栄通記

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2008年 09月 30日

769)美容院「EX]内 「森本めぐみ作品展 『むこうのほう』」 終了・9月2日(火)~9月28日(日)

○ 森本めぐみ・作品展
     「むこうのほう」

 会場:Basement Gallery
     中央区南3条西23丁目2-13裏参道パールビル1F ・美容院「EX]内
 会期:2008年9月2日(火)~9月28日(日)
 時間:火~金・11:00~21:00 
     土・日・祝/11:00~20:00
 休み:月曜日が定休日

ーーーーーーーーーーーーーー(9・28)

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 美容院に行った。
 ドアを開けると「いらっしゃいませ」という挨拶。無視するわけにもいかず返事を考えようとしたら、地下に通じる階段が目に入った。「チョッと、絵を」と、頭を下げながら言葉を返した。店内からさっさと身を引いて階段へと一目散だ。

 身の丈ほどの地下室は白一色に塗られている。清潔だ。地下牢というよりも、可愛い子供部屋。
 森本作品が壁一面に行儀良く収まっている。インスタレーション的なものもあるのかと思ったが、小奇麗な壁面作品ばかりだ。今回はことさら「性」や「命」という概念(コンセプト)が無い。白地に赤系の色ばかりの壁面作品との対面だ。スッキリした平面空間に女学生のいさぎよささが心地良い。


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 以下、個別作品を載せます。

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 ↑:「山の星々」
 階段を下りて直ぐの絵。
 顔はお馴染みの「森本キャラクター」です。今回は尖った感じを消して、円く大きくふくよかな感じ、対象をしっかり見つめる「目」です。目を固定しての二つの顔、心象的表情というよりも、画家の目になろうとしています。
 背景に小さく飛行機が飛んでいる。


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 ↑:「どこへいくのか・オゾン」・2008。


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 ↑:左から、「オン・ザ・フィールド」・2008。①「 」。


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 ↑:「悪い予感」・2008。
 ビニール系のノート大の紙(支持体)を組み合わせた作品。今展はこの形式の作品がもう一点あります。描いた日付も残していて日記風です。増殖して自分自身を成長させようとしているみたい。なかなか意欲的作品だと思う。
 「悪い予感」は、ガリバーのような裸体の女性、眠れる森の少女に「森本キャラクター」がへばりついて何やら物語が始まろうとしています。「悪い予感」というよりも。今後の画家の成長が楽しみな「良い予感」を思ってしまった。

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 ↑:「0.01」・2008。
 一つ一つがシールのように貼られています。


 展示室はL型になっていて、以上の作品は比較的広い部屋での展示です。もう一つの空間は幅半間程で人が一人歩けるだけの狭さです。
 そこに小品が並んでいます。秘密の落書き部屋です。



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 ↑:右側、「でも少し寒い」・2008。
 変というか不思議な絵です。左上の無造作に抜けた長方形が良い。


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by sakaidoori | 2008-09-30 10:53 | 美容院「EX]内 | Trackback | Comments(0)
2008年 09月 29日

768)HOKUBU記念絵画館「萩原英雄・展  abstrct only」 終了・4月24日(木)~9月28日(日)

○ 萩原英雄・展
     abstrct only

 会場:HOKUBU(ホクブ)記念絵画館
     豊平区旭町1丁目1-36
     電話(011)822-0306
 会期:2008年4月24日(木)~9月28日(日)
 開館日:毎週木・金・土・日曜日
 時間:10:00~17:00
 料金:一般300円、小中生200円 
ーーーーーーーーーーーーーーーー(9・28)

 いつでも行けると思っていたら最終日になってしまいました。
 幸いにも館長にお会いすることができ、それ程の会話を交えることはありませんでしたが個別作品の紹介の許可を頂きました。有難うございます。
 会場のムードと個別作品を紹介したいと思います。

