2009年 06月 18日
○ 奥村博美×下沢敏也・陶展 会場:品品法邑(2階) (北郷13条通の北側。道路を挟んだ同じ北側に法国寺有り。) 東区本町1条2丁目1-10 電話(011)788-1147 期間:2009年5月23日(土)~5月31日(日) 休み:火曜日(定休日) 時間:10:00~18:00 (最終日は、~16:00まで。) ーーーーーーーーーーーーーーーー(5・29・金) 初めにお断りします。 「案内板」には奥村博美さんのことを女性と書いて紹介しました。名前から勝手に判断した早とちりで、完全な男性です。お詫びと訂正です。 そして今回は、今後も見る機会が少ないと思われる京都在住の奥山氏の作品を中心にします。セクシャルで刺激的な作品です。 会場風景からー。(以下、敬称は省略。) 下澤敏也の問題意識は「死」である。片や、今回始めて見る奥村博美は「生きる物」あるいは「生」からのアプローチと見た。 まさに「生と死」が2人の共通テーマであり、全く逆からのアプローチだ。問題意識は共通だが、その先に果たして同じ物をみているのか?だから、2人のコラボレーション、あるいはバトルが繰り広げられたらならば、さぞかし心ワクワクするものになったであろう。 残念なことに、並列的な2人展であった。 おそらく今展は下澤氏が奥村氏を紹介するのが大きな目的だったと思う。 下澤氏はコンチネンタルでも道外から陶芸家を招聘してグループ展を企画されている。焼き物に携わる素晴らしい作家達ばかりだった。非常に優秀な紹介者である事は間違いない。惜しむらくは彼等とのバトルが欠けていた。動的展示になっていなかった。その辺が氏の課題だと思う。 今展も会場に会ったセッティングという問題はあったと思う。時間的な問題もあるだろう。だが、奥村氏の挑戦的な女性器群に、たじろぎながらも泥まみれになって下澤ワールドが展開されたならば・・・、何と刺激的なんだろう!そのことが、今後の下澤敏也の糧になると思うのだが。現在の「静かなる死」の造形が、妖しく揺さぶられるかもしれない。 というわけで、真っ向から「生」と「誕生」の不可思議さを見つめる奥村博美の作品を載せます。作品は題して「皺襞器」。 (↑:上の2点は下澤・作品) (今回は奥村作品をメインにしますので下澤作品は少ないです。というか、少ない鑑賞時間だったので写真が撮れなかった。) 奥村作品の「皺襞器」、具体的にその形を思い浮かべれば「女性器」、「植物の種」、「女性の下腹部や腰」、「お尻」ということになろう。妖しげな造形だがシンメトリーという美学もある。要するに生まれ出ずる部分を官能性を排して赤裸々に見つめている。 一番上の作品は単純に凄いと思う。 だが、それ以上に感心したのは空ろな造形だ。奥村・壺と言ってもいい。 壺は局(つぼね)にも通じると思う。空(うつ)ろにして、物を蓄えもし、万物の創造所だと思っている。空(くう)が生(せい)の源だ。中ががらんどうだから、その闇の中から千差万別ないろんな種(生き物)がこの世に拡まった。 そういう僕の局(つぼね)観を奥村・壺に見る思いだ。彼はそれを壺のようにも、女性の腰の造形にも見立てている。おそらく奥村博美という造形作家は観念的に物を見ないのだろう。あくまでも具合的な姿に物の本質を探っているのだろう。しかも近視眼的に接近して。襞の部分にも目に見えない虫が居るようだ。 粘土をいつも触っているのだ。その艶めかしい具体的肌触りが氏にとっては生きる証だろう。粘土の隅々に生きる気配を感じているのだろう。 #
by sakaidoori
| 2009-06-18 23:41
| (くらふと)品品法邑
2009年 06月 17日
