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栄通記

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2018年 09月 22日

2607)「北海道大学写真部 『夏の暮れ展』」 エッセ 9月18日(火)~23日(日)

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(   ↑:外から会場を撮ったもの。)



北海道大学写真部

  「夏の暮れ展



 会場:ギャラリー・エッセ
     北区北9条西3丁目9-1 
       ル・ノール北9条ビル1階
     (南北に走る片側2車線道路の東側。)
     電話(011)708-0606

 会期:2018年9月18日(火)~23日(日)
 休み:
 時間:10:00~19:00
     (最終日は、~17:00まで) 

ーーーーーーーーーーーーーーーー(9.20)



以下、会場風景を左回りに--

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北海道大学写真部は道内を代表する写真部です。
代表するといっても、大学自体が日本を代表する規模だから、当然です。
代表するといっても、道内の大学写真部そのものがかなり低調です。低いレベルでの褒め言葉です。
しかし、代表は代表です。しっかり活動し、しっかり作品を見せて下さい。

そういう期待する思いで見に行くのです。今回の印象はというと・・・
①とりあえず、会場をしっかり埋めていたことは良いことだ。
②参加者が多いから仕方がないのだが、一人一人の作品数が少なかった。
③目立つ作品が少なかった。
④平日なのに、関係者が多数会場に待機、それは良いことだ。

作品数は多い。とても詳細には掲載できません。数少ない言葉になります。





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   ↑:木村仁(工学部3年)、「前進」。


一目で分かるように、かなり意図的に加工した作品群だ。
与えられた発表面積で力強く押し出していて、若者らしくて好ましい。

「前進」というタイトルがどうも気になる。なんか、ちぐはぐなのよ~。
一言で木村作品をかたるならば、「ちぐはぐ」だ。
「ちぐはぐ」であっても、あるいは「ちぐはぐ」だかろこそ言いたいことがわかる、のであればかまわない。しかしど~もしっくりこない。
木村君の特徴は満遍なく気配りしていることだ。基本は「人」で、街角の「人」の様子をいろいろな角度・切り取りで迫る。普通はそれはいいことなんだが、彼の場合は平衡感覚が良すぎて、このバランス感覚の良さが森山大道張りの強さ荒っぽさと両立しないようだ。もし、弱めの心象風景的な加工でこの作品を見せて、タイトルが「それぞれ」だったらぴったしかもしれない。

きっと木村君は「それぞれの人達」が「それぞれ」に前進、明日を信じて生きているんだ!と言うことを強くいいたかったのだろう。彼の強い願望と、もともと持っている良き目配り感覚とのマッチングが悪かったみたいだ。
しかし、強く発表した姿勢は良い。3年生だ。来年は間違いなく学校は忙しくなる。来年春の資料館での展示、個展をする勢いで取り組んで欲しい。






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   ↑杜過(生命科学院修士1年)、「猿田彦日渡り」。


杜過・「du guo」、「どぅー ぐお」、と読むのだろう。中国人だ。
燃えるような作品、被写体ありきの典型だ。この迫力、見た時の感動をたった一枚でこの大きさとは寂しかった。この大きさだったら縦に四枚以上を連続して並べないと!自己主張の少ないおとなしい人なのかな?




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   ↑:登坂直紀(工学部4年)、「No Man's Land」。


山岳雑誌に紹介されそうな山だ。
山の風貌もさることながら、背景の眼下風景が良い。
登坂君は鉄道風景が気になったみたいだ。妻は「川」はどこ?と尋ねていた。僕は手前に段々と迫る山の頂、向こう側の段々畑のような景色の重なりに見とれてしまった。写真の持つ情報量にはつくづく感心する。





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   ↑:井上知彦(?)、「欠けたピースを埋めて」。


おっ、色っぽい作品だ。ピースが欠けているのか?女が欠けているのか?井上君はピースを埋めたいのか?女の中に井上君が埋まりたいのか?
もし、シリーズでの出品にするのだったら、「欠けたピース」をそろえるのか、「欠けた女」で埋めるのか、井上君の願望で埋めるのか・・・どうするのかな?







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   ↑:熊坂友紀子(法学部)、「父と娘」。


タイトルが良い!写ってもいない「娘」がタイトルにある!これですよ。
この写真を熊坂友紀子君は撮っているのだから、当然「父と娘」はそこにいる。しかし、作品では「娘」は登場しない。登場しないが、「父」は誰かと気持ちよく呑んでいる!当然誰かとは「娘」だ。被写体にわざわざ「娘」がいないのが良い!タイトルに「娘」を添えたのが良い!







