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2015年 02月 24日

2468)「第52回はしどい展 (北星学園女子中学高等学校美術部)」大通美術館 終了/2月10日(火)~2月15日(日)






第52回 はしどい 

北星学園女子中学高等学校・美術部 



 【出品者】
 1年:葛西響翔 松村楓愛
 2年:大井千華 廣永吉乃 
 3年:福士万穂 佐々木梨乃 
 4年:五十嵐千夏 五十嵐夕夏 ウィラーセタクルカウィヤ 茂見朋世 飯田キキ 大原麻結花 小村梨紗 高橋まりも 
 5年:小笹鈴奈 佐々木友香 高橋杏佳 田邊理瑚 山内野乃 川口琴愛 斉藤杏奈 山口彩紀 丹野花純 池田ルシィ理沙 石井優衣 今井真子
    
 

 会場:ギャラリー大通美術館 
       大通西5丁目11・大五ビル 
       (南進一方通行の西側。)
     電話(011)231-1071

 会期:2015年2月10日(火)~2月15日(日)
 休み:月曜日(定休日)
 時間:10:00~19:00
     (最終日は、~15:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(2.13)

 北星学園美術部の校外展です。参加者も多いので、個別作品を多く語ることは控えます。会場風景とかを多く載せます。


 この学校は大作にチャレンジするのが特徴です。高校生ならばとにかく100号を描く、上手いとか下手だとか、時間が有るの無いのは無視です。実際、大きさに力足らずで、未完じみた作品も目立つ。でも、「これで良いのだ!」が美術顧問氏の指導方針でしょう。「大きなキャンバスに、思い切って立ち向かえ」だ。



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 会場で会話した学生、お気に入りの作品を何点か語っていきます。



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   ↑:5年(高校2年相当)・丹野花純、「経過」。(F80あるいはF100?)


 手前に大胆な階段がある。その階段を薄塗りであっさりと処理している。そこが良い。もっとも、この階段に限らず概ね薄塗りアッサリ作品だ。気持ちを入れてそうなったのではない。時間足らず、熟慮足らず、とりあえず描き上げたとう作品だと思う。それであっても大いに気に入った。というか、この描き方をほめるわけではないが、もし入念に描き込み、物質感や存在感を表現したら、この絵のムードは台無しだろう。
 どこが良いのか。どこかウソっぽくて存在感の無さ、それでいて階段とか四角とか後ろ向きとか隙間とかが随所に象徴的に配されて、どこか不思議の国に入り込みそうなムードだ。本などの四角模様はレインボー風に七色模様で、階段の行き着く先には幸せがあるかも、といっているよう。

 階段、階段、あ~階段は昇るべきか下るべきか?階段の壁は単なる遮断物か別の世界への窓なのか?
 おそらく、描き手は僕の空想に驚くだろう。「私、そんな意味で描いてはいないわ、でも嬉しい」




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   ↑:左側、斉藤杏奈(5年)、「愛(未完成)」。
   ↑:右側、斉藤杏奈、「ポプラ並木」。


 斉藤杏奈、真っ直ぐで一途な学生だった。求めていることははっきりしている。「愛」だ。「愛」に飢えている。「見て見て、私を見て。私を愛して。私もアナタを愛するわ」。

 きっと他人と交わりたいのだろう。信頼関係で結ばれたいのだろう。
 そのことは誰でも思うことだ。手前勝手な僕だって望むことだ。望みはするが、ある程度のところで他人と一線を引いて、自分一人の時間を楽しんでいる。自分向けと他人向けの顔を安定的に使い分けをしている。
 斉藤杏奈は遺伝的難聴者だった。大きな声を出せば聞き取れるのだが、見ず知らずの世界でコミュニケートをとるのに苦労したことだろう。親しい人同士でも、ちょっと離れたところでの言葉は聞き取れないだろう。きっと不安だったろう。そういう「不安感」「不信感」が愛を求める絵画の動機なのだろう。

