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2008年 06月 30日

679) 市民ギャラリー ②「63回・2008年 全道展」 終了・6月18日(水)~6月29日(日)

○ 63回・2008年 全道展

 会場:札幌市民ギャラリー ・全館
     中央区南2東6・(北西角地)
     電話(011)271-5471
 会期:2008年6月18日(水)~6月29日(日)
 休み:月曜日
 時間:10:00~18:00(最終日は、~16:30まで)
 料金:一般?・800円(前売り・600円) 学生・?

 主宰:全道美術協会 北海道新聞社
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(6・24)

 ①では力強い好みの作品を載せました。②ではくだけた好みの作品を載せます。③まで予定しています。

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 ↑、一般・千葉加菜子、「金魚(artificial)」。
 「金魚風、わざとらしい顔(もしかしたら自画像)」ということでしょう。
 単にコミカルなだけで、もっともっと工夫があればと思うのですが、こういうのを見ると頭がすっきりします。
 どんな工夫かというと、例えば魚眼レンズ的表現で、トリック臭さと薄気味悪さを誇張するとか・・・。

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 ↑:北海道新聞社賞・一般・向川未桜(函館市)、「心の淵」。
 きっと誰でもが思うのでしょうが、リズム・流れがいいですね。

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 ↑:会員・川本ヤスヒロ、「生⇔死」。
 僕は日本人の描くシャレコウベ(轆轤)はあまり好きではない。リアリティーが欠如しているのだ。多分、轆轤を枕代わりにする日本人が少ないからだと思う。本物の死体が遠いのだ。
 川本・作品のそれも見始めは好きではなかった。だが、最近の死の轆轤には可笑しさというのか、狂言的な泣き笑いが見れて、楽しませてもらっている。


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 ↑:会員・板谷諭使、「風が南に変わった」。
 軽さと、何を描いているのかが分からないフニャフニャ感が魅力。


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 ↑:一般・佐藤道子(美深市)、「まつり」。
 多分、昨年も載せた画家ではないでしょうか。この勢いで、画面に平均に沢山七色を散りばめて、もっと絵空事の絵を見たいです。失礼な言い方ですが、デッサン力など罵倒して、踊る線描力を磨いて、見ている目がよじれるような絵を勝手に期待しているわけです。


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 ↑:佳作賞・一般・浅地貴世子(函館市)、「BODY COLLABORATION」。
 函館に新道展・会員の佐藤愛子さんという中年女性画家がいます。浅地さんは同じ函館ですから、彼女の影響があるかもしれません。
 そのことは構わない。白黒の線描で大きく体の重なりを楽しんでいます。少し、描きたいものが真ん中に固まりすぎて、ワイルド感が減ったのが残念。誇張表現で行くのか、魅入らせる表現でいくのか、次も楽しみです。


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 ↑:会員・村本千洲子、「マンハッタンの日は暮れて」。
 「マンハッタンの夕暮れ」をどこで見ているかというと、干からびた田舎の漁村ののキャバレー「現代」で、中年お婆を相手にして、ポスターを眺めて語っているのです。
 「俺も若い頃は、マンハッタンを札束をちらつかせて歩いたもんだ。ハジキを忍ばせてな。ドスじゃ勝負にならんからな」「あ~ら、勇ましいのね。見たかったは。まっ、一杯」「嬉しいね」
 そんな会話が聞こえてきそうな絵だ。


 もう少し追加したいが、きりがなさそうです。

by sakaidoori | 2008-06-30 18:17 | 市民ギャラリー | Trackback | Comments(7)
2008年 06月 30日

※ 栄通の案内板  6月(2008年)



6・30記)・大同 「下川建世・陶展 plusきみ子」 7月17日(木)~7月22日(火)
・時計台 「大城その子・個展」 7月21日(月)~7月26日(土)
☆たぴお 「竹田博・遺作展&販売展」 6月30日(月)~7月12日(土)
6・29記)・画廊喫茶・十字舘 「本田滋・展」  7月22日(火)~7月31日(木)
・創 「ARTISTS WEEK Vol.2 『空・kuu』」 7月2日(水)~7月31日(木)
・北一条教会 「第102回昼休みコンサート オルガン:中井美津恵」 7月3日(木) 12:00開場
6・27記)☆近代美術館 「ACT5  ー最終章ー」・5名による油彩画 6月25日(水)~7月2日(水)
☆CAI02 「武田浩志・展」 6月28日(土)~7月17日(木)
・門馬 「槌本(つちもと)紘子・展」・テキスタイル  7月3日(木)~7月9日(水)
6・25記)・大同 「第49回展 北海道版画協会」 7月3日(木)~7月8日(火)
☆ミヤシタ 「だてまこと・展」・油彩  6月25日(水)~7月13日(日)
6・24記)○RONIN 「酒井博史ライブ 『おろそかなイズム』」 6月25日(水)・午後7時開場 午後7時30分開演
6・22記)・吉兆G. 「オープン・イベント 『愉快な仲間達・展』」 6月27日(金)~6月29日(日)
・ポルト 「Fw:SPIRAL」 7月5日(土)~7月18日(金)
6・21記)・札幌市写真ライブラリー 「三大学合同写真展・08」  7月1日(火)~7月6日(日)
・札信ギャラリー 「森井聖子・油彩画展」・油彩  6月23日(月)~6月28日(土)
・大通美術館 「市澤慶子・個展」 7月15日(火)~7月20日(日)
6・20記)☆れんがギャラリー・旧鎌田質屋 「小林麻美展 『風景がわたしをみている気がする』」  6 月18日(金)~?
6・19記)・関口雄揮記念美術館 「関口雄揮の三つの時代」・日本画 7月8日(日)~10月26日(水)
・資料館 「藤女子大学・写真部 『平成不劣酒・展』」(ヘイセイフレッシュ・テン)  7月8日(火)~7月13日(日)
・資料館 「透明水彩 『第3回 六花展』」  7月8日(火)~7月13日(日)
6・18記)・af 「毛利伸生・写真展 『ATMOSPHERE』」 6月24日(火)~7月5日(土)
6・16記)・大同 「4つの世界の物語」 6月26日(木)~7月1日(火)
☆市民ギャラリー 「63回・2008年 全道展」 6月18日(水)~6月29日(日)

