栄通記

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2010年 10月 23日

1389) CAI02 「mt ex 札幌展」  10月16日(土)~10月23日(土)


○ mt ex 札幌展


 会場:CAI02 raum2.3
    中央区大通西5丁目 昭和ビル・B2 
    (地下鉄大通駅1番出口。
    注意⇒駅の階段を下りてはいけません。
        昭和ビルの地下2階です。)
    電話(011)802-6438

 会期:2010年10月16日(土)~10月23日(土)
 休み:日曜日
 時間:13:00~23:00

 協力:小西工業 今村技研

※ オープニング・パーティー ⇒ 初日 19:00~22:00

 プロデュース          :カモ井加工紙株式会社
 企画+アートディレクション :居山浩二

ーーーーーーーーーーーーーーー(10.23)

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 恐るべし養生テープ、恐るべしマスキング・テープ。ディス イズ 企業展。

 部屋一杯色だらけだ。遠目に見た瞬間、デザイン学校の学生たちがペンキでも塗りたくったのか?色模造紙を張り巡らしたのか?アッパレなものだと勘違いしてしまった。

 岡山に本店を置く「カモ井加工株式会社」、自製品・商品名「mt」の宣伝、販売展だ。
 商品は、いわゆる養生テープだ。主に建築現場等で保護材として使われる。決して主人公になることはなく黒子として重宝な存在だ。用が済めば剥がしてゴミになるだけ。
 そのテープのメーカーが装飾テープとして独自の基盤を作ろうとしている。豊かな社会での便利グッズ・日常アイテムとして、完璧に主人公として独り立ちさせてしまった。それは企業の生き残り戦術でもあろう。「豊かさ」をビジネス・チャンスとして意気盛んにチャレンジしているのだろう。

 それにしても今展の展示方法、見事なものだ。企業がその気になって取り組めば、ヤワな個展など吹っ飛びそうだ。金と技術と人材と経験、他エトセトラ、可能な限り注ぎ、これみよがしの華やかさを演出している。もちろん、購買者は日本人だから原色丸出しの華やかさではなく、中間色にトーンダウンした優しい雰囲気の色たちだ。
 そうは言っても「mt」のギャラリーを使っての宣伝はそんなに山のようにはしていないだろう。商品「mt」の成立自体がこの数年前だろう。こういう展示をすることによって、顧客のチェックだけではなく「mt」の可能性を社員自身が見つけていくのだろう。
 座敷牢のようなCAIで、隣にバーを構えた札幌の地下の溜まり場、岡山の人達にも何かの役にたったことだろう。


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     ↑:左側の壁。幅広のテープ。


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     ↑:右側の壁。オーソドックスな幅(15㎜)のテープ群。


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     ↑:とにかく模様は全てテープです。


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     ↑:圧巻は何と言っても床です。それこそマスキング・テープの保護のために、スリッパでの入室です。


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by sakaidoori | 2010-10-23 14:38 | CAI02(昭和ビル) | Trackback | Comments(0)
2010年 10月 22日

1388) 門馬ANNEX 「熊澤桂子・展 ーBony Glass Instalationー」 終了・10月4日(月)~10月17日(日)


○ 熊澤桂子・展

   ーBony Glass Instalation



 会場:ギャラリー・門馬 ANNEX 
     中央区旭ヶ丘2丁目3-38
     (バス停旭ヶ丘高校前近く) 
     電話(011)562ー1055

 会期:2010年10月4日(月)~10月17日(日)
 休み:27日(月)
 時間:11:00~19:00

ーーーーーーーーーーーーーー(10.4)

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     ↑:(会場入り口からの風景。)

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     ↑:(会場の奥からの風景。)

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     ↑:(下からの眺め。暗くなってきたので照明が登場した。)


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     ↑:パーツの接合部分。接合部分も透明感で仕上げることも可能なのだが、今回は骨筋として残していた。


 ガラス作家の熊澤桂子さん、彼女のガラス・ニンジンをご存じの方も多いと思う。そのリアルな赤きニンジンに代わって、今回はなめるような白き「骨」の行列だ。そして今展は、その「代わった・変わった」という点が一つのポイントなのだろう。

