栄通記

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2009年 02月 28日

925) ①コンチネンタル 「いのこり展」(4名の学生?のグループ展) 2月24日(火)~3月1日(日)

○ いのこり展
   阿南沙織 大石若菜 中林亜沙子 宮川友維

    
 会場:コンチネンタル・ギャラリー
    南1条西11丁目 コンチネンタルビルB1F
    (西11丁目通の西側)
    電話(011)221-0488
 会期:2009年2月24日(火)~3月1日(日)
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(2・28)

 広い空間を間延びすること無くしっかり展示していた。
 奥の部屋を広々と見せていた阿南沙織から載せます。

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     ↑:阿南沙織、「carnival」・インスタレーション 卒業制作。

 ちょっと渋い赤の世界。展示空間をから離れての自画像・黒のバニーガールとぴったりだ。
 舞台空間のような空間造形だ。家壁があり、ちょっと古めかしいおもちゃやお人形、手作りのけむじゃらなお面、床に幾つかの塊にして物語が始まる。日本昔話というよりも、赤頭巾ちゃんなどの洋風の物語だ。ちょっとエロっぽいが、たまたま裸の人形があるばかりで、ただただ無邪気なだけだろう。
 無邪気とは恐ろしいものだ。作家が過去に拘る夢物語、これらの作品からは「何故こだわるのか?」は見えないが、何かに拘っている少しナルシズムな、静かで若い女性の美学がある。

 作家が会場にいた。僕はこういうのが飛び切り好きだから、とりとめもなく話した。話の要点はたった一つ、もっともっと発表すべきだということだ。こまかな技術的な向上のためではない。どこか遠慮がちの美学を感じる。発想は一杯持っている人とは思うが、自分自身の問いかけがまだまだ不十分な気がする。こんな素敵な展示をしたのだから、遠慮を捨てて、無反省でも勢いがちに沢山発表したら、心に隠れている秘密がもっともっと出てくると思う。そこが見たいのだ。

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     ↑:中林亜沙子、「金明竹」・インスタレーション。


 (②に続く)

by sakaidoori | 2009-02-28 22:36 | コンチネンタル | Trackback | Comments(0)
2009年 02月 27日

924) タピオ 「写真展(11名) 『MOVE 2』」 終了・2月16日(月)~2月21 日(土)

○ 写真展(11名) 「MOVE 2」

 会場:ギャラリーたぴお
    中央区北2条西2丁目・道特会館1F
    (中通り東向き)
    電話(011)251-6584
 会期:2009年2月16日(月)~2月21 日(土)
 時間:11:00~19:00
(最終日は、~18:00まで)

※ オープニング・パーティー:初日の18:00~

 【参加作家】
 置田喜代美 北川陽稔 小林孝人 高井稜 竹田あやこ 爲岡進 藤川弘毅 三橋夏希 山岸せいじ 山本里恵 米田紘美
      ・・・以上、11名。

ーーーーーーーーーーーーーーー(2・20)

 昨年に続いての2回目の展覧会。
 若干のメンバーの入れ替えがあり、少し参加者が増えたようです。その辺の事情は知りませんが、メンバーの間口があった方が新鮮な感じ。


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 油彩の百数十号のような大きな作品、立体作品仕立て、フレームに工夫、普通サイズ、やや小振りな大きさと、それぞれがそれぞれに工夫をしている。
 こうして並べられた作品を見ているととりたてて違和感もなく、それぞれの写真の持つ力、空間作りのキャリアに感心する。

 一つ一つにに持ち味があり、後は見る人の好み。どれをピック・アップして言葉を交わしていくのだろう?

