栄通記

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2008年 05月 31日

636) プラハ2+d 「ウリュウ ユウキ[南11条西13丁目停留所]」  5月23日(金)~5月25日(日)

○ ウリュウ ユウキ(写真展)
    [南11条西13丁目停留所]

 会場:プラハ2+ディープサッポロ 9J(建物1F)
     中央区南11西13・東南角地の2階建て民家
 製作期間:2008年4月23日~5月22日
 会期:2008年5月23日(金)~5月25日(日)
 時間:11:00~19:00
 レセプション:5月24日(土)、19:00~
ーーーーーーーーーーーーーーーー(5・25)

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 札幌の電車路面図を床に手描きして、その上に写真をぶら下げて、電車関係ののストップ映像エンドレスで流して、電車音がまるで外の騒音のように聞こえてくる。上の写真を参考にすれば、おおよそ想像がつくと思う。

 今展の最大の収穫は写真家ウリュウ・ユウキがフリーハンドの世界を展示構成に取り入れて、写真表現の幅を拡げたたとだ。だから、今展の魅力は彼の手描きの線や文字を、写真とは独立して楽しむことだ。写真が付け足しというわけではないが、これだけの大作?の「絵画」を写真展の補助手段として捉えるのは、今展の意義を失う。絵を描く姿から、写真と写真以上のことをウリュウ・ユウキに見るべきだ。
 ぶら下げられた写真は、想定範囲の感じはするが、足元の絵を踏むのを避けようとして見る角度に制限を与え、心地良い緊張感を生んでいる。うるさく思われがちな電車の音響が、足元の線路と、なぜかしら不思議な一体感をなしている。

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 部分図を掲載しました。楽しんでいただいただろうか?つまらなく見えたら、僕の写真紹介の下手さです。
 次に、メインの写真紹介をします。

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 ↑:DMにも使われている出発地点の写真。ここから始まる。いつになく力強い作品。

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 ↑:ウリュウ・ユウキのセルフ・ポートレイト的作品。曇天気味の空を背景にして、電線が画面を走る、直線が空間を切り裂くように。

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↑:栄通推奨の作品。
 左側のボケた黒い世界、しかもかなり広い。なかなかこういう写真を撮るのは勇気がいる。無意味と思える部分をどれだけ取り込んで、全体の距離感空気感を「写真の世界」にするか。写真が真実を撮らない姿だ。当然、心象とは無縁だ。
 写真というのは真似の出来る世界だから、自分でもこういう写真をチャレンジしてみよう。

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 途中から展示風景をモノトーンで撮った。上の写真の大半がそれである。写真作品はモノトーンだから良いのだが、ウリュウ君の入った会場風景が不思議なムードで撮れた。



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by sakaidoori | 2008-05-31 18:54 |   (プラハ2+ディープ) | Trackback | Comments(0)
2008年 05月 31日

635) コンチネンタル 「金工展」・学生展 5月27日(火)~6月1日(日)

○ 金工展
   (北海道教育大学岩見沢金属工芸研究室・展)

 会場:コンチネンタル・ギャラリー
    南1西11 コンチネンタルビルB1F・東向き
    電話(011)221-0488
 会期:2008年5月27日(火)~6月1日(日)
 時間:10:00~18:00(最終日のみ~17:00まで)

 【参加学生】
 院1年 佐藤あゆみ、4年 吉成翔子 杉田斐子(あやこ) 町嶋真寿(ますみ)、3年 清水愛美(まなみ) 佐藤有希、2年 上舘恵理 佐々木清美・・・以上、8名。
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 鉄を中心にした女子学生による金属作品展。非常に興味深く、面白かった。

 彼女達は学生だから、技術を習得中であろう。「造形」という美術概念も勉強し作品に取り込んでいることだろう。だが、あいにくと技術的には年齢を考慮してもたいしたことはない。作品を見ても、あらためて彼女達の作品から「造形」を考えるレベルにまでは達していない。
 それでは何が面白いのか?技術や芸術を勉強してはいるが、そんなことには関係なく、「今の私を、私達を見てよ」という、あまりにも無防備とも思える素直さが良いのだ。しかも、学校展にありがちな全体の不協和感がこの展覧会にはない。あたかも、全体のことを考えての作品になっている。おそらく、彼女達個々の感性に、通奏低音のような共通性があるのだろう。意図せずにでてくる共通感覚、これがこの展覧会の面白いところだ。

