栄通記

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2008年 12月 13日

847) ②大通美術館 「いけばなからのメッセージ  ~颭」 終了・11月25日(火)~11月30日(日)

○ いけばなからのメッセージ Vol.Ⅵ
     ~颭(うごかす)

 会場:大通美術館・全室
    大通西5丁目11・大五ビル
    (南北に走る道路の西側)
    電話(011)231-1071
 会期:2008年11月25日(火)~11月30日(日)
 時間:10:00~19:00
    (最終日は ~18:00まで)

 【参加作家】
 池上理圃 藤谷道代 斎藤道子 増川佳ず子 島田晴風 村中道子 中川和萩 山本美翠 沼部理汀 横井景・・・以上、10名。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(11・25)

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     ↑:池上理圃

f0126829_11455433.jpg 印刷物を丸めて繋ぎ合わせ、作品の骨組みと形にしたもの。
 全体の構図が「いける」世界を彷彿させる。細かい作業だ。舞い上がるというよりも、しっかりそこにあるという感じ。素材が骨・枝であり、印刷の色が花なのだろう。









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     ↑:島田晴風

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     ↑:藤谷道代

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     ↑:沼部理汀

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 ↑:横井景


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 ↑:斎藤道子

 この作品が「いけばな」とどういう関係だかはわからない。強いて言えば大地や壁を這い回っているツタ類で、その形を現代的に「いけた」ということだろうか。そんな理由よりも、何かが部屋の装飾に沿ってにょきにょきと生えて、動きそうなのが新鮮だ。「いけばな」の形や倫理観、精神性にこだわっていないのが良い。個人の感性だけを主張しているのが良い。
 線の細さがこの人の特徴だろうか?隙間(線)から湧出する者達である。


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     ↑:増川佳ず子

 わたすげのような面白い試みだ。増殖する凄みではなく、白く繰り返されるミクロの世界。
 「いけばな」という言葉があるから、どこかひっかかる。普通の美術展だったら手放しで好きなのだが、なぜだろう?「いけばな」の持つ伝統的精神性や美意識を引きずり過ぎている感じ。作者の個という意識が不鮮明だからか?違う場なら、作家の優しさと細やかな作業が、より良く見えると思う。

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     ↑:山本美翠

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     ↑:中川和萩

by sakaidoori | 2008-12-13 16:12 | 大通美術館 | Trackback | Comments(0)
2008年 12月 12日

846) ①大通美術館 「いけばなからのメッセージ  ~颭」 11月25日(火)~11月30日(日)

○ いけばなからのメッセージ Vol.Ⅵ
     ~颭(うごかす)

 会場:大通美術館・全室
    大通西5丁目11・大五ビル
    (南北に走る道路の西側)
    電話(011)231-1071
 会期:2008年11月25日(火)~11月30日(日)
 時間:10:00~19:00
    (最終日は ~18:00まで)

 【参加作家】
 池上理圃 藤谷道代 斎藤道子 増川佳ず子 島田晴風 村中道子 中川和萩 山本美翠 沼部理汀 横井景・・・以上、10名。

ーーーーーーーーーーーーーーーー(11・25)

 今年で6回目だ。僕自身は3回目の鑑賞。その印象を一口に言えば、刺激の少ない展覧会だった。作品が小振りで、しかも与えられた展示空間からはみ出そうとするエネルギーが乏しい。ほぼ全員がそうなのだ。何故だろう?
 2年前に初めて見た時には、「いけばな」って何だろう?伝統とは?現代美術とは?などなどいろいろと考えるきっかけをもらった。10人も参加しているから、全てが刺激的ということでは無いのだが、充分に楽しめた。今回、全員の破調が期せずして低くなったようだ。