by sakaidoori | 2008-06-30 16:51 | ★ 栄通の案内板 | Trackback | Comments(1)
2008年 06月 29日

678) CAI02 ②「オープニング展覧会・サッポロ・アート展」 終了・5月24日(土)~6月21日(土)

○ オープニング展覧会
    「サッポロ・アート展」
        
  【出品作家】
 伊藤隆介 今村育子 岡部昌生 上遠野敏 黒田晃弘 鈴木涼子 3KG 清治拓真 仙庭宣之 高幹雄 高橋喜代史 武田浩志 中嶋幸治 端聡 坂東史樹 久野志乃 祭太郎 wabisabi・・・以上18名。
ーーーーーーーーーーーーーーーー(6・13)

 既に終わった展覧会です。今は「武田浩志・展」が行われています。長い会期でしたが、遅ればせながら個別作品などを載せます。


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 ↑:坂東史樹、「深層からの標本:海底でゆっくりページをめくる本」・2003年 250×180×63mm。
 入り口脇の展示、だから始めは気が付きにくい。一渡り暗がりで作品を見て、会場を出ようとしての発見だ。この作品は馴染みの作品だが、こういう作品が出口にあると足が止まるなー。地底のような会場で、めくられる本。この作品は気分は聖書だが、僕が穴倉生活をする時にはどんな本を持っていこうか?


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 ↑:久野志乃、「草の上のスカート:2008年(新作)。
 一人オーソドックスな作品。それなりに大きい。その大きさが作品の明るさを更に明るくしている。暗がりの中で華やいでいた。この部屋に、やけにピンクが合っている。


 伊藤隆介は映像作品。
 こういう会場での映像はムードにはいいのだが、どうもパッとしない。そういう作品だった。
 折角のオープニング出品なのだから、知的というか、ヒネリというか、きのきいた分かり易い小品を出してもらいたいな。「現代美術」というとどうしても彼の存在は珍重される。互いが互いをおんぶに抱っこの役割で、微笑ましいものです。この場所に果敢に挑みかかる作品を期待しようではないか。それでこそ、CAI2ありき、だ。


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 ↑:鈴木涼子、「childen」。


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 ↑:今村育子、「わたしのおうち」、「わたしのおうち  ドアをあけて」。
 右側はお家の模型です。「中」を見せたくて見せない今村さんちのお部屋でした。


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 ↑:黒田晃弘、「生きるとは」・2008年 顔料・木炭・紙。
 作品がどうのこうのというよりも、好感の持てる作品です。

 「500m・美術展」で彼のことをいろいろ思った。生真面目な制作態度です。この生真面目さが今回のように感心する場合と、前回のように真面目さを押し売りする場合と、分かれるようだ。
 前回の作品は点字だった。そして、「あなたは点字を、見えない世界を知っていますか?」と、問うていた。点字は経験もあるし知っているが、彼らの世界は知るわけがない。そのことを問うのは単なる啓蒙以上の奢りでしかない。あそこから出発せざるを得ない真面目さは、作品以前を作品化していて、残念であった。その分、今後にもの凄く期待している。


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 (↑:会場のコンクリート壁。墨だし線や、こういう落書きが残っていて、胸が高鳴る思いでの作品鑑賞だ。)


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 ↑:端聡、左から、「過去は今によって変わり、未来は今によって」、「空に聴く」・ともに2008年。
 小品ですが新作です。CAI2のオーナーなのかは知りませんが、間違いなく最終責任者である端さんの意気込みを感じます。タイトルはゴーギャン同様の聖書的箴言、余りに欧米好みの強さが違和感を持ちますが、その志を良しとしたい。