 会場は2階と3階が展示室です。今展は2階からの観覧です。比較的古い作品が2階の展示ですが、編年別にはなっていません。


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 ↑:以上が2階です。真ん中に横壁があって、部屋を二分しています。ソファーのある部屋が奥の広々とした空間です。左周りに見ていくことになります。

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 ↑:3階の入り口左側。テーブルの左側には本棚があります。ビデオも見れるようになっています。しっかりと萩原英雄氏の説明ビデオを見てきました。

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 ↑:以上が3階です。


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 (↑:クリックして大きくして下さい。)


 パンフレットには「近代の木版画を切り開いた祖」とあります。
 
 1913年 山梨生まれ。
 1938年 現・東京芸術大学美術学部油彩学科卒。
 1953年 結核療養中に年賀状の為に始めて木版画を制作。
 2007年 逝去、享年95歳。

 輝かしい画歴は木版を始めてからの成果だ。木版以前の荻原・油彩画がどの程度の力量で、どう評価されていたのかは知らない。木版を知ることにより、木版の制約を油彩画家の立場から克服していく過程が木版の可能性を広げていったようである。

 木版の制約?
 ① 木版凸版の平面さ。いかに油彩画のように深みのある画質を表現するか。
 ② 木の木目による鑿跡(線描)の方向性の制約。等々。

 それらの課題は棟方志功のように、強く刷られた色が裏に滲んでくるのを利用した「両面刷り」や、ドライ・ポイントなどの西洋凹版の技術を応用すること、小さな版木をコラージュの様にランダムに張り合わせたりして、色の深みと自由さを確保していった。その成果が各種の受賞へと評価されたようだ。

 一方で、キャンバス油彩への不満が浮世絵以来の木版画の伝統を踏襲することによって画家としての可能性が開けていったのだろう。キャンバスの万物創造と自己愛(画家が神になること)の窮屈さから、日本美への回帰として。パンフレットは「装飾的な平面の空間」創造と指摘している。

 追憶シリーズが明瞭だが、編年的に作品を追っていくと「土に還る」という意識が濃厚のような気がする。今荘義男氏を思った。
 技法の発明は先駆者としては讃えられるべきだが、今となってはそれだけでは後世に残らないであろう。技法を発明しなければ表現できない「荻原・ワールド」が大事なのだろう。
 わずかばかりの鑑賞で好き嫌いは言えても、それ以上の事を語る能力は僕にはない。識者の意見を聞きたいところだ。
 再び北武記念絵画館で展覧する機会があると思う。以上はその時の為の個人的メモだ。


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 ↑:「パリス(ギリシャ神話より)」・1996年 38.0×53.0。

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 ↑:「お伽の国(No.3)」・1966年 55・0×80.0。
 自由な線を木版で追求しようとした作品。
 上の絵、どこかミロの版画との近似を思う。
 木版画の線の自由度の確保。古代中国の書家は木簡の筆の制約性(例えば、横線は木目の抵抗にあい、力強い線が出来る。)からの開放を紙により自由さを実現した。四方八方への筆の自由な運びは書の成立となった。なぜか、その類似を連想した。


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 ↑:左から、「白の幻想(2)」・1962年 86×59。
   「古代の唄(No.1)」・1965年 90×60。


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 ↑:左から、「古代の唄(No.9)」・1965年 90.0×60.0。
  「追憶(No.1)」・1986年 54.0×72。
 背景のぶつぶつ模様は表に刷った色が裏側ににじみ出た色だと思う。深い色合いや空間表現の基礎になっている。
 
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 ↑:左から、「砂上の星(No.16)」・1983年 90×60。 
   「追憶(No.4)」・1987年 90×60。


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 ↑:左から、「追憶(No.6)」・1988年 90×60。
   「追憶(No.17)」・1994年 90×60。


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 ↑:左から、「追憶(No.19)」・1995年 90×60。
   「追憶(No.20)]・1995年 90×60。

by sakaidoori | 2008-09-29 22:09 | ☆北武記念絵画館 | Trackback | Comments(0)
2008年 09月 29日

