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2008年 07月 11日

689) CAI02 「神谷泰史/佐藤史恵・二人展  『Γ』」 終了・6月28日(土)~7月10日(木)

○ 神谷泰史(かみや・たいし)/佐藤史恵(さとう・しえ) 二人展
    「Γ」

 会場:CAI02 raum2・3
    中央区大通西5丁目 昭和ビル・B2 (地下鉄大通駅1番出口)
    電話(011)802-6438
 会期:2008年6月28日(土)~7月10日(木)
 休み:定休日は日曜日
 時間:13:00~23:00 (最終日は~19:00まで)
ーーーーーーーーーーーーーーー

 「音と空間が音楽を作る過程に注目したインスタレーションを展開する神谷泰史、本来動物や人間にあるプロテクト的な本能や共通感覚を、線材のみで空間に構築する佐藤史恵による二人展」

*タイトルの「Γ」は記号の"ガンマ"で、展示するraum2、raum3を上から見た壁の形をあらわしています」

 以上、CAI現代美術研究所H.P.からの抜粋です。


 会場は2作家、2作品のシンプルな展示です。個別のタイトルが書かれてあったかもしれませんが、見忘れました。またその必要を感じない展覧会です。

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 ↑:佐藤史恵。会場入り口からの風景。

689) CAI02 「神谷泰史/佐藤史恵・二人展  『Γ』」 終了・6月28日(土)~7月10日(木)_f0126829_12273142.jpg689) CAI02 「神谷泰史/佐藤史恵・二人展  『Γ』」 終了・6月28日(土)~7月10日(木)_f0126829_12284568.jpg










 ↑:反対側からの作品風景。

 佐藤史恵、1978年十勝生まれ、札幌在住。
 H.P.案内や会場紹介文にあるプロテクト(保護する)を意味する「隠れ家、巣、蚕、胎内」でしょう。あまりにそのものズバリです。
 靴を脱いで中に入っても構わない工夫がされています。「作家ー蚕ー鑑賞者」が共通認識や共通体験を生む道具なのでしょう。残念ながら僕は入らなかった。


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 ↑:神谷泰史、(音を契機にしたインスタレーション。)

 1980年、札幌市生まれ、浜松市在住。

 神谷君が音を手段にした表現者ということを知らなければ、何が何だか分かりにくい作品かもしれない。一応、関係者が、「ダンボールに耳をあてて下さい。小さな音が聞こえますよ」と、教えてくれます。

 というわけで耳を当てるのです。ダンボールがスピーカーの役目になっていて何かが聞こえてくるはずです。ところがそれらしい音が聞こえないのです。それでも右側は非常に小さく「ツー」と聞こえますが、左側は聞こえません。聞く人達は、「これは何だろう?聞こえないなー、収音マイクに仕掛けがあるのでは?」と思案することになるのです。

 亡くなられた村岸・作品の白樺を思い出した。白樺を抱いて耳をそばだてて、白樺に流れる音を聞く作品です。木が音を吸い上げる「ピチッ、ピチッ」という音が、木を抱く感触と重なり実に心地良い展示でした。それは音を聞かせるという方法により、別次元への表現の為の「装置・演出」でもありました。

 「そうか、これは何らかの表現の為の装置なのだな!」
 このダンボールは耳を当てやすい高さになっている。僕が耳を当てていると、隣では女性も同じ仕草をしているのです。僕は瞬間、彼女の顔をまじまじと見てしまった。彼女の目は音に集中していて目と目が合うことはなかったが、もし好奇心の目で見知らぬお互いが見合ったとしたならば、それはそれは嬉しくもあり、恥ずかしくもあったことでしょう。

 そうか。これは聞こえない音を仲立ちにして、会場の人たちの感覚・感情を一つにさせる為の道具なのではないだろうか。村岸君の白樺は明るく健康的な場所だった。ここは暗い。暗さという都会の中で、この作品は何だろうと鑑賞者が言い合う。見知らぬ人達の「目と目」の触れあいも生まれる。つかの間の心の開かれた邂逅。

 「聞こえない音が人を繋ぐ」、人の触れ合いの道具なのでしょう。

by sakaidoori | 2008-07-11 14:04 | CAI(円山)
2008年 06月 27日

676) 近代美術舘 ④「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)

 【参加作家】
 阿地信美智  阿部典英 荒井善則 泉修次 伊藤隆弘 柿崎煕 加藤宏子 国松明日香 小石巧 佐々木けいし 下澤敏也 菅原尚俊 鈴木隆 高橋昭五郎 武田享恵 田村陽子 ダム・ダン・ライ 中江紀洋 楢原武正 韮沢淳一 野又圭司 林弘堯 伴翼 藤井忠行 藤沢レオ 藤本和彦 松井茂樹 森川亮輔 山田吉泰 山本良鷹 渡辺行夫
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(6・15)

 当初の予定に反して、4回目の記事です。立体展の回し者かと思われそうですね。個人の発する札幌・美術感想記です。偏りを楽しんで下さい。沢山載せたいのですが、他の展覧会の記が滞ります。一気に最後の報告です。


676) 近代美術舘 ④「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)   _f0126829_17434391.jpg
 ↑:鈴木隆、「フェイス」・2008年 180×140×210cm 木材・アクリルカラー。
 何と言っても今回はこの作品です。どうだと言わんばかりの顔です。その顔ににらっみこをしている青年がいるではありませんか・・・、というのは嘘で、会場で楽しんでいた青年に、モデルになってもらいました。有難う。全然知らない若者ですが、僕らはフェイス繋がりになったのです。