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 ↑:岡部昌生、「Studio Floor、 Montparnasse」・2007年。
 昨年、ヨーロッパで活躍されたフロッタージュの岡部作品。「モンパルナスの仕事場の床」という意味だろうか。美しい作品だ。広島を剥ぎ取り、沖縄に関わることをライフ・ワークとしているならば、ヨーロッパの恥部を東洋人が臆面もなく剥ぎ捕るだけの胆力を期待したいのだが、それは無いものねだりか。だが、そういう彼の過去の営為を認められてのヨーロッパ行で合ったはずだ。
 モンパルナス、そこは近代において、世界の多くの天才・鬼才芸術家がのたうちまわった処だ。現代から見れば、絵画の聖地といってもいいだろう。そこを剥ぎ捕る、オマージュと言えば美しいが、一アジア人のヨーロッパへの憧れ以上のものがあるのだろうか?憧れでいいと思う。オタクでいいと思う。所詮、個人のすることはしれたものだ。それを、芸術行為から現代を問うと語る姿には、等身大の誠意を感じ無い。
 誤解なきよう、氏の人間としての誠意を言っているのではない。その文化活動の誠意を問いたいのだ。
 広島を剥ぎ捕ることでの、日本選出画家がオマージュでは寂しいではないですか。彼を応援・支持したくても、それ以前の問題があるように思える。


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 ↑:祭太郎吉川寛一)、「無題」。
 上の作品、反射して見えにくくてすいません。支持体は薄い金属板です。凸凹を付けて、カッチャイて線を出しています。自画像です。祭君特有のうさぎを被った顔のシルエットが耳の表現で分かります。自分自身を静かに見詰めています。
 鉄板を叩いて、削って、光に当たれば輝いて、そしてそこに自分を見ている。祭太郎は恥らいながらパフォーマンスを続ける。まるでピエロのように。その影を美しくあぶりだした作品。

 
 (第一室には高幹雄・作品もあった筈ですが、撮影に失敗しました。)


 ③に続く
 

by sakaidoori | 2008-06-29 19:50 | CAI(円山) | Trackback | Comments(0)
2008年 06月 27日

676) 近代美術舘 ④「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)

 【参加作家】
 阿地信美智  阿部典英 荒井善則 泉修次 伊藤隆弘 柿崎煕 加藤宏子 国松明日香 小石巧 佐々木けいし 下澤敏也 菅原尚俊 鈴木隆 高橋昭五郎 武田享恵 田村陽子 ダム・ダン・ライ 中江紀洋 楢原武正 韮沢淳一 野又圭司 林弘堯 伴翼 藤井忠行 藤沢レオ 藤本和彦 松井茂樹 森川亮輔 山田吉泰 山本良鷹 渡辺行夫
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(6・15)

 当初の予定に反して、4回目の記事です。立体展の回し者かと思われそうですね。個人の発する札幌・美術感想記です。偏りを楽しんで下さい。沢山載せたいのですが、他の展覧会の記が滞ります。一気に最後の報告です。


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 ↑:鈴木隆、「フェイス」・2008年 180×140×210cm 木材・アクリルカラー。
 何と言っても今回はこの作品です。どうだと言わんばかりの顔です。その顔ににらっみこをしている青年がいるではありませんか・・・、というのは嘘で、会場で楽しんでいた青年に、モデルになってもらいました。有難う。全然知らない若者ですが、僕らはフェイス繋がりになったのです。

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 ↑:野又圭司、「壁」・2008年 250×250×75cm 銅。
 大作のインスタレーション的立体を好んで造る野又君ですが、コンパクトにキリリと輝く作品を持ってきました。
 彼は今冬、北見方面の美術館で個展を予定しています。今はその制作に没頭しているでしょう。男・野又圭司が試される時です。
 今作、小振りだが引き締まったムードが印象的です。何より、「僕の作品は美には無縁だ」と言った彼の言葉に反して、綺麗だ。彼はロマンチストだと思う。その辺をどう乗り越えるかを、その個展で期待したい。


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 ↑:ダム・ダン・ライ、「サークル」・2008年 350×350×400cm 木。
 つい先日まで、殆んど同じ作品がSTVエントランス・ホールに展示されていた。抜群にこちらの方が良い。
 どこが良いかというと、床の作品はほぼ円形に並べられている。この円形が二重・三重になって鑑賞者に迫ってくるのだ。
 全体で一つの祭壇になっている。明快に画家の思想を雄弁に語っている。どう読み解くかは見る人それぞれが思えば良いことだが、ライ君の宗教性がこれほどはっきり表現されたのは珍しい。
 一つ一つのパーツは彼の遊び心の反映でもある。骨と露骨に見てもよいだろう。自然のムードや実景の模写とも見れる。繋がれて一つの世界を共有しようとしている。
 付言。円表現は平等主義と見ることが出来る。円卓会議やストーンサークルにはメンバーの平等感が反映していると。だが、円という形式を組まねば平等が保てないという緊張感も同時にそこにはある。真の平等とはランダムなはずだ。この作品にはそういう、強制にも通じる緊張感が素晴らしい。


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 ↑:柿崎煕、「林縁から」・2008年 15×860×240cm 木(カツラ・アクリリック)。
 柿崎さんの御馴染みの「林縁から」です。現在行われている、芸森の「サッポロ・イズ・ホワイト」にも出品しています。頻繁に見ることができる柿崎・林縁ですから、展覧会の風景になってしまった感じがします。