 上掲の2作、ゴッホ張りの印象主義(表現主義)絵画だ。色をストレートに信じて、筆力で学生自身のエネルギーを吐き出している。多分、エネルギー発散にはまだまだ不十分だろう。だが、周りには過剰な精神で絵画を吐き出している学生はいないから、絵の可能性に目覚めてはいないだろう。やっぱりまだまだ様子をうかがっている。もっともっと吐き出したらいいのに。




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   ↑:佐々木友香(5年)、「夜陰」。


 中央の四角はどんな意味があるのだろう?暗がりでの不気味な時間だから、「チョット不可解な空間」を表現したかったのか?墓場の象徴か?おそらく深い意味はないのだろう。時間足らずで思うとおりに描けなかったのだろう。

 絵としてはこの四角い部分を省略して、上半分の山模様だけの方が収まりは良さそう。青い部分がより神秘的に見えそう。
 絵としてはそちらの方が抜群に良いが、やはり失敗をしないと勉強にはならないだろう。小手先で良い絵にするよりも、未熟な自分を晒した方が画学生には栄養になると思う。

 ホラー気分を出したかったと佐々木友香は言っていた。ガンバレガンバレ佐々木友香!





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   ↑:石井優衣(5年)、「なく女」。



 ステンドグラスのように敷き詰められた背景、これが油彩の感覚なのだろう。空間処理、背景処理ではなく、画面全部を均等に絵にする姿勢、そこが良いと思った。





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   ↑:山口彩紀(5年)、「虚ろ」。


 確かに「虚ろ」的な虚無表現だ。しかし、窓や差し込む光は夢と希望を表現しているのだろう。






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   ↑:高橋まりも(4年)、「庭の街」。



 よく細かくいろんな表現をしたものだ。何かを描くというよりも、絵を楽しんでいるみたい。色形、直線曲線、人物に都会・・・なんでもありの「高橋まりも・庭」だ。




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   ↑:山内野乃(5年)、「宇宙」。



 積み木風の世界は少し繊細すぎて寂しいが、色使いがお気に入り。色だけの「宇宙」も充分描けそうな学生だ。




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   ↑:石井優衣(5年)、「生命の樹」。



 泳ぐような線が目を惹く。線を生かすために背景はアッサリ白模様。それだけでは面白くないから思案する人物を入れて線模様を引き立てている。





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   ↑:飯田キキ(4年)、「戦争」。



 「戦争」とは物騒な言葉だが、絵の中では「戦争」大いに結構だ。色も形も物も生き物たちも思考も、全ては入り乱れる。乱れることが楽しい!絵の中だ、乱闘だ、殺し合いだ、祭だ、戦争だ。

by sakaidoori | 2015-02-24 23:33 | 大通美術館 | Trackback | Comments(0)
2013年 02月 19日

1933) 「はしどい展 第50回」 コンチネンタル 終了 2月12日(火)~2月17日(日)

はしどい展 第50回      

    
 会場:コンチネンタル・ギャラリー  
      南1条西11丁目 コンチネンタルビル・B1F
      (西11丁目通の西側)
      電話(011)221-0488

 会期:2013年2月12日(火)~2月17日(日)
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~15:30まで) 

 ※ 50回特別展示として、過去の美術部の学生美術全道展における受賞作品を展示予定 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(2.16)


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     ↑:(全て、高2・浅井菫。)


 俄然、気を吐いている浅井薫だ。「只今製作中!」、もある。かっこいー。本人も居たので、そのムードも知ったが、何とも頼もしい学生だった。臆することなく受け応え、直向きに絵画道を邁進している、そんな真剣な人だった。
 左端の「只今製作中」の「未完成作品」、今年の学生全道展に出品予定だ。ずいぶん先の話で、1割しか出来ていないとのこと。実際、完成スケッチを見せてもらったが、中央が流線型の渦巻き模様の都会風景になっていて、現在の水平線と直線による焦点指向の構図とは随分と違っていた。
 大作を描いている関係かもしれないが、全体的視野で物事を見つめている感じだ。楽しい気分をストレートに表現しての楽しみ方とはちょっと違うようだ。自分を取り巻いている巨大社会、とか、広い空間ありき、だ。大きな社会と格闘している浅井薫であった。