2,000円の1泊4食付森林体験ツアーに当選した。 ㈱三井物産と(財)日本野鳥の会の主催。地元のネイチャー研究会inむかわスタッフが一所懸命に協力してくださった。 初日の似湾山林散策、翌日早朝の似湾山林バードウォチング、それらは後日書くことにしよう。 6月14日、12:30~15:00 小雨。 最後の予定の鵡川人工干潟散策だ。 あいにくの小雨模様なのでガイダンスを旅館で済ます。雨模様なので、滞在時間を危ぶみながら現地に向かう事になった。身軽にせよという事で資料を持参しなかったのが惜しまれた。 (メモをしなかったので、記事の中の数字は間違いがあるかもしれません。) (↑:宿泊ホテル・四季の館から徒歩での散策だ。 直ぐに無舗装の田舎道になったのには驚いた。10分ほど歩けば車止めがある。 写真は車止めの手前の草地。現在は牧草地かも知れないが不明。 この広場は、かつて鵡川を放流させた伐採木材の集積場とのことだ。鵡川駅に行く引込み線があり、苫小牧の王子製紙工場に運ばれた。 材木の川流しという大胆な方法は長続きしなかった。大正末年頃に富内線が開通すると廃れたようだ。鵡川町木材繁盛物語は昭和の声と同時に過去のものとなった。 三井物産が今回の主催だ。その三井物産所有の似湾山林は鵡川に面している。似湾木材も、かつてはここで一休みしただろう。 (↑:横断地点からの旧鵡川。左は上流、右は下流。) 車止め柵から直ぐに旧鵡川に着く。2年前には立派な橋があったそうだ。氾濫で流されたとのことだ。作って直ぐの出来事だ。その後、横断方法をどうするかでもめたそうだが、現在の姿に治まった。 とても橋を流すだけの流量も力もなさそうな川の姿だ。氾濫時期の姿は想像できない。 新鵡川へと川の流れが変わったのは何時頃だろう?先ほど見た木材集積場は旧鵡川時代だろう。 ↑:下。こちら側の防砂壁。) 櫛状の防砂壁が12箇所ある。右岸に砂が溜まらないための装置とのことだ。川の流れを安定させて、河口を砂で埋め尽くさないためか? (↑:目的のゴカイ掘り?ゴカイ探索?掘れば間違いなくきれいなゴカイが居る。) ようやく人工干潟に着いた。 長方形状に水が溜まっている。水の流れをよくするために、2m程掘られている。 奥の方の左側で海と結ばれているとのことだ。(次回の個人的探索にはそこまで行こう。) 鵡川の氾濫は、この干潟には良いそうだ。多量の水が干潟をかき混ぜて新鮮にしてくれるとのことだ。 畑のミミズの効能は誰でも知っているが、干潟の働き者はゴカイだ。ほぼ同じ働きだ。初めて知った。干潟には無数の穴ぼこがあり、ゴカイの繁殖を知ることができる。 そして、このゴカイを食べに渡り鳥がやってくる。シギ・チドリの類だ。土壌もゴカイのおかげで新鮮だ、北や南に向かう渡り鳥達にとっては絶好の休息地とのことだ。 かつて鵡川河口には33haの干潟が拡がっていたとのことだ。それが現在では自然干潟の多くは消滅した。 幾つかの複合的原因があるだろうが、元凶ははっきりしている。鵡川新漁港の建設にある。漁港は30年前頃に作られた。そして、20年前から急速に河口の姿を変えることになった。長さにして400mも海が進入し干潟が消失した 港の堤防が海の流れを変えたのだ。港の東側では砂が溜まり、鵡川河口のある西側へは砂の供給(漂砂)が途絶えてしまった。この現象は鵡川ばかりではない。太平洋岸に新しくできた漁港周辺では全て同じ現象が起こっているとのことだ。 漁港の南壁も砂で覆われやすく、定期的に除去作業をしている。 鵡川も河口の砂を人工的に海に排出して、海流を利用して河口右岸に砂を供給している。 この作業は半永久的につづくだろう。 変貌する海岸を目の当たりにして、2001年3月に第1次人工干潟造作工事が終わった。2003年3月にも第2次造作工事が終わった。 見てもわかるようにこの干潟は内陸に作られている。これ以上の造作はないだろう。 「人工干潟」、北海道では例の無い存在であり、全国的にも珍しい。国家を含めた各種研究機関の注目の的であろう。生態系の大掛かりな実験場でもある。 野鳥の会にとっては渡り鳥達の安息の場の回復が目的だろう。 研究者にとっては自然の科学的理解の場であろう。 漁民にとっては人工干潟は負の財産だろう。有力な資源であるシシャモの為には損なわれてはいけない鵡川なのだ。干潟には関心が無くても、鵡川には絶大な関心があるだろう。 鵡川から遠く札幌に住む私、人工干潟という存在を知った私。とりたてて私は何もしない。知的興味以上をでない自然の姿、興味の枠をはみ出る自然の一瞬の姿。現代に生きるとは何と複雑な系の中に身をおいていることか。 干潟健在な頃。現海岸線を書けばもっと理解できるのだろう。どの部分が干潟なのかを聞き忘れてしまった。河口部分が随分出っ張っている。そこが中心か?) 青い草は干潟には迷惑なそうだ。草の根が大地を固めるからだ。 鵡川本流に青サギが1羽いた。) #
