栄通記

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2008年 04月 17日

604)市民ギャラリー ②「’08 第35回北海道抽象派作家協会展」 4月15日(火)~4月20日(日)


604)市民ギャラリー ②「’08 第35回北海道抽象派作家協会展」 4月15日(火)~4月20日(日) _f0126829_23344846.jpg
 ↑:一般・横山隆、「彼方へ A・B」・183×129cm 183×92cm。

 一般だが半同人のような方だ。
 ダンボールを都会のビルの廃墟のように組み立てている。いつもよりも白が丁寧な感じ。都会の白装束、白で包まれた世界、あるいは風化した姿、未来の原風景?


604)市民ギャラリー ②「’08 第35回北海道抽象派作家協会展」 4月15日(火)~4月20日(日) _f0126829_23421733.jpg
 ↑:一般・鈴木薫、「過程の根に聞く (0)・1・2」・全て182×182cm。

 一見児童画風で乱雑な中に自由さを表現しているように見える、が・・・、何かを描いていて上手くいかなくて、それをごまかす為に画布に描き殴っていく。あたかもこういうのを初めから想定したように他人に見せる、そんな風に理解した。
 こういう行為を続けることによって、自分の中の何かに辿り着くのだろう。一所懸命にキャンバス(板?)を傷つけて穴の開くまで続けたらいいのだ。中途半端は良くない。


604)市民ギャラリー ②「’08 第35回北海道抽象派作家協会展」 4月15日(火)~4月20日(日) _f0126829_048056.jpg
 ↑:一般・岩田琿、「CUT.TURBO-08」・230×575cm。

 上の写真、何のことだか分からないと思いますが仕方が無いのです。作品にビニールを覆っているので、鏡のように見事に反射するのです。載せない方が却っていいのかもしれないが、とにかく載せます。

 作品は水彩のような感じで、青い世界に青黒い渦状の模様が覆っている。何箇所か鮮明な青が淡い炎のように燈っている。
 さて、このビニールだ。おそらく初めは作品保護が目的だったと思う。装着して作品を見た時に、画家は何かを感じたのだろう。「このビニール張りが良い。これでいこう」と。
 作品は鮮明に見せることに価値がある。それを敢えて画家は避けているのだ。作品を見せたくて、それでいて見せたくなくて・・・画家対作品、作品対鑑賞者・・・いつまでこの方法でいくのだろう?見せない緊張感を維持できるのだろうか?


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604)市民ギャラリー ②「’08 第35回北海道抽象派作家協会展」 4月15日(火)~4月20日(日) _f0126829_184097.jpg
 ↑:同人・林教司、「昇化」・400×400×180cm。

 唯一、立体による空間構成、インスタレーションでもある。
 どこか、禅寺の石模様に鉄が電波のように全てを結び付けているように見える。石に鉄を指すのに穴を開けているのだが、会場で開けたのだろうか?穴の周りに石くずが溜まっていて、この現場が現在進行形のような雰囲気を出している。
 昨年まで「種・シリーズ」に拘っていた。決してそれは終わるテーマではないだろう。だが、そのテーマが内向的なだけ、それだけではカバーできない画家の上昇志向とか発散するエネルギーを今回は作品化しているようだ。 「石と鉄と結びつき」、止まろうとしない画家である。

 ③に続く

by sakaidoori | 2008-04-17 23:51 | 市民ギャラリー
2008年 04月 17日

603)市民ギャラリー ①「’08 第35回北海道抽象派作家協会展」 4月15日(火)~4月20日(日)

○ ’08 第35回北海道抽象派作家協会展

 会場:札幌市民ギャラリー 
     中央区南2東6(北西角地)
     電話(011)271-5471
 会期:2008年4月15日(火)~4月20日(日)
 時間:10:30~18:00(初日は13:00~、最終日は~17:00迄)

 【出品作家】
 同人: あべくによし(旭川) 今庄義男(岩見沢) 後藤和司(札幌) 佐々木美枝子(札幌) 近宮彦爾(旭川) 外山欽平(函館) 林教司(岩見沢) 三浦恭三(小樽)・・・以上、7名。

 一般:石川潤(江別) 岩田琿(七飯) 甲斐野弘幸(札幌) 草野裕崇(江別) 笹岡素子(江別) 渋谷美智子(札幌) 鈴木薫(札幌) 鈴木悠高(札幌) 名畑美由紀(札幌) 宮川市子(札幌) 横山隆(札幌)・・・以上、10名。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 1階2室を使った展示会。

 今年の特徴は、同人以外で比較的若い人達が初参加していることだ。彼らは協会の求めに応える形をとっているが、時機にかなった試みだと思う。同人・一般、一般同士と良い刺激になったようだ。

 会場雰囲気は壁面作品を中心にして、静かで落ち着ちついたものになっていた。同人の画質感の豊かさに比べると、一般の拙さは歴然としているがそれは仕方が無いだろう。まさしく一般にとっては広い会場で他者と比較されることで、自己主張よりも自己研鑽の場になっていた。それにしても、「抽象」ということばにある無手勝流の斬新さは影を潜めて、色そのものの深みに迫る作品の多いことか!