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     ↑:置田貴代美。上の写真の風景写真も同じ。
 置田さんといえば心象性の強いイメージ写真です。
 今回は全く違う。普通の風景を撮っている。本当に何でもない風景写真です。ところが、包み込むような撮影者の息吹が感じられてとても暖かい。何時か何処かで見たかもしれない四季と時刻のはっきりした風景を、今の自分の目で記録しておこう、そんな感じです。
 置田ファンは多いことと思う。皆さん驚いたことだろう。こういう作品を出した後は次が気になります。


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     ↑:為岡進
 置田さんが一番驚いたが、次に驚いたのが為岡進さんだ。
 被写体は道内各地のお祭。それをカラーでモザイク状に沢山張り合わせた一塊。もう一つは、それらをかなり誇張したウエーブ仕上げでまとめている。当然デジタル処理だと思う。
 この手法に驚いているのではありません。「為岡進」が極端に見せるという行為をしたことが良い。
 氏は職業柄被写体をしっかり撮ることを大前提にしている。遊び心が少ない。おそらく、こうして多人数のグループ展に参加していて影響されたのだろ。これからは作品にも遊びが加わるかもしれない。


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     ↑:藤川弘毅
 女性を撮るのが得意な藤川さん。最近は既製の何かをいろいろと工夫して写真に関係なく立体作品を作ったりもしています。今回は変わった額を用意してきました。装飾的な世界です。もっとも、今回は女性の顔が無くていつになく緊張感があります。
 女性の柔肌に食い込む金属、その肌を堪能してしまった。


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     ↑:小林孝人
 きのこと風景の小林孝人さんです。
 今回、上の赤い花が良い。バッチと綺麗な物を綺麗に大きく撮る姿が良い。
 小林写真の特徴はメリハリはしっかりしているのですがモノトーンの風景が多くて、どこかノスタルジックな点です。この写真は過去ではなく今を見つめているのが良い。


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     ↑:三橋夏樹
 光と影の三橋夏樹さん。作品はとびきり小さい。掌で光を転がして、影を作っている感じ。小さい中にキュッと力を貯めこんでもいる。一つのことを徹底して表現しようとしている。黒もしっかり出そうとしているし、作家の意欲を感じる。


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     ↑:山岸せいじ、「Se・Ka・I」。
 細い角材の骨組みにびっしりと写真が貼られている。会場風景を撮ろうとすれば、間違いなく視野に入ってくるのですが、実際には余り目立たない作品です。静かにそこにあり、気が付けばこれは何だろう?という世界です。
 僕はこの作品、「サカイ」と勘違いしてキャプションを読んでしまった。
 静かに会場を切っている依代(よりしろ)と理解した。空間を断ち切って、境目を作る。そこで顕わになるいろいろな世界。その一齣一齣が貼られた写真だ。刹那刹那の閉じられた世界の連鎖。DNAの二重螺旋のように無限に反復される世界。


 小さな小さなグループ展なのに、際限もなく書き進めてしまった。
 高井さんは絵で言えば細密画のリアリズム、緊張感漂う世界。
 他の方も時間があれば載せたいのですが・・・。

by sakaidoori | 2009-02-27 22:59 |    (たぴお) | Trackback | Comments(0)
2009年 02月 26日

923)② CAI02 「千葉有造・個展 ~Ice of the mountain」 2月7日(土)~3月3日(火)

○ 千葉有造・個展
   「Ice of the mountain」

 会場:CAI02・raum2
    中央区大通西5丁目 昭和ビル・B2 
    (地下鉄大通駅1番出口。注意⇒駅の階段を下りてはいけません。昭和ビルの地下2階です。)
    電話(011)802-6438
 会期:2009年2月7日(土)~2月21日3月3日(火)
     (会期は延長されました。)
 休み:日曜・祝日(定休日)
 時間:13:00~23:00 

 主催:㈱昭和ビル
 共催:当館
 協力:デザイン工房カラバン
ーーーーーーーーーーーーーーー(2・23)

 会期は延長されて、ほぼ一ヶ月のロングランです。ただ長くなっただけではだらしがありません。よりシンプルな空間構成になっています。記事、910①の会場風景と比較してみて下さい。


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     (↑:入り口からの会場風景。)

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     (↑:入り口に向かっての風景。)