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676) 近代美術舘 ④「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)   _f0126829_17535087.jpg














 

676) 近代美術舘 ④「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)   _f0126829_17555414.jpg
 ↑:野又圭司、「壁」・2008年 250×250×75cm 銅。
 大作のインスタレーション的立体を好んで造る野又君ですが、コンパクトにキリリと輝く作品を持ってきました。
 彼は今冬、北見方面の美術館で個展を予定しています。今はその制作に没頭しているでしょう。男・野又圭司が試される時です。
 今作、小振りだが引き締まったムードが印象的です。何より、「僕の作品は美には無縁だ」と言った彼の言葉に反して、綺麗だ。彼はロマンチストだと思う。その辺をどう乗り越えるかを、その個展で期待したい。


676) 近代美術舘 ④「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)   _f0126829_1885939.jpg
 ↑:ダム・ダン・ライ、「サークル」・2008年 350×350×400cm 木。
 つい先日まで、殆んど同じ作品がSTVエントランス・ホールに展示されていた。抜群にこちらの方が良い。
 どこが良いかというと、床の作品はほぼ円形に並べられている。この円形が二重・三重になって鑑賞者に迫ってくるのだ。
 全体で一つの祭壇になっている。明快に画家の思想を雄弁に語っている。どう読み解くかは見る人それぞれが思えば良いことだが、ライ君の宗教性がこれほどはっきり表現されたのは珍しい。
 一つ一つのパーツは彼の遊び心の反映でもある。骨と露骨に見てもよいだろう。自然のムードや実景の模写とも見れる。繋がれて一つの世界を共有しようとしている。
 付言。円表現は平等主義と見ることが出来る。円卓会議やストーンサークルにはメンバーの平等感が反映していると。だが、円という形式を組まねば平等が保てないという緊張感も同時にそこにはある。真の平等とはランダムなはずだ。この作品にはそういう、強制にも通じる緊張感が素晴らしい。


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 ↑:柿崎煕、「林縁から」・2008年 15×860×240cm 木(カツラ・アクリリック)。
 柿崎さんの御馴染みの「林縁から」です。現在行われている、芸森の「サッポロ・イズ・ホワイト」にも出品しています。頻繁に見ることができる柿崎・林縁ですから、展覧会の風景になってしまった感じがします。


676) 近代美術舘 ④「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)   _f0126829_14195495.jpg
 ↑:中江紀洋、「旅の果て(自然律)」・2007~2008年 450×450×150 木(シナ材)・他。
 悶え苦しむ人体や、不気味な黒い歯型で人の苦しみを表現していた中江さんです。「ありゃりゃどうしたことか、何て可愛いお魚さんでしょう」という作品です。
 もちろん、鮭の遡上は産卵による生命の誕生と、雄雌の鮭たちの死という代償が伴っています。中江流生死の表現です。だが、深刻ぶったところはなくて軽い。作家がこういう作品を出す時は、何かの構想の一里塚だ。彼の年齢から来るものか、重く暗く深刻な表現を克服する作品が次は必ず出てくると思う。重たいテーマを、重く表現するばかりが作品ではないだろう。


676) 近代美術舘 ④「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)   _f0126829_1437164.jpg
 ↑:楢原武正、「大地/開墾 2008-6」・450×450×300cm 廃材にトタン板・古紙。
 我が道を進む楢原さんです。作冬の「存在派・展」では紙を使ってのインスタレーションでした。やや気の抜けた作品でした。やはり、こうきたのですね。
 おびただしい柱状は紙です。御馴染みの柱に釘が打ち込められた楢原・柱はしっかりと一本だけ立っていました。


676) 近代美術舘 ④「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)   _f0126829_14455290.jpg
 ↑:小石巧、「森・環」・2008年 400×200×200cm 木。
 小石さんは無言でいるとちょっと怖い顔をしていますが、面白い人です。
 自分の作品に首を載せて、ポーズをとっての記念撮影。写し終わると、「どうだ、どうだ、晒し首みたいだろう」と、一人はしゃいでいるのです。たまたま脇で、その光景を撮ったのですが、モニターで晒し首風にアップしてご本人に見せると、すこぶるご満悦。その写真掲載の許可を貰い忘れたので、見せれないのが残念です。
 作品は日を背中に浴びて、木のウエーブ・ラインが見せ所です。立っている作品よりも、無造作に転がしている作品の方が、目に優しく、さわり心地がシャープです。


 なぜだか非常に楽しい展覧会であった。テーマ無き展覧会も良いものだと、一人悦に入ってしまった。


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 ↑:近美の中庭。ポプラの種が夏雪のようだった。

by sakaidoori | 2008-06-27 18:32 | ☆札幌・近代美術館
2008年 06月 23日

671) 近代美術舘 ③「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)

 【参加作家】
 阿地信美智  阿部典英 荒井善則 泉修次 伊藤隆弘 柿崎煕 加藤宏子 国松明日香 小石巧 佐々木けいし 下澤敏也 菅原尚俊 鈴木隆 高橋昭五郎 武田亨恵 田村陽子 ダム・ダン・ライ 中江紀洋 楢原武正 韮沢淳一 野又圭司 林弘堯 伴翼 藤井忠行 藤沢レオ 藤本和彦 松井茂樹 森川亮輔 山田吉泰 山本良鷹 渡辺行夫
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(6・15)

671) 近代美術舘 ③「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)  _f0126829_1011665.jpg
 ↑:伴翼、「ある日」・2008年 A(55×55×106)他 木(松材)。