 もし総合タイトルをつけるならば、「異星人とのファンタジー」だろうか。
 そのメルフェン性や幼さ拙さに「まだまだ」という意見もあるだろう。だが、軽くでてくる創作精神に、僕は拍手を送りたい。

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 ↑:吉成翔子(4年)、上から「何時でもいい」・40×90×220cm・鉄、「かわいこさん」・12×12×15cm 16×16×15.5cm 19×19×21cm。
 
 吉成さんは他にも「雑貨やさん」という作品があります。彼女は田舎育ちで、幼い頃の古里の田園風景や家の周りのごちゃごちゃした物が創作原点になっているようです。自分の原体験を喜びでストレートに創作に結び付けれることは良い事だと思う。ここから作品上の変化球や深みが生まれると思う。卒業後、どう鉄と関わるかは気になる所だが、分野に拘らないで進んで欲しい人だ。
 「かわいこさん」、これは面白い。ただ鉄を卵形に作ってぶら下げただけだが、鉄をテングスで下げるという思いつきと実行がよろしい。一つの造形美学なのでしょうが、絵本的な発想の転換と、見る人に喜びを伝えることの出来る人だ。


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 ↑:左から、佐藤あゆみ(院1年)・「雲路」・30×70×148cm 鉄&たも、杉田斐子(4年)・「おしりのでっかい宇宙人のいす」・100×120×85cm。


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 ↑:清水愛美(3年)・「あなた たね」・70×70×150cm。
 優しい装飾的な曲線模様で、どれだけ完璧に球体が作れたか?その球体に閉じ込められて、透かし見られている卵の内部。愛の始まりなのでしょうか?


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 ↑:上舘恵理(2年)・「生活」・42×46×27cm・銅 アクリル ひも。
 一人異質な作品です。そして、僕はこれがとても好きなのです。
 足の太ももから折り曲げられた膝の一部と見れるかもしれない。そうすると、アテネ芸術のようなリアルで大きな人間が浮かび上がるのです。
 僕は正座させられて、その足を縛られて、腰を曲げている人を連想した。それは綺麗な女性で、白装束に自害させられる姿になってしまった。身悶えるエロスがお尻の部分などにほんのりと感じられて、随分と連想をたくましくして、なめる様にして見てしまった。
 あるいはアフリカン太鼓にしてもいい。実際、上部の平らなところを静に叩いて音色を確認した。
 ただ、タイトルがいただけない。もっと工夫が欲しい。「生活」という言葉で、「罪と罰」を思い出した。主人公がシベリア流刑になり、追ってきたソーニャとの関係の中で、「・・・生活が到来したのだ。・・・新しい物語が始まる・・」という言葉で小説が終わると記憶する。もし、この故事からの本歌取りならば、「ソーニャ」のほうがタイトルにはいいのだが・・・。


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 ↑:佐藤有希(3年)・「ex1stenc1a」・110×70.5×204cm・鉄 タイル 鏡。
 作品もいろいろと出していて、意欲的実験的傾向の強い人です。アール・ヌーボー風の流線好みなのかなとも思いますが、どうなのでしょう。
 
 
 他の学生は今回は省略させてください。
 会場には古風豪華な薪ストーブがあった。「2007年度 3・4年生共同制作」とあった。今展の4年生以上が関わっての作品だ。楽しい作品を作ったものだ。何を作るのかというアイデアと図面作りが大変だったろう。心温まる作品である。
 ふと、昨年のテンポラリーでの阿部守・作品を思い出した。勿論、鉄だ。その折に、彼女等の教官でもあろう坂巻氏とも会話が弾んだ。氏に「雪の持つ、色や季節感だけではない『造形性』」という、貴重な意見を伺うことが出来た。今秋、阿部守さんはテンポラリーで個展をされます。わざわざ九州からの来客です。是非勉強の為に訪問して下さい。

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 「鉄」、人類にとってそれほど古い金属ではない。だが、鉄は「文明」の構築という礎を気付いた。「都市国家」を超えた「国家」を作った。生産性を高めたが、人口の過度の集中や高度な武器をもたらし、「戦い」の世界に革命をもたらせた。支配構造を造ったといってもいい。
 その発見は近代的男の論理の出発でもある。その「鉄」の造形の学徒に男子が集まらないのは、現代の皮肉を体現しているようだ。

by sakaidoori | 2008-05-31 12:02 | コンチネンタル | Trackback | Comments(0)
2008年 05月 29日