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 ↑:中江紀洋、「旅の果て(自然律)」・2007~2008年 450×450×150 木(シナ材)・他。
 悶え苦しむ人体や、不気味な黒い歯型で人の苦しみを表現していた中江さんです。「ありゃりゃどうしたことか、何て可愛いお魚さんでしょう」という作品です。
 もちろん、鮭の遡上は産卵による生命の誕生と、雄雌の鮭たちの死という代償が伴っています。中江流生死の表現です。だが、深刻ぶったところはなくて軽い。作家がこういう作品を出す時は、何かの構想の一里塚だ。彼の年齢から来るものか、重く暗く深刻な表現を克服する作品が次は必ず出てくると思う。重たいテーマを、重く表現するばかりが作品ではないだろう。


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 ↑:楢原武正、「大地/開墾 2008-6」・450×450×300cm 廃材にトタン板・古紙。
 我が道を進む楢原さんです。作冬の「存在派・展」では紙を使ってのインスタレーションでした。やや気の抜けた作品でした。やはり、こうきたのですね。
 おびただしい柱状は紙です。御馴染みの柱に釘が打ち込められた楢原・柱はしっかりと一本だけ立っていました。


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 ↑:小石巧、「森・環」・2008年 400×200×200cm 木。
 小石さんは無言でいるとちょっと怖い顔をしていますが、面白い人です。
 自分の作品に首を載せて、ポーズをとっての記念撮影。写し終わると、「どうだ、どうだ、晒し首みたいだろう」と、一人はしゃいでいるのです。たまたま脇で、その光景を撮ったのですが、モニターで晒し首風にアップしてご本人に見せると、すこぶるご満悦。その写真掲載の許可を貰い忘れたので、見せれないのが残念です。
 作品は日を背中に浴びて、木のウエーブ・ラインが見せ所です。立っている作品よりも、無造作に転がしている作品の方が、目に優しく、さわり心地がシャープです。


 なぜだか非常に楽しい展覧会であった。テーマ無き展覧会も良いものだと、一人悦に入ってしまった。


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 ↑:近美の中庭。ポプラの種が夏雪のようだった。

by sakaidoori | 2008-06-27 18:32 | ☆札幌・近代美術館 | Trackback | Comments(0)
2008年 06月 27日

673) 市民ギャラリー ①「63回・2008年 全道展」 6月18日(水)~6月29日(日)

○ 63回・2008年 全道展

 会場:札幌市民ギャラリー ・全館
     中央区南2東6・(北西角地)
     電話(011)271-5471
 会期:2008年6月18日(水)~6月29日(日)
 休み:月曜日
 時間:10:00~18:00(最終日は、~16:30まで)
 料金:一般?・800円(前売り・600円) 学生・?

 主宰:全道美術協会 北海道新聞社
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(6・24)

 沢山の作品が並ぶ公募展です。作家は一つの筋目として発表していることでしょう。見るこちら側は、別の角度から見ることになります。新人発掘という視点、ベテランの今年の創作姿勢の確認、全体のムードなどなど、いろいろとあるでしょう。総合展という性格上、見せる側と見る側の食い違いは仕方が無いでしょう。お祭り気分で、見に行ってきました。

 会場風景を交えながら、好みの作品を中心に載せていきます。

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 まずは入り口に、ドアボーイのように迎えてくれる作品は、会友・水口司、「声泣き叫び」です。迎えてくれるとは言っても、タイトルを読むと笑ってばかりにはなれません。

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 ↑:ホールの無料展示場。
 ここは一般・会友など、大作のインパクトの強い作品が並ぶのだが、今年は大人しい。
 やはり、入り口の印象は全体の気分を代表していたようだ。個性的というのか、強烈な印象の作品が少なかったようだ。

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 ↑:改札口から直ぐのメイン会場。
 これです。市民会場の大広間に二段組の大作の展示、中央に今年を代表する大き目の立体作品の展示、にぎにぎしくて良いですね。

 以下、会場順に関係なく、個別作品などを載せていきます。
 まず、個人的に大好きな作品から。

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 ↑:会員・高橋靖子、「’08 記(Ⅱ)」。
 紫が目に焼きつきますね。紫という色は表現するのにとても難しいのではないでしょうか。僕は彼女の作品を血流の世界と見てしまうのですが、この作品もそうです。健康とか不健康ということを無視し血の世界。どろどろと流れています。



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 ↑:会友・會田千夏、「train 2008.6.11.b」。
 小品を描いても大作を描いても、彼女の作品は魅せます。
 こちらも紫が眩しい。高橋さんと違って、よりそう緑のボリューム感というのか輪郭線が、少し作為的な感じで、紫とのバランスを欠いた感じです。
 それにしても彼女のもこもこ感、動き、リズム、若い生命力には驚かされます。
 写真では分かりづらいのですが、上部の水平線には写実的な街並が描かれています。これが「train」からの景色なのでしょう。最近の彼女はメルヘン志向ですが、その反映でしょう。過度に心象ならず、メルヘンならず、素敵な街並です。