by sakaidoori
| 2009-06-17 18:42
| ◎ 風景
2009年 06月 16日
すっかりご無沙汰してしまいました。日がなかなか落ちないストックホルムからお伝えします。 気づくと、あっという間に日が長くなり、日差しも強く、スウェーデンも夏モードです。待ちにまった夏。スウェーデン人は20度を超えるとたちまちノースリーブ。時にはトップレス?少しやりすぎなくらい、短い夏(未だ夏とは言えないのですが)を楽しみます。 週末はピクニック、バーベキュー。公園に行くと、シートを敷いて日焼けを楽しんでいる人多数。日傘、白い手袋の日本人とはまさに真逆で、夏にこんがり肌をやくことを好みます。この春から夏にかけての、スウェーデン人のモチベーションの変化には正直驚きました。 さて、そんな中、メールを通してスウェーデンのイラストレーターの方にインタビューすることが出来たので、今回はその前半の内容をお伝えしたいと思います。 彼女の名前は、Jenny Hellström (イェニー ヘルストゥーム:スウェーデン語はJの部分の発音はYに近く音になります。例えば、ジョエル(Joel):ヨエル、ジョンソン (Johnson):ヨンソン)。 (↑:②・③ Jennyが住んでいるスウェーデン北部の様子。) スウェーデン北西の郊外で育った彼女。イギリス、ケンブリッジに住んでいた経験もあり、スウェーデンの中でもストックホルム、ウプサラ、ゴットランドの学校でアートを学び、現在はスウェーデン北部の田舎でイラストレーターとして活動しています。 彼女が2005年に書いた、Vegobiffar&Kolasås(ヴェゴビファー&コラソス)という、イラスト料理本がスウェーデンでヒット。彼女の独自の世界観を、料理を通して楽しむことが出来ます。 (←:④ Vegobiffar&Kolasåsの表紙。意味は、「ベシタリアン・バーガーとキャラメルソース」。) 槌本:イラストを始めたきっかけは何ですか? イェニー:いつも何かを描くことが好きだったから、高校を卒業した後、出版会社でイラストレーターの実習をしたの。それからアートとアニメーションの勉強をして、自分の本を出版した。いわゆる、自然の流れでイラストレーターになったって感じね。 槌本:料理本を出版したきっかけは何ですか? イェニー:うーん。料理にはいつも情熱をそそいでいたわ。アートやドローイングと同じくらいにね。以前、メレンゲケーキの作り方を見せる映像をアニメーションで作ったの。その時に料理本も一緒に作りたいと思ったの。突然、料理とアート、私の中の2つの大きな情熱が一緒になったのよ!幸運なことに、その後に自分の本を出版するきっかけがやってきたの。 槌本:料理本では、スウェーデン料理を現代的にアレンジしていますが、スウェーデン料理の特徴は何ですか? イェニー:そうね、他の国の料理と比べると、味自体はマイルドでシンプルだと思うわ。スパイスはディル、パセリ、白胡椒、カーネーションを使うことが多いかしら。じゃがいも、根菜を、肉や魚に添えて、ちょっと甘いものを付け加えるのが、いわゆる伝統的なスウェーデン料理ね。例えば、ミートボールやニシンのフライにこけももやベリーのジャムかけたり。でも最近のスウェーデン料理は、アジア料理風やもっと簡単にアレンジされているわね。ここ数年、ちょっとお洒落なレストランで、現代風にアレンジした伝統的なスウェーデン料理が流行っているわ。 槌本:おすすめのスウェーデン料理は何ですか? イェニー:ほとんどのスウェーデン人は、伝統的な料理は、お祝い事の時しか食べないわ。クリスマスとか、夏至祭、イースターとかね。ニシン漬け、スモークサーモンが定番のおすすめかしら。 槌本:あなたの出版した料理本の表紙の色は”黒”ですが、何故黒を選んだのですか?料理本としてはあまり一般的とは言えないと思うのですが。 イェニー:最初、出版社の担当者が私のアイデアに反対だったのを鮮明に覚えているわ。