 これが何であるかが気になるところです。キノコ?コケシ?。答えは「シャンパンのコルク」です。
 伴君は正確無比なまでの具象性にこだわります。それは再現力の巧みさや誇示が目的ではありません。具象へのこだわりは、作家自身の存在する物に対する実在感でしょう。そして、全ての存在が関係によって成り立っているということを、自分の作品で再現しているのです。
671) 近代美術舘 ③「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)  _f0126829_11304079.jpg 作品を見た時のオヤッという驚き、触った時の心地良さ、作品を挟んで老若男女が語らう、それが彼の作品の魅力です。その時に作品の具象性が切り離せないのが、彼の持ち味です。
 残念なのは今回の展示空間でした。上の写真ですと、「この作品を見よ」という感じですが、作家の意図はそこにはありません。触るのは当然ですし、腰掛ける、テーブル代わりにする、肘を当てて考える人になる、そういう光景を外から見て、他の鑑賞者が楽しむ。ホールなり、緑の芝生の上に並べたい作品です。今頃はポプラの種が近美を舞い踊っています。きっと「ある日」はそれらの種達君と挨拶がしたかったでしょう。


671) 近代美術舘 ③「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)  _f0126829_10342979.jpg
 ↑:(四角く並んでいる作品)藤沢レオ、「パサージュ(passage)」・2008年 300×200×90 鉄・不織物。
 芸森の屋外作品で紹介した藤沢君です。彼は「パッサージュ」(通路)をテーマに制作に取り組んでいるようです。その完成度・成功度にあまりこだわらないで見ないといけないようです。「パッサージュ」への拘りが、どういう展開を見せるか気になります。


671) 近代美術舘 ③「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)  _f0126829_10421597.jpg
 ↑:山本良鷹、「私的空間」・2008年 50×110×100 花崗岩・その他。
 暗い部屋に、更に暗く輝いている作品。以外に大きいです。 


671) 近代美術舘 ③「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)  _f0126829_10454116.jpg
 ↑:藤井忠行、「れん(ren)」・2008年 450×450×160 ドロノキ・シラカバ。
 木の幹そのものを鉛筆のようにして遊んだ作品です。この作品も、違う空間に置いたら全然違った印象でしょう。


671) 近代美術舘 ③「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)  _f0126829_10525842.jpg
 ↑:武田享恵、「視覚と意識の交差」・2008年 150×150×140 アルミニウム・塩ビ版。
 相対理性原理論の空間(立体)作品として、いつも見てしまう武田さんの世界。美しく輝いていました。


671) 近代美術舘 ③「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)  _f0126829_1153562.jpg
 ↑:林弘堯、「Earth-Defomation」・2008年 20×900×400 Fibet・Acrylic・net。
 壁一面に黒く意味不明のカーテン?林さんは地球を見ているのですね。こういう風に見えるのか、こういう風にしたいのか、暗い部屋をいっそう暗くしていました。妻はクリフトの「包む」をしきりに連想して、意味不明に感心していました。
この作品と伴君の作品が一緒に並ぶミス・マッチがこの展覧会の魅力ですね。


671) 近代美術舘 ③「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)  _f0126829_11145539.jpg
 ↑:韮沢淳一、「檻」・2008年 120×120×200 鉄・花崗岩。
 花崗岩のみで800kgある作品です。その石がタイトルにあるように檻に閉じ込められているのです。一見、その重さ黒さ迫力に深刻そうですが、これが意外に笑いを誘うのです。このアンバランスが作品の魅力です。深刻ぶって、「作家さん!そんなに苦しまないで下さい。明日を信じてください!」というよりも、「オー、檻に入って、鉄筋に突き刺されて、痛いでしょう。サビオ、貼りますか?」と、笑いで石君を励ましたくなります。

by sakaidoori | 2008-06-23 12:06 | ☆札幌・近代美術館
2008年 06月 20日

668) 近代美術舘 ②「北海道 立体表現展’08 」 6月14日(土)~6月22日(日)

○ 北海道 立体表現展’08 

 会場:北海道立近代美術館
    中央区北1条西17丁目
    電話(011)644-6881
 会期:2008年6月14日(土)~6月22日(日)
 時間:9:30~17:00 (入館は16:30まで)
 休み:月曜日
 料金:一般 500円 学生300円
 
 主催:北海道立体表現委員会 北海道新聞
 協力:辻石材工業㈱

 【参加作家】
 阿地信美智  阿部典英 荒井善則 泉修次 伊藤隆弘 柿崎煕 加藤宏子 国松明日香 小石巧 佐々木けいし 下澤敏也 菅原尚俊 鈴木隆 高橋昭五郎 武田享恵 田村陽子 ダム・ダン・ライ 中江紀洋 楢原武正 韮沢淳一 野又圭司 林弘堯 伴翼 藤井忠行 藤沢レオ 藤本和彦 松井茂樹 森川亮輔 山田吉泰 山本良鷹 渡辺行夫
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(6・15)

 ①(⇒こちら)の続き。

 強く印象に残った作品から写真紹介をと考えたのですが、ここはグッと我慢して、第一室から時計とは反対方向に書いていきます。部屋の明るさは、「やや暗い→暗い→→すごく明るい→明るい」となります。