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          ↑:高1年次製作 浅井菫、「破壊都市計画」・一昨年の学生全道展で優秀賞。


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     ↑:左側 高校2年 浅井薫、「当否概念」・F30号 高文連全道 優秀賞。
     ↑:右側 浅井薫、「ブランコ」。


 ギラギラするものを感じませんか。社会に対して、誰かに対して物申したい、そんな強い意志を感じた。



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          ↑:高2 小林美優、「不幸のその先」。


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          ↑:高2 小林美優、「鳩の朝食」。


 とにかく強くて元気の良い色を出す学生だ。マティス張りの色合いと、ゴッホ風の情動色、そんな巨匠二人を重ねたような画風だ。



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          ↑:高2 竹本真理、「心の中の図」。


 絵としてはまだまだ描き足りない感じだが、「窓」の多さは意外な効果を出していた。ガラスやガラス枠、それに四角い窓やドア、何も描かれていない廊下も直線で区切られていて、四角い模様がたくさんできている。いたるところに描き足りない「窓」がある。長く見ていると、その四角の窓や模様が「不思議の国のアリス」に向かうような錯覚を覚える。何かが絵画の裏側に「存在」するような気になってしまった。

 もちろん、そんなことを竹本真理は意識をしていない。ただ、それらの四角の一つ一つが、絵を描くためのキャンバスであって、何かが描かれる為に絵画の中にあるだけだ。その窓の一つ一つが竹本真理の心模様だ。

 やはりこの絵は不思議だ。全体に迫力不足の統一感があることと、学生という拙さがその不思議さを隠してはいる。が、竹本真里が目指したことを、描かれたことではなくて、絵画という容器で見つめ直したならば、現代的表現が幾重にも拡がるのでは。何も無き世界で、無数の窓のみが静かにこだまする、それはえも言えぬ不気味さを秘めている。


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          ↑:高2 村上七彩、「限界思考」。


 ちょとタイトルは意味不明。単に、頭の大きなダルマさんが不安定に楽しくよろめいている風情に見えた。強い背景色と重なり、あどけなさやユーモラスさが倍増していた。



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          ↑:中2 五十嵐千夏、「進化」・F50号 道展U21奨励賞。


 重厚で構築的な作品だ。それにしても中学2年生だ。この絵のように逞しく成長して欲しい。



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          ↑:高2 柳沢愛美、「飽和都市」。


 建物が好きな柳沢愛美だ。どの建物も可愛いものだ。「飽和都市」、だから皆が集まって楽しそうだ。我が家も仲間に入りたい。



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          ↑:高2 福士綾菜、「玄関」。


 玄関、それは家族そのものでしょう。そして、一つ一つの靴が可愛く見えたのでしょう。小奇麗で几帳面に
玄関の全てにチャレンジ!可愛い愛情が注がれて、それはいじらしくて良いのだが、ちょっと玄関に距離を置き過ぎのようだ。眺める愛情も良いが、手に抱えたくなる愛情も見たいものだ。




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by sakaidoori | 2013-02-19 23:17 | コンチネンタル | Trackback | Comments(1)
2011年 05月 09日

1540)「第48回はしどい展 北星学園女子中学高等学校美術部」コンチネンタル 終了2月1日(火)~2月6日(日)

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○ 第48回 はしどい展 

  北星学園女子中学高等学校・美術部 
     
    
 会場:コンチネンタル・ギャラリー
     南1条西11丁目コンチネンタルビルB1F
     (石山通の西側のビル。)
     電話(011)221-0488
 会期:2011年2月1日(火)~2月6日(日)
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~15:30まで)

