栄通記

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2010年 04月 12日

1262) 自由空間 「山・展」 3月15日(月)~4月17日(土)

○ 山展

 ・会 場 : 自由空間
     中央区大通東1丁目・中央バス札幌ターミナルB1
     (地下1階は食堂街。その一画の広場。)
     電話
 ・会場:喫茶レ・ノール
     (自由空間と同じく、中央バスターミナル地下食堂街内の喫茶店。)

 会 期 : 2010年3月15日(月)~4月17日(土)
 時 間 : 自由空間 →10:00~20:00
      レ・ノール →10:00~18:00

 【参加作家】
 阿部啓八 佐藤悦實 下田敏泰 西澤宏生 野原賢治 林正重 本田滋

ーーーーーーーーーーーーーー(4・)

 自由空間のみ見てきました。

1262) 自由空間 「山・展」 3月15日(月)~4月17日(土)  _f0126829_11262848.jpg



 タイトル通りにただただ「山」を描いたグループ展です。なぜだか、同じ山が多い。作家毎ではなくて、山毎に紹介します。幸い、全ての山には登山道があり、登ったことのある山ばかりなので楽しい思い出も浮かんでくるものです。


・ 樽前山

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     ↑:左、阿部啓八、「樽前」・F20。
     ↑:右、佐藤悦實、「樽前山」・F20。

 樽前山はだだっ広い頂上部のドームが有名です。
 阿部啓八さんの肩肘張ったシルエットが面白い。りりしくスパッと画面を支配している。白さも大胆だ。季節は・・・?この白は雪なのか、たなびく霞なのか・・・?やはり雪なのだろう。それも雪解け時だろう。手前の青い横線は・・・川だろうか?小品だが山の存在感が際だつ雄渾な風景だ。


・ 手稲山

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     ↑:左、西澤宏生、「手稲山晩夏」・F20。
     ↑:右、佐藤悦實、「手稲山」・F20。

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          ↑:本田滋、「手稲おろし」・S15号。

 西澤さんは風の姿と終わろうとしている手稲山の夏を重ねている。おそらく新川だろう、山には川に雲がよく似合う。青さに山と風景の大きさ大らかさを求めているようだ。
 佐藤さん、雪道が山の裾を走っているのだろう。カシワ林の樹幹より手稲の山頂が見える。どこか古さと渋さを湛えた、北海道の姿だ。雪や葉っぱや、全てを円く描く作家だ。風景だが、どこかストーブを前にしているみたい。冬景色だからか?
 本田滋さん、風景を描いているのだが、作家自身の踊る気持ちが画面を覆っている。手稲おろしは冷たく刺すものがあると思う。その風すら絵の中では色をともなって人の心を躍らせる。


・ 斜里岳

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     ↑:左、林正重、「夕映えの斜里岳」・P20。
     ↑:右、西澤宏生、「清里の春」・F20。

 林正重さんは特徴ある山を描く。山全体の量塊を面として装飾的に再構成する。だから山の暖かさよりも、山を作っている理知さが伝わるかもしれない。それは冷たさとも見てとれる。重量感という山の存在よりも「絵としての存在感としての山」の追求なのだろう。前頭葉の知性を刺激する絵でもある。


・ 羊蹄山

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     ↑:左側、野原賢治、「山は・・・」(ニセコ羊蹄)・F25。
     ↑:右側、本田滋・「羊蹄・きらめき」・F4。

 野原賢治さんは山水画的理想郷としての風景だ。大いなる山は雲に覆われ、大地には川が流れ風が舞う、生きる術の田畑は秋には豊かな稔りをもたらすだろう。民家から笑い声が聞こえてきそうだ。



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     ↑:下田敏泰。左から、「厳冬の藻岩山」(旭山公園からの登山道より)、「ラッキーセブン」(台風直後の藻岩33ヵ所7番)

by sakaidoori | 2010-04-12 13:35 |    (自由空間)
2010年 04月 11日

1261) 時計台 「外山欽平・絵画展」 終了・4月5日(月)~4月10日(土) 

○ 外山欽平・絵画展

 会場:札幌時計台ギャラリー 2階A室
      中央区北1条西3丁目
       札幌時計台文化会館
      (東西の中通りの北側にあるビル)
     電話(011)241ー1831

 会期:2010年4月5日(月)~4月10日(土)
 時間:10:00~18:00 
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーー(4・11)