634) たぴお 「08’ 抽象8人展」 5月26日(月)~5月31日(土)

○ 08’ 抽象8人展

 会場:ギャラリーたぴお
    中央区北2西2・道特会館1F (中通り・東向き)
    電話(011)251-6584
 会期:2008年5月26日(月)~5月31日(土)
 時間:11:00~19:00(最終日は18:00)

 【出品作家】
 伊藤みゆき 加我雅恵 上水啓子 甲斐野弘幸 永井健介 名畑美由紀 能登智子 原田勢津子・・・以上8名。
ーーーーーーーーーーーーーーー(5・26)

 作品の講評会も兼ねるということで、オープニング・パーティーに顔を出した。なぜだかワインの説明会をしていて面食らったのだが、オーナー林さんの司会で来賓の美術関係者や、新道展やベテランの画家のトークが始まった。かなりのお客さんの前でのスピーチだ。その後の、酒が入っての作品を交えての個別会話の方が盛り上がっていた。
 今展の参加者の多くが新道展関係者ということもあり、先日の市民ギャラリー・「抽象派協会展」の関係者も多数居られた。

 パーティーはいつものことではあるが、なかなか真剣な話が賑やかな言葉の中に飛び交っていた。僕自身は席に近い一部の作品に注目して全部を真剣に見れなかった。以下個別作品と僕の感想です。
 全体の感想としては、絵の深みや距離感にはまだまだといった感じなのだが、絵に取り組む姿勢と意欲が好ましかった。


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 ↑:加我雅恵
 実は、初日に行ったのは加我さんがどんな作品を出すのかに興味があったからです。彼女は新道展やたぴおの関係者でもないから、ここで彼女の作品が見れることに、個人的に嬉しかった。
 彼女はまだまだ発展途上です。今展の彼女の良さは自由度が高いことです。テーマが抽象画ということで、彼女なりの試みです。リボンのコラージュはともかくとして、赤の描きなぐりや色爛漫なところが、今までの彼女の作品には無かったので、見に来て良かった。本人は他の方の作品との比較でいろいろと刺激を受けたようです。絵の深みの希薄さは指摘されるところでしょうが、元気の良いのがいい。


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 ↑:伊藤みゆき・「EROSION 侵食」。
 席に近い綺麗な女性なので、ついつい話し込んだ。
 僕はツララのような侵食する物体と、そのタイトルに興味がわいた。侵食する妖しげな美しさ、あるいは侵食するおどろおどろさには欠けている感じ。要するに、僕はこういうテーマは極端を欲するのですが、作家は宙ぶらりんなところで矛を収めている。小さな世界に、もっともっと激しさが欲しいな。
 胸痛むような突き刺す風景、それでいて切ないリズム感、激しい心象風景・・・銀色の世界に雪のボリューム感を感じて、なおかつ侵食する世界・・・これは単なる僕の願望です。


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 ↑:能登智子、左から「蒼」、「Bright」。
 能登さんは遠慮したようです。作品構成が他の方と比較すると弱すぎました。おそらく、こういうグループ展には不慣れなのでしょう。そういう意味で、良い経験になっったのではないでしょうか。
 僕は右側の曇った雲の中での線描が面白いと思った。たったの3点では意味を成さないのですが、日記風に沢山の作品を並べたら面白いと思う。そうすれば一点一点の拙さなどは吹っ飛んでしまって、全体で線描の心象世界が誕生すると思うのです。
 線の好きな方だと思う。不得手な技術を高めるよりも、好きな事をグイグイと進んだらいいのになー、と思った。新道展の中年女性の方は真面目だから、欠点を指摘されると素直に取り組みすぎると思う。欠点には目をつぶって、好きな事に邁進したらいいのにと思った。

 (真剣に見たのはこの3人の作品まで。当日は酒が入りすぎました。以下、駄弁です。)


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 ↑:永井健介・「連環」。


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 ↑:原田勢津子、上から「静寂の森へ」、「静寂の森から」。
 同じ図柄を白黒に反転している。展示を含めて日本美を醸し出そうとしているのですが、日本美特有のリズム、間(ま)、空間構成に欠けている感じ。少しムード先行のように思えた。
 一方で、展示の部屋全体から見れば、チョッと異質な空間を生んでいた。