767) 昭和ビル CAI02 「常設展 黒田晃弘・作品」 ~2008年10月?日(初旬)

⇒常設展) CAI02 「常設展 黒田晃弘・作品」 ~2008年10月?日(初旬)

○ 常設展 (黒田晃弘を中心に紹介)
     
 会場:CAI02・raum2&3
    中央区大通西5丁目 昭和ビル・B2 
    (地下鉄大通駅1番出口。注意⇒駅の階段を下りてはいけません。昭和ビルの地下2階です。)
    電話(011)802-6438
 会期:~2008年10月?日(初旬)
 休み:定休日は日曜日・祝日
 時間:13:00~23:00 

 主宰:CAI現代研究所
ーーーーーーーーーーーーーーーー(9・)

 地下ギャラリーの大通・CAI02では企画展として「山口賢一・展」が開かれていました。(27日で終了。)こちらは写真撮影厳禁なので紹介は省略します。

 隣のスペースは取り立てて企画や利用者が居ない場合は常設展とのことで、そちらを簡単に写真で紹介します。今回は奥の方に展示されていた黒田晃弘・作を中心にします。ドローイングのコピー作品なのですが、非常に廉価での販売です。次回の岡部昌生展(10・4~11・1)までの展示です。チョッと立ち寄って、ご覧になっては。僕は2点買いました。1点、1,250円です。

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 ↑:手前の部屋を上の写真は入り口から、下の写真は裏側から撮影。
 真ん中の装置のような作品は端聡・作、「水は常に流れたがっている」。

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 ↑:端聡、「水は常に流れたがっている」。
 牛乳をスクリーンにして映像が流れています。その牛乳はパイプを使って常に循環するシステムになっています。端さんのテーマの一つに、「水は記憶する」ということがあります。それに彼は人の顔が好きです。確かに「記憶」すると思いますが、「同じ川には二度入ることは出来ない」という諺もあります。その記憶は何時開かれるのでしょう?

 どこか苦しそうな顔、「水への顔の記憶」は「水死」をイメージしてしまいます。何かを語ろうとしているその顔が、白い波間の中に消えていく。この装置は循環としての永劫回帰です。その循環時間はわずかの間でしょう。それは美術作品の象徴的な表現だから仕方がない。
 果たして記憶された水は何時再び顔を出すのでしょう?記憶への思考は哲学を生むかもしれない、その視覚化は美術を生むかもしれない、この顔に愛情が育てば倫理が生まれるかもしれない・・・都会的で知的な作品、どこか沈鬱で出口を求めたくもなる。


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 ↑:今村育子、「わたしのおうち」。
 壁紙をくり抜いて支持体に貼り付けた作品。どうと云うことは無いのですが、気になる小品。


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 ↑:奥まった部屋。飲食ルームに見える作品は岡部昌生氏の御馴染みのフロッタージュ。モノトーンの鋭さがいつも印象的です。同室には菊池又男・作が2点あります。見ごたえ充分ですが今回は省略。
 以下、黒田晃弘・作を載せます。

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 ↑:「JAZZ 3」。

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 ↑:左から、「JAZZ 2」。「JAZZ 1」。

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 ↑:左から、「HOKUDAI」。「日本橋」。

 支持体はセピア色で和紙?だったと思います。なかなか凝っています。音楽と風景という組み合わせです。セピアに黒いドローイングと絵が重なっていて、どこか物憂げで懐かしい感じです。
 黒田さんといえばモデルとの対面での似顔絵が有名です。そういう緊張した時間とは違って、作家の気楽な気分と遊び心が暗い会場と重なって独特なムードになっています。栄通ご推奨の隠れ家のような部屋、そこでの心和み染み入る一時でした。

by sakaidoori | 2008-09-29 11:47 | CAI(円山) | Trackback | Comments(0)
2008年 09月 28日