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 抽象画家・外山欽平氏の今年のお題は「M」です。
 以下、全てF100サイズ。


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 氏の場合、何を描くかという問題からはあっさりと解放されている。アルファベットを毎年一つずつ描き続けると決めている。何故かはここで問う問題ではないだろう。それは画家の決断の問題だから。「何を描くか」という問題からは解放させてはいるが、より深い探求の契機になったかは結果が示すことになるのだろう。だから、見る方も長きに渡って画家を追体験していくことになる。

 今展、色合いなりの大きな変化は無いのだが、絵の発散するムードが変わった。激変と言えるかは微妙だが、それに近いものがある。

 まず、氏独特の濃厚な垂れ模様が激減した。顔料が今までのように分離しなくて、垂れないからとのこと。そのことに画家は余りこだわってはいない。だから、絵がスッキリした。
 そして、「M」という字面の影響かもしれないが、人体が踊るような意匠になった。それはマチス張りの動きに見える。マチスほど人間臭いボリューム感はなく、やや繊細な感じ。同時にデザインの要素が大胆に浸入してきたみたい。そもそも、抽象とデザインは兄弟というか鬼っ子的関係だから、見かけ上の近似はおかしいものではないのだろう。おそらく画家自身が、こみいった「M」という意匠に取り組んで、今までに無い心境になったのかもしれない。「凄み」から「軽るみ」という変化だ。

 それはともかく、今展の大作は今週からの北海道抽象派協会展のための作品群だ。そこでは個々バラバラの作品としてではなく、全体の意匠として楽しむことができる。一つ一つはその為の部分でしかない。その全体の様子も報告したいと思います。

by sakaidoori | 2010-04-11 21:59 |    (時計台)
2010年 04月 11日

1260) テンポラリー 「『触れる -空・地・指』 (教育大3年3人展)」 終了・3月23日(火)~4月4日(日)

○ 触れる ー空・地・指ー
    秋元さなえ 太田理美 森本めぐみ
    (北海道教育大学岩見沢校美術コース在籍)


 会場:テンポラリー・スペース
     北区北16条西5丁目1-8
     (北大斜め通りの東側。
      隣はテーラー岩澤。)
     電話(011)737-5503

 会期:2010年3月23日(火)~4月4日(日)
 休み:月曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00

ーーーーーーーーーーーーーー(3・22)

1260) テンポラリー 「『触れる -空・地・指』 (教育大3年3人展)」 終了・3月23日(火)~4月4日(日)_f0126829_10122959.jpg
1260) テンポラリー 「『触れる -空・地・指』 (教育大3年3人展)」 終了・3月23日(火)~4月4日(日)_f0126829_10131817.jpg


 天井、壁、床と見事な棲み分けをしている。互いに目配せし合っているようで、心なごむ空間でもある。
 今展は「あたかも個展のような3人展」という言葉に尽きるようだ。
 もし、3人が「一つの空間を作ろう」ということならば、「よろしい3人展」だと言える。それぞれの個性重視よりも共同空間重視という立場だ。何の為の一つの空間?3人全員が教育大学岩見沢校の空間造形研究室四年生だから、共同研究の試みとしては頷ける。個よりも場であり、生理よりも空間だ。

 だが、3者の緊張関係を不問にした融合展であることは間違いない。
 自然の「棲み分け」は共生関係ではあるが、決して優しいものではない。他者の絶対的排除を前提にした棲み分けだ。だからその境界領域は血みどろの格闘の場である。個が餌を占有する為の生きる知恵だ。
 自然の本質は人間の倫理的解釈とは無縁な存在だ。だが、人の世界はそれでは身が持たない。社会というテリトリー内部で、相互のテリトリーを認め合う境界、人間らしく保つ術(すべ)の一つの試みが今展のなのだろう。
 だが、なぜに一つになる必要があったのだろう?発表という行為はどんな時でも自己主張だ。まとまる所とまとまらない所が露わになるのを確認する場だ。その意味では「よろしくない3人展」と断じたい。


 会場は特徴ある空間です。以下、個別紹介する中で、場の全体雰囲気が少しでも伝われば幸いです。


○ 森本めぐみの場合

 手に落花生を持つデッサン群が作品です。


1260) テンポラリー 「『触れる -空・地・指』 (教育大3年3人展)」 終了・3月23日(火)~4月4日(日)_f0126829_14211126.jpg


1260) テンポラリー 「『触れる -空・地・指』 (教育大3年3人展)」 終了・3月23日(火)~4月4日(日)_f0126829_10422657.jpg


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1260) テンポラリー 「『触れる -空・地・指』 (教育大3年3人展)」 終了・3月23日(火)~4月4日(日)_f0126829_10505458.jpg