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   ↑:青山恭子(総合教育部理系1年)。左側、「なぐさめ」。右側、「パレット」。


初々しいです。やっぱり1年生、しかも女性の撮影。
次回は大きな「パレット」におおきな「なぐさめ」、お願いします。






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   ↑:茶房ゆかり(修士課程1年)、「彩 -color-」。


上の作品、まるで外に人が歩きながら作品を見ている感じ。違います。屋内風景です。





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作品の量は「アッパレ!」ですが、中身をアッパレとは言いにくい。作品がダメという意味ではないです。単純に見づらくて見られない。
作品は薄いビニール版に転写したもので、外光にあたっているので薄くしか見られない。しかも、背景が重なってしまい、いよいよ何が何だかわかりづらい。
そういう意味で今展での茶房ゆかりの試みは成果としては不十分だっただろう。しかし、こういう試みは経験がものを言う。良い勉強になったことでしょう。

見づらい被写体だが、いま記事執筆のためにパソコンで見返している。
・・・・
ごくごくありふれた街角の風景ばかりだ。そういう日常群に対して「彩 さい・いろどり・色」と命名した。爽やかな日々、流れる日々、気分良くチョット色づいて進んでいく。
・・・
エモーショナルな事柄、ロマンとポエムで色づけして世の中を軽く進んでいきたい、渡る世間は軽い色ごとばかり、チョッピリ楽しんじゃおうかな・・・。








   ↑:川上円香(文学部2年)、「久しぶりだね」。

爽やかです。爽やかな同姓を撮りたかったのでしょう。撮りたい撮影者の気分はよく伝わる。
被写体の世界にもっと身を投げて、被写体をどう捕らえたら、もっとその女性の生き様が表現できるか!いったん、被写体から離れることによって、被写体を見直す。空を撮るなり、彼女の見つめる先を撮るなり(嘘の見つめる先でも構わない)、全く関係のないスナップをこの組み合わせに挿入するなり・・・もっともっと、そんな感じです。
でも、2年生か・・・川上さん自身が爽やかに見える。






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   ↑:東優太郎(工学部4年)、「漁場の母っちゃ」。


びっしっと正面から見つめている。古くさい味だ。
左から・・・鉄道、露天のおばちゃん、何かのお店・・・できるだけ撮り手の気分を反映させないよう・・・できるだけ現場の気分がすーっと反映されるように・・・近からず遠からず、一定間隔で相手の傍にいる・・・ひそひそ話は聞こえないが、生きている物音は間違いなく聞こえる距離・・・(だいたい、学生写真で鉄路があれば撮り鉄、あるいは旅行好きと思って間違いない)・・・旅の足跡を一枚、一枚、また一枚・・・
・・・惜しい!この大きさでこの枚数は少なすぎる!旅に出て、一ヶ所だけ心に残るということはない。撮り鉄で旅好きならば、東感覚の旅の足跡を、報告記をもっともっとしなければならない。東流は「綺麗に・端正に」みたいだ。たとえお行儀が良くても、もっともっと若者が見る旅の魅力を伝えて欲しい。




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   ↑:(中央の作品) 新里勇生(文学部歴史文化論講座4年)、「ご来光を拝みに」。


妻が見つめている風景写真。

遠くに尖った山は羊蹄山。手前はご来光を見るために登った山なんだが、多分、尻別岳だろう。花が咲いている、エゾカンゾウだろう。
じつは、この山でこのエゾカンゾウが見られる時期は決まっていて、7月の初旬だ。ここは群生していて、他の花も咲くお花畑だ。
エゾカンゾウ、沢山咲くには咲くが、一杯咲いているのを見るのは難しい。その年によって咲き具合がちがうのよ!
そしてこの写真は雲海もある!

尻別岳は1,000m前後の山だ。たいしたことはない。しかし、この「風景」を見られるのはなかなないだろう。おめでとう、新里君!




後記:
「出品するのだから、良い作品を出したい」という言葉を耳にする。
当然な言葉だ。
二十歳前後の、しかも、趣味活動としての「良い作品」とはどういう意味だろう?
僕は大学写真部展に、「質の良い作品」を求めて見に行かない。
初心者程度の表現力の人達だ。初心者程度だからこそできる表現を見に行っている。要するに、今の一所懸命な姿をだ。
上手くなりたい方法がある!長くすることだ。ただそれだけだ。何でもそうだが、長くすれば上手くなる。長くして欲しい。







# by sakaidoori | 2018-09-22 11:14 | エッセ
2018年 09月 21日

2606)「第二回 #札幌PEN部 写真展 ハーフカメラの写真展覧会」g.犬養 9月19日(水)~9月24日(月)



第二回 #札幌PEN部 写真展
 
  ハーフカメラの写真展覧会




参加者:阿部雄 井上知彦 小野寺宏弥 
   ささきぱる 外崎うらん 橋本つぐみ 

会場:ギャラリー犬養 2階  
      豊平区豊平3条1丁目1-12
      (地下鉄東西線菊水駅より徒歩7分。
       駐車場有り。) 
     電話(090)7516ー2208 

会期:2018年9月19日(水)~9月24日(月)
 休み:火曜日(定休日) 
 時間:13:00~22:30

ーーーーーーーーーーーーーー(9.20)