766) 能取湖のさんご草

 日帰りパック旅行で「能取湖のさんご草」を見に行った。
 わずかな滞在時間であった。いつも日曜画家達の絵で「さんご草」を見ているので、一度はこの目で確かめたいと思っていた。妻の行動力に負けて、重い腰を上げての旅行だった。不思議な行程であった。ほとんどがバスの中だから、当ても無く風景に接しては口が寂しいものだからおやつを頬張ってばかり、淡々と一日の行程をつつがなく消化して帰宅することが出来た。

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 毎日此処に来て商売で観光客の写真を撮る人によると、今年のピークは20日頃ということだ。
 海に近いのでカモメが楽しそうにさんご草の中で餌を求めていた。
 風で飛ばされた帽子が草の中に漂っていた。
 穏やかな天気だ。観光日和だ。

by sakaidoori | 2008-09-28 01:07 | ◎ 風景 | Trackback | Comments(0)
2008年 09月 28日

765) ギャラリー・エッセ 「花田和治  『自選展』」 9月23日(火)~9月28日(日)

○ 花田和治  『自選展』
       
 会場:ギャラリー・エッセ
     北区北9条西3丁目9-1 ル・ノール北9条ビル1階
     (南北に走るメイン道路の東側)
     電話(011)708-0606
 会期:2008年9月23日(火)~9月28日(日)
 時間:10:00~19:00
     (最終日は、17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(9・26)

 まずは会場の全体風景から。

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 ↑:入り口付近。以下、左回りでの会場の全貌。

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 非常に素晴らしい個展だと思います。
 今展は「自選展」です。が、残念ながら個々の作品には制作年代は明記されていません。花田和治氏の年齢もはっきりしません、おそらく60歳前後だと思います。
 この展覧会を見る限り、完全抽象画から出発してシンプルな具象性を加味しながら、最近作は無駄を排した詩的情景画に至っています。
 何が素晴らしいか?若き頃の抽象画は年齢と共に変化するものです。その変化を我々は最新作から逆に氏の全貌を振り返るわけです。若き頃の可能性が結果として最近作に結実した姿、結果的にはその過程を好ましく思ったり良否の価値判断を下すわけです。

 最近作のピンク色の「雪の日 Ⅰ」、実に素晴らしい。この作品に至る作家の足跡を楽しむのです。明後日の日曜日までです。是非、足を運んでもらいたい。そして、「次は最近作だけの個展を見たい」と、作家を励ましてもらいたい。

 以下、奥さんからの話と僕の憶測に基づいて制作年代を加味しながら、あえて個別作品を5部構成で紹介します。

① 超初期の作品

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 ↑:「玄関」

 明瞭に他とは違っています。何処が違うかというと、輪郭線です。表現主義的な思い入れの強い線描になっています。
 奥さんによると学生時代前後の作品とのこと。この自選展に出品するのですから、画家の愛着もひとしおでしょう。タイトルにある「玄関」、正に門立ちの作品です。具体的タイトルは現在と同じスタイルです。

② 抽象作品群。完全抽象から抽象化作品へ。制作年代はほとんどわかりません。

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 ↑:上から、「6月のくもり」。「開かれた窓 Ⅱ」。
 下の作品は裏側が見えるので制作年がわかります、「’93 4/22 30F」と明記。

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 ↑:左から、「早春」。「MEGUMI」。
 確かに完全抽象画ですが、「早春」は風景の抽象化作品として見えなくはありません。水平線(地平線)に空、海(あるいは春待つ草原)というふうに。しっかりと雪の白があります。四角は自己あるいは自宅としてのドアか窓という風に。花田氏の場合、タイトルは万感の思いの反映のように受け止めました。


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 ↑:「三角山の近く」。
 青と緑、三角に切られた直線、ただそれだけです。ほとんどの人が「山」を連想するでしょう。そしてタイトルは僕らを安心させるように「三角山・・」とあります。春、あるいは初夏の山でしょう。間違いない。イメージが膨らむ絵です。