 興味尽きない作品群だ。修行中のデッサンであり、現在ただ今の作家心を訴える「手のデッサン展」だ。
 形はピーナッツを持てる手だが、「手」を描いている、「手」の可能性を描くことによって「人」という視覚的量塊を見つめている。優しくピーナッツを愛でる手ではあるが、強烈な個性の発露でもある。そして今展は森本めぐみの強烈な個に絡み合い、応えあい、優しい眼差し触れ合い展になったのだろう。
 それは森本作品から鋭さを削ぐことにもなった。優しさだけが一人歩きしそうだ。

 会場に綺麗なフライヤーが用意されていた。副題に「空・地・指から、空知・指へ」とある。教育大学の在る岩見沢市が空知支庁に属している。彼女達の足下を見つめる標なのだろう。
 「空知」、雄大で清々しい名だ。「天知る、地知る、心知る」、晴れやかな気分になる。
 「空知」の由来は滝川市の石狩川に注ぐ「空知川」を起点にしている。「空」とは何ら関係しない。空知川の中流に大滝があり、そのアイヌ名「ソ・ラプチ・ぺッ(so-rapchi-pet) 滝が・ゴチャゴチャ落ちている・川(処)」(山田秀三・解)に因るという。
 僕はこの沢山の手を見ていると、まさに岩盤の上をゴチャゴチャ流れている川を連想する。ピーナッツは石だ。ゴチャゴチャする力強さ、その力は水が高みから低みに流れるように一つの方向性を示しているようだ。


○ 太田理実(オオタ サトミ)の場合

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 何と愛すべき作品だろう。安田侃ばりの無垢な白さと形態だ。彼ならば自作を「宇宙の造形」と誇らしげに言うかもしれない。太田理実は密やかに「愛の形」とつぶやくかもしれない。秘め事を告白された白いアオムシは恥じらいでピンクに染まるかもしれない。
 次回は大作を見たい。「他者を寄せ付けない愛の姿」を。


○ 秋本さなえの場合

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 手作りの拙くも可愛い鳥が飛んでいるだけ。ただそれだけなのだが、なんとも哀愁を感じてしまった。見上げる視線に影も映っている。
 あれは子供の頃だった。手作りで作った紙飛行機を投げては拾い、拾っては投げる。面白いというわけでもないのだが、時間が許す限り無言で繰り返していた。明るい頃からの遊びは、黄昏時の闇の訪れも目に入らない。暗さに気づくよりも、飛行機の影が新たに遊びに浸入して、影と飛行機と手の動きが絡まりあっていく。遊びの終わりはいつも決まっている。食事を告げる母親の声だ。

 鳥は猛禽類のトンビだろうか?だとしたら、彼はただ遊びの為にクルリと輪を描いているわけではない。下界の獲物をねらっているのだ。白きアオムシはトンビが目に入っているのだろうか?無防備に恋を語り会っていて大丈夫だろうか?


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 以下、栄通の妄想。
 指はピーナッツを握りつぶしたくて、その手前の余韻を楽しんでいるのかもしれない。白いムシは柔らかそうな肌に似合わず、もみ手をしながら相手を飲み込むかもしれない。その肌の美しさは相手の命の代価かもしれない。鳥は寂しく彼等の傲慢さを見ているだけかもしれない。生きものを食するのは定めと悟って。

     ~~~~~~~~~~~~~~

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 その日は重たい雪が間断なく降っていた。

by sakaidoori | 2010-04-11 14:58 | テンポラリー
2010年 04月 10日

1259) エッセ 「ハコイリムスメ展 (道都大・3人展)」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)

○ ハコイリムスメ展  
    (道都大・3人展)
   

 会場:ギャラリー・エッセ
     北区北9条西3丁目9-1 
       ル・ノール北9条ビル1階
     (南北に走る片側2車線道路の東側。)
     電話(011)708-0606

 会期:2010年3月23日(火)~3月28日(日)
 時間:10:00~19:00
     (最終日は、~17:00まで)

 【参加作家】
 抽象画・三戸愛 象嵌・嘉野有華 版画・中村理紗

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・17)

