです。今年はそういう年なんでしょう。

 ・版画も物足りなかったですね。こじんまりとした感じです。版画部門にはあまり大きな作品を出してはいけないのでしょうか、絵画が大きい分、版画がやけにコンパクトに見えます。全体から情熱が感じられなかったが、他の方はどう思ったのだろう。総合公募展は技術の研鑽と情熱を求めて僕は見に行っています。個展は一人の人間表現の軌跡と、その人の視覚表現思想を求めて見に行っています。

 ・一般入選者に画題や表現に幅のないのは時代のせいなのでしょうか。成熟した社会では視点が内向きになるのでしょう。

 年に一回しか見ない人が、同じ作風ではあっても今年はどんな感じで来るのだろうと思って、見に行っています。「栄通記」でも紹介した人などがいると思わず頬が緩みます。同時に、個展とどこが違うか睨めっこをしています。記憶に残った作品とは何処かで再開することを楽しみにしています。また来年お会いしましょう。

by sakaidoori | 2007-06-24 11:24 | 市民ギャラリー | Trackback | Comments(0)
2007年 06月 23日

229-3) ③市民ギャラリー 「全道展」 ~7月1日まで

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 ↑:会友・會田千夏(札幌)、「sun people 2007.6.13」F100。

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 ↑:会友・川上伽奈(札幌)、「あたためる人」。

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 ↑:会友・友野直美、「しらつゆ(b)」(版画、併用)。

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 ↑:会友・近藤みどり、「祀られし旅人」。

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 ↑:会友・吉川孝、「冠水橋」F100。

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 ↑:会員・高橋靖子、「’07[記] ミドリ」S100。

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 ↑:会員・輪島進一、「オブリガード」。


 (観想は後ほどにするとして、写真を楽しんで下さい。)
 結局、感想を書かずに終わりました。これはこれで、良しとします(2008・1・13・日)

by sakaidoori | 2007-06-23 21:58 | 市民ギャラリー | Trackback | Comments(0)
2007年 01月 07日

9)市民ギャラリー第59回 北海道学生書道展覧会  ~8日まで

○ 第59回 北海道学生書道展覧会
 
 場所:札幌市民ギャラリー、2F
     南2東6
 期間:1月5日~1月8日(月)
 時間:10:00~17:00 最終日は16:00まで

 道内小学1年から高校3年までの書道展。課題、臨書、文芸詞、創作など。特別賞28点、推薦賞50点、特選賞346点の展示。

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 受付に二人の女子高校生が居た。一通り見た後に声をかけた。「君たちの作品はどれですか?」1人は高校3年生の細川さん。左側の写真の真ん中の臨書。推薦賞。早速質問した。「今回の作品で気をつけた点は?自己採点で良いところは?悪いところは?」屈託無く、キッチリと応えてくれる。「良く書けたと思います。字のバランスも良いと思います。・・・・カスレが少し強すぎたのが欠点ですね」「字の大小、バランスとも良いと思うよ。カスレは貴女が得意というか、好みだからそうなったんではないですか?」「そういう訳ではないですが、やっぱりカスレすぎですね」小柄な女性で、字もコンパクトでキッチリ書いていて、本人の性格が良く出ていると思った。

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 もう1人は同じ高校の1年生で土肥さん。右側の写真の真ん中で、同じく推薦賞。同じような質問をした。先輩は優しく見つめている。体は大柄だが、1年だからか恥ずかしいと見えてぶっきら棒で真剣である。「『軍』の字が好きだな。でれーと伸びなくて、力強くて」先輩が直ぐに「良かったね」と、言葉を埋める。3人の共通した欠点として、初字が黒々していて失敗という指摘だ。個人的には結字も少しぞんざいな気がする。力強く楽しい字だ。

 いろいろ高校生に話したといって、僕が書に詳しいわけではない。教わるところもあって、楽しい会話をした。相手に聞いて書の楽しみを勉強中である。

by sakaidoori | 2007-01-07 23:51 | 市民ギャラリー | Trackback | Comments(0)
2007年 01月 07日

8)市民ギャラリー「北海道教職員美術展」

○ 第37回 北海道教職美術展ー絵画・彫刻・工芸・書道・写真
 場所:札幌市民ギャラリー
     南2東6
 期間:  ~1月9日(火)
 時間:10:00~17:00 最終日は15:00まで
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 正月明けの絵画鑑賞の楽しみの一つ。残念ながら今年は寂しい物でした。出品者の数が減って、見れない方が何人かいた。その関係か、絵画に与えられた壁の一面が無展示だった。教職員で絵を描いている人はかなりいるはずだし、その人たちの組織化というか、出品勧誘能力に減退をきたしているのだろう。作家たちもこの展覧会に魅力を感じないのだろう。関係者の工夫を期待したい。この何年間の配布目録を写真掲載した。昔は素晴らしい図録だった。招待作家作品、賞確保作品のカラー写真で豪華だった。これを見て作家と作品を覚えたものだ。40ページほどあった。今年は5ページで入選作品評のみである。てっきり、全作品目録であると思ったが、勘違いしてしまった。だから、今展の招待作家名と作品名はわからない。メモするのを忘れてしまった。

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 左が竹津昇さんの水彩画。壁を得意とする作家である。右が鵜沼人士さん。プラトニック・ラブ的に女性画を描く。好きな作家が並んで見れてよかった。会場風景
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by sakaidoori | 2007-01-07 09:13 | 市民ギャラリー | Trackback | Comments(2)