 第一室の残りから、続きの始まりです。


668) 近代美術舘 ②「北海道 立体表現展’08 」 6月14日(土)~6月22日(日) _f0126829_10401273.jpg


 ↑:佐々木けいし・「棲(せい)」・2008年 150×150×150cm 鉄(古レール)。

 佐々木さんはタイトルに凝る人です。本人によると、余り深い意味は無いそうです。見た時は意味が分からなくて、帰宅して辞書を調べて分かるような漢字を使うとのこと。そういう意味では今回の「棲」は普通だったですね。辞書には、「木+音符・妻(セイ・サイ)。妻(つま)の原義とは関係がない。栖が本字で、西はざる状をした鳥のす。転じて、ねぐら、すまいの意となる」(「漢字源」より)とあります。
 完全対称形を好む佐々木さんです。今作は、その範囲を壊さないで、動きを表現しています。真面目な中に、ほんの少しヒョウキンさが出てきた感じです。


668) 近代美術舘 ②「北海道 立体表現展’08 」 6月14日(土)~6月22日(日) _f0126829_1174963.jpg
 ↑:(後でリストを載せます。暗くてすいませんでした。)


668) 近代美術舘 ②「北海道 立体表現展’08 」 6月14日(土)~6月22日(日) _f0126829_11113711.jpg
 ↑:(作品リストは後で)
 壁面作品で、とても地味な印象を受けました。こういう作品は、時間をおいて、もう一度確認するのがいいのでしょう。


668) 近代美術舘 ②「北海道 立体表現展’08 」 6月14日(土)~6月22日(日) _f0126829_11164639.jpg
 ↑:泉修次、「共振ー5本の弦と穴と舌」・2008年 150×400×250 木・顔料・ワイヤ・他。
 定番のような泉作品です。静寂、緊張・・今展は会場全体がユーモラスな感じが強いので、いつもより印象が薄くなりました。こういう無方向性グループ展では、少し損な感じです。もっとも、他者に関係なくグループのイスを占めることが大事なのでしょう。


 ようやく第二室です。
668) 近代美術舘 ②「北海道 立体表現展’08 」 6月14日(土)~6月22日(日) _f0126829_11251670.jpg
 ↑:藤本和彦、「隠れ里」・2008年 450×450×250 木・ポリ瓶・イタドリ。

 女房のお気に入りです。黒いイタドリに凄く感激していました。藤本和彦からユーモアを捕ったら何が残るのか、という人ですが、今回は凄みの方が目立ちました。
 イタドリは自然や近代以前の象徴だと思いす。そこを隠れ家とする目に見えない「何か」を抉(えぐ)り取ろうとした作品だと思います。しかし、イタドリの象徴性よりも、イタドリそのものの迫力が際立った作品です。野草の破壊力とまでは言いませんが、いつになくバランスを欠いています。彼にはこういう生命力を束ねきれない一面があるのですね。



 (続く

by sakaidoori | 2008-06-20 11:45 | ☆札幌・近代美術館
2008年 06月 18日

663) 近代美術舘 ①「北海道 立体表現展’08 」 6月14日(土)~6月22日(日)

○ 北海道 立体表現展’08 

 会場:北海道立近代美術館
    中央区北1条西17丁目
    電話(011)644-6881
 会期:2008年6月14日(土)~6月22日(日)
 時間:9:30~17:00 (入館は16:30まで)
 休み:月曜日
 料金:一般 500円 学生300円
 
 主催:北海道立体表現委員会 北海道新聞
 協力:辻石材工業㈱

 【参加作家】
 阿地信美智  阿部典英 荒井善則 泉修次 伊藤隆弘 柿崎煕 加藤宏子 国松明日香 小石巧 佐々木けいし 下澤敏也 菅原尚俊 鈴木隆 高橋昭五郎 武田享恵 田村陽子 ダム・ダン・ライ 中江紀洋 楢原武正 韮沢淳一 野又圭司 林弘堯 伴翼 藤井忠行 藤沢レオ 藤本和彦 松井茂樹 森川亮輔 山田吉泰 山本良鷹 渡辺行夫
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(6・15)

663) 近代美術舘 ①「北海道 立体表現展’08 」 6月14日(土)~6月22日(日)_f0126829_2115898.jpg

663) 近代美術舘 ①「北海道 立体表現展’08 」 6月14日(土)~6月22日(日)_f0126829_217176.jpg

663) 近代美術舘 ①「北海道 立体表現展’08 」 6月14日(土)~6月22日(日)_f0126829_218423.jpg


 北海道・立体展が昨日(6・14)から近代美術館で始まりました。個別作品の掲載と感想記を書こうと思いますが、大所帯の展覧会です。まずは、会場風景だけでも載せます。(書き足したら、冒頭に持ってきます。)

 
 今回で、この展覧会は3回目の鑑賞だ。今回が一番面白かった。何がよかったかと言うと、ユーモア精神が全体を包んでいるからだ。この会は、全体の方向性とかテーマに関係なく、「立体作品」をただ並べるだけなのだ。典型的な個人の寄せ集めのグループ展だ。寄せ集めだから悪いなど、僕は全然思っていない。広い会場での自己顕示の場だ。寄せ集めであっても、期せずしてある傾向が際立ったり、時代のムードがにじみ出てきたりするものだ。そういう偶然性を楽しむ心がないと、こういう展覧会は面白くないだろう。
 それで、今展は声を大にして、「この作品を見に行ってよ!」という代表作を見つけるのは難しい。しかし、作品との距離感と言うのか、親しめる作品が多いから、是非見てもらいたい。ここで見た作品を、「あれって、ここがこうだよ、だから、良いんだぜ」とか言って、鑑賞仲間の共通言語になれれば良いなと思う。

 以下、なるべく会場入り口から作品掲載していきます。ほんの一部になると思います。

663) 近代美術舘 ①「北海道 立体表現展’08 」 6月14日(土)~6月22日(日)_f0126829_024283.jpg
 ↑:下澤敏也、「Rebirth-tund’08」・2008年 300×300×160 陶・土。