 【出品学生】
 3年 五十嵐花琳 久保ののか  
 4年 貫道真実 井上陸望 渡邊李花 
 5年 渡辺智美 三上晟奈 鈴木かれん 齋藤美優 松尾羽奈子 平野桃子 
     鈴木まどか 田中優菜 山内彩加林 清水海月 中井理裟 渡部真衣子

 6年 有川花奈 真鍋尚里 

※ 注意:上記の学年表記は3年が中学3年、6年が高校3年に相当します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(1.25)

 大きな作品が会場狭しと展示されています。その多くの作品は薄塗りで、画面の大きさをもてあそんでいる感じですが、「大きな絵心を持つ」という指導方針が伝わります。
 会場写真を載せます。クリックすれば拡大されるので、それを見れば個々の作品の印象もかなり伝わると思います。高校生が大作にのぞむ楽しさ苦しさを思って下さい。


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 以下、何点かの個別作品です。


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          ↑:6年・真鍋尚里、「異空間」・183×230㎝。

 空間や人物の表現に独特のものがある真鍋尚里。「間(ま)」を見る目が個性的なのでしょう。今回は意図的に独自の空間を出そうとして静かな絵になっったみたい。何を描いても真鍋個性が出てくると思うから、もっと大胆に画けばと思った。


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          ↑:5年 清水海月、「オリ」・183×280㎝。

 画面一杯に一所懸命に取り組んでいる。人物を左寄りに三角形に配し、重なりながらいろんな物を画き、縦線が画面を幾重にも区切る。こちらの見る目が定まらない。それは絵の落ち着きのなさではあるが、「一点を見よ」という思想ではないからか。「オリの中」ではなく、「オリという観念」が大事なのだろう。パープルの妖艶な勢いで、学生自身の負けん気の強さが出ている。


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          ↑:5年 平野桃子、「親子」・183×230㎝。

 この絵自体は弱過ぎて物足りないのだが、こういう稚拙なムードで、しっかりした強さの薄塗りで、四角やたゆたゆしい直線を取り入れた画面構成で、日常幸せ感覚を表現した絵が見たい。新市民感覚絵画とでも言うべきでしょうか。一個一個の画かれた物どもに、必要以上に可愛く描かない普通さ、それでいて絵画全体が光や風や踊りを発散させている。そういう絵の持つ心地良さに浸ってみたい。平野桃子に期待しよう。


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          ↑:5年 樋口まどか、「月光」・183×230㎝。

 床上に並べられた小道具、その凸凹具合が描き手固有の個性を感じています。
 確かに窓には大きな月があるのですが、今の時代は月の光で遊ぶことはないでしょう。その辺のタイトルとのちぐはぐさと、子供が遊んでいる世界のちぐはぐさが、逆に気分がよくなる。


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          ↑:4年 貫洞真実、「青い夢」・183×230㎝。



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          ↑:左側、5年 渡辺智美、「落とす」・P30号。右側、5年 松尾羽奈子、「Follow」・F30号。

 左側の「落とす」、もっと塗り込んで一所懸命な描き手の姿勢が絵に投影されたら素敵な絵になると思う。高校生らしい未完の大作だ。



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          ↑:5年 鈴木かれん、「友達は携帯できる」・P30号。

 小さいですが、キュッと引き締まって好きな作品。「携帯電話」と「友達」、その関係を考えていると、こちらの方がセンチメンタルな気分になった。いじらしい学生気分だ。

by sakaidoori | 2011-05-09 10:13 | コンチネンタル | Trackback | Comments(0)
2010年 02月 09日

1188) コンチネンタル 「北星学園女子中高学校 第47回・はしどい展」 終了・2月2日(火)~2月7日(日)

○ 北星学園女子中学高等学校・美術部
    「第47回 はしどい展
 
   
 会場:コンチネンタル・ギャラリー
    南1条西11丁目 コンチネンタルビルB1F・東向き
    電話(011)221-0488
 会期:2010年2月2日(火)~2月7日(日)
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~15:30まで)

