栄通記

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2008年 08月 31日

745) 円山・CAI 「黄宇哲・展」 終了・8月20日(水)~8月30日(土)

○ 黄宇哲・展

 会場:CAI現代研究所
     中央区北1条西28丁目2-5
     (1条通りを走り第一鳥居を抜け、次の広い環状線を横断。直ぐの左側の中小路に入り、50mほど先の右側、コンクリートの一階建て。)
     電話(011)643-2404 (13時以降)
 会期:2008年8月20日(水)~8月30日(土)
 休み:定休日が日曜日
 時間:13:00~19:00 

 主催:CAI現代研究所
 協力:コンチネンタルギャラリー(樽野真生子、閔 鎭京)

※ オープニング・パーティー:8月20日(水) 18:20~
    (作家本人が来場しますので、お気軽にお越し下さい。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・30)

 1963年 韓国・全羅南道 麗水生まれ。
 1987年 ソウル大学校美術大学絵画科 卒業。
 1989年 ニュー・ヨーク大学校美術大学院 修学。
 1991年 PLATT大学校美術大学院 卒業。(Master of Arts学位)
   現在 45歳


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 四角い部屋の4つの壁への展示。抽象画、人物画、性描写の3部構成。
 欧米の正当美術および現代美術ををしっかりと身につけて、男らしく力強く表現しているという感じです。今の若い日本人にはできそうもない男振りがあります。そういう意味では少し古拙な感じもします。

 例えば、抽象絵画は余白美や東洋美を偲ばせるサム・フランシスを思います。もっとも彼は東洋人ですから、西洋人の感じた東洋美を見て、自信を持って自己の美意識を追求していると言った方が良いのでしょう。
 性描写はピカソを思います。ピカソの場合は先天的に持っている性への憧憬と、死に近づく自分自身を奮い立たせようということがあったと思う。彼の場合はどこか健康的です。日本人の性は情緒的で、中国人は貴族が愛玩物をもてあそぶような所があります。韓国人の性への認識はどんなものでしょうか?
 人物画、これだけ見たら僕には彼の価値は不明だったでしょう。基本的に表現主義的な勢いと、自信に満ちた画家の精神を感じます。若い韓国という国を体現しているような作家です。


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 ↑:今展で最も好きな絵です。確かロダンだったか、「接吻」だか「抱擁」というブロンズ作品があったと思います。それを思い出しました。
 若々しい健康美、女性への素直な愛情、性への尽きない恋慕を思いました。同時に構築的線描の世界です。


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 ↑:作品も余白を意識した作品ですが、全体を組み作品の絵画と見立てて、壁の白を余白美として鑑賞しました。
 熱き抽象とまでは言えないのでしょう、元気の良い抽象絵画です。
 この絵に何を見るか?画家のイメージ?美意識?色と面としての骨格と構成美?僕には正統的西洋画への親和性を感じて距離感を覚えました。要するに、絵画研究の一里塚的作品と理解しています。
 彼はまだ若い。どういう形でオリジナルを表現するかが楽しみです。


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 ↑:人物画。というか顔顔顔顔・・・、です。こういう絵を評価する能力は無いのですが、好きな顔が沢山あります。
 日本人が過去に西洋絵画で取り組んだ痕跡を感じて、親しみがわきます。


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 ↑:ドローイング的性表現。

by sakaidoori | 2008-08-31 23:35 | CAI(円山) | Trackback | Comments(0)
2008年 08月 27日

744) 門馬 「下沢敏也・陶展 ー風化から森へー」 22日(金)~8月31日(日)

○ 下沢敏也・陶展
   ー風化から森へー

 会場:ANNEX & ギャラリー・門馬 (同時開催) 
     中央区旭ヶ丘2丁目3-38
     (バス停旭ヶ丘高校前近く) 
     電話(011)562ー1055
 日程:2008年8月22日(金)~8月31日(日)
 休み:無休
 時間:10:00~18:00
    (最終日は、~17:00まで)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・24)

 今年は実に精力的に発表をしている。
 つい先日のコンチネンタルに次ぐ直ぐの発表だ。

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 細い通路に12個の作品が綺麗に並べてあり、外のベランダには2mを越えるノッポ・オブジェ、木立の中には先日のコンチネンタル作品が置かれている。
 タイトルは「風化から森へ」。細い「通路(風化)から、野外(森)へ」ということだろう。
 
 「風化」に見立てられた通路の12個の作品に注目したい。
 何とも可愛い。お地蔵さんみたい。赤い前垂れを着せたくなる。
 お地蔵さんではあるが、卒塔婆や墓石でもある。もっとも、外のノッポ・オブジェも基本的には同じだろう。より擬人化が進んだ霊魂(幽霊)だ。

 基本的に同じ考えに基づいた、小なる作品とノッポなる作品。それら全体で陶芸家・下沢の現在の心境だろう。以前は墓石そのものと、その中ばかりを見ていた。中でうずくまり、四隅の暗がりの傷に神経を集中していた内向きの作家がいた。それでは人生がつまらないと思ったのか?古き墓石から、軽くはみ出して外を歩こうとしている。
 12個の小品は自己の分身と言えなくもない。少しづつ歩みながら、外に出て自然の中に入って楽しんでいるようだ。「風化」とは否定の意味よりも、今を肯定する為の過去の「抜け殻」のよう。
 12個。それは月の数とも言える。干支の数とも言える。月日の流れの視覚化だろう。

 当分はすらりとした立ち姿でその辺を徘徊するのだろうか?あるいは破壊や激変の波に自分をさらすのだろうか?