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 ↑:甲斐野弘幸、「(あしおと) ’08」。
 (左側に白い作品もあるのですがピンボケて、失敗しました。すいません。)
 元気な女性とのツーショットです。彼女は先週、ここに出品していた宮本市子さんです。(先週の「たぴお・現代美術展」は後日載せます。その時に彼女のことを書きましょう。)きっと、酒が入って意気投合したのでしょう。良い写真です。二人を見ていると、絵のことをあれやこれやと言う気が萎えてしまいました。


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 ↑:上水啓子、「紋葉」。


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 ↑:名畑美由紀
 名畑さんの絵画表現では、こういのが僕は好きです。画質感の追求もそこそこのところで止めていて、かろやかなリズム感が良いのです。引っかき線もあり遊んでいます。ピンクが若さの象徴です。
 竹田たぴお時代に、現オーナーの林さんは数多くのたぴお企画展に出品して協力していました。今、林たぴお代わって、名畑さんが以前の林さんの役割を演じています。それは協力することによって、自己表現を高める、深めることでもあるでしょう。同時に、たぴおに関心のある画家達にも刺激を与えているのではないでしょうか。
 次回の名畑作品も楽しみにしています。

by sakaidoori | 2008-05-29 23:42 |    (たぴお) | Trackback | Comments(0)
2008年 05月 29日

633)時計台 「第17回 山崎亮・個展」 終了・5月19日(月)~5月24日(土)

○ 第17回 山崎亮・個展

 会場:時計台ギャラリー  2階A室
    中央区北1西3 札幌時計台文化会館・(中通り南向き)
    電話(011)241-1831
 会期:2008年5月19日(月)~5月24日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00迄)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(5・24)

 飛行機に乗りたいから絵を描くのか、絵を描きたいから飛行機に乗るのか・・・空と青と飛行機を舞台に、ロマンと想像を羽ばたかせる山崎ワールドです。
 飛行機の羽根が透けていて、ヨーロッパの下界を思わせる田園と都市風景・・・それが僕の山崎体験でした。絵というものは不思議なもので、普通に見ていた個展の作品群が、ふと一枚の絵が気に入った時、他の絵が別人格に見えてくるのです。満足、不満足と激しくこちらの心の中で対話が始まるのです。「何故この絵は良いんだろう?悪いとか良いとかではないが、なぜか気になる。何が心を止めるのだろう?・・・」あれやこれやと、絵との対話の始まりです。

 今回の山崎さんの作品は、雲が鏡になったり海になったり画面の多くを支配しています。翼も透けることは無く、力強くもあります。
 雲の上を飛行機の翼を見ながら、ただただ飽きもせず「空」を見ること。旅とロマンと空想の世界、画題としての「雲」や「空」や「翼」がどれだけ絵としての夢を膨らませることが出来たか・・・そして再び山崎さんは飛行機に乗るのです。絵を描くのです。

 飛行機に乗りたいから絵を描くのか、絵を描きたいから飛行機に乗るのか・・。

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 ↑:左から、「朝日」・S20、「機影」・S100、「夕日」・S20。
 「機影」はブロッケン現象です。ブロッケン現象は画題として面白いのですが、山崎さんは今展で色を多用していました。ピンクが眩しかった。
 青の世界に色を滲ませ、似たような画題にわずかに構成上の工夫を凝らせて、絵としての幅や膨らみを持たせているようです。

 私事ですが僕も山に登って30分ほどブロッケン現象を体験したことがあります。夏の昼間の暑い盛りで、ちょうど影の映る山間に分厚く真白い雲が立ち込めて、眼下に見下ろす感じでの体験です。これは「見た」というよりも「体験」と言いたくなります。なぜなら、自分の影にしか光輪は見えないのです。妻と歩いていたのですが、二人が寄り添うと輪が大きくなって、互いを包む光輪を見ることができるのです。下山中の幸せな出来事でした。(大雪山の愛別岳と永山岳の山あい。)


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 ↑:左から、「雲?を行く」、「降下(9・11)」。
 実に気分の大きくなる絵です。いかにも飛行機が怪物のように飛んでいる感じ。どこの都市だろうとタイトルを見たら・・・ニューヨークでした。


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 ↑:(タイトルが不備ですいません)
 今展は色もあるのですが、絵も大きく感じました。山崎さんが大きく見えました。気分は色気と男らしさです。


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 ↑:上から、「朝焼けの空を往く」・F120、「残照」・F100。

by sakaidoori | 2008-05-29 11:38 |    (時計台) | Trackback | Comments(0)
2008年 05月 28日