603)市民ギャラリー ①「’08 第35回北海道抽象派作家協会展」 4月15日(火)~4月20日(日)  _f0126829_2157948.jpg

 第一室はとても広い。空間を生かした大胆な展示になる年もありも、その美術空間は個人的にはかなり期待している。残念だが、大胆な空間というには程遠かった。その代わりに次の第二室同様に作品をジックリみせる展示だった。
 コメントにばらつきはありますが、各作家の写真紹介をして行きます。

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 ↑:一般・笹岡素子、(無題)・300×400cm。

 座布団のような一つ一つは関心を引くのだが、全体の構成というのか構築は僕にはピンとこなかった。パーツの自由さ軽やかさと、一つに纏め上げようという作家の意思が乖離しているような感じだった。


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 ↑:同人・近宮彦爾、(ノンタイトル)・F150。

 なんともヒョウキンな作品だ。絵の深い青、輪郭線を兼ねた蛍光管の光ライン。光がバックの絵の色に深みを与えて、光もバックの青に染まりシンプルな今風作品。光ラインも生きているような動きを感じる。good!


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 ↑:同人・今庄義男、「古里 19・20・20」・全て300×180cm。

 (全然写真の再現度は悪いです。高感度にするのを忘れてしまった。)
 魅入られる世界だ。3点、似てはいるがそれぞれに味わいがある。今庄ファンでも好みの分かれるところではないか。
 シンプルな味わい、マチエールやグラデーションを追求した深み・凄み、いつになく輪郭線を枠からはみ出して動きを求めたりと、バリエーション豊かな作品群。
 静かな望郷の世界とでもいうのか、心突き動かされる。


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603)市民ギャラリー ①「’08 第35回北海道抽象派作家協会展」 4月15日(火)~4月20日(日)  _f0126829_2237634.jpg
 ↑:同人・外山欽平、「Key」・584×876cm(F100の10枚組)。

 この時機に協会展の全作品を使って、時計台ギャラリーで個展をしている。その時は一点一点の鑑賞と、個別の関係を見せる場になっている。
 ここでは全てを一堂にして全体で何かを表現している。僕はこちらの方がとても好きだ。なぜなら、こんな風に大きく作品構成を見れる機会など無いではないか。

 外山氏は「A」から描き始めて今年は「k」で、11回目。アルファベットにどういう意味があるのかは知らない。
 二つのことを想像している。
 画家は何かを描くように宿命付けられているが、抽象画家にとって具象を選べない。それは深刻な問題を秘めていると思う。そこを「アルファベットを描く」ことで開放されているのではないか。
 そして、これは失礼な想像だが、年齢を考えた時、死ぬまでに一つの完結した姿で描き上げるのに、26文字、26年間はいい区切りと思ったのではないか。


603)市民ギャラリー ①「’08 第35回北海道抽象派作家協会展」 4月15日(火)~4月20日(日)  _f0126829_22584767.jpg

603)市民ギャラリー ①「’08 第35回北海道抽象派作家協会展」 4月15日(火)~4月20日(日)  _f0126829_2304676.jpg
 ↑:一般・石川潤、「海に浮かぶ地球(ほし)」・F150。(他に「帰する日」、「生命の旋律」)

 几帳面にギラギラと画家自身のエネルギーをぶっつけた絵画だ。同人達の濃密なあるいは素直な画質感とは違い、輪郭をはっきりさせた色の組み合わせ・関係、そこからの色のエネルギーの発散に意を注いでいる感じ。


603)市民ギャラリー ①「’08 第35回北海道抽象派作家協会展」 4月15日(火)~4月20日(日)  _f0126829_2312081.jpg

603)市民ギャラリー ①「’08 第35回北海道抽象派作家協会展」 4月15日(火)~4月20日(日)  _f0126829_23111183.jpg
 ↑:一般・甲斐野弘幸、「跫音 08-3」。(他も「跫音 1・2」)。

 ざっくばらんな色面構成。画質感はそれほどでもない。寒色系の色を足音、靴音のように貼り付けていって、何かのムードを伝えようとしている。

 ②に続く


 

by sakaidoori | 2008-04-17 23:32 | 市民ギャラリー
2008年 04月 16日

600) たぴお 「BOXART(ボックスアート)展」  4月14日(月)~4月19日(土)

○ BOXART(ボックスアート)展

 会場:ギャラリーたぴお
    中央区北2西2・道特会館1F (中通り東向き)
    電話(011)251-6584
 会期:2008年4月14日(月)~4月19日(土)
 時間:11:00~19:00?

 【出品作家】
 池田宇井子 藤川弘毅 林教司
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(4・14)

600) たぴお 「BOXART(ボックスアート)展」  4月14日(月)~4月19日(土) _f0126829_1726453.jpg たまたま初日のオ-プニング・パーティー時に行ったので会場の全体風景は載せれません。作家毎の掲載になります。

 会場構成は入って右側が池田宇井子、正面が林教司、その間に挟まれるような形で床とその回りに藤川弘毅。藤川作品は写真ではテーブルの影になって見えません。




○ 池田宇井子
600) たぴお 「BOXART(ボックスアート)展」  4月14日(月)~4月19日(土) _f0126829_1734264.jpg


600) たぴお 「BOXART(ボックスアート)展」  4月14日(月)~4月19日(土) _f0126829_17403193.jpg600) たぴお 「BOXART(ボックスアート)展」  4月14日(月)~4月19日(土) _f0126829_17373290.jpg