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 全員が2007年4月入学の道都大学3年生。版画、絵画、木工と研究室を横断しての親しい仲間だろう。

 広い会場をゆったりと見せている。
 アイボリー・3人展とはうって変わってオーソドックスな淡々とした展示だ。それぞれの方向性は見据えたが、まだまだ研究中といった感じ。タイトルに「ハコイリムスメ」と自称している。DMも顔を隠したポートレート3人娘だ。撃って出る前に、もそっと自分を暖めているのだろう。微笑ましくもあり、遠慮することはないよとエールを贈りたくなる。


○ 中村理紗の場合

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1259) エッセ 「ハコイリムスメ展 (道都大・3人展)」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_20333629.jpg
     ↑:左から、①「向こう側」・インク メディウム、②「赤くなる」、同。

 彼女の「デッサン力が無い・・・」という意味の言葉が気になった。実は彼女に限らず、絵画に取り組んでいる人からはよく聞く言葉だ。彼女の場合、その言葉を具体的な物の描写力と理解して話を進めよう。
 上の作品の人物のシルエット、確かにデッサンただ今修行中という感じだ。そして①の作品はカーテン模様のすっぽりしたライン、面、少ない色数は面白いが、人は面白味に欠ける。②の誇張された人物は面白い。共に、「風景」をあっさり見ている学生の心象世界が垣間見える。
 デッサンにしろ絵画において類い希な技術は驚異だ。実際、絵画がそういう技量に支えられていることは事実だ。だから、その技量を確保する為に画家は尋常成らざる忍耐と努力を傾けるのだろう。
 それでは、修行中の拙い線なり構想が詰まらない作品かというと、決してそんなことはない。僕の場合、何を見て楽しんでいるかというと、画面に残った消すことのできない汚さという悩み。逆に、その人らしさが生き生きと画面に出ていている場合だ。
 ①の人物は拙さは仕方がないが、悩みの痕跡がひ弱なので面白味に欠ける。②は「これが私の世界よ」と語りかけているみたいで、一緒になってもっと聞きたくなる。

 デッサン力、自分の線を沢山描いて、それをそのまま出したらと思う。それがデッサン力だと思っている。箱から線が飛び出たらいいのだ。


○ 三戸愛の場合

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          ↑:「こみあげる」・アクリル。

 心象模様の抽象画。
 華やいだ色が多い割には「ハコイリムスメ気分一杯」ではない。色を強く出す、あるいは色の個性を楽しむというよりも、色を重ねて重ねて、その中から何かがこみあげてくるのを待ちわびている感じ。「待っている女」という印象。
 残念なのは作品数というか、大作が少ないことだ。ここは天井も高くて広い。派手な作品にはよく似合う。おそらく、まとまった数の発表歴は少ないのだろう。今回の経験を生かして、大量生産による大量発表を期待したい。「もっともっとコミアゲル三戸愛・心」だ。

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1259) エッセ 「ハコイリムスメ展 (道都大・3人展)」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_21371945.jpg
     ↑:左から、「夜にとけてしまいたい」・アクリル メディウム、「あの日」・アクリル メディウム 消しゴムスタンプ 和紙。

 華やいだ色が好きな学生だと思うが、上の作品のようにチョット屈折した絵が印象的だった。


○ 嘉野有華の場合

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1259) エッセ 「ハコイリムスメ展 (道都大・3人展)」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_21451543.jpg
     ↑:「品(かず)」・セン ウォールナット クルミ ナラ。

 埋め込まれた木の材質による色や模様の違い、そして見た目には分からないが堅さの感触がどうデザインなり意匠として生かされたかを楽しむもの。修作中だから多くは望めないが、エッシャー風の迷宮が見たかった。

 木象嵌(もくぞうがん)です。彼女の場合は貴金属ならぬ「木」を木の中に埋め込む。職人的作業に裏付けられた工芸的要素の強い作品だ。沢山作ることしか上達は無いのだろう。
 地味な職人作業だから、テンションを常に高く保つのが大変だ。出来上がったら、逐一他人に見せるのが最良の方法だと思う。デザインやアイデアは通学中などに絞り出して、いつもいつも木のはめ込まれた表面を研磨しないといけない。彼女がどれくらい上手くなったかは手のひらを見れば一目瞭然だろう。ゴワゴワの手に成れるかどうか、次回お会いしたら手を見たいものです。

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     ↑:「ハヤクコイ」・セン ウォールナット クルミ ナラ メープル。