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 ↑:会員・八木伸子、「冬声」。
 八木さんの洋画的な「白」は人気の的です。今回は日本画風・掛け軸を連想したくなる作品です。
 本当にはっとさせられました。故郷です。等身大の理想郷です。白の動き、生き物のようです。枯れた枯淡の味の山水画ではありません。実に瑞々しい。ご主人の絵はどこか大地から遠ざかって、「勝手にイスタンブール」という世界です。彼女の絵の爽やかな粘着力、「風景」に足が付いた姿には圧倒されます。


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 ↑:会友賞、会友・川上加奈、「親指姫のブランケット」。
 ギラギラした漆色が良い。
 漆は触るとかぶれる。あたかも、「私を触ってご覧。後が怖いですよ」と、挑発しているようだ。チョッと怖い童話の親指姫物語のようだ。物語は怖いから良いのだ。見たくないけど見たいのがドラマだ。彼女は「見れ見れ!覚悟して私を見れ!触らなくても目から漆は入るぞ!頭はかぶれるぞ!それでも見ろ!」と無言劇で叫んでいる。


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 ↑:会員・高橋要、「」(タイトルは羽根か蝶だったと思います。すいません。金欠病で図録を買わなかった。後で買ってきて、書いておきます。)

 縦長の長い作品が高橋さんの作品。
 昨年はカブトムシだったか、リアルな普段では余り見ない高橋・作品でした。「何かあるぞ」と思っていたら、今年はこの超大作です。海を連想するはみ出た高橋・ワールドという印象でしたが、海から陸に上がってきて大きく高く背伸びしている。印象に残る一点でした。


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 ↑:輪島進一、「ドルチェ」。
 2作品を上下に繋いだもの。横たわってはいても、多を圧する緊張感は抜群だ。
 「ドルチェ」、音楽用語で「優しく甘美に(演奏せよ)」。
 若い女が下半身をはだけて横たわっている姿は挑発的だ。顔は見えないが輪島氏が描く女性だから、美人の極みだろう。甘美さを超えてきつい姿態だ。髪の黒が深い、恥毛の黒がリアルだ。
 氏は油彩では乱舞する色合いで躍動感や「破壊と創造」を表現する。何かにすがりつきたいような激しさだ。余りにも上手いが故に、美に頼り、音楽に頼り過ぎている感じもする。
 モノトーンでは色に頼る術を避けて、禁欲に徹しようとしている。裸婦を目の当たりにした禁欲も異常だ。何を描いても美しく激しい人だ。


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 (②に続く)

by sakaidoori | 2008-06-27 12:12 | 市民ギャラリー | Trackback | Comments(0)
2008年 06月 26日

675)時計台 「西村一夫・展 ー内なる風景ー」  6月23日(月)~6月28日(土)

○ 西村一夫・展
    ー内なる風景ー

 会場:時計台ギャラリー 
    中央区北1西3 札幌時計台文化会館・(中通り南向き)
    電話(011)241-1831
 会期:2008年6月23日(月)~6月28日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00迄)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(6・25)

 山があって、空があって、山の麓があって、その辺りが湖に見えて、ただそれだけの絵です。タイトルに「内なる風景」とあるから、心象風景と理解して構わないでしょう。
 山を見れば大半がその色で、森に入ればその色だらけの緑を基調にした、どこにでもあるような、どうでもいいような風景画です。西村風山水画あるいは日本画といっても構わないでしょう。デザイン画、あるいは抽象画と言ってもいいでしょう。山並と見えるラインは、それは見る人の解釈であって、心地良いリズムを追及した結晶線と言えば、現代美術の最先端と言えなくもありません。それは少しカッコいい氏への褒め言葉でしょう。

 西村・絵画の魅力を次の2点と理解しています。

 絵を描くことの原始の動機が心地良さと言えるかもしれない。「西村一夫にとっての心地良さ」が、見る人にとっても心地良いものにしたい。それを氏は卑近な言葉で「癒し」と語っている。
 若き頃の絵画は悶々とした激しい作品であった。自分探しに海外にも行った。作品の激しさは自分自身を浄化する行為であったようだ。汚い物を吐き出して吐き出して、そのことによって自由になったのだろう。次はその自由な気持ちを写す行為が絵画制作の動機になったようだ。
 以前は「座る人」を画題にしていた。体のどこをとっても円みを帯びていて、現代修行僧が菩薩手前のような風情であった。今展では、氏の軽やかさは絵に「座る人」を必要としなくなった。絵そのものが「座る人」になり、絵を見る人が「座る人」になった錯覚を覚える。
 どこかに悟りという末法臭さと、東洋美という伝統臭を感じる。だが、バリエーション豊かな会場作品の緑は、あまりにシンプルな主張だけに魅入ってしまった。

 
 大胆な展示です。昨年の軽やかなイラスト風を一気に素通りして、絵画の本質に迫るという意気込みも感じます。
 西村氏はとにかく何でもします。油彩画家としてはマチエールや構図、省略というそぎ落とし、無に近い空間処理と日本美の装飾性の両立など、かなり理論的にされている。一方、イラスト、版画、工作的造作と軽く軽く何でもこなす。毎年の展覧会は鑑賞者を楽しませようというサービス精神旺盛だ。
 昨今、還暦という年はベテランというべきか、練達した中堅と呼ぶべきかは分からない年齢だ。まさしく中堅とベテランの境界を自由に闊歩している作家である。