 絵画は作品が白であることと、部屋の光が足りないので下手な写真です。限り無く誤解を生みそうな写真ですが、参考として見て下さい。大きさの違いで1点ずつ載せます。
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 タイトルは「アイス・オブ・ザ・マウンテン」、個別作品名であり会場全体の謂いでしょう。

 当初の展示は最近の作家の仕事ぶりの全容を紹介するものであった。確かにまとまりには欠けていたが、彼を知らない僕にとっては初めて見る分には作家を知る参考になった。
 今回は出品数を減少・限定させてデザイン性とイメージ性を強調している。確かに主義主張を前面に出してより良い個展にはなったと思う。

 以下、簡単に意見です。
 次回はもっと徹底した展示にすべきだと思う。
 先に、今回は「デザイン性」と「イメージ性」があると言った。それは「機械性」と「肉質性」と言い換えてもいい。そのどちらかに徹底すべきだと思う。当然、「デザイン」中心で行くべきだと思う。
 作家は若いからデザインだけを見せるのに恥じらいと言うか、気後れがあるみたいだ。仕事としてのデザインと、仕事を成り立たせている心の中の絵画風景をどうしても他人に理解してもらいたいという願望がある。
 狭い空間での自己表現だから、徹底して自己の中の「デザイン感覚」だけを人目に晒して、その弱さ強さを自己確認せねばならない。安易な絵画の展示は会場を和ませたり、「千葉有造」の人となりを見せるのには良い事だが、厳しい展示には向かない。会場に用意された作品集だけで十分だと思う。今回ならばたった一枚の細長い絵画があればそれでいい。
 デザインの展示だけをしていれば疲れる。とことん疲れた時は、美術だけの展覧会を開いたらいいと思う。
 「デザインの人・千葉有造」、その始まりの一連の作品発表と理解した。若さゆえに徹することへの躊躇と恥じらいと自己弁護。それは弱さかもしれないが、可能性でもあろう。

 「デザインは素晴らしい。仕事としてのデザインは可能性に満ちている。アイ・アム・デザイン。」、そんな聞こえない叫び声を次回は聞きたい。

by sakaidoori | 2009-02-26 23:41 | CAI02(昭和ビル) | Trackback | Comments(0)
2009年 02月 25日

922) STVエントランス・ホール 「松田郁美・展」 2月9日(月)~3月1日(日)

○ 松田郁美・展
    [play with circle]

 会場:STVエントランス・アート
    中央区北2条西2丁目・STV北2条ビル・1階ホール
    (南進一方通行の西側のビル) 
    電話(011)207-5062
 会期:2009年2月9日(月)~3月1日(日)
 時間:月~金 9:00~18:00
     土・日  9:00~16:00

ーーーーーーーーーーーー(2・20)

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 ここの場所は本当に面白いところです。こうして定期的にあれやこれやと替わるのが良い。絵あり、彫刻あり、テキスタイルあり、今回は若い女性の金属造形だ。


  1983年9月 釧路市生まれ
  2006年3月 北海道教育大学札幌校金属造形コース卒業
  2008年3月  同大学大学院(金属造形)修了

 いつどこで見たかははっきりしないが見覚えのある作品があるので嬉しくなる。用意された作品集を見れば、昨年の修了展での作品が載っている。あー、丸棒ででっかい球体を作っていた人かと納得する。

 とにかく、円というか球体の好きな作家だ。惑星や恒星をイメージしたくなる。この人にとっての金属は宇宙的なものの結晶体、シンボリックなものだろう。完全な球体と、その完形を残しつつどこかを壊す美学の持ち主のようだ。
 ボルトを使ったり歯車のようなものは師の佐々木さんの影響だろう。

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     ↑:「Chair」・50×110×75 ステンレス。
 2階に展示されている。腰掛OK。クッション部分も網目の鉄材なので、クッション感覚が少し変。そこがなんとも心地良い違和感だ。抽象作品ばかり作っていると疲れるだろう。貴族趣味的な感じだが、女性らしい具象作品だ。