 機械的な模様よりも、たとえ拙くても肉声の伝わるラインのあるほうが楽しい。「ハヤクコイ」、元気があって良い言葉だ。

   「冬去りぬ五弁の姿ハヤクコイ  狂へや狂へ花よ乙女よ」

by sakaidoori | 2010-04-10 22:42 | エッセ
2010年 04月 10日


 1258番「おんなのこ展(3人展)」の文章、吉田紋子さんの写真とericaさんの項目を追加しました。

by sakaidoori | 2010-04-10 20:04
2010年 04月 09日

1258) アイボリー 「 おんなのこ展 erica※ 吉田紋子 児玉陽美」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)

○ おんなのこ展
   erica※ 吉田紋子 児玉陽美
 
    
     会場:ほくせんギャラリー ivory(アイボリー) 紋

    中央区南2条西2丁目 
      NC・HOKUSENブロックビル4階
    (北西角地、北&西に入り口あり)

 会期:2010年3月23日(火)~3月28日(日)
 時間:11:00~19:00
     (初日は、14:00~。最終日は、~17:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーー(3・)

 この時期、札幌市内で女性3人展が三ヵ所で開かれていた。今回紹介するアイボリー展、札幌駅北口のエッセ展、北大傍のテンポラリー展。おそらく、全員が20代前半で学生が大半だと思う。会場の広さの違い、会場内の空気の違い、会場内と会場外との距離感の違い、学外者との交流・学内同士・同じ研究室同士という違い、何よりもそれぞれの作家交流の違いと場の作り方の違いがあり、興味深かった。別個の無関係な3展覧会だ。無理にそれらを関連づける必要も無いだろうが、性を同じくし、年齢も近い人の展覧会だ。その比較は何ほどかの「今」を考える材料になるだろう。