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 ↑:「帰郷」・88×171.6cm。
 小品が多い中で、最大の作品。おそらく、もっとも力を入れた作品だと思う。入り口から正面の展示。

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 ↑:左から、「山と海」・4F、「月住山」・20F。
 「月住山」は可愛くお月さんが顔を出しています。それらしい雲を描いた作品は無いのですが、しっかりと空の月を描いています。
 画家は太陽や月が好きですね。丸という形、理想の象徴のようなものかもしれません。画家の心性をこそぶる存在なのでしょう。


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 ↑:左から、「雲」・8P、「山と星」・8F。
 「雲」は好きな作品です。

by sakaidoori | 2008-06-26 22:53 |    (時計台) | Trackback | Comments(0)
2008年 06月 26日

674) af 「毛利伸正・写真展 『ATMOSPHERE』」 6月24日(火)~7月5日(土)

○ 毛利伸正(のぶまさ)・写真展
    『ATMOSPHERE』

 会場:札幌アリアンス・フランセーズ
    中央区南2西5 南2西5ビル2F・(入り口は西向き)
    電話(011)261-2771  
 会期:2008年6月24日(火)~7月5日(土)
 休み:定休日・日曜日・祝日
 時間:10:00~19:00 (土曜日は~18:00迄)
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 小樽港マリーナを背景にした夜明けの風景を、時の流れにスポットを当てての写真展。

 何と言っても色が美しい。日の出前の七色の空の変化を追跡していくのだが、刻一刻と変わる青色、紫といってもいい色が目に飛び込んでくる。だんだんと朝焼けの朱色が力を蓄えて画面中央を支配していく。朱には白や黄色が寄り添い、シルエットの黒が深く主張している。色の変化・拡がりをコンパクトに宝箱のように閉じ込めた作品群だ。

 好ましいのはオーソドックスなアングルの連続という点だ。被写体は少しずつ移動しているが、極端な広角やアップ写真を避けている。几帳面な感じで淡々と「風景」の変化を追っている。「夜明け(前)」というシンプルなテーマに、時間軸というシンプルな手段で迫っている直向さが新鮮だ。

 僕はこういう写真を見ると、写真を撮っているカメラマンのことを真っ先に思ってしまう。日が出始めてからはこういう写真は撮れない。日の出前の1時間半前位には現場に行かなければならない。「この人は何時に起きるのだろう?札幌在住とあるから、それなりの時間をかけて現場に行くのだろう。前の日から準備をしているだろう。期待した訪問に天気が応えてくれただろうか?春夏秋冬、吐く息も白む時があるだろう。朝の空気の新鮮さが元気の素かもしれない。朝の臭いと暗がりが・・・」

 展示は屹立するクレーンで終わる。
 最後の作品選定が難しいと思う。明るくなればなるほど、色の変化は失せて、白ばかりの光の世界になる。どこで止めるか。青の世界だけで止めるか。白む景色も見せるべきか。海に反射する光の乱舞という方法もある。そこには写真技術を離れて、個展という「思想」の世界がある。
 クレーンの作品。あたかも今から始まる一日の、社会の活力の象徴のようだ。なおかつ高みから神々しく見下ろしている。
 水平線を基調にして横線中心の世界の展示の流れであった。作品は横長が殆んどだ。縦線をリズミカルに配して動きやリズムをもたせていた展示の流れが、夜明けとともに変化した。
 フラットな「風景」が見上げる存在に変化した。「風景」から「社会」へと変化した。

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 ↑:会場入り口の「始まり」から、「終わり」までのおおよその流れ。


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 ↑:始まりの作品、「夜明け前」。
 何ともいえない、色のグラデーションです。同時に空気感も伝わってきます。

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 ↑:「紫の夜明け」

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 ↑:「朝の7時」。

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 ↑:左右を切って、真四角にしたお洒落な作品です。お洒落な展示です。黒がとても気に入りました。

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 ↑:「今日の始まり」。


 f0126829_12285079.jpg この3年間で、小樽を沢山撮られて、今回の「夜明け」という編集による個展です。
 今までの作品、あるいは今後の新たな展開等々、次も楽しみです。

 (→:クリックして下さい。大きくなります。)





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by sakaidoori | 2008-06-26 13:06 | af | Trackback | Comments(0)
2008年 06月 24日

672) 岩見沢90°「イワミザワキュウマルの1階の風景」 

○ イワミザワキュウマルの1階の風景

 会場:イワミザワキュウマル(iwamizawa・90°)
     岩見沢市3条西5丁目5-1・(JR岩見沢駅より駅前通りの左側を徒歩5分、通りに面した東南角地)
 電話:(問合せ担当・遠藤)090-7645-0671 
 日時:2008年?月?日()~?月?日

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 現在、ここでは企画展として2階でスパイラル展が開かれています。既に紹介しましたが、遅まきながら1階の展示会場の風景を紹介します。写真作品が現在も展示されているかどうかは分かりませんが、会場を想像するには役に立つと思います。

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 場所はアーケード街の一画、岩見沢駅から道路の左側を南下すれば直ぐです。角地で綺麗にモスグリーンで塗られています。初訪問日は夕方だったので暗くてすいません。次回は綺麗な写真を載せます。