600) たぴお 「BOXART(ボックスアート)展」  4月14日(月)~4月19日(土) _f0126829_17422100.jpg600) たぴお 「BOXART(ボックスアート)展」  4月14日(月)~4月19日(土) _f0126829_17425282.jpg















○ 藤川弘毅
600) たぴお 「BOXART(ボックスアート)展」  4月14日(月)~4月19日(土) _f0126829_17441695.jpg


600) たぴお 「BOXART(ボックスアート)展」  4月14日(月)~4月19日(土) _f0126829_17453847.jpg
600) たぴお 「BOXART(ボックスアート)展」  4月14日(月)~4月19日(土) _f0126829_17462742.jpg















○ 林教司
600) たぴお 「BOXART(ボックスアート)展」  4月14日(月)~4月19日(土) _f0126829_17482183.jpg


600) たぴお 「BOXART(ボックスアート)展」  4月14日(月)~4月19日(土) _f0126829_17512552.jpg600) たぴお 「BOXART(ボックスアート)展」  4月14日(月)~4月19日(土) _f0126829_17531574.jpg














600) たぴお 「BOXART(ボックスアート)展」  4月14日(月)~4月19日(土) _f0126829_1754612.jpg600) たぴお 「BOXART(ボックスアート)展」  4月14日(月)~4月19日(土) _f0126829_17544670.jpg
















 ボックスアートだからもっと沢山の作家を見たかったのは事実だが、不思議な3人展になっていた。それは女・池田宇井子×男・林教司のバトルの雰囲気で、その間に藤川作品が緩衝地帯のように収まっていた。

 池田宇井子は言葉通り箱作品。箱の中に卵と寄生虫のような生き物を画題にして、几帳面に綺麗に表現していた。卵の中に貝殻を入れて女性器そのものに見える作品もある。嫌らしさは全然無い。エロスというよりも誕生としての秘部と種だ。綺麗な作品だ。一方で、卵は傷付けられ、虫のような生き物がそれに絡もうとしていて、美しく痛ましい。箱に閉じられた完結した世界だ。

 かたや男・林教司は時・時計に拘っていた。美や完結さは池田宇井子に任せて、廃品を使い荒く、箱からはみ出しそうな勢いだ。久しぶりにストレートな表現を見た。本と時計と恐竜の組み合わせが面白い。タイトルをつけるのも得意とする画家だ、ネーミングを知りたいものだ。
 それにしても彼の鉄の使い方、その自然な存在感、手との馴染み具合、見せる画家だ。「鉄の人・林」の面目躍如だ。

 池田と林が何を表現しているのかは定かではないが、二人を比較しながら見ると考えが広まる。その二人の中間にマイペースで藤川弘毅は床に箱を置き、生きたラジオを廃品のように付き添えている。会場にはラジオがいつも鳴っていた。壁には若い女性のあまりに普通なスナップ写真。彼は女性が好きなのだ。僕もだ。
 なぜ人参なのかわ分からないが、古びた壊れそうなラジオがはみ出し、今を生きる若い女性がはみ出す。画家の一人悦になっている顔が見えるようだ。

by sakaidoori | 2008-04-16 19:12 |    (たぴお)
2008年 04月 15日

599) 時計台 「Bridge(ブリッジ)展」 4月14日(月)~4月19日(土)

○ Bridge(ブリッジ)展
    岡和田暁子 片山美代 武田直美

 会場:時計台ギャラリー 3階A室
    中央区北1条西3丁目 札幌時計台文化会館・(中通り南向き)
    電話(011)241-1831
 会期:2008年4月14日(月)~4月19日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00迄)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー(4・14)

599) 時計台 「Bridge(ブリッジ)展」 4月14日(月)~4月19日(土)_f0126829_15162388.jpg


 洋画家・伏木田光夫さん関係のグループ展。今回は3人の出品ですが、3人展ということではないようです。

 岡和田暁子さんが会場に詰めていて、もっぱら彼女の作品を話題にして時間を過ごしました。教室展関係の場合は師の画風の影響を感じます。それは仕方がないことなのでしょうが、見るほうは面白味に欠けます。この中ではもっとも伏木田風から遠いのが岡和田さんでした。その辺も話が弾んだ理由の一つかもしれません。函館に転居したので3年位しか教室には通わなかったそうです。

○ 岡和田暁子
599) 時計台 「Bridge(ブリッジ)展」 4月14日(月)~4月19日(土)_f0126829_22344535.jpg599) 時計台 「Bridge(ブリッジ)展」 4月14日(月)~4月19日(土)_f0126829_22364954.jpg











 ↑:左から、「モロッコにて Ⅱ」・20F、「花のある卓上」・20S。

599) 時計台 「Bridge(ブリッジ)展」 4月14日(月)~4月19日(土)_f0126829_22411370.jpg
 ↑:「モロッコにて Ⅰ」・40F。