「ハーフカメラ」、フィルムで撮るカメラで、24枚撮りのフィルムが48枚撮影可能というものです。
一枚のネガで2枚撮れる、だから多く撮りたい場合は重宝です。半分のネガですから、大きく引き延ばすとクリアー度が下がって、ボケ・アラ気味になる。もっとも普通にスナップで楽しむ場合は全く問題ないです。
欠点は現像費が高くなることです。大きく引き延ばしてボケアラになるのは欠点というより特徴といった方がいいでしょう。

ですから、今展を見る場合、どれぐらいの大きさの作品仕立てかで、その人の参加目的がわかるでしょう。つまり、ボケアラを見せたくないのか、ボケアラ作品の個性として出すのか?
単に「ハーフカメラ」という機械自慢か?ハーフカメラの特性を生かした自己表現か?








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処狭いとは言わないが、特徴のある壁を一杯一杯展示している。作品量の多さに一目で喜んでしまった。

以下、左回りで一人一人を簡単に載せましょう。





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   ↑:小野寺宏弥「Life is Beautiful」









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   ↑:全て小野寺宏弥、「Life is Beautiful」


典型的な心象スケッチだ。
タイトルは、「生活は美しい(生きているって素晴らしい)」。そういう気分で淡々と撮っている、ではないだろう。

彼ははしゃぐことが好きなタイプだ。女の子大好き男の子だ。
そういう青年が人気を隠すようなスケッチをだした。何ともいえないこのタンタン(淡々)感。
「ちぇっ、仕方ないな-、誰も相手にしてくれない、だったらオレも誰も相手にしないぜ・・・」そんな呟きの一枚一枚だ。



    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~



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   ↑:橋本つぐみ「たとえば/あるいは]。




おー、橋本つぐみは絶好調だ。心象風景には違いないが、「物語」ですね。どんな物語かというと・・・ふふふ、それは「秘密」・・・?

本当は「秘密」でも何でもないのだから、何とか説明しようとする。その時の言葉が、「たとえば・・」と言ったり、「あるいは・・・」と言ったりする。その「たとえば、あるいは」をハーフ見立てにタイトルにした。ようやく橋本つぐみも直接説明を卒業した。

「卒業」といえば、彼女はより「大人っぽい」雰囲気の世界突入したいのよ!本当は。でも、彼女自身の持つ「女の子(乙女)性」が「言い訳根性」が「嫌われたくない心理」がどっかで作品を引っ張っている。しかし、最近は作品自体が「橋本つぐみ」から離れて前に前にと押し進もうとしている。今回は「ハーフ」ということで「モヤモヤ感」が強くなり、一方で橋本つぐみはスパッと切り取りたいところがあって、このモヤモヤ感といさぎ良さが今展ではうまい具合に両立して、ちょっと大人っぽい世界が生まれたみたい。







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今回はこの作品が一番のお気に入り。橋本好みの半分分割法と、床にもの置く「いじらしさ」と、カーテンの白さ膨らみに女の肉感に重なり、橋本版「処女からの脱皮」みたい。







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   ↑:井上知彦





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   ↑:全て井上知彦、「パトローネは夢を見る」。



井上知彦はハーフカメラが普段着のようだ。
そして撮影スタイルも「何かを狙う・派」ではなく、普段着を等身大にパシッ!みたいだ。工夫された展示を無視して、作品だけを見ていると、特に強い拘りを感じない。
ハーフカメラ撮影スタイルはともかくとして、小さいとはいえこれだけ大きくすると、写真作品としての楽しみも見る方は持つわけだ。しかし、その気軽なシャッターチャンスにはあまり興が湧かなかったことも事実だ。つまり、今回の井上展示は「ハーフカメラ」と「普段着の僕」を楽しむコーナーだった。

ボートの作品、個人的には「ボート大好き派」だから気になるところフだ。しかし、女の子が背景にいるボートでは「弧」が楽しめなくて残念だった。
しかし、フロイト的精神分析でみると、「ボート」が男だから、「ボート(男)」を無視する「女」になるわけだ。「夕べ、きっと振られたのだろう」、と解釈するのだろう。



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   ↑:ささきぱる(佐々木練)、「I want to walk a place I don't know」


「ささきぱる」こと佐々木練の微妙な変化を楽しく見ている。

彼の被写体なり、撮る姿勢はガンコなまでに変化はない。日常、目にする普通の世界を、やや接近気味に中央に収めて強く撮る!時折、チョット変わった被写体を、素直に強く撮る!
強く撮るから「心象風景」っていう感じはあんまりしない。そこが僕にとっては好ましい。愚直なまでに素直に強く撮り続ける姿勢が良い!