 今年、ニンジン・ガラスを生んだ富良野から十勝・豊頃町に移られた。そこは大根の産で有名なのだが、作品化するにはイマイチ大根は合わなかったみたい。富良野になくて豊頃にあるもの、それは海であり魚であり、魚の骨・・・大地から大海に目を向ける。新鮮な驚きや喜び、その出発が今展の「魚の骨の行列」だ。

 だから、今回は何か大きな明確な意図があってのものではないと思う。決してニンジンと決別したのではないが、そればかりだと作り手の方にアクというか淀みが溜まってくる。それでは面白くない。気持ちのリフレッシュ、既知のものへの再発見や気付き・・転居と同時にリスタートとしての「骨」だ。
 個展は他者へ見せるものだが、まず「熊澤桂子」という他人が今展を見る。新たな構想が湧いてくるかどうか?情念・意欲はどうなのか?その確認展なのだろう。


 今回は「白い軌跡」だ。透明感と柔らかさ、そういうガラス感をそのまま生かした素直な表現だ。骨先は優しく、キバは封印されている。砂浜に打ち上げられた朽ちた骨を、拾っては繋ぎ合わせて、海に返そうとしているみたい。女性特有の再生という生命観なのだろう。
 次は何がでてくるのか、楽しみにしよう。

by sakaidoori | 2010-10-22 11:30 | 門馬・ANNEX | Trackback | Comments(0)
2010年 10月 19日

※ 木曜日の夕方から再開します


 日曜日にメガネを壊してしまった。
 超ド近眼なものだから、レンズの在庫が道内にはない。(予備のメガネもないから現在は0.0?の視力での生活。)しかも今回は遠視もかなり進行していて、運転&生活用と、読書用の二本のメガネを買うことになった。何という散財!読書用の視力0.2のメガネが到着するのは木曜日の夕方とのことです。このメガネだとパソコンは使えるとは思うが、作品を見に行けるかどうか。生活用は来週になるとのこです。

 というわけで、21日の夕方以降から再開します。よろしくお願いします。

by sakaidoori | 2010-10-19 12:01 | Trackback | Comments(0)
2010年 10月 16日

1387) 芸森・中庭 「森迫暁夫・展 『中庭住宅(分譲中)』」 7月31日(土)~11月7日(日)


○ 森迫暁夫・展

   「中庭住宅(分譲中)」

      
 会場:札幌芸術の森美術館・中庭
    札幌市南区芸術の森2丁目75番地
    電話(011)591-0090

 会期:2010年7月31日(土)~11月7日(日)
 休み:会期中無休
 時間:9:45~17:00 
 料金:(おそらく無料でしょう。) 

ーーーーーーーーーーーー(10.13)

 芸術の森美術館、受け付けから本館へは細い通路で結ばれている。一方は外に開かれていて池を見ることになる。一方は光燦々だが閉鎖的な場で、これから美術作品を静かに見るための白いプロローグだ。

 白い石しかない空間が楽しき巣箱の森に変身していた。
 普段は入れない場所なのだが、時には美術館もサービスを。ということで中庭のような檻のような空間におじゃました。

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 何ともカラフルで夢一杯だ。まったく楽しくって仕方がない。こういう作品群をあれやこれやと言っても仕方がない。もう、見るしかない。まだ見てない方のために、名も無き巣箱を紹介しましょう。間違った、この作品は会期中だけ3,800円で自分の表札を貼ることができる。「中庭住宅分譲中!!」というふれこみでの展示だ。会期が終了しても表札だけは頂けるが作品は大家(作家)の塒(ねぐら)に返ることになる。その代わりに森迫デザインによるオリジナル・Tシャツが貰える。10軒ぐらい表札があった。

 表札も楽しみながら、「森迫・森の家」ワールドです。


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 (写真は続く。もう少し載せます。)

by sakaidoori | 2010-10-16 12:59 | ☆芸術の森美術館 | Trackback | Comments(0)
2010年 10月 11日

1386) エッセ 「田村佳津子・展  ~ふわふわ かたち~」 終了・9月28日(火)~10月3日(日)