 【出品学生】
 1年 林頌子 登坂彩七 
 2年 五十嵐花琳 久保ののか 斯波美野里 
 3年 山本更紗 小川菜摘 吉田楓奈子 南部千里 大橋美穂 菅原亜衣里
 4年 渡辺智美 三上晟奈 鈴木かれん 斎藤美優 松尾羽奈子 平野桃子 鈴木まどか 田中優菜 山内彩加林 清水海月 中井理裟 渡部真衣子
 5年 有川花奈 堀内美沙 真鍋尚里 

※ 注意:上記の学年表記は3年が中学3年、6年が高校3年に相当します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(1・26)

 以下、会場を右回りで載せます。

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     (↑:主に5年・高校2年生の作品。)

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     (↑:4年・高校1年生の作品。)

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     (↑:中学生の作品。)


 高校3年生が出品していないので、技術的に極端に上手い絵が少ないこと。それに反して、高校1年生の作品が大量にあって、確かに彼等の絵はとても未熟なのだが、非常に意欲的。その両学年が、大きな絵にしっかりとチャレンジしているのが好ましい。しかも、なぜだかほとんどの作品が物語り的なものになっていて、学生達の絵に取り組み傾向が、垣間見えて楽しくなってしまう。


 以下、何点か個別作品を載せます。

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     ↑:5年・真鍋尚里、「怒り」・225×180㎝。

 今展で、真っ先に眼に飛び込んできた絵です。タイトルの「怒り」よりも「強さ」が伝わってくる。逆さの少年も、浮遊感というよりも、「どんな体勢でも、やってやろうじゃないか」という力がある。


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     ↑:4年・清水海月、「ペルソナ一座のサーカスへ」・180×180㎝。

 4年生なのにしっかりした作品だ。画かれた物達は小さくて重ならないようにして画かれている。すきま風が通りそうな画き方なのに、全体に間延びしない統一感がある。


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     ↑:5年・有川花奈、「犠牲」・225×180㎝。

 ぎこちない人物達だが、かえって演劇的な舞台になっていて、目を引く。もし、意識的に変な人物を画いていたのなら、相当にセンスのいい人だ。背景もムンムンとした描写で、独自の世界を表現している。


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     ↑:4年・松尾羽奈子。左から、「渇望」・P30号、「純粋な動機」・F100号、「憧憬」・F30号。

 自分の描き方をつかんでの表現。人物を見る目、関わり方をちゃんと絵に表現できていて、油彩画にはある程度の経験を持っているのでしょう。「家族」、ほんとに物語ですね、暖かい世界。


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     ↑:4年・三上晟奈、「機械との交わり」・180×180㎝。

 まだまだ絵には成っていないところはあるのですが、絵の中に重ねて表現する感覚に注目したい。一つ一つの画かれた事柄は一切無視して、その形そのもの、形と形の重なりや密着、関係性に注目しよう。
 大きな木の形、それに重なるように足が根っこのように膨らんでいる椅子の形、木に寄り添う人間が木の形をもう一つ増幅している姿・・・面白いと思う。理知的な組み合わせではないだろう。全てをひとくくりにしたいという学生の感性の結果だと思う。
 小品も、蛇口から一塊になっていろんな物が、一つの世界になってはみ出している。(絵としてはこちらの方が面白くて、完成度が高いのだろう。)大作と同じように、膨らんだ形の中にいろんな物を入れ込んで、それでいて一つにする世界に統合する、良いセンスだと思う。


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     ↑:4年・平野桃子、「少女と森」・F30号。

 四角が好きな平野桃子さんです。何でもかんでも四角にして、その中にはめ込んで物語を組み立てて行く。もし、この四角だけが絵の中で自動運動を始めたら、大人顔負けの抽象画なるかもしれない。