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     (↑:参考作品。昨年2月のの修了制作展出品作品、「雲間」・120×120×120 鉄。)

by sakaidoori | 2009-02-25 21:34 | STVエントランスホール | Trackback | Comments(0)
2009年 02月 24日

920) ①タピオ 「平面と立体による2人展 鈴木悠高・林教司 『対磁』」 2月23日(月)~2月28 日(土)

○ 平面と立体による2人展
   鈴木悠高・林教司  『対磁』

 会場:ギャラリーたぴお
    中央区北2条西2丁目・道特会館1F
    (南北に走る中通りの西側。)
    電話(011)251-6584
 会期:2009年2月23日(月)~2月28 日(土)
 時間:11:00~19:00

※ オープニング・パーティー:初日の18:00~

ーーーーーーーーーーーーーー(2・23)

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 「黄色の人・鈴木悠高」と「鉄の人・林教司」の対磁する2人展だ。

 2人の持ち駒(出品可能作品)には始めから差がある。
おそらく鈴木悠高は昨年来からの描き貯めた作品を、しかも大半は発表済みの抽象油彩画を展示するだろう。実際そうだったし、コンビの林教司もそう思っていただろう。
 対する林教司は平面・立体と何でもこなしストックもある。黄色い世界に何を展示するかという、展示空間の決定権は林教司にある。2人の作業としては、林教司の主導の下での空間作りにしかない。

 林教司は棺桶を持ってきた。骨組みだけの鉄のイスが2脚とわずかな隠し味。「死」と「エロス」、「存在」を表現している。
 鈴木・抽象画は野原の風景のように茶色い棺桶を埋めている。本来壁面に並べて見られるものだが、壁と床にランダムに置かれている。この展示方法、意外にもその黄色の明るさ・陰影・グラデーションが一瞬にして目に入ってくる。見下ろすと云うことは面白い。緊張を強いること無く映像のように脳に焼きつく。・・・人が見上げて空や山を見るということは特異なことであり意識的な行動なのだろう。やや俯きに見える世界が自然な視覚野ということなのだろう・・・。

 黄色く花咲く野原に棺桶を置いたみたいだ。棺桶が若き生命力を吸い込んでいるようだ。若き生命力とは不思議なものだ。汲めども尽きることが無いようだ。
 鈴木油彩画、一望にして見た時にその軽さが目立つ。フワフワしている。初々しくもある。苦行僧が描いたような沈溺の世界は、棺桶の前では明るく余りにも若い。おそらく林教司は若き画家の生命力の前でどれほどの力があるかを試そうとしたのだろう。同時にそのエネルギーを奪い取ろうとしているのかもしれない。老いる自己に檄を飛ばしているのだ。

 無骨な男の2人展。
 若き青年が智者に投げキスをしているようだ。棺桶からまだまだ恋をするのだと呟いているようだ。沈溺が耽溺になるかもしれない。

 (写真は1枚しかありません。後日、記録のために写真風景を載せます。
 今週の土曜日までです。立ち寄って下さい。)
 

by sakaidoori | 2009-02-24 22:14 |    (たぴお) | Trackback | Comments(0)
2009年 02月 23日

919) ①セントラル 「どんぐり会展(北海高校美術部)」 終了・2月17日(火)~2月22日(日)

○ 第99回 北海高等学校美術部
    「どんぐり会展」


 会場:大丸藤井セントラル 7Fスカイホール
    電話(011)231-1131
 会期:2009年2月17日(火)~2月22日(日)
 時間:10::00~18:00
   (最終日は ~17:00まで)

 【出品者】
 3年 村田愛莉 登石莉彩 杉澤玲菜 坂汐織里 太田なつ香 菊地万生里 小笠愛里沙 野村夕季子
 2年 天野有理 大川ちひろ 中村智織 佐藤誠
 1年 佐藤拓実 金澤凌 菅野航平 渡辺あかね 山本朱音 増渕圭 北山夏帆