○ 田村佳津子・展

    ふわふわ かたち



 会場:ギャラリー・エッセ
     北区北9条西3丁目9-1 
       ル・ノール北9条ビル1階
     (南北に走る片側2車線道路の東側。)
     電話(011)708-0606

 会期:2010年9月28日(火)~10月3日(日)
 時間:10:00~19:00
     (最終日は、~16:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(10.2)

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     ↑:上の作品の部分図。


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 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

 「ふわふわ・・・」、ほんとにそんなムードの個展だった。

 撮影写真、ちょっと見にくいと思います。写真技術の問題もありますが、ある意味で作品のムードを正直に表しているかもしれない。ピンクや青の中間色が薄く淡く塗り重ねられている。「バチッと作品を見よ!」、ではない。長く会場にいると、色に慣れ場のムードに慣れ、気分は薄ピンク模様になる。


 今展、作品が極端に薄く見えた。2,3回ではあるが田村佳津子・作品をまとまってみたことがある。これほど薄く感じたことはなかった。絵が薄くなったわけではない。今展には以前見た作品もあるからだ。その絵も薄く見えた。僕自身の視力は極端に老化しているので、そのせいもあるかもしれない。だが、真の原因は「光」にあると思う。会場には大きな窓がある。西に向かっているので、午後の太陽の光が会場を包み込む。
 おそらく、作品は照明光の下で描かれているのだろう。心を外に開いてはいない。子供心のようなピュアな世界、何ものにも染まらない内側にこもっているのだろう。実際、描く時は幼年時代にタイム・スリップしているかもしれない。その時の部屋の模様、見る物全てが絵画化されるのだろう。それはイメージではなく、画家にとっては具体的な遊びの場でもあろう。丸や三角や四角や、そんな積み木のような何かと遊んでいる。だから、絵の部分部分、要素の一つ一つは早描きや勢いオンリーは許されない。丁寧に丁寧に描く、一心不乱に積み木遊びをする。海辺の砂を一つ一つ摘んでいる。降りしきる雪を、飽かずにいつまでも数えている。他者を排除した極端な一人遊び、それは見られることを欲しない。だが、表現者とは不思議な者だ。一人遊びのの美しいエキス(結果)をどうしても他人の目にさらしたい。見せたいのだ。作品を通して、閉じた行為が開いた存在になる。そして閉じた存在へと回帰する。日常行為とは逆向きの螺旋階段を膨らませながら昇っていく。

 一人遊びが極端な場合は、どこかしら「狂」という魔物が潜り込む。作品の過剰なエネルギーが見る側の常識認知に赤ランプを付けるのだろ。田村作品、魔物が棲むとまでは言わない。だが、徹底した一様な薄さ、輪郭線の内側に形を留めようという飽きることのない行為、それはコピー画を肉筆画に置き換えたような行為だ。その薄さが所在なく狂おしい。形の重なりが何かを見せないようにして悩ましい。

 ピンクピンク、かたちふわふわ、童心をいつまでも持ち続ける人だ。


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     ↑:展示中のドローイング作品。


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by sakaidoori | 2010-10-11 19:32 | エッセ | Trackback | Comments(0)
2010年 10月 10日

1385) 市民ギャラリー 「第52回 学生美術全道展」 終了・10月2日(土)~10月6日(水)


○ 第52回 学生美術全道展

 会場:札幌市民ギャラリー・1階全室
     中央区南2条東6丁目
     (北西角地)
     電話(011)271-5471

 会期:2010年10月2日(土)~10月6日(水)
 休み:月曜日(4日)
 時間:10:00~17:00
     (最終日は、~15:30まで)

 主催:全道美術協会 北海道新聞社

ーーーーーーーーーーーーーーー(10.6)



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 高校生の絵画を中心にして見た。元気で極端な絵画が好きだ。そういう僕好みを中心にして掲載していきたいと思います。


 その前に全体の印象です。イラスト的な作品やユーモラスな作品が少なかった。ヘタウマとかそんなことではなくて、構図などもろもせず、画質もイマイチなんだけど、描かずにはおれない自分の感性、青年の強い気持ちが伝わる作品がもっと見たかった。上手で温和しい作品群だった。