 以下、見た順番に紹介します。

   ~~~~~~~~

 雑誌や小説の挿絵にそのまま使えそうなグループ展だ。自分の表現したい世界を、外に吐き出すというスタイルで、外向きのオーラ、そのごまかしの無いエネルギーが心地良い。これからも学校やいろんな人や作品から学ぶ事は多いだろうが、自分は自分という姿勢だ。

 それぞれが壁一面を引き取り、さほど大きくないサイズ。今の彼女達の等身大のサイズでもあろう。これから大きくもなり、いろいろと変化していくのだろう。

○ 児玉陽美の場合

1258) アイボリー 「 おんなのこ展 erica※ 吉田紋子 児玉陽美」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_11265255.jpg


 道都大3年生。非常にエネルギッシュな学生だ。昨年の末から多いに楽しませてもらっている。
 悪たれ娘といった感じのキャラクター的女の子がモチーフだ。顔や体は横向きで目がこちらを透視している。エジプトスタイルだ。線が角張っているのも特徴だ。線と女の子の風貌が、繊細かつ攻撃的に迫ってくる。「何かアタイにモンクあるの!アタイ、好きにするのよ」そんな勢いだ。
 背景は何も描かれてはいない。空気の中を闊歩する児玉陽美だ。色で覆われた空気という背景、今はそういう時期なのだろう。
 モチーフの顔はキツイが天真爛漫でもある。何より作家自身が怖い者知らずという面持ちでの作画であろう。頼もしい存在だ。
 
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     ↑:「ませ!おて!ふて!」・アクリル ニス。

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          ↑:「絶滅!!」・アクリル ニス。

 これは「ワニ」ではありません。絶滅をしてしまった、あるいは絶滅しそうな「ゴジラ」です。女の子がそのゴジラを慈しんでいるシーンです。


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     ↑:左から、「ねこ おんな」・アクリル ニス、「女の子のゲップはお花よ」・同。

 恋すれば相手の全ては美しい。女の子に恋する画家には、全てが美しいのだろう。世界は彼女のために回る。


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     ↑:左から、「ある映画のワンシーン 02 01」


○ 吉田紋子の場合

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     ↑:左から、「waver」・パネル アクリル、「under water」・同。

 大谷大学短大部の学生。
 大谷の絵画を学んでいる学生がこういう絵を出品しているの少なからず驚いた。嬉しくもあった。何故かというと、良きにつけ悪しきにつけ公募展的作風の学生が多すぎると思っていたからだ。それはそれで良いのだが、公募展的美学になじめない学生がいるはずだ。非公募展な自分の美学をもっとストレートに出せばと思っていた。そこから公募展なりデザインなりインテリアに進めばいいのだろう。

 今作はナルシズムだ。自分に酔っている。何よりそこが良い。
 日本画的な美意識で貫かれている。はっきりとした輪郭線、間を意識した空間処理、もののあわれとか細き美意識で統一しようとしている。

 左側の赤い花が眩しい。それは初潮の印だろう。大人になるという吉田敏子の宣言でもあろう。

 右側の作品、何も描かれていないところが随所にある。僕はそういう絵に強い関心が向く。この絵自体はどう作るかに苦心していて、未完成な部分が多いと思う。描かないというか省略にこだわっている。
 僕は思うに、絵は消去が大事な作業になると思うが、「描き過ぎ」を覚えないことには単なる間の美学に終わるのではないだろうか?過剰な精神が過剰な消去を生む、僕自身の美学はそういうものだ。そういう目で絵を見ている。
 おそらく学生はようやく自分の美学に手応えを感じ始めた時期なのだろう。そのたゆたゆしい喜びが絵を覆っている感じだ。水面の下の不可視な部分にこれからチャレンジしていくのだろう。もっとロマンとエロティッシュに満ちるのを期待しよう。


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     ↑:「アオノヘヤ」・板 包帯 ガーゼ アクリル。

 今展ではガーゼをコラージュした作品が多々あった。上掲の作品もそうです。ガーゼの透けて通るような艶めかしさと、肉感に通じる生理をみているのでしょう。作品として効果的かどうかは別にして、なんとか絵を自分のものにしたいという声が聞こえてきそうです。

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     ↑:「カタクナニ」・キャンバス ガーゼ 包帯 油。

 小さな作品。どうのこうの言う作品ではありません。学生自身の痕跡を今展に残す為の作品だと思う。こういう作品を他人に見せるのが大事だと思う。


○ erica※の場合

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     ↑:「三匹ヒオンナノコのカミ」。


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     ↑:左は、「とおくのイエ」。


 専門学校の方と伺ったが、詳しく聞いてこなかったので詳細は不明です。いずれにせよ、他の参加者と年齢は近いでしょう。
 マイペースというスタイルでの展示と作風。きっと線描が好きなのでしょう。それを小さな世界でまとめている。見る立場としては、もう少し大きな作品で、画面の中で物語を開いてくれればと思う。今は壁をキャンバス(支持体)にして、部品としての一つ一つを暖め楽しんでいるみたい。もっと、顔なり家なり髪なりが独り立ちしたら楽しいだろう。


 (吉田さんの名前が間違っていたので訂正しました。誤・吉田敏子⇒正・吉田紋子 あやこ)

by sakaidoori | 2010-04-09 12:36 | 北専・アイボリー
2010年 04月 08日

1257) 芸森 「開館20周年記念展 『芸森の名品』・B室」 2月7日(日)~4月18日(日) 無料

○ 開館20周年記念展
   芸森の名品

      
 会場:札幌芸術の森美術館
    札幌市南区芸術の森2丁目75番地
    電話(011)591-0090

 会期:2010年2月7日(日)~4月18日(日)
 休み:基本的に月曜日が定休日 
 時間:9:45~17:00 
    (入館は~16:30まで)
 料金:20年分の感謝を込めて無料

 主催:当館(札幌市芸術文化財団)

 【B室の作家】
 國松明日香 三木俊治 丸山隆 

ーーーーーーーーーーーー(4・7)

 開館20年記念ということで観覧料は無料です。が、写真撮影はB室とホールのみです。その紹介をします。


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  ○ 三木俊治   1945~     茨城出身 東京造形大学卒 53歳時の作品
  ○ 國松明日香 1947~     小樽出身 東京芸術大学卒 54歳時の作品
  ○ 丸山隆    1954~2002 長野出身 東京芸術大学卒 38歳時の作品 

 B室の展示は上記の3名。
 組み合わせが面白い。それぞれが出身地を別にして、互いに中央の著名な大学の卒業者だ。そして、皆さんがこの北海道に、出身地は別にして縁が深い。丸山隆氏は残念ながらこの世には居られないが・・・。互いの人間関係も興味ぶかい。國松氏と丸山氏は共に石山緑地公園を手がけた関係だ。國松氏と三木氏は、一昨年の本郷新記念館で共に作品を並べた仲でもある。三木氏と丸山氏との関係はどうだろう?

 そして作風。三木氏は人にこだわる。國松氏は自然にこだわる。丸山氏は空間にこだわる。
 数少ない展示作品ではあるが、ギュッと詰まった空間だった。


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     ↑:國松明日香、「水脈を聴く」・2001年 鉄 ステンレス鋼。

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 國松氏は道内で活躍されていて、多くの作品を公共空間で見ることができる。抽象的作風だが、「自然の相」が創作の原動力だと思っている。だから、作品の裏には生(き)なそよ風がいつも流れている。北国のロマンと言い換えてもいいのだろう。
 今作、調度類の衣かけのような黒枠の縦線と横線が走っている。そういう意味では、近世美に近代美を挿入したような作品だ。タイトルにもあるように、水面と沈む月の影というイメージだ。古代的な花鳥風月美を思う。そこに、北国のキーンとした冷たさ透明感を鉄の素材が担い、「自然を聴く」のだ。


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     ↑:三木俊治、「未来を語るテーブル」・1998年 和紙に拓本。

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1257) 芸森 「開館20周年記念展 『芸森の名品』・B室」 2月7日(日)~4月18日(日) 無料  _f0126829_18364183.jpg


 踊る行列の人形でお馴染みの三木俊治氏。
 ご自身の石膏作品を拓本したものだ。原作・原本はこれと同じ大きさになるわけだ。なんと堂々とした作品だろう。人の行列を文字と解して石碑と思いたくなる。いや、作家は歴史的記念碑という意識もあると思う。未来に語り継ぐべき人の勇姿、だが、少し間違ったならば現世は亡くなり、記念碑だけが残るかもしれない。祝詞と戒めを込めているのだろう。
 人間を信じている作家の造形感覚・空間処理を思う。踊り連なり絶える事なき「空間」、永久に八千代には天皇讃歌だが、大衆のエネルギーを信じる空間把握を見る。
 三木俊治の「踊り文字」をどう翻訳するか、それは見る方の自由でもある。


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     ↑:丸山隆、「残留応力」・1992年 木 花崗岩 塗料。

 先輩の二人を静かに赤く見つめている。
 ここに氏の作品を置いた姿に企画者の意志を思う。それは作品を際だたせる、その良さを引き立たせるというよりも、この空間を企画者の好みの空間に仕上げることが目的だ。量で目立たさせずに、どこまで丸山空間が可視化されたかを見極めようとしているみたいだ。


   ~~~~~~~~~~~~~