 白味が美しい地蔵達。鉄板の腐食と重なり絵のようだ。割れ目模様は銅鐸の動物にも見える。
 美しく可愛い地蔵達。


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 ↑:門馬邸玄関には3本の作品が立っている。あたかも昔からそこにあるような作品だ。

 下沢作品の特徴の一つに、自己顕示欲を抑えて他者と同化したいということがある。氏が2人展やグループ展を多く開くのもそういう訳だと思う。今回は門馬・玄関(ギャラリー)との一体感だ。自己表現という緊張の緩衝的役割をしているのだが、危険性も秘めている。装飾偏重になったり、「協調」の為に「主張」を不問にしがちになることだ。

 そうは言っても、表現者は「主張」と「協調」の森という怪しげな通路を歩むしかないのだろう。

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 ↑:玄関の展示物。花器のようなオブジェです。


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by sakaidoori | 2008-08-27 13:40 | 門馬・ANNEX | Trackback | Comments(0)
2008年 08月 27日

743) 門馬 「合田尚美・展 #6」 終了・8月12日(火)~8月20日(水)

○ GODA NAOMI(合田尚美)・展 #6
   ~a report of ISTANBUL~ 

 会場:ギャラリー・門馬 ANNEX 
     中央区旭ヶ丘2丁目3-38
     (バス停旭ヶ丘高校前近く、その辺りに赤い看板あり。) 
     電話(011)562ー1055
 日程:2008年8月12日(火)~8月20日(水)
 時間:13:00~19:30

※ パーティー:8月17日(日) 14:00~
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・20)

 合田さんの特徴は小さくてもキラキラと輝くものへの賛歌です。

 それは、「植物」、そして「種」として多く表現されます。当然、「いのち」と云うことが大きなテーマです。作品は良くも悪くも美しくて可愛い、素直です。

 今回は生命を大きなドラマの中で表現しようとしています。
 イメージは宇宙創成を踏まえて、生命誕生の源である「水」、時間は一気に流れて「動物としての魚」へと進みます。生命の誕生と進化、過去・現在・未来です。

 (生命誕生は自然現象の大いなる奇跡の一つです。それが今日まで連綿と続いています。奇跡を通り越して神秘と言いたい。もちろん、宇宙は広い。他にも生命体はいるかもしれない。だが、傲慢なる我等の知見では、まだ彼等を認識出来ない。地球の生命の不思議さは増すばかりです。)

 「生」の裏側には「死」があります。薄気味悪く、人を不安の底に落とす「何か」があります。
 残念ながら、合田・インスタレーションでは、この不可知の闇はあまり表現されていません。そこに不満を抱く人はいると思います。深みにかけている面かもしれない。課題の一つだと思います。

 一方で、素直に明るい部分を強く前面に出す姿勢に、めまいを覚えます。実にサッパリしている。合田作品への不満は、微笑みを伴って返ってきます。

 明るく素直に一点を見詰める目、合田インスタレーションです。

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 ↑:今展は大きなインクジェット・プリンターが主要な脇役です。
 スライムをアメーバー状に滴らして、生命誕生期を表現。
 印刷物を丸めて、命の住みかにしています。中には蝋燭が灯されて夕闇に輝くのを待っています。(案内状には夕方6時半以降がお奨めとありました。)

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 ↑:門馬邸で一端休憩して、暗くなっての再訪です。会場までの道のりが暗く、少しねっとりとした感じです。日本のお盆シーズンそのものです。
 会場は暗がりに色を伴って静かに灯火が点在しています。一瞬「灯篭流し」を連想してしまいました。
 ですが、明るい。前向きです。川の向こうに流れては消える存在ではありません。夕闇の森の中の不ぞろいの樹々です。一つ一つが合田尚美で、心の中の宝物が輝いているのです。日の出を待っているのです。
 「生命の誕生」と大仰に言うよりも、可愛い「うぶ声」です。

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 ↑:驚きです。筒の中には本当に生き物を置いているのです。めだかのような小魚です。この、余りにストレートな正直な表現、これが合田尚美です。


f0126829_10223220.jpg インスタレーション作家はもっともっと社会にアピールしていかねばいけないと思います。場所をいとわず自己宣伝をして、自分の美学・思想を発揮してもらいたいと思う。
 もっともっと、他の場所でも自分を試す姿を見たいものです。

 
※ 参考サイト⇒2007年の個展

by sakaidoori | 2008-08-27 10:54 | 門馬・ANNEX | Trackback | Comments(2)
2008年 08月 26日