 おといねっぷ高校の作品が沢山あった。入賞者も29名中9名だ。高い目標を掲げて、学校全体で今展に取り組んでいるのだろう。美術専門高校だから当然といえば当然なのだが、素晴らしいことだ。ただ、絵画に関していえば、様式美が強すぎるようだ。光の取り込み方、色の配置、作品の目立たせ方、クロ-ズアップ手法、描き手の目線等々、見ていて関心もするし楽しい。高い技術ではあるが、単純に言えば公募展受けする絵が多い。知名度を上げるための実績づくりという、切実な問題もあるとは思う。この技術に、学生個々の「個性」を花開かせて欲しいものだ。

 さー、好きな作品から載せていこう。


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     ↑:北海高校3年・佐藤拓実、「酔生無私」。

 細かい点描だ、できあがりはタコのおっとりした姿だ。細部のエネルギー充満と、全体の存在感がなんとも心憎い。タイトルも良い。高校生なのに酔い心地の昇天気分がよく分かるものだ。
 夏目漱石は「則天去私」などと、まさにインテリ気分でこざかしい名セリフを吐いた。彼に佐藤拓実青年のような遊び心があったならば、日本文学の箱庭的神経質さも、もっと早くにおさらばしていただろう。
 何の賞もない。原因は、版画で似た作品が北海道新聞社賞をいただいていたからです。オメデトウ。


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     ↑:優秀賞 札幌南高校3年・藤木聡世、「浮遊する18歳」・・・(工芸)。

 切り絵です。人物は輪郭は太く、骨格は細く鋭くと使い分けている。研ぎ澄まされた体なのだろう。
 金魚は細かく曲線で表現している。まるで青年をあざ笑うようにして泳いでいる。切り絵の一所懸命さが良い。


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     ↑:札幌大谷高校2年・鈴木美夏、「過ぎ去ってしまったけど」。

 シンプルな絵だけど、白が強烈です。その白い丸いお顔が引っ付いている。愛おしくなる作品です。


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     ↑:北海道新聞捨社賞 札幌旭丘高校3年・片野莉野、「刻限 Ⅲ ~帰路~」。

 大作です。不思議な絵です。

 写真では分かりづらいのですが、完全に左右が別の世界を表現している。右側は普通の電車収納基地。
 問題は左側です。そこに間違いなく描いた人の位置があるのです。そこからの視点だからです。そして、画家自身の位置が右の電車風景と一線を画している。いわゆる別次元の空間を作っている。それは左の大きく描かれた電車の輪郭がどこまでなのかが分かりにくくて、そのことによって電車が幽霊電車のようになり、しかも赤系の燃える色によって空気感そのものも右側の実写風景と別物になっている。
 要するに、学校からの帰宅時に、「自分の存在が別次元にある」、そういうものを描きたかったのでは。意欲作だと思う。


 以上が特に好きな作品でした。
 以下、部屋に関係なくランダムに載せます。


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     ↑:札幌西高校2年・米内麻里依、「空」。

 建物も丁寧に描いていて、浮いている少女が不自然でないのが面白い。「ちょっとレトロな私の学校、空を歩いてみようかな」、そんな気分です。


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     ↑:札幌大谷高校2年・大野莉奈、「ばぁ!!!」。

 楽しい絵です。絵としては顔ばかり見がちです。手も強く見てしまう。でも、かなり「人物」は描き込んでいる。


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     ↑:札幌啓成高校2年・本多富美子、「空塔」。

 この視点は大好きだなー。橋を引っ張り支える太いワイヤーへを見ている。見上げればそこには空があり、塔の如く建造物がそびえている。残念なのは、その線の描き方です。難しいのはわかるのですが、もっと丁寧に描いて欲しかった。


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     ↑:左側。北海高校2年・山田かおり、「教室」。
     ↑:右側、小樽潮陵高校1年・渡辺真由、「光」。

 ドア作品を2枚並べてみました。
 ドアという「窓」を描くのは難しいのでしょう。
 左側の「教室」はドア以外を楽しく描いていて、全体でお店の棚のような楽しいリズムが生まれている。
 右側、わずかに空いたドアからの光を描いている。そして、それだけしか描いていない。この大胆さが良い。僕は画家の意図した光よりも、何かが向こう側にある「ドア」に注目して見た。