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 ↑:左から、「アース」。「ポプラ」。
 「アース」、不思議な絵です。青のギザギザ模様が人のシルエットにも、木にも見えます。あるいは太陽のオーラが大地に溶け込む姿にも。
 「ポプラ」、まさにそのものズバリです。色面に対する詩情表現の優れた画家だと思う。色や線を限りなく省略しているのですが、省略の痕跡よりも、清々しさ、瑞々しさの足音が聞こえてきそうです。


③ 人物のある絵、及び人物画。

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 ↑:「地下鉄にて」・1991年制作(画布に書かれています)。
 抽象画をしっかり描いていた頃に人物画の虜になった時期があったのかもしれません。女性への憧れというのか、素直なロマンを感じます。顔の茶色が特徴的です。描き手の強い意思の現れでしょうか?

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 ↑:左から、「少女」。「ハナリン」。


④ 3年前の旧テンポラリーから最新作へ。

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 ↑:「母の列車」。
 不思議な絵です。タイトルを読むと何故だか納得したのを覚えています。というのは、3年前?の旧テンポラリーでの個展発表作品でした。強く印象に残っています。
 下の白い部分が夜汽車の照らす灯りで、その列車に「母」が乗っているのか?あるいは画家自身が「母」のことを思いつつ揺られているのか?廻りの薄暗い青と黒が画家の沈鬱な気持ちの反映なのか、母の心のありようなのか?哀愁に満ちた作品です。ただ横に波打つ線と、それらに区切られた色だけの世界。悲しみが覆っているようです。

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 ↑:「雪の日 Ⅰ」。
 薄いピンクが若々しい。早朝の朝もやの色だ。建物にかぶさった雪が・・、シンプルに優しくそこに在る。長年、雪を見つめる目が絵になったようだ。
 最新作とのことです。
 3年前の個展時にも作家の様子を遠巻きに拝見することが出来ました。小柄な体を小気味よく動かせて、お客さんと楽しく会話しているのを覚えています。今展も友との語らいに楽しそうでした。が、前回に比べると随分と体の衰えを感じます。おそらく体を患われたのでしょう。
 ですが、何という清く明るく美しい絵なのでしょう。

 次回の個展は最新作のオン・パレードを見たい。その詩情が風景や、人物を覆っている絵を。抽象による、より自由な世界を。


 (何点か写真だけを追加します。)

by sakaidoori | 2008-09-28 00:42 | エッセ | Trackback | Comments(0)
2008年 09月 25日

764) たぴお 「高橋俊司・個展」 9月22日(月)~9月27日(土)

○ 高橋俊司・個展
    (ステプラーワーク #2008.9)

 会場:ギャラリーたぴお
    中央区北2条西2丁目・道特会館1F(中通り・東向き)
    電話(011)251-6584
 会期:2008年9月22日(月)~9月27日(土)
 時間:11:00~19:00 (最終日は、~18:00まで)

※公開制作スケジュール
   搬入日:21日(日)・13:00~19:00 
   会期中:22日(月)・13:00~15:00 17:00~
         23日(火)・13:00~15:00 17:00~
         24日(水)・13:00~15:00 17:00~
         27日(土)・13:00~15:00 

 (お詫び→お名前を「高橋俊二」と案内板を含めて書いていました。正しくは「高橋俊司」です。失礼しました。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(9・24)

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 (↑:右側から)

○ 緑とウエーブ、そしてホッチキスマン・高橋俊司

 カチッカチッ・・カチッカチッ・・ホッチキスの音だけが部屋にこだましている。
 4種類の写真(10cm×7.3cm)を適当にホッチキスで縫い合わせて、作品が立ち上がっていく。静かに淡々と左手で写真を押さえて、右手でホチキスを操作している。時には作品の周りをうろつき、全体の均整や構築美を確認しながら作業が進むのだろう。二台の照明機が左右から作品を当てる。針の背がキラリと輝く。無数の針がまるでヒマワリの種模様のように意味を込めて流れている。
 来訪者との対応が手を休めることもあるだろう。それは「高橋俊司」という存在が作品の鏡として僕等の視野を覆う時でもある。