 入り口を飾る下澤作品。作家と若干の会話をした。彼の言葉を無視して書きます。
 こじんまりとした作品が、この場所に実に良く合っていると思う。円環配列も悪くない。台座の鉄がやけに眩しい。相当に台座の鉄と、その色に作家がこだわったことが分かる。だって、陶作品だもの、わざわざ鉄を使う必要はない。だが彼は鉄を使いたかったのだ。土と陶、鉄と鉄錆・・作家の今後の展開を予感させるものがある。
 下澤ジャブによって、立体展はスタートするのだ。


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663) 近代美術舘 ①「北海道 立体表現展’08 」 6月14日(土)~6月22日(日)_f0126829_0163330.jpg
 ↑:田村陽子、「64名の記憶する足跡(2000年10月~2008年)」500×190×20 麻・アクリル・金属・他。

 入場して右側の暗闇に目を転じると、沢山のワラジがスポットライトに照らされて、ドーンと目に飛び込んでくる。今展で1・2位に値する展示作品だ。以前、同じ作品を門馬で見たことがある。その時は白を背景にして、歩みながら時の流れに身を任せて、ワラジの世界に暫時入っていくというものであった。今回は、時系列を無視して、空間として64個のワラジが飛び込んでくる。10cmほど浮かせての配列が抜群に成功していると思う。足が空中浮揚しているのだ。過去の亡霊と見るのも良し、静かなる明日への行進と見るのも良し。数がそろい、展示効果が更に作品に力を加えた。いつもいつもこのワラジ達を考えている作家の表白でもある。


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663) 近代美術舘 ①「北海道 立体表現展’08 」 6月14日(土)~6月22日(日)_f0126829_0282493.jpg663) 近代美術舘 ①「北海道 立体表現展’08 」 6月14日(土)~6月22日(日)_f0126829_02963.jpg










 ↑:阿部典英、「ネエ ダンナサン あるいは生き物」・2008年 430×260×260 木・パルプ・黒鉛・合成樹脂塗料・酢酸ビニール樹脂・他。

 今展のユーモアの第一弾だ。もちろん、阿部典英・作「ダンナサン・シリーズ」でのユーモアは有名である。だが、彼は進化している。いささか定型化しつつあるそのシリーズを、ノーテンキとも思える大きさ・無意味さで提示してきた。もっとも、この変化は最近の宮の森美術館での発表で想像はしていた。それでも、アッパレと言いたい。
 ちなみに阿部典英のキー・ワードは「笑い・性・宗教(生と死)」と理解している。


 ②に続く。

by sakaidoori | 2008-06-18 00:38 | ☆札幌・近代美術館
2008年 06月 15日

677) CAI02 ①「オープニング展覧会・サッポロ・アート展」 5月24日(土)~6月21日(土)

○ オープニング展覧会
    「サッポロ・アート展」
        
 会場:CAI02
    中央区大通西5丁目 昭和ビル・B2 (地下鉄大通駅1番出口)
    電話(011)802-6438
 会期:2008年5月24日(土)~6月21日(土)
 休み:定休日が日曜日
 時間:13:00~23:00 (オープニング当日のみ、18:00~)

 【出品作家】
 伊藤隆介 今村育子 岡部昌生 上遠野敏 黒田晃弘 鈴木涼子 3KG 清治拓真 仙庭宣之 高幹雄 高橋喜代史 武田浩志 中嶋幸治 端聡 坂東史樹 久野志乃 祭太郎 wabisabi・・・以上18名。
ーーーーーーーーーーーーーーーー

 (会場の割には大所帯の展覧会です。ですが、人数の割には思いのほかに面白い展覧会です。日々、書きたい展覧会もあるので、会期中ということで、少しづつ書き増して行きます。写真だけ載せて、感想記が後になる場合もあります。要するに、会期中に会場に足を運んで貰いたいという事です。その刺激の為の、栄通記です。)


 興味深々の場所ですので、地上からの道筋を載せました。その説明は明日します。個別写真も、暫時していきます。

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by sakaidoori | 2008-06-15 22:12 | CAI(円山)
2008年 06月 05日

644) 岩見沢90°②「スパイラル展 グループ「1+3」の場合」  終了・6月1日(日)~6月3日(火)

○ スパイラル展
     グループ「1+3」のイワミザワキュウマル会場・展

 会場:イワミザワキュウマル(iwamizawa・90°)
     岩見沢市3条西5丁目5-1・(JR岩見沢駅より駅前通りの左側を徒歩5分、通りに面した東南角地)
 電話:(問合せ担当・遠藤)090-7645-0671 
 日時:2008年6月1日(日)~6月3日(火)
     (全体のこの会場でのイベント終了は6月28日・土)
 時間:11:00~20:00

 【参加学生】
 グループ・1+3(大塚由夏 桂下いづみ 佐藤祐加里 山内太陽
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 一人一人の作品はそれなりなのだが、どうにも静か過ぎる展示だ。まるで、この新しい会場の宣伝の為の空間になっていた。もっともっと一杯一杯作品を出して、「これでもか!」と、言わんばかりの展示にして欲しかった。省略空間の失敗よりも、誇大空間の失敗を学生は心がけるべきではないだろうか。
 いろんな意味で綺麗にまとめようという意識が強すぎるのでは。それと、グループ展ということで、つまらない平等主義が働きすぎたようだ。