この”黒”のことでいっぱい討論したわね。黒を選んだ理由はシンプルよ。ブラックの背景に色鮮やかなイラストを入れるとポップでよりカラフルに見えるじゃない?うーん、まあでも、正直ちょっと反抗的になりたかったのもあるわ。他の本と何か違ったものを作りたかったのよ。 T:・・・・・・・・。 J:・・・・・・・・。 まだまだインタビューは続きますが、予想以上に彼女が真剣に質問に答えてくれたので、続きはまた次回ご報告します。彼女の田舎での生活のこと、日本のイメージなどなど。 彼女のHP、ブログも是非見てみてください。スウェーデン語ですが、彼女の素敵な日常が写真、イラストから窺えます。 (→:⑤ Jennyのイラスト、。 "Folkdräkt" 民族衣装という意味。) http://www.hejajenny.se http://hejajenny.blogspot.com ~~~~~~~ ~~~~~~~ 最後に私の近況報告も少しだけ。 ↑:右、⑧ マルメにて。) 5月に台湾、スウェーデン南部のマルメで展示を行いました。台湾でも展示の際に短い間でしたが、札幌にも帰ることが出来ました。やっぱり北海道の食べ物は格別でした。 台湾で展示をした作品の写真、マルメでの展示模様の写真です。 スウェーデンでの生活も9ヶ月目に突入です。 最初に持っていたスウェーデンのイメージとも大きく変わり、新たな一面もちらりちらり。その辺のことも少しずつお知らせできたらと思っています。 またも不定期の報告になることが予想されますが、ご一読していただけたらと思います。次回も宜しくお願いいたします。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー (栄通から。) イェニー、若いですね。それに何ともいえないポーズです。槌本さんが撮ったのですか? 今回の文章、生き生きしていますね。翻訳、上手いですね。槌本さんも誰かにインタビューされたら、貴女が翻訳したようなノリで対応したらいいですよ。 他人の言葉を介して、槌本さんの生理がよく伝わってきました。 やっと出てきた槌本・作品です。待ってました。 左のドレスの作品、貴女がハイヒールを履いて、胸を張って、顎を上げて、街を闊歩したらいいな~。このゴウジャスさに負けないぐらいの気位ですね。変わる日本、深化する日本女性。 右の吊り下げられた作品、門馬AMNEXを思い出します。 それにしても床のシーツ、真っ赤で野獣の血のようではないですか!大胆大胆。 なんだか、当地に慣れたというか、一皮向けた槌本報告記でした。 次回もよろしく。 #
by sakaidoori
| 2009-06-16 23:00
| 槌本紘子ストックホルムキ記
2009年 06月 16日
○ 武田響(きょう)・陶展 -しずくー 会場:ギャラリー・門馬・ANNEX 中央区旭ヶ丘2丁目3-38 (バス停旭ヶ丘高校前近く) 電話(011)562ー1055 会期:2009年6月9日(火)~6月15日(月) (会期中無休) 時間:10:00~18:00 ーーーーーーーーーーーーーー(6・12・金) (記事の編集の為に写真を見ていたら、ついつい沢山載せてしまいました。) 非常に綺麗な展覧会です。 手前半分は乳白色の自然光を利用しての透明感、後ろ半分は人口光による影の演出、時間の経過による場の移ろいは、終日(ひねもす)滞在されている作家をも飽きさせることはないでしょう。わずかな時間しか居ない鑑賞家達も、人形のような雫の一つ一つを優しく見つめていったことでしょう。 作品は大半が半磁器とのことです。磁器の材料と陶器の材料を混ぜ合わせているのです。砂粒としての石と、泥としての粘土です。焼く温度は陶器と磁器の場合の中間かと思いきや、磁器に近い温度です。 見た目にどう違うかというと色が違う。左の写真、青みがかったのが磁器で、薄茶色が今展の主役の半磁器です。 磁器の光沢感や鋭さを減らして、土臭さが加わっているのですが、優しい土色です。もっとも、この色加減は作家の腕で何ともなるかもしれない。 そして、陶作品につきものの皺を出している。