742) サイクリング・ロード 「トンネル壁画 (原田ミドーのデザイン・監修)」

 残暑なき最近ですが、今日はいつになく良い天気でした。
 お日様に誘われて、御馴染みのサイクリング・ロードを散歩です。あてはないのですが東へ東へと、今日の最終地点は厚別南白樺公園でした。
 途中いろいろと散策したのですが、あれこれ語っていたら本題を忘れそうです。

 地下鉄大谷地駅と北星学園大学の間に、上を高速道路が走っている長いトンネルがあります。58mです。そのトンネルに彫刻家・原田ミドー君のデザイン・監修によるタイル壁画があります。北面は昨年完成したのですが、ご好評につき?南面も。市民のタイル貼り作業が無事終わり、堂々と全面的に完成しました。

 だらだらとその壁画を載せます。お付き合い下さい。
 何せ58mです。しかもタイトルは「人生」です。人生の長さに比べたら58mなど何程のこととは思いますが、たいした作品です。北面は七色模様模様でカラフルですが、こちらは白と赤で、渋く突き抜ける開放感があります。


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 ↑:チョッと休憩。同じ画面ばかりでは飽きることと思います。
 今日はトンネル落書きの消去作業をしていました。物々しいいでたちでのペンキ塗りです。ご苦労さん!

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 どうもでした。途中2枚省略しました。
 まるで人生すごろくです。白いタイルに人形を乗せて、サイコロで人生の一齣一齣を進んでいくのです。

 北面壁画も直に載せましょう。触りだけでも載せておきます。

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by sakaidoori | 2008-08-26 21:19 | ★その他 | Trackback | Comments(0)
2008年 08月 26日

741) 時計台 「荒巻かおる・お久しぶり展」 終了・ 8月18日(月)~8月23日(土)

○ 荒巻かおる・お久しぶり展

 会場:札幌時計台ギャラリー ・1階A室
    中央区北1西3 札幌時計台文化会館
    (中通り南向き)
    電話(011)241-1831
 会期:2008年8月18日(月)~8月23日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日は~17:00まで)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・)

 明治30年(1897年)11月15日 茨城県水戸市に生まれる  
          大正の終わりに小樽市に渡り、先代荒巻熊次郎の事業を継ぐ
 昭和 2年(1927年)  荒巻組(土木砕石業)代表社員
 昭和19年(1944年)  事業の中心を札幌に移し、北建工業㈱を創設
 昭和24年(1949年)  札幌自動車運輸㈱を創設
 昭和44年(1969年)  若き頃からの夢であった文化事業を発心。
                札幌時計台文化会館を建設、当館理事長に就任
 昭和46年(1971年)  月間美術誌「21 ACT]創刊
 昭和49年(1974年)  「かおる文庫」創設 「札幌時計台文化会館美術大賞」設定
 昭和52年(1977年)  新春恒例の橿原神宮参詣ののち東京に倒れ入院
 同年3月19日午前4時25分  永眠 享年81歳 

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 おそらく画家は田中角栄のような土建屋であったろう。ただ角栄は中央に進出し首相の座を射とめた後、公的には失脚し公認の影の権力者を維持し、最後は失墜した。
 荒巻かおる(芳)氏は地方の名士で止まり、本職の事業以外は裏方を好んだようだ。その一つが札幌(北海道)美術界への支援だ。いわゆるパトロンである。今では企業の支援活動をメセナと言うが、個人の顔が強い分、「パトロン」と語ったほうがふさわしいだろう。

 そして、支援活動という外野からの応援ではなく、荒巻氏ご自身が絵を嗜んだのが大きな特徴である。
 
 会場に居られた関係者によると、画家は60過ぎてから描き始めたとのこと。残念ながら展示作品の制作年代が不明なので、技術の上達や画題や画趣の関心の移り変わりや深まりを確認することはできない。
 ご子息、荒巻義雄氏が父の絵を評して「素人の絵」と語っている。 
 確かにその通りだと思う。だが、絶筆を見た時、「やはり絵描きだなー」とつくづく思った。DMの大通の人の居る冬景色も良い。
 以下、作品紹介します。オーソドックスな作品は撮らなかった。多くは「素人の風景画」ではある。しかし、「絵画的探究心」が制作に見える。心の安らぎや、楽しみを求めるだけではなく、自分なりの「絵画の可能性」も視野に入れていたようだ。そういうのが感じられる作品を載せます。


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 ↑:「絶筆」・F8。
 他の作品とは異質な作品です。色の組み合わせが全然違う。暗い雰囲気の中で人に着目している。暗いが若い絵だ。画題は外国の路地裏の庶民であろう。対等な目線で彼らを見て彼らの生活感と、画家の前向きな情念がうまく絡み合っている。
 
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 ↑:「雪の日」・P15。
 晩年の作品だと思います。詩情豊かな絵です。故郷、それも雪のある札幌を慈しんでいる絵です。人のたたずまいがどこか古風ですが、何ともいえない力強さとロマンが漂っています。
 ある人はこの絵の噴水に「冬にこんな光景があるのか?」と疑問を投げかけたそうです。あー、絵は嘘なのです。嘘を前提にした美学であり、思想なのです。画家が冬に噴水を描かざるを得ない心情に思いを馳せなければならいのです。たとえそれが上手くいかなかったとしてもです。