だから、一点一点見るより、ある程度の量があったほうがいい。
この「量」ということで果敢なチャレンジをしていると思う。
彼はとことんマイペース派なんだ。ところが、群青で毎年参加していると、良い意味で他人の世界が気になり始めたようだ。気になったからといって自分の世界を変えない。変えないのだが、他人の中で自己の世界を強く見せたい!
今回は作品を引っ付け気味にして、個々の作品よりも全体での「佐々木練・流」を見せつける。強く明快に見せるいつもとは違い、不本意ではないがボケ気味の世界は「佐々木練・流」になっているか?やや違っているか?

日常の、「どうでもいい、つまらない事ども」を撮り続ける佐々木練。
そもそも被写体に価値があるのか?写真で切り取って初めて我々は価値を見出すのではなかろうか?あとは撮影者の行為を含めて、他人の評価・・・評価する人の心に何某かの記憶として残るか否か、ではないだろうか。


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左側のバス停の標識、傾いているのが佐々木流です。傾いていてどこか可愛い。擬人化しているのでしょう。
標識、それは標識として、ある崇高な価値あるものとしてそこにある。でも、単なる置物だよな~、だってバスは一日何本通るの?ここで止まるの?あ~、そんなに利用されてもここにある!いとおしいな~。

右側、佐々木流にしては「藝術っぽい」作品だ!やっぱり擬人化しているのだろう。忘れ物・・・でもここにある・・・でも、忘れ物、もうすぐ無くなってしまう・・・でも、並んでいると可愛いな~。





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   ↑:外崎うらん、「祭囃子は過ぎていく」。


今回、外崎うらんは正直すぎるほど正直だ。
これは悪い意味での指摘だが、祭が被写体なのだが、担ぎ人だけを作品にしている。祭のうねりと、その後の閑散としたのを表現して、「祭囃子は過ぎていく」だと思う。「動と静」、「人と物」、「叫びと無言」などなどが交差して・・・「過ぎていく」。祭の「哀れ」を見るか、「人の営みの激しさ」を見るか、などは撮影者の表現力が問われるところだ。
今作は祭を営む人にしか意が行かなかったようだ。

外崎うらんの作風は、王者の堂々とした威厳みたいなものがあるのだが、そこにアマノジャク的な女心、いたずら心、今風の軽い心、この堂々さと遊び心の重なりが特徴であり面白いと思っている。
今回は「ハーフ」ということと「祭」という環境のほうで遊びすぎて、作品で遊ぶのを忘れたみたいだ。
何故か・きっと今展が楽しかったのだろう。制約がなさ過ぎて、緊張感が弛んだのだろう。今はそういう時期なのかもしれない。


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多分、外崎うらんにとっての今展は上掲の2作で言いたいことは尽きているのだろう。特に、左の語り合いの場が全てかもしれない。

上掲が全てということは、撮影者の指向は「祭」そのものにはないのかもしれない。大仰な道具立ての人混みの中で、「悲哀に通じる喜怒哀楽」が主要な関心なのだろう。

以下の作品群は良い意味で撮影者からのプレゼントだ。


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以下の作品はそれぞれ独立した展示だ。上の群れる作品とはムードが違うから分けたのだろう。
分けることは構わないのだが、撮影者のキチッキチッとした性格が反映されて、今展のように「動的祭」の作品群の前では影が薄くなってしまった。


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昔の風景を見ているようだった。それだけで懐かしい気分になってしまった。最後の写真などは炭住を思い出させる。全く炭住には似ていないのだが、黒白のボケアラ感は細かい記憶を削いで、一気に人の記憶に辿りつかせる。




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   ↑:阿部雄



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   ↑:2点とも、「Light Dance」。


タイトルは「光の踊り(踊る光)」だ。全くそのとおりだ。

阿部雄がこんなにロマンティックで私的な青年とは知らなかった。
今展の主宰者は彼だ。さすがに「ハーフカメラ」の特性を知り抜いているという感じ。
こういう作品はゴチャゴチャ言っても仕方がない。実作を見て、その世界に堪能するしか無い。山岸せいじ氏ならば「天国からの光」とでも言うかもしれない。その山岸せいじ個展が街中で開催中です。今展の「阿部雄パラダイス」との違いを楽しんで下さい。








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   ↑:「Signing Birds」.


「合図する小鳥たち」?要するに、「僕に微笑む可愛い子」という意味です。右側の作品、女性の顔が埋め込まれている。この女性が「Bird」鳥なんでしょう。どうして複数形なの?もしかして、みえないところに他にも女性がいるのかな?