 (「何をしているのだろう?」「何が楽しいのだろう?」
 穏やかな人だ。直向な視線がお客に、作品にそそぐ。笑みを浮かべたその顔は可愛い。純な青年の実直さがある。既に五十に達した人なのに。)

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 ↑:正面から。

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 ↑:左側面から。

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 ↑:後方から。


 作品は僕には動物面(顔)に見える。八岐大蛇(やまたのおろち)とか、大きな耳だか角のある鹿顔の骨に色を付けて複成(再生)している感じだ。要するに生き物だ、顔だ。反復と増殖が制作のキー・ワードだろう。高橋さんの場合は均等(等質)拡大が特徴だ。中心点、あるいは中心線(バック・ボーン)が定まっていて、ブレがないと思う。だから、定向進化へとして作品は立ち上がっていく。ウエーブも色も、その全体から受け取るイメージは優しく美しい。作品の中に閉じ込められた反復・増殖のエネルギーは健康的な清しさとして、素直にこちらに迫ってくる。どこかにユーモラスな一面が垣間見える。今展は10年ぶりの個展だとのこと。その充電期間と、今後の展開の余裕が作品にユーモアを生んだのだろう。
 僕は彼の作品に「ブレが無い」と語った。基本は今後もそうだと思う。一方で、表現者としての自信のようなものが、自分の可能性を膨らませたいとうずいている感じがする。その突破口として、今後は「高橋俊二らしくない顔」が時折り出てくるかもしれない。


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 (↑:作業風景。
 あー、何て子供っぽい光景なのだろう。その心の中の静かさ激しさはどんなものだろう。ただただホッチキスの音を聞くばかりだ。)


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 ↑:右側は素材の4枚の写真。
 左上が原板の写真の一部。他は原板を拡大していて、左上の写真の一部が写っている。公園か何処かの沼地が被写体のようだ。


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 ↑:左側は部分図。
  右側は作品の耳の部分のようなところの裏側。写真の裏側は作家のローマ字ズペルが印刷されている。

by sakaidoori | 2008-09-25 12:38 |    (たぴお) | Trackback | Comments(2)
2008年 09月 25日

763) アバウトの写真 17回目  立体展から・鈴木隆彫刻作品

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676) 近代美術舘 ④「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)

 【参加作家】
 阿地信美智  阿部典英 荒井善則 泉修次 伊藤隆弘 柿崎煕 加藤宏子 国松明日香 小石巧 佐々木けいし 下澤敏也 菅原尚俊 鈴木隆 高橋昭五郎 武田享恵 田村陽子 ダム・ダン・ライ 中江紀洋 楢原武正 韮沢淳一 野又圭司 林弘堯 伴翼 藤井忠行 藤沢レオ 藤本和彦 松井茂樹 森川亮輔 山田吉泰 山本良鷹 渡辺行夫
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(6・15)

 鈴木隆、「フェイス」・2008年 180×140×210cm 木材・アクリルカラー。


 何と言っても今回はこの作品です。どうだと言わんばかりの顔です。その顔ににらっみこをしている青年がいるではありませんか・・・、というのは嘘で、会場で楽しんでいた青年に、モデルになってもらいました。有難う。全然知らない若者ですが、僕らはフェイス繋がりになったのです。(以上、本編、676番の記事から)

by sakaidoori | 2008-09-25 10:15 | ★アバウトの写真について | Trackback | Comments(0)
2008年 09月 17日

762) 時計台 「川畑盛邦・展」 9月8日(月)~9月13日(土)