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 ↑:左から、「街」・F6。「セビリアの風景 =スペインー」・P8。


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 ↑:左から、「野原の道 デンマルクの田園風景」・F6。「ブタペストの坂道」・F8。


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 ↑:左から、「塔」・P20。「タジマハール」・F12。


f0126829_1128318.jpg →:武石文樹氏画、「荒巻芳氏」・F30。

by sakaidoori | 2008-08-26 11:56 |    (時計台) | Trackback | Comments(0)
2008年 08月 25日

740) たぴお ①「BOOK’S ART 展 5」  8月18日(月)~8月30日(土)

○ BOOK’S ART 展 5

 会場:ギャラリーたぴお
    中央区北2西2・道特会館1F
    (中通り・東向き)
    電話(011)251-6584
 会期:2008年8月18日(月)~8月30日(土)
 休み:24日(日)
 時間:11:00~19:00

 【参加作家】
 中森秀一 林教司 藤井啓 藤川弘毅 益村信子 のっち 参考コーナー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・22)

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○ 林教司
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 こういうのを林さんに作らせるとピカ一ですね。
 熟考3年、思い至れば「エイ、ヤァー」で出来上がりという作品です。

 左からー
 コンクリート・ブロックを優しく加工しての華美な本。細身の貴婦人をイメージしています。
 枕木による重厚な本。聖書。自画像です。
 薄く透き通るような紙による本。「所詮本とは軽い物さ」と、言っているようです。「あー、軽くて薄くて美しきものよ」とも、言っています。
 鉄の塊と鉄板で封印された「妙法蓮華経」。これは本当に重たい。
 ブダの意味は重い。本当は黄金の塊の箱に入れるべきブダの箴言、鉄の人・林教司が金の代わりをしているのです。自画像の反対です。願望、諦念・・林さんの人生の縮図かもしれない。

○ 中森秀一
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 美しく製本された豪華本?。
 本の題名は下段右側から、「それから」、「檸檬(レモン)の香」、「草の枕」、「失われたなにを求めて」、「つゆのあとさき」。

 もう分かりましたか?有名な小説のタイトルを引用したり、少しばかり改題してエロスを表現しているのです。このタイトルを読むことによって、洒落た笑いを誘っているのですね。当然、鑑賞者は中年男性を想定しています。「いやらしい本だぜ、えへへへ」。知的なスケベ本です。

 上段の題名は同じく右側から、「みだれ髪」、「主婦の友」。

 期待を込めて中を開いてもダメです。何も描かれていません。
 所詮エロスとは非道徳とか禁忌とかいう、「~するな!」という禁止や否定が前提にあって、裏返しの願望や妄想の産物なのです。そこにスケベな絵はいらないのです。

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○ 藤井啓
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 まるで恋文を収めるような、手作りの封筒です。二つの封筒に収められる、二つの翻訳詩。長めの二つ折りの封書には詩がしたためられ、裏の置く書きには翻訳者と装丁者が書かれています。ただそれだけです。

 書かれた詩は象徴詩というのでしょうか、荘重な筋立てです。この文章を書く為に三度ほど朗読をしてみました。朗読に耐える翻訳です。いかなる詩も朗読しにくいものはダメだと僕は思っています。

 壮年男性の荘重なる恋文・ブックス・アートです。このロマン主義が僕には羨ましい。

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○ 益村信子
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 いささか男の美学偏重の中にあって、かーるくふうわりと展示されています。見てご覧のとおり、「そのまんま東君」のような作品です。
 この作品のテーマには全然関係ないのですが、カバーで覆われた本は「少年少女・新世界文学全集」です。
 始めはただ微笑んでばかりいる作品ですが、だんだんともらい泣きをしたくなる心境です。見る僕が歳なのですね。


f0126829_23392286.jpg 小さなグループ展ですが、②に続くということで。それぐらい僕はこの展覧会を堪能したのです。
 たぴおは街中です。是非是非立ち寄って下さい。



②に続く

by sakaidoori | 2008-08-25 14:42 |    (たぴお) | Trackback | Comments(4)
2008年 08月 25日

739) セントラル ②「2008 日本画の「現在」展(企画・柴橋伴夫)」 8月12日(火)~8月17日(日)

○ 2008 日本画の「現在」展
    『北に大地より新しい波(ウェーブ)
     日本画の今と「未来」を問う』

 会場:大丸藤井セントラル 7Fスカイホール
    電話(011)231-1131
 会期:2008年8月12日(火)~8月17日(日)

 【参加作家】 (性別 出生年・出身地 推定年齢 学歴等 現住所)