 静物画3点と風景画2点の出品。
 静物画は描きなれているのでしょう、自信をもって描いている。上部の背景、塗りつぶすようにカリカリと力を入れて光を表現している。でも、単に光が好きというのではなくて、その白さの下に何かがあって、それらを光の白の強さで覆いつくしたいという画家の意欲の反映だ。
 岡和田さんははいったん描いた物を、薄塗り厚塗りに関係なく更に描き込む癖があるみたい。描けば描くほど良くなればいいのだが、そうならないのが絵画の難しさ。上のモロッコの絵、お洒落に手前左を流れるように薄くしたのだが、僕の好みとしては、ここは力強く建物を描いて、輪郭線の色が全体でリズミカルにして欲しかった。そのほうが元気さが特徴の岡和田・ワールドに馴染んでいると思う。
 そうは言っても、畳み掛けるような建物のリズム、カリカリカリカリと線描のように画布に打ち込む元気良さ、また来年作品にお会いしましょう。


○ 武田直美
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 ↑:左から、「もう一つの桜へ」・120F、「今年の桜」・100F、「桜 だれもいない時」・120F。

 桜を背景に家族を描いているのでしょうか?車椅子に誰かが乗っています。画家のご家族でしょうか?タイトルを読み進むと、還らぬ人になったような印象を受けます。その人との思い出を満開の桜の木の下で過ごしているようです。たとえ無言であっても花の美しさを楽しんで、お顔が笑みで緩んでいるのを想像してしまいます。
 100号を超える連作、大作です。絵の魅力の一つです。絵巻物としてストレートに表現できるのです、絵は。
 老いと死、それは画家にとって両親のことかもしれない。が、まさに見取る者も同時にその世界が現実味を帯びる年なのです。
 こうして、満開の桜の木の下で家族と過ごしたことを良き思い出として残しておきたい、僕もそういうことを語る年に近づいたようだ。


○ 片山美代
599) 時計台 「Bridge(ブリッジ)展」 4月14日(月)~4月19日(土)_f0126829_2321265.jpg
 ↑:「おれ達の夏」・100S。
 構成ということを強く意識した作品です。中央に円環上に盛り上がるようにして人物群を纏め上げる、そこに更に赤で中央を盛り上げる。脇に子供をアクセントのように配置する。残念なのはあまりに構成という約束事に忠実すぎて、画家自身のオリジナルというのか個性を犠牲にしているように僕には見えます。
 パッと見た瞬間に何かを感じて、「何でだろう」と思って絵をジックリ見た時に、構成がしっかりしているから絵が引き立つのだな・・・と、あるべきだと思います。初めに構成ありき、では無くて、初めに絵ありきが僕の好みなのですね。

by sakaidoori | 2008-04-15 23:51 |    (時計台)
2008年 04月 12日

597) 市民ギャラリー 「第22回 北海道墨人展」 4月9日(水)~4月13日(日)

○ 第22回 北海道墨人展
   
 会場:札幌市民ギャラリー 1階第3展示室
     札幌市中央区南2東6
     電話(011)271-5471
 会期:2008年4月9日(水)~4月13日(日)
 時間:10:00~18:00(最終日16:00迄)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(4・10)

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597) 市民ギャラリー 「第22回 北海道墨人展」 4月9日(水)~4月13日(日)_f0126829_0132821.jpg


 書の印象記を少し書いていきます。
 全体の印象としては「一字書」が中心ですが、黒字で迫る字あり、筆跡を残す字あり、力強い字あり、遊び字ありと多彩であった。一人一人の取り組みの違いが感じられて良かった。ただ残念なのは、表装のお粗末な作品が多すぎたことです。おそらく、表具屋仕上げでなく、ご自分でされているからだろうと思います。更に悪いのは、墨の勢いなのか、汚れなのかはっきりしない汚さが目立ったことです。書は黒一色の美学なので、もう少し配慮が必要ではないでしょうか。

 この会には樋口雅山房がいます。氏にはいろいろと芸術・書一般の雑談をする機会もあり、今展も作品に関する知見も窺うことができました。お話を参考にしながら、印象を何点か書いていきます。

 
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 ↑:高橋節男(共和)、「戒」・161×91。

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 ↑:中野隆司(札幌)、「悦」・90×160。

 筆跡が後追いできる2作品を載せてみました。

 上の作品、書き始めの飛沫を出さないで、2筆目の縦線が力強い。全ての書の力が、この縦線に集約されているような密度の濃さ、先に進み出ようとする力を感じる。「戒」、戈(ほこ・武器であると同時に祭器)を両手で持って、高く振りかざした様という意味だ。襲うというよりも、警戒して緊張して立っている姿だ。作品は仁王様のように、外に緊張がほとばしる直前という感じ。

 下の「悦」、「戒」と似て非なる作品だ。全体が人間の姿に見えて絵画的だ。筆跡はグラデーションを残すようで、「気」を内側に閉じ込めて完結している。おそらく筆の最後(終筆)に特徴を感じるからだろう。優しく完結しようとする作家の意思の現われと見た。「悦」、喜悦という言葉がある。心を開いて、何かと感応したエクスタシー状態をいうのであろう。「悦」としてのこの人は、どんな興奮状態だろう?