631) 時計台 ②「第23回 北の日本画展」 5月26日(月)~5月31日(土)

○ 第23回 北の日本画展  C~G室
○ 第2回 企画展  A・B室
     「日本画、ニホンガ?にほんが。」

 会場:時計台ギャラリー  2・3階全室
    中央区北1西3 札幌時計台文化会館・(中通り南向き)
    電話(011)241-1831
 会期:2008年5月26日(月)~5月31日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00迄)
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 それでは、普段着の会員展の様子を載せます。
 基準は、作品を見て気に入ったもの、ウオッチャー的に追っかけている作家作品です。

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 ↑:朝地伸介、「成長する構造 Ⅱ」。
 オーソドックスな作品群の中で非常に意欲的な作品。僕は朝地君には関心と期待は高いが、彼に対する思いは僕だけではないだろう。
 期待に応えるような大作を持ってきた。おそらく、F150以上はあるのでは。縄文土器のような意匠巧みで豪華な画題だ。海老茶の背景色ー専門家が見たら、この画質感はどの程度の評価をするのだろう?識者の評価を気にしては栄通記は成り立たない。
 静寂な中での豪華さには圧倒される思いだ。素晴らしい作品だと思う。若い人を褒めてばかりでは面白くない。20年後には同じ物を50号で見てみたい。緻密で1点の曇りの無い緊張した作品を見てみたい。若さが迫力だとしたら、経験は深さ・精神性が絵に滲みでるだろう。
 それと、この作品がどうのこうのというわけではないが、朝地作品の魅力の一つに視覚へのトリッキーさや、ユーモアがあると思う。今作の本格的作品にそういう知的ユーモアは両立し難いのだろうか?
 ですが気力充実した朝地絵画、有難うございました。

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 ↑:吉川聡子、「N2W3 -雨ー」。
 昨年に引き続いて、吉川さんは見せてくれます。数年前に今は無きどらーるの個展を見ましたが、その時は上手さ以上には迫る物が薄かった。それが、最近は見るもの見るもの実に迫ってくる。
 今展は日常世界のありふれた風景。雨に濡れたコンビニ前の横断道路を巧みさを抑えた透明感とモノトーンならぬ青ト-ンでの表現。空気感と場の印象をスッキリと表現している。何処が良いのだろう?花鳥風月的な安定美と距離を置いていること、技の巧みさを殺していること、現代人の距離感・空気感にテーマを絞っていること、どこか映像的な写真的な効果を意図的に取り入れていること・・・そんなことを考えた。


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 ↑:左から、前田健洪・「幹」、齋藤美佳・「雨上がり」。


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 ↑:左から、池田さやか・「ケープ」、丸野仁美・「想う」。
 池田さんのボリューム感というのですか、大きな造形感覚が好きです。

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 ↑:北口さつき・「SAVE OUR SHIP」。
 普段見慣れている北口さんですが、オヤッとした親近感を持ちました。彼女の今までの人物画はビシッと鑑賞者を正面に見据えがちです。そこが若々しい元気さや、衒いの無いストレートさを感じて好きだったのです。今作は顔の向きを変えたり、それにボリューム感全体が大きくて優しいという感じです。どこか気になる変化があります。キーワードは優しさとボリューム感です。


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 ↑:左から、川内厚子・「ひととき」、高木久仁子・「12月」。


 ③に続く

by sakaidoori | 2008-05-28 23:46 |    (時計台) | Trackback | Comments(0)
2008年 05月 28日

632) 時計台 ③「第23回 北の日本画展」 5月26日(月)~5月31日(土)

○ 第23回 北の日本画展  C~G室
○ 第2回 企画展  A・B室
     「日本画、ニホンガ?にほんが。」

 会場:時計台ギャラリー  2・3階全室
    中央区北1西3 札幌時計台文化会館・(中通り南向き)
    電話(011)241-1831
 会期:2008年5月26日(月)~5月31日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00迄)
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 ↑:中野邦昭、「?」。


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 ↑:左から、古瀬真弓・「待つ」、笠嶋咲好・「遠雷」。


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 ↑:千葉晃世・「冬」。
 組み木の詰め合わせかと思った。面白い試みだと思う。