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(2・)

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 大きく描く、厚塗りで覇気を込めて描く、これがここの高校のモットーです。小品を散りばめているので青年達の大作が嫌味なく見れる。

 今年の特徴は、間仕切りをして壁面部分を拡げていること、3年の村田愛莉さんは特陳扱いで沢山の出品、1年生に記憶に残る作品があった。

 個々の作品を載せます。

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     ↑:3年・村田愛莉、「▽ーコウー」・S50号。
 上の作品は全て村田愛莉さん。 
 勢いがちな筆使いですが、いろいろと工夫していて面白い作品ばかりです。
 バラのような花。気をてらわずに画布の真ん中に中心点がある。そこから四方に開いている。満開だ。画家そのものが絵の中にいる。
 こういう絵は高校生にしか描けないのだろうか?描き始めの頃にしか描けないのだろうか?絵を描くことが上手くなって、その上手さを殺してこういう絵を画いてもらいたい、大人の画家達に。

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     ↑:1年・佐藤拓実、「虚偽と真実」・150号。
 1年生が描いていることに驚いた。版画もあったがなかなかのものだ。タイトルが全て臭いくらいに硬直なのが微笑ましい。
 本人がいたので楽しく雑談した。瞳のあたりをもっと深みが出せれたらと語っていた。虚偽と真実を見る「目」にしたいのだろう。これはこれでもう充分だと思うのだが、本人の向上心は高い。

 僕としては左下の黒い部分に注目したい。ここに全体とは不釣合いな、それでいて目立たないような黒があったらと思う。画布に占める「虚」の部分だ。所詮絵は嘘なのだ。絵の中にあるリアルと非リアルを共存させることによって、絵自体の不思議さは増すのではと思っている。というか、そういう絵を見知った体験が僕の絵画観になっていて、なぜ不思議なリアリティーが絵にあるのだろうと考え始めたといった方がいいだろう。「絵の嘘とは何か?」、そんなことを考えている。
 目の四隅の黒い部分、どんな黒がいいのだろう?生のドロを塗ろうか?薄塗りで迫ろうか?闇夜の暗い海のように描こうか?


 (項目を新たにして②に続く。あと5人ほど書きます。)
 
 

by sakaidoori | 2009-02-23 12:26 | 大丸藤井スカイホール | Trackback | Comments(0)
2009年 02月 22日

918) テンポラリー  「野上裕之・彫刻展 『i』」 2月17日(火)~3月1日(日)

○ 野上裕之・彫刻展
    「i」

 会場:テンポラリー・スペース
     北区北16条西5丁目1-8
     (北大斜め通りの東側、隣はテーラー岩澤)
     電話(011)737-5503
 会期:2009年2月17日(火)~2月22日3月1日(日)
    注意→会期は延長されました。
 休み:月曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00

ーーーーーーーーーーーーーー(2・21)

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 昨日は吹雪だった。その日に野上・インスタレーション展を見れて幸いだった。

 曇天の光が乱反射すること無く部屋を包んでいる。壁にいくつも貼られた妖しげな物。鉛彫刻だ。
 キャンバスの台のような縦長の板、それがこの鉛作品の鋳型だ。いや、これ自体も彫刻作品と言っていいだろう。言葉通りに彫られているのだ。わずかな深さで模様が描かれ、そこに熱せられた鉛を流す。そして正面の壁のような板材に押し当てて鋳型作品は出来上がる。それが何度も繰り返されて作品の数は増していく。同時に熱で板は溶けて深みや広がりを増し、形を変えていく。
 大きな板材は支持体と言ってもいいだろう。鉛の熱で燃やされ、そのこげ色が絵として立ち上がっている。鋳型と同様にこげ色は深みを増していく。
 つまり今展の個々の「物」は複合的な重なりをしている。それぞれが美術でいうところの作品であり、それぞれが他者のための作品以前の存在なのだ。
 そこに熱が加わり、外には風が吹き雪が舞い、刻々変化する光が参加している。部屋はガラスドア一枚で遮られているだけだ。寒い。この場を外界からわずかに身を守る安全地帯ともみれる。だがなんと外との風通しの良い所だろう。自然との防御と闘いと交差空間でもある。