二つの英語読みタイトル、今回の阿部雄は限りなく詩人になりきっている。撮影すると言うことは、発表すると言うことは、普段の普通人を越える体験だ。



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# by sakaidoori | 2018-09-21 18:42 | (ギャラリー&コーヒー)犬養
2018年 09月 21日

2605)⑥「群青 『座談会 』写真を語る集い 前期C室18時~」 アートスペース201 終了/1月27日(土)






第5回 丸島均(栄通記)企画


群青ぐんせい

 ぐんじょうと読まないで下さい。
 ぐんせいと読んで下さい。「群れる青い人達」です。



10部屋の展覧会
〔写真、絵画、書、ドローイング、テキスタイル、立体、他〕

  「群れる青い人達による自己表現展です

    雪固まる1月、2月・・・
    寒い・・・
    少しでも元気になれれば・・・
 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

●会場:アートスペース201
    札幌市中央区南2条西1丁目山口ビル5&6階
     電話:011―251―1418
   
●会期:前期⇒2018年1月25日(木)~1月30日(火) 
   後期⇒    2月1日(木)~2月6日(火)
     (前後期全館使用&総入れ替え。)
●時間:10:00~19:00 
    (各会期最終日は、~18:00まで)

※展示会場の詳細は省略

座談会
◎2018年1月27日(土)、18:00~20:00/6階C室

 出品者による写真を語る集い
  ~僕はなぜ写真を撮るか見せたいか?~

司会:篠原奈那子
参加者:橋本つぐみ、髙橋ヤヒロ、平間理彩、岩田千穂

【催し】
◎2018年2月3日(土)/5階D室
 16:00~ 出品者による演奏会
      ~ジャズ・フォーク・クラシック~
  「実験水槽」/佐藤瑞生(ギター弾き語り)/篠原奈那子(ホルン)&宍戸幸希(コントラバス) 
 17:45~   出品者紹介
 19:45頃~20:00  軽食パーティー(参加無料)

●助成金:札幌市文化芸術振興助成金活動
●協力 :アートスペース201

●企画 :丸島均(ブログ「栄通記」主宰)
●連絡先:090―2873―2250 marushima.h@softbank.ne.jp
●住所 :札幌市北区屯田3条2丁目2番33号

ーーーーーーーーーー(1.27 土)


(対展の途中ですが、同じ部屋で行われた座談会の様子を載せます。対展②は次回。)


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座談会の始まる前。
参加者の岩田千穂は、訪問者と自作の世界に耽っている。
・・・


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かなりの参加者!ありがとうございました。
もちろん、当日の参加者の多くは群青出品者です。そういう意味では「内輪のお話会」と思われるかもしれない。それで良いと思っている。内輪でも外輪でも一所懸命に座談会に耳を傾け、それぞれの参加者のしぐさ息吹様子をじかに感じ、それぞれが写真をする動機を高めてくれたと思う。

座談会の内容は「僕はなぜ写真を撮るか?見せたいか?」

難しい!だから、僕はこの時語られたことは一切覚えていない。覚えていないからここにその内容を書くことはできないのです。今回の記事は、座談会の内容を報告することではなく、この時この場所で、若者を中心に一所懸命な時があったということを報告するだけです。

それにしても青くさいテーマです。「僕は何故写真を撮るか?」ですよ!群青・「群れる青い人達」にはピッタリなテーマとはおもいませんか?
いちいち「何故?」と問うことは良いことではないと思っている。解のない質問に近いから。こういう質問は、だいたいにおいて袋小路に陥り、精神衛生上よろしくない事態になりがちだ。
だが、前頭葉が異常に発達した人間にとっては一度は通らないといけない道である。男であれ女であれ、年齢を問わずに通奏低音のように後ろからやってくる、「オマエな何故写真を撮るのか?見せたいのか?」「何故だ何故だ?」

ちなみに丸島は発言を一切控えた。始まる前に挨拶と討論当事者の紹介だけ。座談会中は一回だけ言葉を挟んだだけ。



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   ↑:(司会をする篠原奈那子。)



司会は一切篠原奈那子に任せた。彼女が良い司会をしたから良い会になった!と言いたいが、それはない。良き接着剤ではあったが、それ以上ではない。もちろん、それで良い。4人の語り部達は女性らしい奥ゆかしさで、恐い顔も交えて、ストレートに対話をし続けた。


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2時間の座談会。確かに長すぎかもしれない。途中、間延びシーンもあったが、聴衆者の意見も入り、良いムードでやり遂げた!

終了後、急遽打ち上げに行った。
飲み会の写真は次の一枚だけだった。あー、座談会以上に飲み会のことが記憶にありません。情けない。


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宴会終了後は「別れの友」だ。

その帰り時の様子です。


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若い2人の後ろ姿って・・・ステキですね。お休みなさい。







# by sakaidoori | 2018-09-21 00:32 | 群青(2018)
2018年 09月 20日

2604)⑤「群青 『対展 前期C室①』」 アートスペース201 終了/1月25日(木)~2月6日(火)

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第5回 丸島均(栄通記)企画


群青ぐんせい

 ぐんじょうと読まないで下さい。
 ぐんせいと読んで下さい。「群れる青い人達」です。



10部屋の展覧会
〔写真、絵画、書、ドローイング、テキスタイル、立体、他〕

  「群れる青い人達による自己表現展です

    雪固まる1月、2月・・・
    寒い・・・
    少しでも元気になれれば・・・
 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