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 ↑:吉田敏子(札幌)、「寛 A」・144×91、「寛 B」・140×160。

 非常に優しい字だ。雅山房にその辺のことを伺うと、「かなのように手首で書いているからでしょう」とのこと。多くの「一字書」は腕で書いている。だから、大きく力が張っている。
 この作品は筆先の流れ、家(廟)を表すウ冠と下の字(人だろうか?)の関係が心地良い。書かれない余白との呼吸感も好ましい。
 心の広々とした状態、自由さや人の雅な様を「寛」に託して書いている。


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 ↑:樋口雅山房(札幌)、「鳥魚」・54×105。
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 ↑:樋口雅山房、「牛一歩」・54×105。

 共に絵画的で力強い。季節は春だ。以前この時期に、「春眠暁を覚えず」といった感じの「春」を見たことがある。それに比べて何と元気の良いことか!鳥になり、魚と対話し、山に見立てて超えようとしている。牛の如き確実な歩みをしよう、するのだと見た。

 上の作品、「書」として「絵」を描けばこうなるのだ、と言っているようだ。無論それは樋口雅山房の「書・理論」であって、他の書家には「書に非ず、道具としての筆・墨・紙であって、単なる絵である。」という批判があるだろう。もっともな意見である。門外漢の僕には、そういう議論の中から「書とは何か、芸術とは何か、伝統とは何か」に迫れれば良いと思っている。

 さて、「鳥魚」、「書としての絵」として楽しめば充分だろう。落款の位置に気をつけたい。

 「牛一歩」、面白い字だ。

 ①全体を一つの字として楽しむことが出来る。
 ②牛の字が「牛の顔」あるいは「人の立ち姿」に見える。雅山房・書の絵画性(造形性)が素直に出ている。

 ③全体を一つとして楽しめると言ったが、個々の字の魅力はばらばらだ。

 「牛」、絵あるいは切り絵のような後景・中景・前景と明確に区別されて目に入る。書は時間軸の芸術であるから、重なる字が立体的に見える時があるかもしれない。だが、この字は一本一本の字が独立して、絵のストロークの痕跡のようにして成立している。
 「一」、書のかなりの要素が「一」には含まれている。起筆、伸ばし、終筆が凝縮している。この字は始まりは独立していて、終筆は次の字に引き継がれるようにして成り立っている。「牛」と「歩」に挟まれて、あまり個性を発揮していない。中継ぎとしての字に見える。静かな「一」だ。
 「歩」、「牛」が完結した書からの逸脱を感じるならば、この字は最後の左下にはねる書き方が、あまりに力強く独立性が高いので、「歩」の字の全体のイメージを崩している。「歩」として破綻している。故に「牛」「一」「歩」が全てばらばらな存在原理で成り立っている。見た目の不統一とは違って、「書」への泥臭い拘りが全体を包んでいる。それは「書」あるいは「書法」への自信の現われでもあるかもしれない。

by sakaidoori | 2008-04-12 00:55 | 市民ギャラリー
2008年 04月 08日

591)時計台「中田絵美・大場優子展」 終了・3月31日(月)~4月5日(土)

○ 中田絵美・大場優子展

 会場:時計台ギャラリー 3階G室
    北1西3 札幌時計台文化会館・中通り南向き
    電話(011)241-1831
 会期:2008年3月31日(月)~4月5日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00迄)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー(4・4)

591)時計台「中田絵美・大場優子展」 終了・3月31日(月)~4月5日(土)  _f0126829_1184541.jpg


 一月前に資料館(⇒こちら)で同じように2人展を開いた二人だ。学生2人展を続けて読まれる方には面白くないかも知れません。こちらの方はことさら深い思いがあるというのではないのですが、こういう縁もギャラリー廻りの楽しみの一つ、「縁深まれば、見るのも更に楽し」という心境です。


○ 大場優子
591)時計台「中田絵美・大場優子展」 終了・3月31日(月)~4月5日(土)  _f0126829_11253886.jpg
 ↑:「家族と」・F100・油彩 キャンバス。
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 ↑:「家族と共に」・F100。
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 ↑:「人々」・M100。

 会場プロフィールに道展出品歴を記してあり、おそらく全部公募展に応募した作品だろう。資料館の展示とは違って、普段大場さんが絵画で追求している姿の展示だ。

 大場さんは「人間」を描く。裸体ということから、社会化以前、あるいは社会化直前の人間群だ。「画家自身ー家族ー社会」とストレートに視野を広げていっている姿が窺われる。裸体、背景と全ては似たような色で、青春色といえばいいのだろう。人と人との関係は技術の拙さか、孤独や不安、人間不信という表現まではいたっていない。関係としての人間よりも、群像の個としての人間という表現だ。そこに絵画としてのリズム感、色の視覚効果で画家自身の人間観を表現している。
 家族画には父親はいない。父権無き人間関係を見詰めたいのか?女を見詰めたいのか?どこかユーモラスで、ぞんざいな人体が面白い。人間群、人間関係に関心のあるのが好ましい。
 100号・4連作ぐらいの大作に挑んだらいいのだ。大きな群像画、立ち込める人間心理の機微の描写、絵にすべき画題はたくさんある。


○ 中田絵美
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 (タイトルと作品関係のメモが不備でしたので、最後にまとめて列記します)