 異様な形の鉛、鋳型の板、押し当てられる板材、3者はそれぞれを独立した存在であり、しかも関係しあっている。互いがなければ生まれなかったのだ。その個と全体を一つの関係性で見なければ作家・野上の意思に迫れないだろう。
 しかも鉛や木と云う素材の生々しさと、素材を超えた美しさ。つなぐ隙間に音楽がある。


 それにしても野上裕之は成長した。
 自分自身を余りに素直にストレートに問い続ける青年、そういう印象を持っている。その姿は真摯だ。だが内向きな姿勢が余りに作品に反映され過ぎて、結果的には美のナルシストの面影を残し、界をさ迷っている感じだった。内を見るあまり、外との回路が細かった。
 今展、堂々と自分を基点にして他者に熱く語りかけている。
 鋳型の板はおそらく自画像だ。模様が人型に見える。等身大の大きさでもある。角張った細さが彼のイメージそのままだ。
 その自分から出発して、燃える姿を他者に見せている。
 作品を細かく見れば作家の気質の神経質さはある。それを否定すること無く大きく広げ、燃やしている、輝いている。繊細にしてダイナミックな個展だ。


 今回は僕の写真だけでも会場のムードは伝わると思う。ムードは伝わるが作家の心は伝わらない。是非見に行ってもらいたい。


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 (↑:公開展示の為に製作過程が残っている。垂れ落ちた鉛の雫。)


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by sakaidoori | 2009-02-22 18:13 | テンポラリー | Trackback | Comments(0)
2009年 02月 21日

917) ②写真ライブラリー 「札幌ビジュアルアーツ写真学科 卒業制作写真展」 2月18日(火)~2月22日(日)

○ 専門学校 札幌ビジュアルアーツ・写真学科
    卒業制作写真展

 会場:札幌市写真ライブラリー
    中央区北2条東4丁目
      サッポロファクトリー・レンガ館3階
    電話(011)207-4445  
 会期:2009年2月18日(火)~2月22日(日)
 時間:10:00~19:00
    (最終日は ~?:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(2・20)

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 (①・916の続き。)

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     ↑:中明昌弘、「或肖像、或想像」。

 上が撮影者の野菜を組み立てての肖像画写真。下がそれらの写真作品を子供達に見せて書いてもらった絵、と説明書きにあります。
 この方法自体は取り立てて目新しくも無い。例えば、教育大学の学生が「子供にとっての絵画の可能性」という課題でパネル展示をするかもしれない。街中の公共空間の壁面を使っての展示も普通にあるだろう。
 していることはもしかしたら全く同じかもしれない。実際、説明書きには「小学校低学年の想像力を養うための教材としての写真」とある。
 だが、「ビジュアルアート」の卒業写真展の中でこういうのを見ると、ある種のアイロニーなり、この撮影者ならではの遊び心を感じてしまう。僕の誤解かもしれないが。


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     ↑:横塚大志、「バイタルチェック」。

 ピエロのパントタイム映像を見ているみたいです。痩せぎすで神経質な都会の青年のセンチメンタルな孤独と、自分しかできない哀しき曲芸の個性、その対比構成です。
 とても臭い、臭いがスケボーの動きが生きていて臭さも味になっている。心象的なムード先行の写真が無いのも良い。
 それにしてもスケボーの被写体と撮影者の呼吸はぴったりで感心ものだ。


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     ↑:李 嘉慧(韓国アンニャン芸術高校出身・韓国からの留学生)、「Fake」。
 「シンプルなものは美しい、美しさの中に遊び心を」、そんな見本のような作品。
 膝下のラインや素肌、若い生命力を思う。かかとの上がった姿も人目を引く。街中のショー・ウインド用に大きなポスターを作ってみたい。