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 おといねっぷ高校生の作品を3点載せます。

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     ↑:全道美術協会賞・北海道美術館協力賞 おといねっぷ高校3年・高橋皓、「かたい床」。

 ブルー心と綺麗心を重ねたような作品。青い道路表示板がやけに主張している。シンプルなのだが少し懲りすぎと思う。タイトルも「かたい床」とはひねり過ぎでは。
 真上から自転車群を描く。何はさておいて、その見つめる強さが一番大事だと思う。この絵は視覚効果や道具立てを必要以上に取り込んでいる。上手い絵だが、それ以上ではない。


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     ↑:奨励賞 おといねっぷ高校2年・田村陸、「Human experimentation」。

 変わった絵だ。タイトルは「人間実験」か。
 画題のオドロオドロさもあるのだが、どこかユーモラスな作品だ。シーツの皺や色はおといねっぷ高校技法なのだろう。一方に技術の消化という問題があり、一方で自分の出したい世界があり、うまくかみ合っていないみたい。


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     ↑:おといねっぷ美術工芸高校1年・小西美歌・「夢想」。

 綺麗な絵です。優しい絵です。色燦々の世界。

by sakaidoori | 2010-10-10 16:17 | 市民ギャラリー | Trackback | Comments(6)
2010年 10月 06日

1384) コジカ 「武田浩志(・個展) / こ鹿」 終了・9月19日(日)~10月3日(日)


○ 武田浩志 / こ鹿

 会場:サロン・コジカ
    中央区北3条東2丁目中西ビル1F
    (東西に走る南側。)
    電話(011)522-7660

 会期:2010年9月19日(日)~10月3日(日)
 休み:21日(火)、22日(水)、27日(月)、28日(火)
 時間:平日   → 18:00~22:00 
     土日祝 → 14:00~21:00

ーーーーーーーーーーーーーーー(9.23)

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  (以下、敬称は省略させて頂きます。)

 今展、とにかく優しい個展だ。優しい画風だから優しい展覧会だ、と言ってしまえばそれまでなのだが、それでは彼の優しさとは何なのだろう?そもそも今展では何を描いているのだろう?「鹿」を描いている。だがこの鹿は「鹿」という具体的な動物ではない。当館のネーミング(=コジカ)に関わるもので、マスコットであり象徴だ。まさに象徴で、「サロン・コジカとはこういう雰囲気のギャラリーですよ」ということを画家は表現している。そのイメージを膨らますために他の作品がある。

 サロン・コジカとしては満足すべきものだ。だが、画家・武田浩志としてはイマイチ不満だ。


 場の雰囲気と画家自身を重ね合わせて、あたかも一体化した姿は心地良い。ことさら武田浩志個人を強く出す必要もないだろう。だが、絵画空間としては不思議な部分が欠けている感じだ。この場に不安や違和感を導入すべきということではない。川で喩えるならば、この川はどんな風に流れて海に行き着くのだろうとか、山に喩えれば、山の向こうには何があるのだろうとか、行ってみたい見てみたい、そんなX(エックス)の部分が薄くて寂しい感じだ。おそらく、彼の優しさに原因があるのだろう。環境なりパ-トナーとの距離感が安心点という定点で一定なのだ。武田浩志自身が土足で相手の空間に入る必要はないだろう。そういう人でもない。でも、時には相手を強く後ろから押してあげるとか、離れすぎて近づけないから手を差し伸べてとか、優しき淀みもいいものだ。


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     ↑:「こ鹿が見えない(自画像)」・木製パネル 和紙 アクリル絵の具 ウレタンニス 金箔 ラメ 印刷物 2010年 51.5×72.8×3。