1257) 芸森 「開館20周年記念展 『芸森の名品』・B室」 2月7日(日)~4月18日(日) 無料  _f0126829_19515718.jpg
     ↑:巨大な立体作品は板津邦夫、「人(い)」・1965年 ニレ(着色)。


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 さー、これからは芸森自慢の美術作品の世界です。
 通路に見える椅子のような作品は「國松明日香、『休息する翼ー冬』・2008年 アルミニウム」、まさに不死鳥が陽の光を浴びてたたずんでいる。そして、砂澤ビッキの「神の舌」(1980年 ナラ)が我らをなめんばかりに迎えてくれます。

by sakaidoori | 2010-04-08 20:24 | ☆芸術の森美術館
2010年 04月 08日

1256) 関口雄揮記念美術館・前庭 「Emerging Landscape 山田良」 12月23日(水)~2010年5月5日(水) 無料

○ Emerging Landscape
           山田良

      
 会場:関口雄揮記念美術館
      特別展示スペース(前庭)
    札幌市南区常盤3条1丁目
     (国道・真駒内通の西側。
     芸術の森美術館に隣接。)
    電話(011)591-0090

 会期:2009年12月23日(水)~2010年5月5日(水)
 休み:
 時間:
 料金:無料

 キュレーション:当館学芸員・門馬仁史

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(4・7)