 学生が会場にいたので話がしたくなった。写真のことよりも、その人のムードが知りたかった。優しく綺麗な日本語だ。日本語の感情表現もしっかりしている。昨年の年末にも資料館で韓国人の学生2人を見かけた。
 来日する韓国の観光旅行者も大事だが、こうして日本に何かを学びに来る男女の学生を見ていると嬉しくなる。彼等の人格は知らない。それで充分だ。ただ来てくれるだけで、会える機会があるだけで何かが生まれる。
 市役所の地下食堂でも予習として生徒に中国語を教えていた中国女性を見たことがある。キャリア・ウーマン的な美貌で30歳位だった。盗み聞きするその中国語の何て綺麗なこと!水玉の流れるようなリズムだった。途中に聞こえる彼女の日本語滑らかで、ついつい話しかけてしまった。


 被写体に対する考察、何を撮りたいかというテーマもしっかりしている。人間を撮る学生も沢山いた。一人ではあるが労働者を通して社会を見つめる作品もあった。ありきたりの風景や情緒・心象に流れすぎる作品は無かった。
 一方、より強い社会性や風俗、都市に迫る作品も無かった。それは今の時代に、学生には高望みなのだろうか?
 が、良い写真展だった。是非、個展・グループ展と発表し続けて、自己のテーマを掘り下げて欲しい。

by sakaidoori | 2009-02-21 22:28 |    (写真ライブラリー) | Trackback | Comments(0)
2009年 02月 20日

916) ①写真ライブラリー 「札幌ビジュアルアーツ写真学科 卒業制作写真展」 2月18日(火)~2月22日(日)

○ 専門学校 札幌ビジュアルアーツ・写真学科
    卒業制作写真展

 会場:札幌市写真ライブラリー
    中央区北2条東4丁目
      サッポロファクトリー・レンガ館3階
    電話(011)207-4445  
 会期:2009年2月18日(火)~2月22日(日)
 時間:10:00~19:00
    (最終日は ~?:00まで。)

 【出品学生】
 (だいだい色の目録を載せます。拡大して確認して下さい。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(2・20)

 16名の学生達です。学生の作品としてはとても良いと思う。ありきたりの心象や風景に流されずに自分のテーマを見つめよう表現しようとしているのが何より良い。
 卒業した彼らにとって、「カメラ」がどういう位置になるのかは知らない。是非、良き仲間を見つけてグループ展なり個展を開いて欲しいものだ。

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     ↑:浪江佳代、「セルフポートレイト ~そんなこと~」

 こんなに自分好みの作品に出会えたのは久しぶりだ。
 被写体の主人公は撮影者の浪江佳代さんだ。セルフタイマーでの撮影。そのために少しピントとかは甘い感じだし、動きにも欠ける。だが、そんなことよりも極端に創ったシチュエーションを買うべきだろう。この作品の主旨は、「見て見て、笑ってもらって有り難う。私、あなたを笑わしてあげるわ!」が全てだと思う。
 それにしても感心な工夫をしている。写真屋の店先、スタジオ、病院、レストラン、銭湯、結婚式場などなど、舞台背景をそれぞれのお店と交渉して利用している。そして自分自身が演技者になっている。
 この行動力、創意工夫は見上げたものだ。
 個人的希望を言えば、魚眼レンズを使ったり、広角を利用したり、ドアップの変体過剰気味なのもあっていいのでは。演技とは裏腹に写真としてのバラエティーに少し欠けた感じ。
 次の個展なり、グループ展があれば是非見たい。



 (②に続く。)

by sakaidoori | 2009-02-20 23:02 |    (写真ライブラリー) | Trackback | Comments(0)
2009年 02月 19日

915) ②たぴお 「ALL Japan Under 40 Collectino in sapporo」 終了・2月9日(月)~2月14日(土)