 入り口ドアの真正面にある作品。ドアの目の前なのだが、進行方向とは若干ズレているので目に入りにくい。
 最近取り組んでいる自画像シリーズだ。もっとも顔のない自画像だから、間接技的自画像だ。おそらく目や口や鼻を描かなくて、「見て、空気を出入りさせて、色を嗅ぐ」姿を描きたいのだろう。画風とは違って意外に欲張りな人だ。

f0126829_214939.jpg 欲張りといえば、タイトルは明快で元気が良い。今までは普通に優しかった。これからは飛び抜けて優しくなろうというのか、優しいばかりがタケダ君ではありませんと、優しくウインクしているのかもしれない。




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     ↑:「神殿」。

 サロン・コジカと武田浩志の愛の巣だ。箱の好きな人だ。



   ~~~~~~~~~~~

 (本当はかなりの分量になった感想記です。以下の文章も省略した一部ですが、自分自身のメモのために残すことにします。重複、蛇足になってしまいました。)

 ・・・・。
 今展のようなスタイルは、もし依頼されれば当然こなす仕事でもあろう。仕事として画家が取り組む場合、画家自身の自己主張をどの程度表現するかを考慮するだろう。場の雰囲気とのかねあいでバランスを保つだろう。
 武田浩志もバランスを保つ。保つどころかバランス感覚に秀でた人だと思う。ただ、彼の場合、弥次郎兵衛のような平衡感覚ではない。場なり空間なりを一様なある種の色とみなし、その色と同化し重なり合わせて仕事が進む。自己の内部イメージを見極めえぐり出して目に見える作品にする、そういうことからは距離をおいた作家だ。始めから外という環境や、誰かという他者がいて、それらとの関係で作品が成り立っている。環境や他者と重なり合う、同化する、そういう関係性の中で自分の居場所をみつめる。それはまさに「色」であり、その色が包み込む雰囲気を距離を保ちながら楽しんでいる。だから、きわどい表現や自己顕示の強さからは距離をおくのだろう。
 ・・・。

by sakaidoori | 2010-10-06 21:46 |   (コジカ) | Trackback | Comments(0)
2010年 10月 05日

1383) テンポラリー 「谷口顕一郎展  『凹みスタデイ#19』」 終了・9月21日(火)~10月3日(日)


○ 谷口顕一郎・展

    「凹みスタデイ #19」



 会場:テンポラリー・スペース
     北区北16条西5丁目1-8
     (北大斜め通りの東側。
      隣はテーラー岩澤。)
     電話(011)737-5503

 会期:2010年9月21日(火)~10月3日(日)
 休み:月曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00

ーーーーーーーーーーーーーー(9.23)

 黄色い立体作品が会場中央に吊り下げられている。そして今展はこの作品だけを堪能すべきなのだ。壁面は作家の美術家としての仕事の有り様の紹介と、見せ方の美学だ。

 当日は曇りがちの天気だった。ところが、時折見せる外光が作品を照り輝かせて、一瞬にして別次元に見る人を誘う。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

 

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     ↑:正面からの風景。


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 何から語ったらいいのだろう・・・。

 とにかく美しい。

 プラスチックという石油文明の権化のようなものが、その由来を忘れさすような自然の美しさで、ビシッとたたずんでいる。自然光も友だちにしている。古びた民家が美のための宝箱のようにして存在している。一つの完結美だ。

 それはバーチャルな仮想四次元美でもある。余りにも恣意的な、余りにも文明的な美でもある。間違いなくそこにあるのだが、触られことよりもひたすら見られることで輝きを増している。

 谷口顕一郎の創作姿勢を簡単に書こう。
 彼は地面なり壁なりの凹んだ模様に注目する。その模様をトレースして、黄色いプラスチック版に型どる。一端、そのトレース模様が現場の凹みと合致するかを確認する。一つの儀式だ。場に対する感謝と、創作する宣言でもある。それから、、その模様を切り刻んで蝶版でつなぎ合わせて、一つの固まりとしての作品ができあがる。その蝶版の開き具合で作品はアコーデオン・カーテンのようなものにもなるし、天空に一文字に付き指す矢のような物にもなる。どう創るかは作家の恣意であり創作だ。

 この創作過程に物語と断絶がある。