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 4つの展示スペースがあります。二階は柱はありあすがワン・フロアーの広い空間で、下は細切れのブース感覚の展示場です。

 ① 外から見えるショーウインドの展示空間。図の緑色部分です。写真でも分かると思います。
   6日間(月~土)を1単位として、1日900円のレンタル・スペース。

 ② 1階の吹き抜け広場。パンフにはスタジオ・スペース1とありますが、関係者が適当に利用するのでしょう。オープン時には三戸唯さんの作品が壁に大きく展示されていました。

 ③ 図の緑の部分。犬小屋の入り口ような、くり抜きの狭い出入口からの進入です。中が意外に広い。鏡が右壁面に大きくあるからでしょう。太田理美さんの作品が展示中。
 キュウマルというギャラリーが繁盛したら、このくり抜きの部屋はギャラリーの顔になるかもしれない。

 ④ 図の黄色の部分、札幌のニュー・スターのような場所。ボードの壁面、冬期間はお休み。
 ここも①と同条件でのレンタル・スペース。外からと会場からの出入口があります。


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 ↑:②の三戸唯・作品。

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 ↑:青い壁に、太田理美さんのコラージュとドローイングの部屋ということでしょう。おそらく彼女は学生でしょう。満足度を聞きたいものです。


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 ↑:④のニュー・スターのような場所。影山宏明さんが個展を開いていました(6・1~6・29)。
 会場の略歴によると、1984年に岩見沢に生まれて、2005年にCAI現代美術研究所を終了された青年です。ポップな感じの作品が大人しく並んでいました。


 岩見沢以北に行った折は、時間が許す範囲で訪問したいです。極力、写真紹介をしたいと思います。関係者の皆さん、宜しくお願いします。

 企画であれ、レンタルであれ、始めたからには創意と工夫、エネルギッシュな行動力しか可能性は拡がらないでしょう。頑張ったからと言って、順調に推移するとは限らないでしょう。メゲル時もありましょうが、自分を信じて進まれて下さい。美術愛好者からの開廊の祝辞です。

by sakaidoori | 2008-06-24 13:28 | [岩見沢]キューマル 他 | Trackback | Comments(0)
2008年 06月 23日

671) 近代美術舘 ③「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)

 【参加作家】
 阿地信美智  阿部典英 荒井善則 泉修次 伊藤隆弘 柿崎煕 加藤宏子 国松明日香 小石巧 佐々木けいし 下澤敏也 菅原尚俊 鈴木隆 高橋昭五郎 武田亨恵 田村陽子 ダム・ダン・ライ 中江紀洋 楢原武正 韮沢淳一 野又圭司 林弘堯 伴翼 藤井忠行 藤沢レオ 藤本和彦 松井茂樹 森川亮輔 山田吉泰 山本良鷹 渡辺行夫
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(6・15)

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 ↑:伴翼、「ある日」・2008年 A(55×55×106)他 木(松材)。

 これが何であるかが気になるところです。キノコ?コケシ?。答えは「シャンパンのコルク」です。
 伴君は正確無比なまでの具象性にこだわります。それは再現力の巧みさや誇示が目的ではありません。具象へのこだわりは、作家自身の存在する物に対する実在感でしょう。そして、全ての存在が関係によって成り立っているということを、自分の作品で再現しているのです。
f0126829_11304079.jpg 作品を見た時のオヤッという驚き、触った時の心地良さ、作品を挟んで老若男女が語らう、それが彼の作品の魅力です。その時に作品の具象性が切り離せないのが、彼の持ち味です。
 残念なのは今回の展示空間でした。上の写真ですと、「この作品を見よ」という感じですが、作家の意図はそこにはありません。触るのは当然ですし、腰掛ける、テーブル代わりにする、肘を当てて考える人になる、そういう光景を外から見て、他の鑑賞者が楽しむ。ホールなり、緑の芝生の上に並べたい作品です。今頃はポプラの種が近美を舞い踊っています。きっと「ある日」はそれらの種達君と挨拶がしたかったでしょう。


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 ↑:(四角く並んでいる作品)藤沢レオ、「パサージュ(passage)」・2008年 300×200×90 鉄・不織物。
 芸森の屋外作品で紹介した藤沢君です。彼は「パッサージュ」(通路)をテーマに制作に取り組んでいるようです。その完成度・成功度にあまりこだわらないで見ないといけないようです。「パッサージュ」への拘りが、どういう展開を見せるか気になります。


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 ↑:山本良鷹、「私的空間」・2008年 50×110×100 花崗岩・その他。
 暗い部屋に、更に暗く輝いている作品。以外に大きいです。 


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 ↑:藤井忠行、「れん(ren)」・2008年 450×450×160 ドロノキ・シラカバ。
 木の幹そのものを鉛筆のようにして遊んだ作品です。この作品も、違う空間に置いたら全然違った印象でしょう。


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 ↑:武田享恵、「視覚と意識の交差」・2008年 150×150×140 アルミニウム・塩ビ版。
 相対理性原理論の空間(立体)作品として、いつも見てしまう武田さんの世界。美しく輝いていました。