○ 川畑盛邦・展

 会場:札幌時計台ギャラリー 
    中央区北1条西3丁目・札幌時計台文化会館
    (中通り南向き)
    電話(011)241ー1831
 会期:2008年9月8日(月)~9月13日(土)
 時間:10:00~18:00 
     (最終日は、~17:00まで)
ーーーーーーーーーーーーーーーー(9・13)

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 一昨年に続いての個展です。
 画題はイメージの濃厚な風景にデフォルメされた人物画です。今展の大きな特徴はコラージュにあると思います。

 厳密にいつからコラージュを始めたかは知らない。
 5年ほど前にドラールで氏の企画個展が開催された。川畑風の人物群像のの中で、小品のコラージュ作品があった。御自身のやや苦虫をかんだような顔が貼り付けてあった。苦虫顔だが、肩の荷を降ろしたようなくだけた作品でもあった。

 その作品の二つの要素が今展に大きく姿を現したと思う。

 一つは、これが大事なのだが、自分自身の表現のつっかえ棒の様なものから自由になったのでは。「楽しく絵を描く」と言えば誤解を生むが、「~せねばならない」という美術の約束事にそよ風が走ったのではないだろうか。より自己の内発的なものに耳を傾ける、信じるという方向だ。

 一つは、コラージュの素材である「物」そのものを見つめるということだ。
 ご自身が説明していたが、「何かを表現したくて物を集めるのではなくて、その物に触発されて絵が立ち上がっていく」とのことだ。

 だが川畑絵画の場合、コラージュは「絵という創作」の大事な足跡ではあっても、絵そのものではない。心を開いた川畑絵画はどこに行こうとしているのだろう?
 氏の絵画は「人」をどう見るかにあるだろう。人物の多くは「女性」、「自画像」であり「家族」が大きなテーマだと思う。それは個人的家族であり、社会の家族であり、人類一般の家族かもしれない。
 心象的原風景の中で、輪郭しっかりと立つ人物群。物(コラージュ)がそれらに絡みつく。
 二年後の個展、また楽しみにしよう。


 以下、個別作品を載せます。今展の主流から離れた2作品が気になりました。それを中心にします。

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 ↑:「廣嶋市の藤さん」・81×122。
 非常に激しい絵画だ。赤が眩しい。黒が深い。白が異様に主張している。それにこのタイトルだ。「廣嶋」は「広島」ではない。この色とこの写真、タイトルは見る人に「太平洋戦争ー広島ー原爆」を主張しているように思える。
 他の大作とは似ても似つかぬメッセージだ。
 画家の心は右に左にとうごめきながら、意図的主張とは裏腹に表に表れてくる。激しい川畑盛邦の世界だ。マチエールの白でなく、発色強く分厚い白にしたのが絵を飛び越えた作品になったと思う。

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 ↑:「’08-2風景」・P100。
 これまた他とは異質な激しく不思議な絵だ。
 台座の上で横たわり男女が絡んでいる姿だろうか?二人に見えるがそれ以上の群れとも見える。
 「横たわる男女の絡み」といえば、性行為を想定してもいいかもしれない。だがここには官能やそれにまつわる美はない。「人と云うものは誰かと絡まないと成り立たないのだ」という画家の哀しい声とも見れる。
 中央付近で、真横に切られた直線。絵としては危険な行為だ。決断の直線、激しく不可解な絵だ。


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 ↑:「’07-4風景」と部分図・P100。

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 ↑:「’05-5風景」・162×91。


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 ↑:左側、「風景・赤い空」・24×19。
   右側、「金の日、銀の日」・25.5×25.5。

by sakaidoori | 2008-09-17 14:33 |    (時計台) | Trackback | Comments(2)
2008年 09月 17日