 作品には現場の「風景という物語」が埋め込まれている。現場の凹み模様は作家が把握する以前に存在している。歴史があり、時が流れ、今そこにある。誰もが見逃していた「凹みという傷」、それを作家は美の女神のようにすくいとり、巨大な銅像のようにして我々の目の前に晒す。
 現場のエネルギーは、その模様だけではないだろう。切り刻んで、つなぎ合わせて、固まりに蘇生させる一つ一つの流れの中の、作家自身のエネルギーの供給源にもなっている。
 だが、見る方は、そのことを確認すれば事足りるわけで、実際は谷口顕一郎の美学のみを相手にしているのだ。

 谷口顕一郎・展の過去の魅力、当然それは僕にとっての魅力なのだが、二つのことがあった。
 一つは、いったい作家は何をしているのだろう?何を作るのだろう?どうなっていくのだろう?
 そして、それらのことを踏まえながら、会場全体がざわついていたのが楽しかった。テンポラリーではドローイングをしたりして、作家自身が動いていた。今展よりも巨大な作品を大阪で見た。作品自体は吊り下げられていただけなのだが、動きがあった。いつの場合も「場」との格闘があった。

 今展、残念だが場との語らいということでは楽しみに欠けた。サンプルをドーンと見させてもらった感じだ。言える言葉は「良い作品ですね」、それだけだ。
 吊り下げ方に最大の原因があった気がする。
 紹介した写真でもわかるように、今作は40㎝位の棒状の物が支点になっていて、あたかも既にできあがっている作品をそこにぶら下げただけのような感じだ。実際のところはわからないが、会場を知り尽くしている人だ。相当シミュレーションしたことだろう。支点が狭く限定されているから作品が動きようがない。「これを見よ!」としてそこにある。
 おそらく作家は今展会場で作品の可能性を試みてはいないのだろう。会場を知り尽くしている人だ、場に対する愛情も人一倍だろう。そこで己の作品の輝きを確認したかったのだろう。


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          ↑:このポスターは素晴らしい。中の写真をいくつか紹介します。


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          ↑:今展の現場の模様(凹み)かもしれません。図面とエスキスになるのでしょうか。
 金箔ではなく黒雲母を背景にしての絵です。どこか日本画的雰囲気があります。


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          ↑:玄関近くの小部屋風景。


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by sakaidoori | 2010-10-05 22:56 | テンポラリー | Trackback | Comments(0)
2010年 10月 04日

1382) CAI02 「佐藤史恵・個展  fluid -瞼の裏側にある記憶-」 10月1日(金)~10月16日(土)


○ 佐藤史恵・個展

    fluid
     -瞼の裏側にある記憶-



 会場:CAI02 raum1
    中央区大通西5丁目 昭和ビル・B2 
    (地下鉄大通駅1番出口。
    注意⇒駅の階段を下りてはいけません。
        昭和ビルの地下2階です。)
    電話(011)802-6438

 会期:2010年10月1日(金)~10月16日(土)
 休み:日曜日
 時間:13:00~23:00

 協力:小西工業 今村技研

※ オープニング・パーティー ⇒ 10月2日(土) 19:30~

ーーーーーーーーーーーーーーー(10.2)

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 地下倉庫に円筒状の生地が吊されている。なめるような白い表面に波紋が生まれては拡がり消えている。ただそれの繰り返し。グルリと外側を一周し、中に入ってみる。

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          ↑:水槽!!


 僕の写真映像では分かりにくいが、この白いカーテンに一切の無駄を排した機械的な波紋が描かれるのを想像して頂きたい。
 波紋の写る仕掛け、頭上に水槽が備え付けたあるのだ。そこに水滴を落とし、その波紋を照明が照らして生地に写っている。

 タイトルは「瞼(まぶた)」。瞼に記憶として留める残像、それを作家は「ゆらぎ、つかめず、定まらず・・・その不確かさ、脆さの確認と・・・それでも最後は美しき世界に還元されるのか?」と反語的に問うている。


 確かに綺麗な作品だ。今展の良さは、大きく単純にビシッと表現したことにある。だから、波紋や白き生地を「女性の柔肌」と譬えたくなるが、そんなセクシーさやロマンはない。「ゆらぎ、つかめず、定まらない」現象だが、作品としては「揺らがず、つかみ取り、ここにある」という明確な作家の立ち姿を見る思いだ。中途半端さやファージーさを排除する姿勢が好ましい。だが、これだけ大きく見せると大いなる物足りなさも感じる。