 作品傾向は資料館の2人展と同じ。見る側からすれば似ていると一言で終わりそうだが、中田さんはこの様式にはまっていて、他にしたいことを抑制して励んでいる。画家だし、若いから他の色も使いたいだろう。相棒の大場さんは大作では似たようなことをしているが、しっかりと色んなことを裏で励んでいて、その成果をポンとある時に大作に表現する。そういうフットワークの良さがある。
 その点、中田さんは頑固だ。黙々とサイコロを作って、着色して、燃やして茶色を付けて、イメージに合わせて作品を並べて、一人あれやこれやと悶々としていく。
 僕は彼女の色が好きだ。前回も書いたが、若々しい色だ。ピチピチした発散する力、躍動感を思う。燃やして出た色も、廃墟や滅びの美学よりも、「燃やされても生きている」というたくましさを感じる。
 
 こういう様式はマンネリに陥る危険がある。自己満足という落とし穴がある。そこをどうするか。それはまだまだ先だろう。自己抑制心と追求心に期待しよう。道展に参加しているという。秋の展覧会を見る楽しみがひとつ増えた。

 ・「個々」、60×20cm 幅20cm・シナベニヤ ジェッソ 蜜蝋。
 ・「繫がり」、160×160cm 幅20cm・シナベニヤ ライトモデリングペースト。
 ・「通過」、90×20cm 幅10cm・同上。
 ・「ひとつ」、20×200cm 幅10cm・・シナベニヤ ジェッソ 蜜蝋 ライトモデリングペースト。
 他

by sakaidoori | 2008-04-08 21:06 |    (時計台)
2008年 04月 07日

590)時計台「奥平千香 折目桃子(大谷短大研究生)・展」 3月31日(月)~4月5日(土)

○ 美術科研究生終了展 (札幌大谷大学短期大学部美術専攻研究生)
     奥平千香(関節人形) 折目桃子(油彩画)

 会場:時計台ギャラリー 2階C室
    北1西3 札幌時計台文化会館 (中通り南向き)
    電話(011)241-1831
 会期:2008年3月31日(月)~4月5日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00迄)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー(4・4)

 今春の大谷短大美術展で関節人形を見た。ピンポイントで紹介できなくて残念な思いをしていたのだが、幸いにもその時の人形に再び合えることができた。制作学生にも会えて、あれこれと雑談ができた。


○ 奥平千香
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 ↑:「メメント・モリ」
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 ↑:「雨過天晴」
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 ↑:「Belphegor」

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 ↑:左側から、「酔生夢死」、「梵天(半熟)」。


 奥平さんは発表慣れしていないと見えて、笑顔も少なく緊張気味だった。それでも、作品を触らせたり抱っこさせたりと、サービス精神豊かな学生だった。多くの時間を割き、精魂込めた作品を見てもらえることを喜んでいるようだった。
 作品の顔が制作者の顔とそっくりなので、思わずこちらが微笑んでしまった。緊張していて、まだ捉えどころの無い人形の表情。技術の拙さだろうが細長い指の表現が目に止まる。人形には衣装や小道具が必要だろう、手作りの服が初々しい。本人がしきりに触ることを薦める、冷たくつるっとした感触。「一生懸命、こするんですよ」言葉に力がこもっている。学生の努力が人形の肌に沁み込んでいると思うと、つい真剣になって比較しながら触っていく。確かに精魂込めて磨いた肌は、一味違った感触が伝わってくる。

 「雨過天晴」は某人形展にも出品したという。本人の制作の方針は、人形道展的な「癒し・なごみ」と、芸術的な自己表現の強い「個性」との接点辺りを考えているようだ。人形を作る若い人は決して少なくないかもしれない。だが、なかなか彼・彼女等の作品を目にする機会が少ない。それはこちらの責任なのかもしれない。
 「奥平千香」、名前を覚えておこう。細く長く彼女の作品を見ていこう。技術の確保、表現力の高まり、その移り変わりを見ていこう。彼女も他人に作品を見せないと向上はおぼつかないだろう、小品でも構わないから機会を作っては積極的に参加して欲しい。


○ 折目桃子
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 ↑:「red space」・F120。
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 ↑:「garden」・F120。
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 ↑:「砂岩の浮かぶ町」・F100。


 絵は何かを描かねば始まらない。折目さんは少なくとも画題からは開放されているようだ。黄色味を帯びた粘土壁をサイコロ仕立てで、空中浮遊させてたくさん描いている。浮遊しているが、崩壊や不安感覚はあまり感じない。サイコロは輪郭もしっかりしていて、角は円みを帯びてむしろ優しく見える。入念に描きこんでいて、画質感の研究おサイコロは担われているようだ。絵という二次元の世界で、サイコロを浮かし重ねらせることによって、立体感や時間・運動を追及しているようだ。

 このサイコロたちが画家のどういうイメージ・メッセージなのかは分からない。今は「サイコロが描きたくて描きたくて、イメージがどんどん膨らむのです」という画家の言葉を聞く思いで見てきた。特徴的な絵で、記憶に残りやすい。丹念に描く姿勢に好感を持った。

by sakaidoori | 2008-04-07 23:26 |    (時計台)
2008年 04月 07日

589) 大通美術館 「カルチュレ 2008 油彩展」 4月1日(火)~4月6日(日)

○ カルチュレ 2008 油彩展

 会場:大通美術館  
    大通西5丁目11 大五ビル(東向き)
    電話(011)231-1071
 会期:2008年4月1日(火)~4月6日(日)
 時間:10:00~19:00(最終日は~17:00迄)