武田・半磁はレースとは言わないが、ゴツゴツした樹皮感覚ではなく、皮膚の表面の化粧模様です。深くなく、しっかり皺を流している。作家の年輪を思う。 ファージーな作家だと思う。石と泥が共に好きで、その中間を右に左に揺れる事を楽しんでいるようだ。おそらく風も好きだろう。風が揺らすススキの揺れも好きであろう。 そして今展、ファージーな時間の中に「雫」として結晶化された時間と形に戯れているようだ。 手前の擬人化されたような「雫」は、明るい場にあるが過去の蓄積だろう。 後ろの垂れる「雫」、水面に落ちつつある現在そのものの姿だろう。 波紋は過去と未来が重なり等心円状に形を織りなしている。 ベランダには波紋の作品が置かれている。砂が隙間に入り艶めかしい、円が少し壊れている。お客さんが間違って踏んだそうだ。素晴らしいお客だ!美しき姿に破片は似合う。 黄昏時に見た。気が付けば緑の木立も薄暗い。 半磁の皺、薄き茶色、壁に立てかけられた小さきドア。 風は止まるでもなく進むでもなく、白くなっている。 雫はいつ落ちるのか? 雫よ、君に黄昏はあるのか? #
by sakaidoori
| 2009-06-16 11:23
| 門馬・ANNEX
2009年 06月 15日
○ Wave 11人展 会場:市立小樽美術館・3F市民ギャラリー 小樽市色内1丁目9番5号 (小樽駅から5分ほど運河方面に) 電話(0134)34-0035 会期:2009年5月12日(火)~5月17日(日) 時間:10:00~18:00 (最終日は、~17:00まで) 料金:無料 【参加作家】 青木美樹 江川光博 深山秀子 水谷のぼる 福原幸喜 徳吉和男 高野理栄子 羽山雅愉 工藤英雄 末永正子 三宅悟 ーーーーーーーーーーーーーー(5・16・土) (980番の①、981番の②の続き。) 以下、写真を中心に何人かの作家を載せます。 ○ ⑤-高野理栄子。 今展はグループ展だが、会場の間口を利用して個展と言ってもいい展示になっていた。 作品は銅板による腐食版画?。 こういう模様は心象風景と言えば一応は大過ないのだろうが、それでは心象の中味はどうなっているか、と問われればとても難しい。それに全ての作品はそれなりに心象風景を孕んでいるものだから、心象心象と言ってばかりでは何も言っていないのと同じだろう。 一見おどろおどろ装飾だが、額装の工夫や展示方法などから几帳面さが漂っている。模様の動きが一様だ。作家の中の心模様(造形模様)と、のその模様に対する作家自信の距離感が一定に見えて、意外にすっきりした落ち着きを感じる。腐敗する退廃性よりも、健康的に模様が増殖している。生き生きした花達。 額装のなどを含めたラインの意味と分割具合、四角という形とその変化、シンメトリー的デザイン、2色のバランス、模様の変化などを作家自身が確認し、今後の方向を模索しているみたいだ。もちろん、キーは腐食版画の手応えだろう。 「サルベージ」、遭難船舶の救助?。海の底の見えないところから、この世に現れてくる姿、それを救い・救助と例えているのかも。見えないものを見えるようにするとは助けであり、存在の生命付与という含意か? ○ ⑥-深山秀子。 タイトルから自然の移ろいの抽象化ということが分かる。作家の自然への眼差しでしょう。 小樽だからでか、画面のリズムは海のの波模様であり、潮騒の匂いを感じた。 ○ 工藤英雄 造形に揺らぎがないので、こういう抽象絵画は描きなれている作家でしょう。 一番下の作品が他の作品とはムードを異にしている。増殖という遊びだ。他がシンプルな形なので変化が面白い。 いずれにせよ、力強く筋の通った「遊び」だ。「赤」という遊びだ。 #
by sakaidoori
| 2009-06-15 17:29
| ☆小樽美術館 市民ギャラリー
|
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丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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