●会場:アートスペース201
    札幌市中央区南2条西1丁目山口ビル5&6階
     電話:011―251―1418
   
●会期:前期⇒2018年1月25日(木)~1月30日(火) 
   後期⇒    2月1日(木)~2月6日(火)
     (前後期全館使用&総入れ替え。)
●時間:10:00~19:00 
    (各会期最終日は、~18:00まで)


《前期》
・6階A室 ◯「日めくり、季めくり、心めくり」(写真展)
 永倉理子 野口琴里 宮森くみ 橋本つぐみ 冬野矢萩
・6階B室 ◯「私たちはなぜモノクロで撮るのか」(モノクロ写真展)
 平間理彩 千葉貴文 外崎うらん

・6階C室 ◯「対展」(2点一組の写真展?)
 長内正志 加藤良明 酒井詞音 二宮翔平 今佑記 名畑響 小林孝人 岩田千穂 佐々木彩乃 髙橋萌 紺野はるか 野崎翼(折り紙) 米林和輝 佐藤瑞生

・5階D・E室・ホール ◯「元気展(総合美術展)
 (D室)⇒杉崎英利(チョーク画) 佐々木麗鶴(絵画) チQ(マジックペン画) 佐々木幸(現代美術) 神成邦夫(写真) 町嶋真寿(立体・鉄)
 (E室)⇒宍戸浩起(写真) 篠原奈那子(写真) 岡田綾子(立体) 北村穂菜美(絵画) 鈴木比奈子(絵画) 山本和来(陶芸) 
 (ホール)⇒田中季里(版画) 碓井玲子(刺繍) 冬野夜薙(絵画)

《後期》
・6階A室 ◯「闘」(写真展)
 岩佐俊宏 髙橋轍 髙橋やひろ 米林和輝
・6階B室・ホール ◯「踏み出す」(写真展) 
 村田主馬 竹中春奈 伊藤也寸志 浅沼青夏
・6階C室 ◯「それぞれの居場所「(写真展)
 吉田切羽 阿部雄 佐々木連 笹谷健 猪子珠寧 小野寺宏弥 木戸瑠美
・5階D・E室 ◯「元気展」(総合美術展)
 (D室)⇒梶田みなみ(立体) 野呂田晋(写真) ドローイングマン(ドローイング) 水中蝶生(点描画) 
 (E室)⇒福岡幸一(ドローイング) 柿崎秀樹(絵画) 久藤エリコ(切り絵) 金侑龍(現代美術) 酒井彩(彫刻) 
 (ホール)⇒碓井玲子(刺繍) 櫻井麻奈(写真) 冬野夜薙(絵画)


【催し】
◎2018年2月3日(土)/5階D室
 16:00~ 出品者による演奏会
      ~ジャズ・フォーク・クラシック~
  「実験水槽」/佐藤瑞生(ギター弾き語り)/篠原奈那子(ホルン)&宍戸幸希(コントラバス) 
 17:45~   出品者紹介
 19:45頃~20:00  軽食パーティー(参加無料)

●助成金:札幌市文化芸術振興助成金活動
●協力 :アートスペース201

●企画 :丸島均(ブログ「栄通記」主宰)
●連絡先:090―2873―2250 marushima.h@softbank.ne.jp
●住所 :札幌市北区屯田3条2丁目2番33号

ーーーーーーーーーー(1.25)

D室の会場風景を載せます。
この風景で、全12作が確認できると思います。
以下、2回に分けて掲載します。


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   ↑:野崎翼(九州大学))、「うねりのあいだに」。


「対展」は写真をメインにしているが「写真展」といいたくない。いろんな組み合わせ、いろんな表現の「対」を楽しんで頂けたらと思っています。
が、実際は写真がメイン。そんな中、折り紙作家としての参加、ありがたいことです。しかも彼は実家が札幌とはいえ九州在住!かさねて、ありがとうございます。

野崎翼はいろんな組み合わせの「対」を演じている。
違う大きさ、微妙にずらせた位置関係、何より折り方が違う。右側は一塊の中での多角形によるひだ模様、左側は花弁が一つ一つ引っ付いて花を咲かせているよう。野崎君、けっこう「対」を楽しんでくれたようだ。

作品の中身は、「うねり」と「あいだ」だ。何が?心模様なのでしょう、「気分」とか「(心の)リズム」がうねっているいる、気分と気分あいだに気分があって、やっぱり気分がうねっている。揺れてる心、すれ違う二つの形、もしかしたら野崎流「男と女」かもしれない。もちろん右側が「男」で、左側が「女」。何やら右側が求愛気分に見えてきた。左側は男の気分に関係なく可憐に咲いている。
右側の鳥のような「男」が、「ねー、僕の体の模様を見てよ!気分次第でいろいろ変わるよ。今日は気分がいいからこんな感じ、気に入ってくれた」
・・・・
何やら紙の塊がお話をしているみたい。