 駒澤千波  (女性 1980年札幌 28歳 道教育大学 札幌)
 朝地信介  (男性 1976年函館 32歳 道教育大学 札幌)
 羽子田龍也 (男性 1970年東京 38歳 東京芸術大学 岩見沢)
 平向功一  (男性 1964年函館 44歳 道教育大学 札幌)
 西谷正士  (男性 1963年金沢 45歳 金沢美術工芸大学 登別)
 小林文夫  (男性 1955年京都 53歳 北大理学部 札幌)

 伊藤洋子  (女性 1953年札幌 55歳 道女子短期大学 札幌)
 笹山峻弘  (男性 1946年礼文 62歳 札幌工業高校 札幌)
 羽生輝    (男性 1941年東京 67歳 道学芸大学釧路校 釧路)
 内崎さき子 (女性 1937年江別 71歳 東京にて修行 江別)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・12)

○ 駒澤千波
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 ↑:「昼が一番長い日に」・175.0×110.0cm 3枚組み。

 作家の言葉によると、「境界をテーマに制作しています。境界とは『物と物とが相接する箇所』であり、私は『二つの世界が交差する瞬間』だと解釈しています。夢とうつつ、意識と無意識、日常と非日常など、ふたつのものや世界が繋がる瞬間ということに興味があり、それを表現したいと考えています。・・・。普段見慣れた場所や時間に突如違和感を覚える瞬間、視点が変わることで生まれる、新しい世界の境界。そんな不思議な心地良い感覚を表現したいという思いが、現在のテーマの原点になっています。」

 以前の絵画はその境界を、中央の人物を覆うようにして表現していた。その黒はまるで背後霊・守護神のような雰囲気だった。色を魅せる駒澤絵画が変身し始めた。それ以来、以前のような天真爛漫な動物達の姿は可愛く登場しているのだが、どこか遠慮がちだ。しかし、黒そのものの境界は魅力的だった。
 今展では「水」にこだわっている。技法と表現の発見・追及の痕跡だろう。

 ところで、境界をテーマにすることと、画面全体が渋く暗くなることとは別のことだと思う。乱舞する色の世界でも境界はあるし、表現できると思う。カラー・ウーマンである作家はぐるぐる廻っている。黒に磨きをかけ、水に思いを致し、再びカラーの世界が見れるかもしれない。そして、再び暗くなるかもしれないが。


○ 朝地信介
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 ↑:「成長する構造 Ⅲ」・181.8×227.3cm F150。

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 ↑:「或る表現型 Ⅰ」・97.0×162.0cm M100。


 大きな絵だ。
 意力、気力、充実した絵だ。何よりも、その「男ぶり」が良い。
自分自身のイメージがどこまで膨らむかを試しているようだ。膨らんでいく自分のエネルギー。画家だからそれが形となる意味を問わなければならないのだが、まずは吐き出す、形にさせる、その「形」の生命力を楽しんでいるようだ。

 画家はウイットに富んだ面を持っている。今はそれらは裏に隠れている。もう一つの彼、ユーモア精神の「朝地信介」は大蛇の如き作品の前で何てつぶやいているのだろう?ニヤニヤしてその出番を待っているだろう。その時はより壮大なドラマが展開するかもしれない。


○ 羽子田龍也
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 ↑:中央の大作は「曇天の日陰の中で」・2007年(院展入選作) 181.8×227.3cm F150。
 左側は、「WEAPON」・127×99cm。右側は、「TOY」・同。

 作家の言葉によると、表現の移行期と正直に打ち明けている。
 今回の展示作品、見事な風景観照画と女と小道具による今風様式だが、決して挑発的な意図ではないとのこと。
 図録にも紹介されているが、以前は「風景画」を描いていた画家だ。北海道に住んで2年(現在は教育大学岩見沢校の日本画研究室で教鞭をとられているのでは)、飽きることなく北海道の自然を描けると思ったのだが、自然に対する興味が薄れたとのこと。現実の北海道の風土を前にして、風景感が変わったのだろう。
 そして、不得手であった「人物画」に描きたくて仕方がなくなったと語っている。「『憧れ』の移行期」とも語っている。

 問題は「憧れ」としての画題の移行が、「憧れ」る自分自身への眼差しの深度であり、それがどう絵として表現されるかだろう。
 直ぐには結果は出てこない。
 31歳という若さで、春の院展に入選した実力者である。揺れる「羽子田龍也」の展開を楽しみにしよう。

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○ 平向功一
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 ↑:左から、「ワンダーランド ~カメレオンアーミーの逆襲」・162.0×162.0cm S100。「ワンダーランド」・116・7×91・0cm。「ワンダーランド ~竜宮への招待状~」・145.5×145.5cm S80。

 「ワンダーランド」、誰も居ない闇夜の遊園地?動物園?。
 面白く、どこか冷ややかで「人間」を寄せ付けない動物達。
 動物の「目」がこちらを見ている。黒く輝いて・・・。

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○ 西谷正士
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 ↑:「間垣の里」・130.3×324.0cm。

 作家の言葉に「道」をテーマに制作しているとのこと。
 画家が「道」を描いていたのは知っていた。
 今展の大作も「道」を描いている。僕が画家に求めていたもの、期待していた道とは違っていた。今作は風景の一部としての「道」であり、「風景」全体を問い直すという感じだ。