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 車がないので地下鉄で芸森に行くことにした。
 久しぶりに地下鉄の高架部分から屋外を見物した。写真はガラス窓にカメラをひっつけてランダムに撮影したもの。最後は真駒内駅での無人の電車内。いや、一人だけ居眠りの人が居て、ようやくにして係員に起こされていた。せっかくの春の安眠であったのに。


  ~~~~~~~~~~~

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 美術館に行く前に関口記念美術館の屋外作品を見学。

 遠目に赤い建物が見えるのですぐに分かる。煙突のような看板が石炭関連施設のようにそびえ立っている。
 作品の「赤」が良く映えているが、意外に小さいという感じ。全体の雰囲気を殺さないで、場と作品を調和させる工夫なのだろう。
 鳥居の様な色合いというのが第一印象。普通に子供が遊んでいたらと思ったりした。他に・・・、残念だが、あれやこれやの感慨は湧かなかった。こういうのは雪を挟んだ季節の前後を見ていたらもっと楽しいのだろう。少なくとも、雪に覆われながらも顔を覗かせる朱色を、頭に残しておかないといけないのだろう。
 それにしても朱色が眩しい作品だ。「雪と赤」のマッチングを教わった。


 吊り橋を渡って芸森に向かった。

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 吊り橋からの川の景色。左が上流、右が下流。


    ~~~~~~~~~~


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 芸森では収蔵作品展が開催中。ホールとB室の様子を次に紹介します。

by sakaidoori | 2010-04-08 16:05 | ☆関口雄揮記念美術館
2010年 04月 08日

1255) 光映堂ウエスト・フォー 「濱田トモミ 『夜を行く 2010』」 終了・3月16日(火)~3月28日(日)


○ 濱田トモミ
    『夜を行く 2010』


 会場:フォトギャラリー ウエスト・フォー
    中央区大通西4丁目6番地(駅前通り)
     カメラの光映堂(本店)2F      
    電話(011)261-0101

 会期:2010年3月16日(火)~3月28日(日)
 休み:21日(日)・定休日
 時間:9:00~18:00
     (最終日は、~16:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(4・8)

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 「夜を往く」というタイトルだから、繁華街なりの猥雑な雰囲気なのだろうという先入観で会場に入った。

 確かに「街」ではあるが、「もう一つの街」とでも言うべきか、「猥雑」さは微塵もない。「街」とは「人」と同義語だが、「人」は点景にすぎない。だから直接的な音もない。人のいない街、そこに「もう一人の自分」の影を探す、あるいは影と共に歩くという雰囲気だ。ワンテンポ遅れてやってきた自分を、今という空間で垣間見る行為というべきか。音は後ろの方で、写真とは関係なく流れている。
 「街」とは言ったが、撮影者のこだわりは「夜」だ。だが、僕には「街の夜」が基本にあると思う。人間行為の大いなる痕跡が「街」であり、その「街」と平行に歩めなかった心理の残映がこれらの写真群だ。

 それにしても写真はまろやかでコンパクトだ。なにより綺麗だ。撮影者は影のようにして街の片隅にたむろしているのだろう。その時空の美意識の反映でもあろう。ロマンティシズムだ。美しく飾りたいという女性心の反映でもあろう。ロマンはあるが自分の影をしっかり見るんだというギュッと詰まった意志を感じる。ストレートな正直さだ。写真の美しさ以上に、濱田トモミのひたむきな眼差しが印象的だ。

by sakaidoori | 2010-04-08 09:39 | 写真)光映堂ウエスト・フォー
2010年 04月 05日

1254) アバウトの写真 27回目 「『第40回記念 北海道教職員美術・展』より 竹津昇作品(水彩画)」

○ 第40回記念
   北海道教職員美術・展

    (絵画・彫刻・工芸・書道・写真) 

 会場:札幌市民ギャラリー 
     中央区南2条東6丁目
      (北西角地)
     電話(011)271-5471

 会期:2010年1月9日(火)~1月13日(日)
 時間:10:00~17:00
     (最終日は ~15:00まで。)

ーーーーーーーーーーーー(1・9)

○ 竹津 昇

1254) アバウトの写真 27回目 「『第40回記念 北海道教職員美術・展』より 竹津昇作品(水彩画)」_f0126829_1882216.jpg
     ↑:招待・竹津昇(千歳市立東千歳中学校)、「光陰」・F120 水彩。(1月9日撮影。)


 にぎにぎしく力強い作品です。
 あたかも、余白を無視するかのような勢いがあります。
 余白無視の姿勢は、いかに骨格を作りきるかに意を注いでいるみたいです。いわゆる、構図の問題です。
 F120はかなり大きい。大きいが作家の意欲が大きく成りすぎていて、収まらない。だから、構図も狭い世界でいろいろと作っている感じがして、拡がりをせき止めているみたい。
 その構図をも砕きたいほどの意欲と胆力が素晴らしいと思う。

 「壁」の好きな画家です。「壁画」画家になるかもしれない。

by sakaidoori | 2010-04-05 18:34 | ★アバウトの写真について