  藤谷道代、斎藤道子、増川佳ず子、山本美翠、横井景の5名の集団『カシオペアザ』による「IKEBANA-21世紀への始動」(1999年1月12日~19日・於 京王プラザホテル)が現メンバーの基点のようだ。他の5人のメンバーを加えて、2001年に「風」・展挙行の運びになった。早くも2002年に近代美術館で「風 THE IKEBANA」(3月29日~4月7日)・展が実現することになる。
 「風」・展は1回目から数えて10年近い。その間メンバーは固定されている。おそらく発表形態も大きさは別としても1人1点持ち込みという同じ様式だろう。単純に平均年齢は上がったことになる。エネルギー拡散型から内面指向型への転換期ということだろうか?
 「流派を超えた10人の作家による新たないけばなの追求」と会場チラシには訴えている。とても意義深い発言だ。が、今展を見る限り会派自体が金属疲労を起こしているように感じる。普段からメンバーによる言葉による研鑽ができているのだろうか?外向きであれ内向きであれ、よりハッとするものを見たい。


 会場風景を載せます。②ではもう少し個別作品を載せます。


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     ↑:村中道代
 入り口正面の作品。この展覧会ではもっとも目立つ処だ。それなりに面白い作品なのだが、この白さと素材のたよたよとした軽さが会場全体を隙間風のように覆うことになってしまった。


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     ↑:斎藤道子
 これは面白かった。が、全体の雰囲気の軽さがこの作品の良さを低調に終わらせていた。②でも紹介します。

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     ↑:中川和萩:
 会場を右回りすると最後にある作品。

by sakaidoori | 2008-12-12 23:32 | 大通美術館 | Trackback | Comments(0)
2007年 11月 30日

419) ②大通美術館 「風 ー(10人の)いけばなからのメッセージ」 11月27日(火)~12月2日(日)

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 ↑:沼部理汀
 力強い作品です。大型盆栽です。作品の下に鏡を敷き詰めているのが工夫ですね。強さ以上の感動がありません。何故でしょう?書で言えば、一文字書に近く、ほとばしるエネルギーは感じるのですが、内面のドラマがないのです。鏡を置くことによって、より美しく、しかも天地創造の理を表現したいのでしょう。

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 ↑:藤谷道代
 最初に載せた斉藤道子と同じく、材料としての植物を使っていない作品。花の包装材を細くまるめて円形に立てています。小さな花柄の飾りが付けられています。現代美術というよりも、フラワー・アレンジメントといった感じ。赤と青の照明に当てられていますが、僕にはそんなに効果的とは思えませんでした。ハッとする要素が少ないのです。もっと周りを暗くして、斜めから一点の照明で、光と影を作ったほうが良かったのでは。要するに意外性が少なくて残念でした。

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 ↑:増川佳ず栄
 とうとう最後の作品になりました。今までの作品は会場周囲を右から紹介してきました。この作品は本当に正面にあるのです。本来真っ先に載せるべきでしたが、写真を撮った順番に載せました。他意はありません。意欲作だと思うのですが、僕にはよく分からないというか、ピンときませんでした。
 和紙でできた立方体、中には枝が満たされ溢れています。壊れたトーチカから植物が育っている感じ。どんな大地でも生命が育む、城春にして草木深しでしょうか?間違いなく作家の意図はその辺には無いでしょう。


 「いけばな」「現代美術」「インスタレーション」「伝統」とは何だろうということを作品紹介の動機としました。
 いけばなの始まりは勉強不足で書くことはできません。以下推論。
 中国帰りの僧侶が「茶」を持ってきた。室町時代に「床の間」が成立した。その空間で「茶」を点て、「書」を飾り、一輪の路傍の花を「活けて」、文化人のサロンが出来上がった。その茶室から、「花を活ける」という行為が独立した。江戸文化の一つの華にもなった。茶心と軌を同じゅうしているのでは。サロンの道具・飾りであること、人と人との関係を支える演出、更に進んで、「活ける」という行為が山川草木の自然への窓になり、日本人の自然観の象徴にもなっていったのでは。
 そこに優勢な文化としての西洋美術を半強制的に移入することになった。西洋美術のエッセンスは神との関係であり、ドラマを視覚化することだと思う。近代では「神は死に」、個人の内面的ドラマの表出がキーになっている。それを観る者も、ドラマ・物語を作り、個人主義の支えにした。