 僕の「西谷・道」への親近感は、描かれた道に寄り添うように、あるいは道の向こう側に言い知れぬ別の世界があるかのような描きぶりにあった。その絵画空間は黄泉に続いているようで不安で胸が締め付けられたこともある。絵の中に別次元の空間を感じる喜びでもあった。

 今作は、絵画的空間よりも「時間」を重視しているようだ。今、風景としてそこにある存在(自然)の力強さ、尊厳。それは今作られたのではないのだ。人が関わり、時ともに成ったのだと主張しているようだ。
 全体の存在の重さの為の「道」のようだ。

 他の5名は③に続く

by sakaidoori | 2008-08-25 12:18 | 大丸藤井スカイホール | Trackback | Comments(0)
2008年 08月 21日

738)セントラル ③「2008 日本画の現在・展(企画・柴橋伴夫)」 終了・8月12日(火)~8月17日(日)

○ 2008 日本画の「現在」展
    『北に大地より新しい波(ウェーブ)
     日本画の今と「未来」を問う』

 会場:大丸藤井セントラル 7Fスカイホール
    電話(011)231-1131
 会期:2008年8月12日(火)~8月17日(日)

 【参加作家】 (性別 出生年・出身地 推定年齢 学歴等 現住所)

 駒澤千波  (女性 1980年札幌 28歳 道教育大学 札幌)
 朝地信介  (男性 1976年函館 32歳 道教育大学 札幌)
 羽子田龍也 (男性 1970年東京 38歳 東京芸術大学 岩見沢)
 平向功一  (男性 1964年函館 44歳 道教育大学 札幌)
 西谷正士  (男性 1963年金沢 45歳 金沢美術工芸大学 登別)

 小林文夫  (男性 1955年京都 53歳 北大理学部 札幌)
 伊藤洋子  (女性 1953年札幌 55歳 道女子短期大学 札幌)
 笹山峻弘  (男性 1946年礼文 62歳 札幌工業高校 札幌)
 羽生輝    (男性 1941年東京 67歳 道学芸大学釧路校 釧路)
 内崎さき子 (女性 1937年江別 71歳 東京にて修行 江別)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・12)
 
○ 小林文夫
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 ↑:左から、「叢」(くさむら)、「寒」・ともに180×130cm。

 作家の言、「私は、なにより力強い構成、美しい発色、流れるような線が表現できるように、日夜筆を動かしております。ただ、描いてみたいものは沢山ありますが、自分のテーマ、スタイルがなかなか定まりません。・・・。」

 暗と明、中に入り込んだ世界と遠方からの景色、対比的な2点1組の構成。オーソドックスの構成、写実的な描写、几帳面な線の追跡は力強さよりも、あるがままの世界からもう一つの向こうの世界を軽く垣間見ようという感じです。
 かすかにでも、どこかにブレというのか破調のないのが個人的には物足りない。「力強く、美しく、流れるように」、難しいテーマだ。


○ 伊藤洋子
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 ↑:「アルプスの庭園の秋」・97.0×145.5cm P80。

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 ↑:「ベルベレーデ宮殿の庭からの羨望」・同上。

 作家の言葉から、「・・・近年私はヨーロッパをテーマに制作していて、歴史ある土地に生活している人の人生が感じられる町の空気を描きたくて取材に訪れています。・・・」

 驚いたことがあります。今作に「人」が描かれていることです。
 2004年の大同ギャラリーの個展を見た時、やはりヨーロッパの街並だったのですが、「人」がいなかった。唯一、街のポスターに描かれた人(人形?)を間接的に描いていた。「人」を描くことにこだわりのある作家だと思う。おそらく、生身の人を描かないで人間の結果としての街並をいかに表現するかがテーマだと思う。以前の街並は美しいが冷え冷えとしていた。「歴史的産物としての化石の街並」と「人間臭い現実の街並」、この両極端な狭間で作家自身の位置を確認しているようだ。
 今、景色として「人間」を描き始めた。言葉としての自己説明とは別に、描くことの何かをつかんだのだろうか?

 油彩画のような絵です。特に輪郭が不鮮明な木々は洋画家・白鳥信之氏の影響を感じます。白鳥氏が求めている精神性やロマンと合い通じるものがあるかもしれません。


○ 笹山峻弘
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 ↑:「聖地へ Ⅰ・Ⅱ」・墨 岩絵具 177×88cm。

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 ↑:「KHAJURAHO」・55.5×91.5cm。

 すごい迫力です。「聖地へ」はチベットのポタラ宮でしょう。数ヶ月前に、笹山さんはチベット取材旅行による大作絵画を発表していました。(僕はその絵をここで見た後、あのエレベーターの中で『飛蚊症』を発症してしまった。そして現在進行形で不便でたまらない。忘れることが出来ない「笹山・宗教絵画」です。)