 【出品者】 
 八木野蓉子 栗城陽子 加賀谷智子 (会場、入り口から左順。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(4・4)

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 絵の好きな女性仲間の3人展。
 「栄通記の案内板」に載せていたのをご存知で、その関係でいろいろとお話をすることができました。以前の作品は知らないので、今展を見ての印象を書いていきます。会場入り口の左順で、一人2点載せます。それぞれ、5・6点の出品でした。

○ 八木野蓉子
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↑:「雨の日」・F20。
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 ↑:「スパイラル」・F15。

 ほんのわずかですがコラージュあり、四角や円の連続模様などの抽象模様あり、そして四角の枠に収める形で静物画のような具象画もあります。上の「スパイラル」がそうです。この絵を見て、「この方は具象絵画は描き慣れているのだな」と思うと同時に、他の作品が実験というのか、自分が今までに表現しなかった抽象表現を試みているのだな、と思った。
 八木野さんの今展の特徴はチャレンジ精神ではないでしょうか。ただ、絵全体で静かな詩情やリズムを表現したいので、絵画的チャレンジが大人しいというのか遠慮がちな感じがした。だから、絵から受ける印象にインパクトが低くなっていたと思う。確かにその点は欠点に思えるが、今までの自分のスタイルに果敢に挑戦しようという静かな意欲は素晴らしいと思う。
 一度失敗を省みず、大胆な抽象表現を試みてはどうでしょうか。そこから、八木野さんの得意の具象表現との調和に意を注いでは。


○ 栗城陽子
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 ↑:「風景」・F20。
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 ↑:「くだもの」・F30。
 ご自分のスタイルが出来上がった感じです。背景の白の世界、描き込められた密集した世界、対比や構成といい凛とした心地良いムードが伝わってきます。
 さて、これから栗城陽子さんはどういう方向に行くのでしょう?力強い輪郭がぼやけて背景と一体化していくのでしょうか?色は白と青を基調にしていますが、軽やかな赤味が増えていくのでしょうか?暫くは今のままだと思います。画家自身が変われば絵も変わるもの、絵の深みにおののけばそのことだけで絵は変わるかもしれない、変わらないかもしれない。
 充分に魅力的な絵画です。更に上を望むのは贅沢でしょうか?

○ 加賀谷智子
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 ↑:「’08 アサノヒカリ」・F20。
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 ↑:「’08 マドベノハナ」・F10。
 
 加賀谷さんの魅力はこだわりの少なさです。自由な精神は線を描く潔さに現れています。思いっきりが良い。上段の絵、ユーモラスで茶目っ気がある。上手い絵かと聞かれれば、良い絵だと応えたい。「具象、抽象何でも来い」という元気さも伝わります。

 加賀谷さんは個展を開きたいようなことを語っていました。大いに賛成です。初めは小さな会場で構わないないと思います。個展を開くということは、絵を描く励みにもなると思います。楽しさと同時に苦しさもあるかもしれない。ですが、絵を描いているのですから、個展は一度は通らねばならない道だと思ってはどうでしょうか。
 会場を選ぶ。自分の絵の中から「良い絵」を自分で選ぶ、絵が引き立つように展示する。DMを作る。アドバイザーがいたとしても、全ては自己責任です。素敵な体験だと思います。

by sakaidoori | 2008-04-07 20:37 | 大通美術館
2008年 04月 03日

585) 時計台 ④「第7回 サッポロ未来展」 終了・3月17日(月)~3月22日(土)

○ 第7回 サッポロ未来展
     THE PRESEN  


【参加作家】

 渡辺直翔 藤田有紀 吉田浩気 平野可奈子 宮澤祐輔 明円光 片山美季 秋元美穂 高村葉子 長屋麻衣子 こうの紫 青木美歌 西山直樹 渡辺元佳 佐藤仁敬 谷地元麗子 福森崇弘 風間真悟 齋藤麗 田中怜文 宮地明人 河野健 竹居田圭子 波田浩司 水野智吉 村山之都   ・・・・・・以上、26名
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・22)

 2階の壁面作品(油彩・水彩・版画他)から写真紹介します。

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 ↑:波田浩司、「羽根の舞う日」。
 彼の作品は一目見ればそれと分かる特徴を持っている。長所は、それだけ印象に残る絵画だということ、欠点はあまり変化が無くて、たくさん見ても面白くないということだ。
 今展の連作は良い。得意の現代という浮遊感の中に芯の通った強さ・魅力を感じた。白い建物の都会とか、人物という画題はほとんど同じなのだが、いままでにないインパクトがあった。いつからこのシリーズを描き始めたかは知らないが、表現力を高めるのに年数が必要と言う証拠を見る思いだ。

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 ↑:佐藤仁敬、「paranoid」。
 女性とは思えない太い手だ。昨年はもっと軽い世界と思ったが、紫とグレイで暗い気分だ。タイトルも妖しげだ。

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 ↑:高村葉子、左から「或る地方都市」・「関東 曇り」。