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     ↑:左は中学2年・五十嵐香琳、「個人情報」・P30。右は中学3年・南部千里、「Re: (返信)」・F30号。

 中学生なのにしっかりした絵を描きます。
 上の2作、主張はそれぞれ違うのですが、並べて見ると人物の広がりが似ている。「少年、その裏表」、そんな組み作品にしてしまいそう。


 まだまだ載せたいところですが、この辺で止めておきます。来年にも楽しみが続きそうな「はしどい展」でした。

by sakaidoori | 2010-02-09 20:09 | コンチネンタル | Trackback | Comments(0)
2008年 02月 09日

525)コンチネンタル 「第45回 はしどい展」 2月5日(火)~2月10日(日)

○ 北星学園120周年記念 北星学園女子中学高等学校・美術部
    「第45回 はしどい展」
    
 会場:コンチネンタル・ギャラリー
    南1西11 コンチネンタルビルB1F・東向き
    電話(011)221-0488
 会期:2008年2月5日(火)~2月10日(日)
 時間:10:00~18:00

 【出品学生】
 1年 山本更紗 小川菜摘 吉田楓奈子 南部千里
 2年 渡辺智美 柘野瑞貴 北澤二衣奈
 3年 有川花奈
 4年 吉島圭子 畠山真帆 若原怜奈 戸根谷沙紀
 5年 友田伸子 山田志乃 山田もなみ 野呂実木子 古藤愛梨
 6年 竹澤佑里 布施聡美 佐藤麻紀

 ※注意:この学校は最近中高一貫教育に編成替えしたようです。上記の学年表記は3年が中学3年、6年が高校3年に相当します。
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 この高校の最大の特徴は大きな絵を描かせることだ。100号ではない。S150なのだ。正確な寸法は分からないが、2m前後の正方形が大半だ。だからというわけでは無いが、やや薄ぬり気味で構成重視と見た。受付の学生が「時間が無かった」というのは当然だろう。ことの良し悪しは別にして、これが美術顧問の波田浩司さんの指導方針だろう。以前、市民ギャラリーで展示をしたと思うが、ここの場所のほうが広々と見れるかもしれない。北海高校美術部同様に学生公募展に力を入れているから、大きくなるのかもしれない。画風が北海高校とも全然違うので、これはこれで面白く見れた。(2・9)

 何点か個別作品を紹介します。

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 ↑:5年(高校2年)・友田伸子、「あっ・・・」・変形130。

 入って直ぐの場所の展示。
 チョット薄ぬりで画面のメリハリが少ないのが残念。ですが、小品を見るとしっかりと色と画面構成がしっかりしているので、それとの対比で見ると面白い。共に傘の使い方がさりげないが、左右の画面の連続と断絶の役目をしている。すごく構成に拘っている人だ。人物の顔が変にリアリティーがあって関心。

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 ↑:5年・山田もなみ、「また、今日も」・変形150。

 黄色いバラ板のリズムが気に入っています。かなりの分量を割いているのだが、違和感が無い。確かに欠点はある。人物の座っている板が椅子状に描かれていないこと、人物の足の部分が少しおざなりになったみたい。人物の頭上の黒い部分が絵になりきっていないのが最大の欠点だろう。大きな絵を描くということは欠点がはっきりすることかもしれない。リズムと明るさ静かさの有る好きな作品でした。

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 ↑:6年・竹澤佑里、「もういかなくちゃ」・変形150。
 本格的な上手な絵です。

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 ↑:4年・吉島圭子、「Human Being」・変形150。
 なんてことは無いのですが、いろんなアンバランスが面白い絵です。

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 ↑:5年・古藤愛梨、「ここで生きるから」・変形150。
 べたついた感じのシュールな絵。顔がアニメっぽいのが笑ってしまいました。青に相当にほれ込んでいると言うのか、頑張って取り組んだ様子が伺えます。