 マンダラと寺院と丘と・・・。今展の作品は笹山さんにとっては小品の部類でしょう。モノトーンの墨絵がセールス・ポイントだと思います。マンダラで表現された宇宙の根本原理を雄大な現代絵巻物として絵画化しているのです。
 毎年のようにインド近辺に取材に行き、胆力でドラマを仕上げていくのです。壮大な様式美も感じますが、こういう画家が北海道にもいるとは驚きです。出身地の利尻島には公共施設に氏の作品があるとのことです。


○ 羽生輝
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 ↑:「海霧(07.オダイト)」・2007年 板に彩色 181.8×227.3cm F150。
 笹山さんと全く別種の迫力です。岬が空に聳えている。実に大きい、存在の尊厳さがある。アメリカ・インディアンの住まいのような建物があります。人がそこに居るのです。人の住まいは小さいが、しっかりと大地にへばりつきながらも生きている、という感じです。気力充実した快作だと思う。

 「オダイト」とは尾岱沼のことでしょうか?「ota-etu:オタ・エトッ:沙・岬」。実在の尾岱沼というよりも、空想が生んだ土地への賛歌のようです。


○ 内崎さき子
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 ↑:「八ツ目鰻の頃」・2008年 194.0×130.3cm F100号。
 作家の言葉によると、寒さが厳しい頃に石狩河口で八ツ目ウナギの最盛期を迎えるそうです。
 ・・・ ・・・。驚きです。八ツ目ウナギ漁が内崎さんの住まわれている江別の川筋でおこなわれていたのですか!そもそも八ツ目ウナギ漁など考えたこともありません。今は・・・?調べてみなければ分かりませんが、おそらく捕ってはいないのでは・・・。
 語り部としての「絵画」です。
 作品は光に当たる朝靄での古き道具。古きを訪ねては回顧調に溺れず、写実による未来への希望を描いています。「この絵の場所に見に来い!」と言っています。江別側の石狩川筋、見に行きましょう。

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 ↑:「冬のアカシア」・2007年 第81回道展入選 194.0×130.3cm F120号。



 

by sakaidoori | 2008-08-21 22:12 | 大丸藤井スカイホール | Trackback | Comments(2)
2008年 08月 21日

737) 市民ギャラリー ②「七月展」 終了・8月13日(水)~8月17日(日)

○ 七月展
    (北海道教育大学札幌校 岩見沢校・学生展)

 会場:札幌市民ギャラリー ・1館全室
     中央区南2条東6丁目
     (北西角地)
     電話(011)271-5471
 会期:2008年8月13日(水)~8月17日(日)
 時間:10:00~18:00(最終日は、~16:00まで)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・17)

 ここでは比較的高学年の学生作品を載せます。

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 ↑:2年(空間造形)・森本めぐみ、「さよならをいう」・古着 種子。
 先日の紀伊國屋・グループ展と同じテーマです。こちらの方が引き締まっていて好きです。そして、前回は自然光にさらされていましたが、今回は光沢のある黒い床での人口光。やはり、自分自身の過去に「さよならをいう」決意は暗い自室での内省から生まれるものです。いたましくも破られた古着が少女への決別の意思でしょう。
 皿の中の種子は、乳房の乳首に見えてしまう。当然、エロスよりも生命の誕生を小さくても叫びたいのです。微笑ましい!この辺に僕との年齢差、性差を感じます。可愛らしさもありますが、大きく花開いてもらいたい。

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 ↑:4年(油彩)・中里麻沙子、「Beautiful sunday」・油彩 キャンバス。
 写真で見れば緑深き樹林ということが直ぐにわかります。
 しかし、原画の瞬間印象は、分かりにくい抽象画でした。大きな画面にいろんな緑色がのた打ち回っているという感じ。けっして、殴り描きではなく、濃いい緑が画面が深い。
 中里さんは以前にも見ていて知っています。勢いが過ぎて勇み足のところがあり、それはそれで若さだから良いのですが、どういう具合に深めていくのかが気になっていました。今作は技術的なことは分かりませんが、迫力・凄みがあり、気に入った作品です。


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 ↑:左側、院1年(油彩)・久山春美、「green」。
 さわやかな綺麗な絵です。メルヘン調で色のもこもこ感、線路の円と線が印象的でした。
 
 ↑:右側、2年(油彩画)・三戸唯、「そこから」・油彩。
 ノスタルジックな色合い。どうして若い人が想い出をノスタルジックに描くのかはわかりません。でも、「フフフッ」と微笑んでしまいました。


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 ↑:4年(油彩画)・白瀬このみ、「やすらぎ」。
 この絵には困っています。
 というのは、写真をブログに貼る為にファイルを開くのですが、その度にこの若い女性の横顔が真っ先に目に入るのです。頭に焼き付いてしまいました。
 自分好みは丸ぽちゃな顔の輪郭の方が好きなのです。見るだけとなると、顎のとがった楚々とした顔に惹かれるのですね。僕の場合は。
 絵は少し古風な感じですが、人物顔に惹かれての紹介です。


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 ↑:3年(油彩画)・湯田慶子、「Distilled Green」・油彩。
 手前を極端に大きくしているのと、いろんなトリックが関心を呼びました。タイトルは「搾り出された緑」で良いのでしょうか?緑や画面がうねっています。