○ ALL Japan Under 40 Collectinos in sapporo

 会場:ギャラリーたぴお
    中央区北2条西2丁目・道特会館1F
    (中通り・東向き)
    連絡先・林(090)7050-3753
 会期:2009年2月9日(月)~2月14日(土)
 時間:11:00~19:00

 主催者(発起人):鈴木悠高造形芸術研究所

 【出展者(出身地)】
 道内: 石川潤(函館) 奥山三彩(札幌) 久藤エリ子(帯広) 児玉陽美(深川) 向中野るみ子(石狩) 坂本正太郎(室蘭) 鈴木悠高(札幌) 
 道外: 芦野公平(秋田県) 小崎慎介(埼玉県) 甲斐佳子(宮崎) 佐藤美紀子(茨城県) 東影智哉(兵庫県) 平野直哉(三重県) 結城泰介(東京都)
・・・以上、14名。 

ーーーーーーーーーーーーー(12・27)

 14名の作家達だ。
 そんなに広くはないのに、作品傾向も違っているのに、それなりに一体感をもって見れるのは不思議なことだ。唯一の共通性、それは名々が自分の型を作ろうともがいているのが感じられることだ。道外組みはそれなりに自分が見えている感じ、道内組みは力んでいる感じ。

 以下、写真掲載と感想を書きます。あえてグループ分けをします。僕なりのこのグループ展の分節化です。

  ◎ まとまった形でのこの4人展が見たい。

 ・東影智哉の場合

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 上掲の3作品はほんとに小さい小品です。リアルさが特徴ですが凄みがある。カバやキリンやウサギの生き様を借りた作家の生理むき出しの作品です。絵画で言えば細密主義に例えれるかもしれない。絵画との違いは決定的で、空間を占有していて、あまりに肉感的です。つまり、触らなければこの作品の醍醐味は無いといっても過言ではない。ですが、一品限りの作品だ。触りつくすことはできない。
 「見ざる、聞かざる、言わざる」の喩えがある。「動かざる、眠らざる、聞き耳を立てず」がこれらのテーマだろう。
 大変でしょうが沢山作って、商業主義と芸術主義の妖しげなラインを行き来して欲しい。それが成功しようと失敗しようと再び札幌で、僕の目の前で作品を並べて欲しい。

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 シンプル・イズ・ビューティフルの見本のような作品だ。立体作品が緊張を強いるところがあるから色と遊び心で気分をリフレッシュしている作品だろう。それでも、彼の遊び心とヒョウキンさ、辛辣さというものは垢抜けた画布の中でも充満している。単純色の背景、心地良い。


 ・佐藤美紀子の場合

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     (↑:タイトルを記録漏れ。わかれば後日、明記します。)

 東影君の隣に展示の5点。
 この展示の組み立ては東影君を意識しているようだ。小品で緊張感の強い4点とやや大振りでほんの少し間が抜けた感じの2点、展示構成は全く同じだ。
 それはともかくとして、不思議な絵だ。細身の形、ポッキと折れそうで折れない強さを感じる。シンプルでユーモラス、動物に人の世の若者心を託している感じ。さてさて、これからどんな物語が始まるのだろう?

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 ・芦野公平の場合

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 とても器用で才能豊かな青年という印象だ。軽やかなリズム、奇想天外な物語の展開・・・小品だが今風の自由自在ななピノキオみたい。


 ・奥山三彩の場合

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     ↑:「夜虫遊泳(やちゅうゆうえい)」。
 小さくてたった1点だけの出品ですが、不思議な魅力です。
 例えて言えば菩薩がキントーンに乗って誰かに会いに行こうとしているみたい、それも少し急ぎ足で。下の雲を思わせるまーるくて自由な形、仏のようで厳しさと安定感のある形。どこかホッとするような軽さ、居心地の良さもある。もしかしたら作家は母性ということも意識しているかもしれない。
 他の3人の壁面作品の間で自由に踊る奥山・立体、もう少しまとめてみたいものです。

by sakaidoori | 2009-02-19 23:46 |    (たぴお) | Trackback | Comments(0)