 個人主義やドラマと無縁な「いけばな」は、それでも現代を生き抜いていかねばならない。書や短歌がそうであったように。今展もそうだが、安易な現代美術化は不可能とつくづく思った。伝統的精神性を「いけばな」に託し、作家個人の精神性・近代人としての個人主義といかに調和していくか。現代日本人が伝統に対して直接的でないのは不幸なことだ。しかも、あまりに自然が豊かであったのと、濃密な人間関係から離脱できない為に日本人的個人主義?に発展してしまった。だがあせることは無い。「いけばな」人のドラマは始まったばかりだ。気を長くして付き合っていこう。

 (以上はあくまでも僕の文化論です。賢明な助言、ご批判を請うものです。)

by sakaidoori | 2007-11-30 17:42 | 大通美術館 | Trackback | Comments(0)
2007年 11月 30日

418) ①大通美術館 「風 ー(10人の)いけばなからのメッセージ」 11月27日(火)~12月2日(日)

○ 風 ー(10人の)いけばなからのメッセージ
    「颯(かぜのおと)」

 会場:大通美術館  
    大通西5丁目11 大五ビル・東向き
    電話(011)231-1071
 会期:2007年11月27日(火)~12月2日(日)
 時間:10:00~19:00 (最終日は18:00まで)

 【参加作家】
 池上理圃 藤谷道代 斎藤道子 増川佳ず子 島田晴風 村中道子 中川和萩 山本美翠 沼部理汀 横井景・・・以上、10名。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー


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 「現代空間の中でいけばなはどのように人々とかかわりを持ち、さらなる共感を得ることができるのか、流派を超えた10人の作家による新たないけばなの追求です」・・・DMより

 10人のいけばな作家が、それぞれのあてがわれた範囲内で、立体造形として「いけばな作品」を出品している。際立って個性的な作品は少ない。静に、「いけばな」とは、「現代美術」とは、「インスタレーション」とは、「伝統」とは、そんなことを考える良い機会です。個別作品を何点か紹介します。

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 ↑:斎藤道子。素材としての植物は使わず、花のデザインを壁紙のようにしつらえている。白いものは薄いプラスチックの細かい破片。

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 ↑:横井景、「埋もれゆく記憶」。唯一タイトルを持つ作品。花の栄養分の大地を地層風に表現したもの。目に見えない花の根の世界、その悠久の歴史性に迫ろうとするもの。シンプルで明快な主張に好感を持つ。1番好きな作品。

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 ↑:島田晴風。庭園の再現。とりたてて前衛性は無いが、いけばなが現代美術に関係しようとする以前の古式原点のような作品。

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 ↑:山本美翠。下に並べられているのは鉛板。面と方形により、現代美術に迫ろうとしている。並び替えや置き換えが自由に出来そうだ。「いけばな」に付随する装飾性が、リズム感へと置き換えられて、それ以上のものがこちらに伝わってこない。「遊び心」「自由度」は高いが、精神性が欠けている。いけばなの現代的精神性を考えてしまった。2番目に好きな作品。

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 ↑:村中道子。イメージの視覚化。清らか川の中の石に、笹の葉が舞い落ち、しばしたたずんでいる一瞬。

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 ↑:池上理圃。絵画的作品。西村計雄を連想した。特に、斜めに張られた糸は東洋的美や風韻を現しているのだろう。

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 ↑:中川和萩。明るく楽しい作品。もうすぐ正月だし、松竹梅に見えてしまった。どうということは無いが、「いけばな」展だから、これも在りですね。

 他の方の作品と、いろいろ考えたことは②に続くということで

by sakaidoori | 2007-11-30 17:33 | 大通美術館 | Trackback | Comments(2)