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   ↑:細野はるか(北星学園大学)、「染まる」。


あー、何から何まで若い女の子の写真だな~、そんな第一印象。
「染まる」、そのとおりだ。強めの色にしたのが良い。
女の子が女の子を撮る。どんな注文をしたのだろう?
色に染まった女の子の気分を表現したかったのだろう。
6枚の写真は「色の対」であって、表情での対は追っていないようだ。「6個の女の子・・・一つ一つの心を想像して下さい」
ただ、残念なのは、6個の表情・スタイル・服装・モデルなどに変化が乏しかったことだ。似た写真が多くなった。仮に似ていたとしても、対を意識して、最低3枚単位での劇的というか、見た目の違いが欲しかった。
だが、そういう批判も沢山出したから、細野はるかの欠点というか、特徴もはっきりしたことだ。とにかく一杯撮ろう、一杯出品しよう!









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   ↑:岩田千穂(藤女子大学写真部OG)、「泡沫」。


手焼きのモノクロ作品。というわけはないだろうが、レトロな作品だ。右側など特に「古い」って感じ。
古く感じるってことは過去への哀愁、というか過去への賛美・讃歌があると思う。なのにタイトルは「泡沫」・・・何を言いいたいのだろう?
左側は出入り口という通路での人混み。これは「今」なのか?
すると、右側は「道」をこちらに駆けてくる「過去」の楽しかった想い出か?
「昔生き生きしていた子供たちは、今は取り替え可能な『泡沫』的存在、そんな私(岩田千穂)でもある」か?

「駅」の人混みはいろんな感情を引き起こす。
あるいは「今日ももがんばるぞ~」と、突き進む人もいる。
少なくとも、岩田千穂は「明日はバラ色」といいたくても言えないタイプのようだ。

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   ↑:二宮翔平、「対の人物像」。

二宮翔平は第1回の参加者だ。いろいろと無理を言って、やっと重い腰を上げて参加してくれた。そして、「僕、参加しますから、フライヤーも作らせて」、まったく嬉しい申し出だ。冒頭のフライヤーは二宮翔平のデザインであり作品です。感謝!

とにかく彼はオシャレでカッコマンだ。それでいてピリリとスパイス(知性)でもある。
今作は、過去の作品を加工したものだと思う。背中向けにしたところが憎い!明るい色味ではあるが、ノーテンキな心地良さに終わらせたくなかったのでしょう。
何処か瞑想ふうの男性。周りがどんな状況(明るい色)でも静かに我が道を行く。







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   ↑:今 佑記(札幌学院大学経営学部写真部)、「変容」。

同じ場所を時期と時間を替えての作品。
被写体もありふれた街角の』風景、昼と夜の違いや、同じ場所を時期を替えて撮るとかはありふれた手法だ。
別にどーっていうことのない作品ではあるが、あんまり普通に撮って、その反転したような違いの2点をまざまざと見せつけられると、普段目にしている風景が特別な意味があるように思えてきそうになる。

この2点を出すということは、あんまりありふれた風景だから、今佑記にとっては親しい場所なんだろう。通学路とかの。道と街灯と一人ぼっちの好きな青年だ。








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   ↑:酒井詞音(日本大学藝術学部写真学科二年)、「ライン」。


酒井詞音は大学で本格的に写真を学んでいる。その勉強の成果のような作品だ。
まずカッコ良い!女の裸を撮るなんてニクイ!作品も意味深で不思議!タイトルも「ライン」とはどういいう意味?不思議性倍増をねらっているの?・・・「ライン」とはSNSのことなのか?ラインを通して付き合っている女、その女のもう一つの顔(イキザマ)、を表現する。

写真は他の写真部所属作品に比べると抜群に上手い。それはそれで良いことだ。問題は撮る人と撮られる人があまりにも離れていることだ。離れていることが表現手段の重要な要素ならば良いことだ。だが、そうではないだろう。

良い意味で今作は写真を本格的に学んでいる学徒の作だ。只今勉強中だ!もし、群青が今後も続いて、酒井詞音が群青に魅力を感じてくれるならば、毎年出して欲しい。その成長ぶりを見続けたい。







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   ↑:髙橋 萌、「境目」。


びちっと決めた風景写真。心象ムードは高いが、風景を切り取る強さの方がもっと高い。

ではどういう基準での切り取り・・・「境目」だ。
強く切り取った葉っぱ一枚一枚と背景との境目、その葉っぱ一枚一枚の境目、強くそこにある「自然」と、撮る髙橋萌との境目・・・いたるところにある境目。
境目は、向こうと此方との境界のことをいっているのか?向こうと此方との、境目で区切られて、その境界内での一つのまとまった社会の姿をいっているのか?境目を越えられないことをいっているの?・・・。