 644) 岩見沢90°②「スパイラル展 グループ「1+3」の場合」  終了・6月1日(日)~6月3日(火) _f0126829_1527224.jpg
644) 岩見沢90°②「スパイラル展 グループ「1+3」の場合」  終了・6月1日(日)~6月3日(火) _f0126829_1528018.jpg













644) 岩見沢90°②「スパイラル展 グループ「1+3」の場合」  終了・6月1日(日)~6月3日(火) _f0126829_15285432.jpg644) 岩見沢90°②「スパイラル展 グループ「1+3」の場合」  終了・6月1日(日)~6月3日(火) _f0126829_15293511.jpg













 ↑:佐藤祐加里、「あふれる」・紙にアクリルガッシュ 650×500 4枚。

 
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 ↑:大塚由夏、「あれこれ」・紙ダンボール ひも。

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↑:桂下いづみ、「すきま」・キャンバスに油彩 1120×1455。

644) 岩見沢90°②「スパイラル展 グループ「1+3」の場合」  終了・6月1日(日)~6月3日(火) _f0126829_15452753.jpg
 ↑:山内太陽、「sanctuary」・キャンバスに油彩 1620×1303。


※このグループの今後の予定

 6月12日(木)~6月14日(土) 於・プラハ2+d
 6月29日(日)~7月1日(火) 於・札幌教育大


644) 岩見沢90°②「スパイラル展 グループ「1+3」の場合」  終了・6月1日(日)~6月3日(火) _f0126829_16101226.jpg ここはフリー・スペースが公称ですか、なぜだか「白猫」と名づけるみたいです。
 白い部屋での気ままな猫なのでしょう。

by sakaidoori | 2008-06-05 15:58 | [岩見沢]キューマル 他
2008年 06月 05日

643)岩見沢90°①「スパイラル展 会場(g「1+3」の場合)」  終了・6月1日(日)~6月3日(火)

○ スパイラル展
     グループ「1+3」のイワミザワキュウマル会場・展

 会場:イワミザワキュウマル(iwamizawa・90°)
     岩見沢市3条西5丁目5-1・(JR岩見沢駅より駅前通りの左側を徒歩5分、通りに面した東南角地)
 電話:(問合せ担当・遠藤)090-7645-0671 
 日時:2008年6月1日(日)~6月3日(火)
     (全体のこの会場でのイベント終了は6月28日・土)
 時間:11:00~20:00

 【参加学生】
 グループ・1+3(大塚由夏 桂下いづみ 佐藤祐加里 山内太陽
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 iwamizawa90°(イワミザワキュウマル)
  「岩見沢のアートとまちづくりの活動拠点施設」  (パンフより)

 岩見沢に新しい「場」が誕生した。その実質的なこけら落とし展が、このスパイラル展だ。この展覧会は説明を書くと非常に面倒くさい。概要を簡単に書くと、「9人の学生達が5個展+1グループに分かれて、3会場で一ヶ月間催される展覧会」ということ、その会場の一つが、このイワミザワ・キュウマルだ。他に札幌の教育大学構内の談話室とプラハ2+d。この展覧会はいろんな話しが膨らんでのものだと思うが、ここのオープニング・イベントの兼ね合いも強いのだろう。会場の説明や展覧会全体の記はだんだんと書くことにして、まずはこのイベントの栄通記第一弾の紹介です。

 大仰な書き出しになったが、発表者が学生だから作品のレベルよりも意気込みや心根が伝われば、まずは成功だろう。もちろん、レベルは常に問われるものだから、「いい展覧会だ」と言われたり、書かれたりしても、関係者は天狗にならないでほしい。創作活動はいかなる場合であっても、個々人の自問自答以外には成長のしようがない。この記を書いている「栄通記」筆者自身への戒めでもある。


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 建物全体が施設なのだが、スパイラル展は2階。まずはその階段の紹介から。(1階の紹介は後日。)

 (会場全体を作品には関係なく載せます。僕はこういう場が出来ることがとても好きだし、好きに撮って好きに載せて構わないという言葉には心の中で嬉泣きだ。もしかして将来、ここに集う人達や運営理念が気に入らないということになっても、こういう場は僕の個人的な思いに関係なく、成長してもらいたい。
 文化活動はいろいろと考え方があると思うが、個人の感性が色濃く反映されるものだ。何かの理念や信条よりも「好み」や「人生観」が大きな価値基準だと思っている。逆に言うと、理念・信条・建前が多くて、具体性や好みの反映されていない活動や書かれたものは基本的に好きではない。)


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 会場はかなり広い。7m×6.3mの空間にいろんな出っ張りがあると想像して頂きたい。階段辺りの壁や空間も面白いところだから、広さは充分だ。
 四角い大黒柱と細い支持柱が部屋を切っているが、そんなに視野を遮るという感じではなく、特徴と捉えたら良いだろう。(多分この支持柱は屋根裏に細工をすれば撤去できるだろうが、経費と効果を考えたらその必要も無いだろう。)旧店舗の関係で、大きな鏡はそのままになっている。出発の段階では特徴の一つに華を添えている。展覧会によっては邪魔な時もあろう。
 10cm弱の段差が中央を走っている。鑑賞の邪魔にはならないだろう。演劇などにはむしろ好ましい。
 明り取り(窓)も簡単にふさがるし、僕好みの自然光の遮断された空間も容易に作れる。1日9,000円の企画&レンタルのフリースペースだ。

 外は既に日が没して、柱で適当に区切られた空間をぐるぐると何度も回った。素晴らしい場所だと思う。女性スタッフが多いのだろう、小奇麗にしているのが好ましい。汚いのが味があるなんていう考えは支持しない。顔見知りの関係の時に成り立つ言葉で、不特定多数を相手にするときには通用しない。