 見せ方としては、アッと驚くセッティングに欠けていた。機械的な滴の波紋の美しさで終わってしまった。母胎の中にいる安住感と言えばいいのか。
 例えば、筒状の部屋を堪能した後にカーテンを開けるようにして退去するわけだが、振り返った時にギクッとするとか心理的ときめきが欲しい。何処か異次元に誘われるような不可知感覚が欲しい。仮に、この部屋全体が異次元と主張されても、その中にドップリ浸かれば一様な世界として終わってしまう。

 思うに、佐藤史恵という作家はビシッと直立不動に物事を見つめ、思案し、四つに取り組む作家なのだろう。そして最後は白く包まれるように美しく決める。若い女性が大きく表現しようとする姿勢は意外に珍しい。なよなよしく無いのが良い。しかも、肩肘張った力勝負でもない。変に男と張り合おうとしていない。おそらく、テーマが「存在と美」にあるからだろう。存在の亀裂よりも、存在の美の主張者だ。

 もっともっと強く揺らめいて、更に更に脆く壊れそうで、それでもそこに美しくある、そんな作品を見たい。


 <水槽という装置、これは素晴らしい。
 あれだけの大きさを頭上高くセットしたものだと思う。制作から取り付けまで作家一人のものではないだろう。インスタレーションとは関係性の作品だと思っている。他者との具体的関係性(社会性)、現在の美術行為にはそれが強く求められているのだろう。>


        ~~~~~~~~~~~~ 


   1978年 北海道十勝うまれ 札幌在住
   2008年 「神谷泰史/佐藤史恵 二人展」

 上掲の二人展を本編で紹介していました(参照⇒栄通記689番)。大きな蚕のような作品でした。

by sakaidoori | 2010-10-04 12:34 | CAI02(昭和ビル) | Trackback | Comments(2)
2010年 10月 03日

1381) ニュー・スター「keiko kawano(ケイコ カワノ)・写真展 ”girly”」 終了・9月2日(木)~9月15日(水)


f0126829_1832186.jpg○ keiko kawano(ケイコ カワノ)・写真展

     ”girly"



 会場:ギャラリー ニュー・スター
     中央区南3条西7丁目・KAKU1階
     (西向き一方通行の道路の北側。
      美容室kamiyaの隣。)

 期間:2010年9月2日(木)~9月15日(水)
 休み:火曜日(定休日)
 時間:11:00~20:00
    (日曜日は~ 17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーー(9.13)

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 「girly・ガーリー」、ピッタシのネーミングだ。

 少女から女性へ、その狭間の美しさ切なさが牢獄のような部屋に充満していた。女が女を撮る、その美意識や性という秘部を惜しげもなく披露していて眩しい。「青春」という二文字が女に一層のエネルギーを注いでいた。
 ムード満点の仕上がり具合だが、ビシッと正面から被写体に迫っているのが良い。男の求めるエロスの影は薄い。美しくある自分、下着に包まれた女を見よ、「何て綺麗でしょ!」。美しくあるこの世界、このピンク・青・単色を輝かす光を見よ、「何て眩しいのかしら!」。随伴する影、目に見える美しき写真の光と影を見よ、「このときめきを伝えたい!」、と言っている。
 その主張の素直さ、健康さが更に眩しい。


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 ペルシャの首長き花瓶に繋がりそうな細きボディーライン。手がやけに力強くてリアルだ。額を持っている手が、現実感があり過ぎるからだろう。それは撮影者の意図ではなかったと思う。現実的な手と現実感の無い体の輪郭線が面白い。


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 バサラな髪に挑発的なしぐさ。さ~、怖い一人遊びを始めよう。


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 見える顔、見えない顔。見つめる景色、見つめられる蝶。


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 光に包まれ、浮きつ沈みつ、ちょと気取ってロマンチックに。


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by sakaidoori | 2010-10-03 21:47 |    (ニュー・スター) | Trackback | Comments(0)