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 ↑:村山之都、「モネ」。
 彼は男の立場による暴力的性行為を画題にしていた。「エロスを表現しているのでは無い」ということだろうが、エロスだらけだった。エロ雑誌的泣き笑いが無くて、あまり絵そのものには関心が無かった。「こういう絵を描く人は、どんな風に変化するのだろう?」という興味があった。
 残念というのか、予想通りというのか、暴力的性描写が激減した。充分描き終えたというのか、実験は終わりつつあるというのか、見ているほうとしては物足りない感じだ。

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 ↑:宮地明人、「dry」・F100。
 何点かの出品だが、これが一番好きだ。
 リンゴの丸、顔の丸、体の丸みが連続的なリズムをなしていて心地良い。中央のそれらの安定感と、上と下にある紐の直線の緊張の対比が、見ていてすっきりする。肌の色、服の色、ベッドの色、壁の色、少ない色がやはり中央の連続する丸みと呼応していて、求心力を高めていると思う。

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 ↑:谷内元麗子、「かなた」・F150。
 ネコと裸婦。彼女の画題としては御馴染みだ。背景は金箔風に仕上げて、裸婦の姿を鏡のように写らせている。彼女独特のギラギラするエネルギーは完全に影を薄めている。試行錯誤の日々のようだ。

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 ↑:長屋麻衣子、「潜む罠」・F100。
 ちょっとタイトルが不思議だ。どこか目くらましにあったような、不思議な感覚だ。こういう作品を見ると、まとまって見たいとつくづく思う。

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  ↑:平野可奈子、「母子像」。
 気持ち悪い絵かもしれない。僕の妻はそういう気分で見ていた。僕自身は具象画の中で、こういうのを見るのが好きだ。それに、見た目ほど気持ちは悪くない。
 タイトルの付け方がとてもヒューマンだ。生命誕生、あるいは生命の秘部でのうごめく美しさを画家なりに迫っているのだろう。僕には樹木の根っこの土の中の細菌達の棲み分けのような感じで見た。大きさのメリハリ、細かいところの気配りと、画家の意欲満点な姿勢が好ましかった。

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 ↑:こうの紫、「雪富士」。
 若い女性が浮世絵の「赤富士」ならぬ「雪富士」を、こんな風に描くことに驚きと同時に新鮮さを感じた。「自然」、「風景」、「心象」、「抽象」・・この人はいろんなことを軽くこなしていけば、見えないところが見えてくるのだろうな、そんなことを思った。

by sakaidoori | 2008-04-03 23:20 |    (時計台)
2008年 03月 31日

581)さいとう「八子晋嗣・八子直子展」  終了・3月25日(火)~3月30日(日)

○ 八子晋嗣・八子直子展

 会場:さいとうギャラリー
     南1西3 ラ・ガレリア5階B室
     電話(011)222-3698
 会期:2008年3月25日(火)~3月30日(日)
 時間:10:30~18:30(最終日は17:00迄)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・29)

 八子さんご夫婦による二人展です。

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 展示は晋嗣さん抜きの直子さんと、そのお父さんによるとのこと。キャプションは子供さんが書き、画題も子供さん、まさしく家族展です。

 この展示方法が八子晋嗣さんの立体作品に思わぬ効果をもたらせたようです。具体的な点は省きますが、小品の作品同志の組み合わせ、部品の位置、寝かせたり立たせたりと、作品も以前とは違った表情で目に入ってきて、心地良い刺激を受けました。
 その小品を覆うようにして、八子直子さんのあっけらかんとした子供の顔があります。意外に静謐な沈み込んでいく場になっていました。

 まず、ご主人の八子晋嗣・立体。基本的に僕は彼の作品は好きですし、関心も高いのですが、今展も新作は大いに満足でした。

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 ↑:「海にかえる」
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 ↑:海の森」
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 ↑:「ラルカのかけら」

 上の二つ、ピーナッツのような形が良いですね。目に優しく、触りたくなるむっくりした形態です。彼の造形感覚は人体のフィット感にあるようです。抱いていいし、枕にしていいし、転がして遊びたくなります。
 下の作品、二種類の木の部品の組み合わせです。亀ですね。円い部分が一人コタツに見えるので「コタツ亀」と勝手に命名しました。やはり触りたくなります。「触らせる、触りたくなる」、まさしく八子晋嗣のエッセンスです。
 優れた近作小品の3連発、彼は充実している。「近美のアミューズメント・ランド」だったか?、子供向けの近美の冬の企画ですね。是非是非、八子さんを出して貰いたいですね。

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 八子さんはご自身の子供を自分の肖像画のように大きく描きます。
 八子直子の魅力、それは大事なものを恥じらいやてらいも無く、ドーンと僕達の前に晒すこと、その行為です。絵画的トリックとか造形的追及とかは強制的に後ろに引っ込んでいって、まるでそういうことは問わない姿勢に見えるのです。「愛は全てを隠す」と言いたげです。好きなものを好きなだけ描く、表現する。この行く着く果てに何が有るのか?表現は膨らむのか?枯渇するのか?実験でもあり、八子直子の生き様でしょう。こちらは一人で舞い上がる八子さんを見守るしかない。それが、どう見る者に還って来るか。結論を急ぐことは無い。まだまだ八子さんは舞い上がるのだから、暫くは見続けていこう。


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by sakaidoori | 2008-03-31 21:18 | さいとう