 大半の絵が人物を画題に取り入れていて、おそらくその人物は自然に学生自身に似ているのではと、想像されます。多感な女心の反映でしょう。

何枚か追加します

 「栄通記」の参考記事⇒54) コンチネンタル 「はしどい展」

 

by sakaidoori | 2008-02-09 23:50 | コンチネンタル | Trackback | Comments(0)
2007年 02月 11日

54) コンチネンタル 「はしどい展」 (終了)

○ 第44回 はしどい展  北星学園女子高等学校美術部  

 場所:コンチネンタル・ギャラリー
    南1西11 コンチネンタルビルB1F・東向き
    電話(011)221-0488
 期間:2月6日~2月11日(日)
 時間:10:00~18:00

 高校美術部展。1年生8名、2年生6名、3年生5名の出品。顧問は全道展の波田浩司さん。

 100号以上の大作がびっしり詰まっている。なかなかの力作ぞろいだ。何といっても伸び伸びしていて気持ちがいい。高校展の場合、展覧会の出来不出来は顧問の先生の普段の指導法がかなり影響していると思う。今展は見ていて楽しい、ということは波田さんの指導が良いのだと思う。

 とても全員は紹介できないので、入り口正面の目だった5作品の写真紹介をします。
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 右側、「涸れた涙」(昨年の第48回学生全道展奨励賞)3年 佐々木ゆかさん。画面全体に漂うブルーなムード、人物はモデルはいるのでしょうが自画像でしょう。醜い顔、ちゃぶ台の様な浮き上がったテーブルに酒ビンとグラス、ベッドに横たわる男、高校生が描くには想像を駆使していると思う。「涸れた涙は終わったのですか?」と聞いてみた。小さい体、絵のような長い髪をして、屈託なく「はい」という返事。これからはもっと明るい色を使いたいと言っていた。この絵にほんのちょっぴり見える赤はおっかなびっくりだという、確かに遠慮がちだが画面が引き締まって気持ちが良い。明るい色、大胆な構図、いろんなことを試みて発表して何が描きたいか、どう描きたいかという悩みの大海に船出して下さい。


 左側、「群青に染まる」2年 竹澤祐里さん。薄塗りですが大きな画面に手を抜いたところが無く、全体の完成度では一番だと思いました。そこが出来の良さとは別に不満なところ。おそらくバランス感の良い人なのでしょう。メリハリが欲しいな。心の襞のような壁、深く沈むような床、希望の象徴のようなパラソル、窓の外は・・・・・絵の技術的向上心と同時に自分自身の探求が更なる絵になると思いました。
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 左、「みち」2年 山本頌子さん。何といっても、この大きな人がいい、大きな顔がいい、大きな腕がいい。意がそこに行き過ぎて、背景の建物が積み木になったのが残念だが、欠点より一大長所を褒めたい。人を更に大きく見せるのに髪の上部を少し切って描くと動きや勝手な想像ができて楽しめる。タイトルの「みち」は建物の前の道で、人物に薄く描かれている心の道で、その先に希望の花が咲いている。2年生だ、次回も大胆に、あるいは緻密に次の作品を仕上げてください。
 中、「紐帯のイデオロギー」3年 辻麻美さん。一目で昨年のデ・キリコ展に影響されたのがわかる。僕もあの展覧会には感激した。注目点は僕と辻さんとは違うだろう。しかし若い人が巨匠に影響され自分なりに描こうとする姿に好感を持ちます。おそらく、マネキンを自由に使いこなして他人が表現しない世界を描いていることに驚いたのでしょう。辻さんはマネキンが好きなのだ。マネキンの形、腰の辺りの肉感、一所懸命なのだろうな。
 右側、「「Beaming」2年 布施聡美さん。ビーミング:輝く、喜びに満ちた。若い女性が体をくねらせて輝いている、街が輝いている、空が山がつられて輝いている。

by sakaidoori | 2007-02-11 23:33 | コンチネンタル | Trackback | Comments(2)