 岩見沢駅前に一つの場所が出来た。使う人、見る人、関わる人によって膨らんで欲しいと心から願っています。


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 (↑:クリックすれば大きくなります。)

by sakaidoori | 2008-06-05 12:34 | [岩見沢]キューマル 他
2008年 06月 04日

642) たぴお 「札幌現代美術展」 終了・5月19日(月)~5月24日(土)

○ 2008 札幌現代美術展

 会場:ギャラリーたぴお
    中央区北2西2・道特会館1F (中通り・東向き)
    電話(011)251-6584
 会期:2008年5月19日(月)~5月24日(土)
 時間:11:00~19:00(最終日は18:00)

 【出品予定者】
 林教司 脇坂淳 宮本市子 小林孝人 西城民治・・・以上5名。
ーーーーーーーーーーーーーーー(5・24)

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 5人の展示でしたが、最終日の5時過ぎには脇坂さんの作品は本人の時間的都合で撤去されていました。小さなハプニングで、本当の意味での全体の様子は語れないのですが、以下の「語り」をお許し下さい。


 男性作家群は、小さくとも真面目な試み、自分の殻を少しでも広げようとしている感じです。総合タイトルは少し硬いのですが、実際昨年までのこの展覧会は男臭くて、勝負しようと意気込んでいる感じでした。今年は写真や木のオブジェ(見ていない脇坂さん)や女性の参加で、彼らは内向的であったり、軽い感じでメッセージ性の少ない「現代美術展」になっていると思いました。タイトルは方便として見たほうが楽しめたのではないでしょうか。

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642) たぴお 「札幌現代美術展」 終了・5月19日(月)~5月24日(土) _f0126829_22141718.jpg642) たぴお 「札幌現代美術展」 終了・5月19日(月)~5月24日(土) _f0126829_22152178.jpg











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 ↑:小林孝人

 小林さんの写真は白黒の風景で、回顧調とまではいかなくても、どこか過去調で優しく時間の中にいるというのが今までの印象です。今回、カラーでしかも色付いた花を撮ったり、風景もそのもの表現というより、どこか幻想的・心象的世界です。決して、この数ヶ月に撮った物ではありません。普段からこういう写真も撮っているのですが、発表していないだけだったのです。この辺が面白い。個人には幾つかの顔があるものですが、発表となるとある種の幅で勝負する物です。小林さんの場合は、その幅が揺らいだのか、暖めていたのかは分かりませんが、「人間・小林」の顔を見れていたく感心もし、嬉しくもありました。
 きのこは彼の仕事の顔です。「きのこのコバヤシ」と覚えてください。あるいは、「きのこのこのこ、コバヤシさん」。


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 ↑:西城民治、「矛盾に立ち向かう火の玉ごころ」。

 この会を主宰している西城さんです。軽いのりが西城さんの特徴です。写真を撮ったり、紙を人型に切って黒くスプレーで塗ったりと、いろいろとしています。当然インスタレーション的なことも好きな人です。
 今回は「油彩で勝負」です。マチエールと計算された斜線がポイントです。彼の軽さはタイトルの深刻さに比して、作品からのイメージとのギャップです。「矛盾に立ち向かう火の玉ごころ」は仁王の様に力強く立ち向かうというよりも、「あー、人生っていろいろあるなー、チキショー。俺だって俺だって、この社会の荒波に気持ちは強く立ち向かっているんだー」と心で小さく叫んでいるみたいです。男の小さくとも正直な「戦い」。
 火の玉の上部の赤い部分がエロスに見られることに、西城さんは不満の様子でした。同時に、今後の表現の方向性も見えて、意義のある展覧会だったと仰っていました。


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 ↑:宮本市子

 ハート型の大きな作品は、先日の抽象派協会展への出品作と同じです。(下の写真は、その部分図。)違いは、4個の部分でなりったって居るのですが、今回は隙間を空けなくて引っ付けて、完全に一つの作品にしていることです。この作品のことは以前に語ったので省略します。
 同じ作品が、場所や違う作品と並べられる時にどういう変化を起こすかも、作家にとっては気になる所でしょう。今回は西城さんと林さんに挟まれて、男性作品が妙に真面目な作品だけに、若々しさが目立っていました。ハート作品とピンクの作品の印象の違いも面白い。ハート型が「箱入り娘」あるいは「昼の上品に振舞う娘さん」としたら、ピンクの作品は、「ちょっとアバンチュールを楽しんでいるおてんば娘」って言う感じです。
 ピンクの作品は完成度はまだまだな感じですが、そもそも作家はどの辺を完成と捉えているのか、気になる所です。


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 ↑:林教司、上の作品「イカロスに捧ぐ」・2004年 80×58cm。

 二作とも旧作です。
 「イカロスに捧ぐ」は凧です。イカロスはギリシャ神話にでてくる話です。父親の戒を破って、あまり高く飛びすぎて蝋の羽根が溶けて墜落するという悲劇物語。基本的な意味は高いところや低いところを避けて真ん中の安全なところを飛べ(歩め)というもの。極端を避けて「中庸」を教える教訓ですが、物語は膨らみいろいろな象徴や暗喩として「イカロスの翼」は使われます。
 物語に物語を生ませる一人として林さんは登場するのです。もはや「中庸」としてのイカロスはいません。「蝋の羽根でダメなら、イカルスよ!この凧を使って飛んで行け!」ですが凧は紐につながれて存在する物。紙だから太陽に近づきすぎては燃え尽きてしまうかもしれない。あまりに強い風でもダメです。西城さんの「矛盾に立ち向かう火の玉こころ」と同じなのです。証拠に、凧の模様には傷ついた「手」が刻印されています。ピンク色は林さんの悲しい遊び心。自虐的な手、ご自身の手でしょう。イカロスの矛盾は林さんの矛盾です。どこか宮沢賢治の「夜鷹の星」も連想されます。憲治は法華経という末法臭い人だった。林さんは紳士ですが、賢治的な宗教色をお持ちだと思います。・・・