「境目」、象徴的な言葉だ。境目に「断絶」をみるもよし。「境目」があるから互いが安心して触れあえるともいえるし・・・切り取る撮影者にとってはいつも自問させられる言葉であろう。



(他は②に続く。)








# by sakaidoori | 2018-09-20 09:54 | 群青(2018)
2018年 09月 19日

2603)「『木のカタチ』 ~アイヌが生みだす美~」グランピスタ 9月2日(日)~10月31日(水)




木のカタチ

アイヌが生みだす美





 会場:札幌グランピスタ ギャラリー 
    中央区北1条西4丁目札幌グランドホテル1階ロビー内
    ◎地下鉄 南北・東西・東豊 線 大通駅 出口5 徒歩5分
    ◎地下鉄 南北線 さっぽろ駅 出口10 徒歩10分
     電話(011)261-3311

 会期:2018年9月2日(日)~10月31日(水)
 休み:無休
 時間:11:00~19:00
     (最終日は、~17:00まで。)

 主催:(公益財団法人)アイヌ民族文化財団 
    (株)グランビスタ ホテル&リゾート 札幌グランドホテル

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(9.16 日)



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「札幌グランピスタ ギャラリー」、札幌グランドホテルのロビーにあるギャラリー。
グランピスタ、「栄通記」初登場です。ここは受付嬢がいつもいます。お断りすれば写真撮影は可能です。今まで一度も断れたことはないです。
今年のここの運営は若干変更しました。昨年までは企画は社外の専門家に依託していたようですが、今年からは完全?自社運営です。

今回はアイヌ民族文化財団との共同での展覧会。丸島的には最初の掲載ですから、普通の個展とかグループ展を載せたかったです。それで、この展覧会はパスしようと思ったのですが、次の作品のタイトルを見て、俄然、感想を書きたくなった。



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   ↑貝澤徹、「アイデンティティー」


上着のジッパーを下げると・・・そこには有名な「アイヌ文様」がある。
アイヌ展だから別に驚くことはない。しかし、タイトルには驚いた、「アイデンティティー」!だ。「オレはアイヌなんだ!」
しかも「服を脱がないとわからない!
それはどういうことか?

北海道でアイヌが差別されたのは事実です。現在はどうか?わからない。
以前は、自分がアイヌであることを隠していた。今はどうか?程度の差はあれ、いまでも間違いなく自分の出自を隠すアイヌもいるだろう。
きっと、そういうことをこの「アイデンティティー」というタイトルは訴えているのだろう。その意味は・・・隠しても隠しても「アイヌ」ということは隠すことはできない、ということ?
自分が自分らしく存在するには「アイヌ」を自覚しないといけない、ということ?
あるいは、いまでにアイヌということを隠す事実があるということを訴えたい?

だれだって、自分をいつも晒しているわけではない。そういう意味では、「自分を隠して生きている」と言えなくもない。しかし、自分の「民族性=日本人」を隠して生きているわけではない。あまりにあたりまえだから自覚はしていないかもしれない。
アイヌの場合、あまりにあたりまえだから、アイヌという事実を隠したい、という人がいるのだろう。


服で隠れた素肌には入れ墨のようなアイヌ文様!
「アイヌ・ネノ・アン・アイヌ」=「人間・らしく・ある・人間」・・・43年前に覚えた言葉だ。



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   ↑:滝口政満、「コタンコロカムイ」。



僕は彫刻は彫りを見るのを楽しんでいる。そういう意味では、今展ではこの作品が一番好きだ。細かく細かく・・シャッシャッと慌てない程度に素早く掘り進んでいく・・・緻密な中での激しさを楽しめる。



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   ↑:床ヌプリ、「ユーカラコル」。


前回の方と彫りが全く違う。全体の形、均整美を前提にした彫り具合だ。丁寧さ、コンパクトさ、それを前提にして彫られた人物像の尊厳さを表現している。





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   ↑:(すいません、メモ漏れです。)




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   ↑:貝澤徹、「ハンクチョッチャ」。



「アイデンティティ」と同じ貝澤徹作品。丁寧で几帳面な彫りです。





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   ↑:藤戸竹喜、「オオカミ」。






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   ↑:藤戸竹喜、「四季・秋」。



昔は北海道のお土産といえばクマの彫り物が定番だった。僕も初めて北海道に来た時、実家へのお土産は上の作品のようなクマだった。もっとも、この作品のように彫りは繊細でなく、ざっくりとした、大量生産的なものだった。後からわかったのだが、そういう土産物はほとんどが日本人の家具職人などがアルバイト的に作っていたようだ。






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   ↑:貝澤徹、「ブックエンド」。


貝澤さんってアイデアマンですね。ただのアイデアマンではないのは、同じブックエンドでも、どこか変なブックエンドにしたことだ。溢れるアイデア、研ぎ澄ますノミの跡、沈思黙考する知性・・・・。












# by sakaidoori | 2018-09-19 21:51 | 札幌グランピスタ