761) 案内 「ほくせんアイボリー 石刻画・山田光造展  9月16日(火)~21日(日)・17日18:00~懇親会」

○ 石刻画 山田光造・展

 会場:ほくせんギャラリー ivory(アイボリー)
    中央区南2条西2丁目 NC・HOKUSENブロックビル4階
    (北西角地、北&西に入り口あり)
 会期:2008年9月16日(火)~9月21日(日)
 時間:11:00~19:00 
    (注意。初日は17:00~、最終日は~17:00まで)

※ ミニ懇親会:9月17日(水)、18:00頃~19:00



※「栄通の案内板」⇒今展の経緯の紹介
※ 栄通記の記事⇒
 705) 夕張市美術館 ②「夕張美術館と石刻画・山田光造・展(会場風景)」 7月1日(火)~9月15日(月)
 711) 夕張市美術館 ③「夕張美術館と石刻画・山田光造・展(個別作品)」 7月1日(火)~9月15日(月)

ーーーーーーーーーーーーーー(9・8)

 今日から始まります。
 宣伝が行き届かなくて、来訪者がどれくらいになるのかは気になるところです。それはそれで仕方がありません。

 アイボリーにとっては異例な展覧会になったでしょう。明るい美術館という雰囲気です。
 本日、夕方からささやかなパーティーを開きます。
 山田光造・作品ともども、丸島均の顔を見に来て下さい。


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f0126829_16413318.jpg 栄通のささやかな秋のイベント・第一弾が酒井博史の自宅のライブです。

 引き続いて、第二弾が上記の山田光造・個展のお手伝いです。
 今展と僕との関係は上記の「栄通の案内板」に書いていますので、そちらを読んで下さい。


 山田光造氏が遠隔地におられるということで、氏と道内の関係をつかみかねていましたので宣伝の方が準備不足です。ほとんどコンタクトがないとのことです。
 街中の個展ですので、時間がありましたら立ち寄って下さい。

 16日午前に搬入して、昼からの展示作業です。見れるのはその日の夕方からです。17:00~ということですが、時間は厳密ではありません。

 17日は作家が1日中在廊の予定です。。是非是非、立ち寄って下さい。夕方18:00~懇親会の予定です

 作家の道内滞在期間は、分かり次第報告します。

 最終日(21日・日曜日)は17:00までです。

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 問合せ先
  丸島均 (携帯)090-2873-2250
        (自宅)011-854-4124
        (メール)eituuki☆jcom.home.ne.jp
              (☆を半角の@に置き換えて下さい)


 山田光造氏のH.P.こちら
  上記H.P.内の「安井金比羅宮・著作権侵害差止請求事件についてこちら・・・以上、2012年11月30日追記。


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by sakaidoori | 2008-09-17 11:53 | ★ 案内&情報 | Trackback | Comments(0)
2008年 09月 17日

760)  リンク

 右側の欄にリンクを追加しました。

 項目は美術館・ギャラリー以外です。それらは「栄通記の案内板」に載せています。(もっと追加・整備したいと思っています。だんだんよくなる「栄通記」です。)

 今は知人ばかりですが、拡げて行きたいと思っています。
 上の方にありますが、そのうちに下の方にいくでしょう。

 ちなみに「Ryoさんのイートアート」は「旧ドラールの掲示板」を個人運営に改めたものです。運営は当時のドラール社長・坂本公雄さんです。現在は退職されて悠々自適の生活です。一時はH.P.もお休みしていたのですが、最近は俄然記事が増えて盛り上がっています。写真も多く、綺麗です。僕には承諾を得られなかった作家や公共美術館の写真もあります。まさに美術愛好家の重鎮躍如たる存在振りです。

 坂本さんに「掲示板に投稿してよ」と言われたのが、僕にとっての美術感想記の始まりです。実に勘違いをしての文章内容の投稿でした。想い出深く、大事な発表の場であり人物であります。
 紹介記事に幅があるのはどこのH.P.(ブログ)も同じです。その一言辛口メッセージとともにご愛読下さい。
 

by sakaidoori | 2008-09-17 11:28 | ★ 挨拶・リンク | Trackback | Comments(0)