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 ↑:林弘堯、「Earth-Defomation」・2008年 20×900×400 Fibet・Acrylic・net。
 壁一面に黒く意味不明のカーテン?林さんは地球を見ているのですね。こういう風に見えるのか、こういう風にしたいのか、暗い部屋をいっそう暗くしていました。妻はクリフトの「包む」をしきりに連想して、意味不明に感心していました。
この作品と伴君の作品が一緒に並ぶミス・マッチがこの展覧会の魅力ですね。


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 ↑:韮沢淳一、「檻」・2008年 120×120×200 鉄・花崗岩。
 花崗岩のみで800kgある作品です。その石がタイトルにあるように檻に閉じ込められているのです。一見、その重さ黒さ迫力に深刻そうですが、これが意外に笑いを誘うのです。このアンバランスが作品の魅力です。深刻ぶって、「作家さん!そんなに苦しまないで下さい。明日を信じてください!」というよりも、「オー、檻に入って、鉄筋に突き刺されて、痛いでしょう。サビオ、貼りますか?」と、笑いで石君を励ましたくなります。

by sakaidoori | 2008-06-23 12:06 | ☆札幌・近代美術館 | Trackback | Comments(0)
2008年 06月 22日

670) 門馬 「藤谷康晴・展覧会 ー白昼の神隠しー」 6月20日(金)~6月29日(日)

○ 藤谷康晴・展覧会
    ー白昼の神隠しー

 会場:ギャラリー・門馬 ANNEX
     中央区旭ヶ丘2丁目3-38・(バス停旭ヶ丘高校前近く) 
     電話(011)562ー1055
 日程:2008年6月20日(金)~6月29日(日)・会期中無休
 時間:11:00~19:00
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 昨年は資料館から始まって、テンポラリーでのライブ・ドローイングで一気に年末を迎えた藤谷康晴君の久しぶりの個展。

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 刷りガラスの窓側には、昨年のライブ風景の写真集や各種の資料が並んでいます。白い世界でゆったりと過去を紐解くことが出来るでしょう。
 その前の乳白色の壁には、以下の3系統の作品が3~4枚組で並んでいます。作品の上にキャプションがあり、それらを下詰めにして黒糸の枠による意匠です。作品はかなり高めで、見上げて見ることになります。作品が観者を見下ろすという構図です。
 3系統の作品群で、僕自身のお気に入りを1枚ずつ載せます。

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 ↑:「胎動する電柱」

 一番最初にある作品。このシリーズは屋外の殺風景な風景です。この絵は中央を直線で切って、かなり異様な世界です。まさに下から見上げる構図で、十字架とも解釈できるかもしれません。
 「それでも俺は立っている」という凛々しい屹立した姿というよりも、どこか痛々しい威厳を発散している感じです。絵として中央に立たせて見せる力量に驚きます。
 全体の作品の縮図のような作品です。「白昼の神隠し」、隠される側の不安感や焦燥感、それに立ち向かう足掻(あが)きよりも、隠す側の目に見えない迫力、誇示を象徴しているようです。

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 ↑:「ショッピングモール・フィクション」

 この作品は、今年二月の市民ギャラリー「札幌美術展」への出品作品。その時の「アンニュイ・タウン」「かまいたち」が今展の一塊のグループ。屋外の殺伐とした風景から、街や店舗内での神隠しの世界に移動します。
 この写真作品も大好きな作品です。エレベーターの描写が周りの風景とムードを異にしていて、ぼやけた妖しげなのです。別の世界、その世界の入り口とい説明を必要としないくらい、絵の表現力で語っています。


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 ↑:「猥雑なボクサー」

 今までとはうって変わって激しい絵です。サイケデリックな装飾性を伴った、獣達の乱舞する姿を想像しました。隠された者達は彼等の生贄になったかもしれません。

 昨年のライブドローイングとはかなり違った印象を受けました。その時、藤谷康晴君はライブという支持体の前で、計算と情念の狭間で「行為」をしていた。描かれた線やいろいろの姿は行為者の反映として見ることができた。今展との比喩で言えば、神隠しという状況での隠されるものの痕跡として捉えることが出来る。今展は、主客が逆転して隠す側の力・論理が明るい部屋の展示作品を覆っていた。


 後ろの暗い部分にはDM作品を含めた大きな作品が2点、小品が多数並んでいます。DM作品は今展の代表作と言っていいでしょう。フリーハンドの線や曲線、画面を横断する直線、模様に隠された名も無き生き物達。必見だと思います。

 今展では次の方向性として、漫画をしっかりと描いていたことでしょう。彼の出発は漫画だった。理由はともかくとして、漫画を書くことに封印していたようだ。浮世絵風の意匠を利用したりして、漫画が大きく闊歩し始めました。作品としての余白の処理に苦心しているようですが、実作を重ねていけば藤谷流の形になって僕達を喜ばせてくれるでしょう。


 なを、会場は撮影禁止です。この写真は作家の同意の下の掲載です。掲載許可、有難うございました。

by sakaidoori | 2008-06-22 22:05 | 門馬・ANNEX | Trackback | Comments(0)