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 ↑:3年(版画)・舩橋(ふなはし?)渚美子、「色」油彩。


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 ↑:院1年(油彩画)・齊藤由貴、「目覚め」・油彩 キャンバス。
 いつも印象的なムードです。ぼやけた世界に裸婦と青。


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 ↑:院2年(油彩画)・今里東子、「それから、ふと思い出した。」油彩 キャンバス。
 心象風景です。海をピンクとして見る!僕には出来ない。空をピンクに見る。山をピンクに見る。全てをピンクで見る。時々訓練することにしよう。


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 ↑:左側、3年(日本画)・須藤陽子、「montsuki」・日本画 紙本彩色。
 教育大学の日本画の伝統は一度は途切れました。関係者が、「これでは遺憾」と思ったのですね。こうして学生の日本画を楽しむことが出来るのです。
 日本画指導は単に日本画を描く人を育てるに止まらないと思う。日本画の持つデザイン性、装飾性、輪郭線の強調、空間感覚は彼らが何らかの美術の指導者になった時には有益でしょう。他の分野の表現者にも刺激を与えるでしょう。それに、日本画を描く人の絶対数が減れば、画材の供給の面でも不便をきたすでしょう。
 と云うわけで、齊藤陽子さん!期待を一身に背負って下さい。

 ↑:右側、3年(油彩画)・高木瑛、「しがらみ」。


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 ↑:4年(油彩画)・門間真貴子、「四十日と四十夜」・ゼラチンシルバープリント。


 だらだらと、記事と作品を載せました。もっと載せたいのですが、今年はこれまでということで。作品掲載は一応関係者の承諾は得ましたが、クレームは個別対応したいと思います。
 それと、目録はしっかりしているのですが、作品のサイズも明記して欲しい。
 それでは。

by sakaidoori | 2008-08-21 14:04 | 市民ギャラリー | Trackback | Comments(0)
2008年 08月 21日

736) 山の手 「ダム・ダン・ライ&鈴木比奈子・2人展」  7月29日(火)~8月21日(木)

○ ダム・ダン・ライ&鈴木比奈子・2人展
    ~色彩のダンス~

 会場:ギャラリー山の手
    西区山の手7条6丁目4-25・サンケンビル1階
    (発寒川に面す。)
    電話(011)614-2918
 会期:2008年7月29日(火)~8月21日(木)
 休み:日曜・祝日&8月13・14・15日
 時間:10:00~17:00
ーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・1)

 ダム・ダン・ライ君はそれなりに「栄通記」に登場しています。これからも頻繁に載せたいと思っています。ですから、初登場の鈴木比奈子さんの作品を中心に載せたいと思います。

 まずは会場風景から。

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 ↑:以上、ダム・ダン・ライ。

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 ↑:以上、鈴木比奈子。


 総合タイトルは「カラー・ダンス(色彩のダンス)」。
 会場はだいだい色系の赤が渋く軽く踊っている、という感じです。七色を発散させて、狂乱の演舞劇ではありません。ライ君が安定的な朱の色合いで、ダンスのリーダーのように鈴木さんを引っ張って、鈴木さんがその手の平の中で自由に踊っている。


 それでは、鈴木さんはどんなダンスをしているのでしょう?以下、鈴木比奈子作品

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 ↑:左から、「今宵の力は」・アクリル。「駆 3」・アクリル。

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 ↑:「駆 4」・アクリル。

 ※ 北海道恵庭市生まれ
    小樽市潮陵高校、筑波大学芸術専門学群卒業

 会場には鈴木さんのオリジナルの絵本がありました。僕はほとんど読んでいないのですが、鈴木さんは物語の流れで絵を描いている感じです。あるイメージが自立して絵本(物語)になっていくのでしょう。絵も始めはイメージが出発だと思いますが、描けば描くほど思いが溢れてきて、色が膨らみ、不可思議な生き物がキャンバスを動き回るのでしょう。特に「鳥」を好んで描いています。自由の象徴かもしれません。
 イメージがメルヘンを育てて、50過ぎの僕には少しロマンチック過ぎる感じです。若い女性が自由に振舞っているのに、眩しくて少し圧倒されます。好き勝手な自由さ、やはり新鮮です。次はどんな世界を見せてくれるのだろうという好奇心も生まれます。

 鈴木さんは関東に在住。昨年ここで個展をされた鈴木吾郎さんの娘さんです。ですから、定期的に古里の小樽に帰省するとのこと。今後は今展を良い機会に、地元・北海道でも定期的に発表したいと意欲を語っていました。それはとても良いことです。グループ展などの出品を通して、「鈴木比奈子・物語」をどんどん羽ばたかせてください。

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 ↑:左から、「とぶゆめ」・アクリル 色鉛筆。「WOMAN」・アクリル 色鉛筆。


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 ↑:左から、「Image 1」、「image」・アクリル 色鉛筆。

by sakaidoori | 2008-08-21 01:16 | 山の手 | Trackback | Comments(0)