 この凧を見ていると、どこか狂言芝居的な涙がでてきます。タイトルに成功しているが故に、秀作だと思います。こういうのを「現代美術」と理解しています。

by sakaidoori | 2008-06-04 23:36 |    (たぴお)
2008年 06月 01日

637) 写真ライブラリー 「はたち展」  終了・5月14日(水)~5月18日(日)

○ はたち展

 会場:札幌市写真ライブラリー
   北2東4 サッポロファクトリー・レンガ館3階
    電話(011)207-4445  
 会期:2008年5月14日(水)~5月18日(日)
 時間:10:00~19:00 (最終日は~17:00迄)

 【出品者】
 江波戸剛 三橋夏希 田村佳奈 櫻井智和
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(5・18)

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 今年、成人式を迎えた学生4人による写真展。

 以前、少しだが三橋さんと学生写真展で会話したことがある。彼女の作品数が少なかったので、「次はしっかり発表しないと!」と激励した。年も若いし、少し心配気味で見に行った。

 一応、三橋さんを中心に見に行ったのだが、それぞれのテーマはチャンと伝わるし、しっかりした写真展だった。まずは、その広い会場をたったの4人でそれなりに纏め上げたことを祝したい。
 そうは言っても、意外性の薄さや表現の深みの物足りなさ、構成の細さなども感じる。更に更に自分を見詰めて、世界を見詰めて、カメラを常に携えて、もっと良い写真展を期待したい。

三橋夏希の場合
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 淡いモノトーンによる心象の世界。光と闇の狭間でフワフワっと泳いでいる感じ。線の細さと表現のオーソドックスさは感じるのだが、静かな中での一途さが好ましい。
 擬人化された影や自分の影を使って心象を投影する姿には「甘さ」があると思う。安易な擬人化は表現の幅を狭めると思う。もっと普通に世界を撮った方が、三橋さんの個性が出ると思う。実際、僕は板塀の写真は好きだ。面による光と影の構成的世界も良い。
 急激に力量の高まる人では無いと思う。撮り続けて、発表し続けていて、ある時、「三橋さん、こんな表現力、あったの」と言いたくなるタイプでは。(グループ展でも、発表する時は連絡下さい。)


田村佳奈の場合

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 とても芯の強い写真です。それは、白の表面にたいする感度と表現の強さに端的に現れている。
 上の波を撮った写真はあまりに普通で、撮影者の導入の役割をしている。展示は入り口付近で、最初に見られる展示になっている。いろいろとモノトーンの作品があって、雪を撮った4枚連写の写真と続く。全体の構成はの不安定感はあるのだが、最後に持ってきた雪の写真は素晴らしい。表面を見る感性が良い。美と肉感性が程よくマッチして、しかも撮影者の強さが伝わる。とても良い写真だと思う。

江波戸剛の場合

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 江波戸剛君は素直な写真家だ。おそらく一生に一度の展示だろう。というのは、会場中央に小部屋を作って、「江波戸君の部屋」にしたのだ。その部屋の中にカラーのスナップ写真を丁寧に綺麗に一列に並べている。故郷か、よく遊びに行ったおじいちゃん、おばあちゃんの田舎のスナップ写真だろう。一コマ一コマ・・・それらは「今」の写真だろうが、思い出が一杯詰まっていて、本人が語れば嬉しくなって涙が出てきそうな風景だろう。見る僕らはその写真を見ても涙はでないが、撮影者が涙しているだろうな、と想像すると、もらい泣きしそうだ。

 二十歳を飾る「江波戸君の部屋」の外壁にはちゃんとした写真がある。下の写真がそうだが、目の写真を特に紹介しておこう。過去を見る目とは一線を画した「目」だ。

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櫻井智和の場合

 櫻井君は好青年だ。
 入り口に力強く展示している。メインの展示は、強いコントラストのモノトーンで「過去の僕の写真」と「今の僕の写真」の比較構成だ。それは現在の表現力の誇示であり、自信表明でもある。当然、演出された過去の写真よりも、今の写真の方が良いのに決まっている。その天真爛漫さが微笑ましい。
 櫻井君は人間が好きだ。
 だから、何を撮っても擬人化や象徴として被写体を収めがちになる。そのことは悪いことではない。問題は安易に擬人化しがちな自分自身の目に対する批判精神が薄いことだ。「今の僕の写真」を並べた時に、どれだけ自問自答したであろう?擬人化に徹し切れなくて人間の後姿を挿入してしまった。人を撮る自分に酔っているのだ。
 だが、櫻井君の良さは、臭いとも思える「人間」へのアプローチが素直なことだ。被写体を大きくスッキリ撮る眼差しには好感が持たれる。これほど大きく迫るのならば、素直に「人間」を撮って、「顔」を撮って、「動き」を撮って発表したら良いと思う。自分自身の素直な精神に気付いて、正面きって勝負した方が櫻井的なのではなかろうか。

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 ↑:「過去の写真」
 ↓:「今の写真」
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by sakaidoori | 2008-06-01 22:36 |    (写真ライブラリー)