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 ↑左から、百野道子・「leaf shower」、駒澤千波・「夏至」。
 百野さんと会場で多くを喋った。大半は彼女に対する将来の期待と、今展の不満だ。
 彼女の学生時代(教育大学)は、若者をやや暗めの画面にリアルに描いていた。描写力は優れていて、やや描き込みすぎは少しオーバーなのだが、かえって若者の悩みを伝えていて好感が持たれた。最近は色に目覚めたというのか、明るい中での女性を多く描いている。そして背景はあまり描かない。きっと画面(画布)から何かを立ち上げたいという動機だからと思う。
 そういう気持ちが今作では葉の乱舞になっているのだろう。だが、安易な伝統的美の表現、花鳥風月と似た結果になっている。人物もそうだが、パターン化してきて面白くない。いや、背景や人物の安易さも不満なのだが、それ以上に絵に対するチャレンジ精神の不足なのが一番の不満だ。最近の作品は、何かをつかむ為の過渡期だと思う。それに、僕の百野道子に対する期待は彼女自身の方向性と一致していないかもしれない。お門違いの願望を彼女に求め過ぎているのかもしれない。
 彼女は描写力もある。色もこなせる。だから、ついそこそこの所で落ち着く、自分の力量の範囲内で悶えている。20歳代は今しかない。今しかできないあっぱれな失敗作を見てみたい。

 
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 ↑:佐久間敏夫・「椿」。


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 ↑:小林文夫・「夜明け」。

by sakaidoori | 2008-05-28 23:34 |    (時計台) | Trackback | Comments(0)
2008年 05月 27日

630)時計台 ①「第23回 北の日本画展」 5月26日(月)~5月31日(土)

○ 第23回 北の日本画展  C~G室
○ 第2回 企画展  A・B室
     「日本画、ニホンガ?にほんが。」

 会場:時計台ギャラリー  2・3階全室
    中央区北1西3 札幌時計台文化会館・(中通り南向き)
    電話(011)241-1831
 会期:2008年5月26日(月)~5月31日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00迄)

○ 深川移動展
 会場:深川アートホール東洲館
    深川市1条9番19号深川市経済センター2階・(JR深川駅を降りて直ぐ左側のビル)
    電話(0164)26-0026
 会期:6月3日(火)~6月15日(日)
 時間:10:00~18:00
 休み:月曜日
ーーーーーーーーーーーーーーーーー(5・26)

 参加画家の総数は確認しませんでしたが、全館を使った展示ですから沢山です。基本的には一人ー点です。目録があると助かるのですが、残念ながらありませんでした。

 展示はテーマを設定した企画展と、会員の普段着のような作品群です。大きさとかは抜群に企画作品が大きい、そういう意味でドアで繋がれて2部屋を使った企画展のほうが、見応えがあったと思います。会員展は個々の作品なり、作家の今年の創作姿勢を垣間見て、楽しむという感じです。

 まずは企画展、「「日本画、ニホンガ?にほんが。」の全体作品と、個別作品を載せます。とても全点を載せれませんが、お喋りは極力省略して、多く載せたいと思います。
 掲載は関係者の許可を頂いていますが、差しさわりのある方は非公開でも連絡下さい。写真をクリックすれば大きくなります。

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 ↑:左から、中井緋紗子・「四季の宴」、櫻井明子・「晴れ着」。

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 ↑:左から、大塚博子・「Friend」、横川優・「雪の舞」。

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 ↑:平向功一、「GULLIVER」。
 最近の平向さんはユーモア的傾向を強めています。工事中のバベルの塔の中で、巨人・ガリバーの寝転んでいる姿、絵が大きく見えます。

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 ↑:左から、樋口雪子・「卓上」、伊藤洋子・「クリスマスツリー」。

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 ↑:小島和夫、左から「想(オーランガバード)」・「想(臼杵)」。

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 ↑:安栄容子、「カリフォルニアにて 時計草・他」。


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 これから先の作品はやや狭いB室です。個人的にはこちらの部屋の方が好きでした。キュッとした緊張感がありました。好きな作家が多かったからかもしれません。

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 ↑:伴百合野・「旅の日記より、コルドバにて」
 いつも意欲的な作品を見せてくれる伴百合野。今回も期待に違わない。安易な異国情緒に流れず、薄塗りだが華やかにワイルドに外国を見せてくれる。

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 ↑:左から、竹澤桂子・「おおぜいのなかのわたし」、野口絹代・みち」。
 野口絹代、僕にとっての字(あざな)は「キリンさん」だ。とても失礼な言い方ですが、彼女は人目を引くような上手さや特徴の持ち主ではありません。真摯に直向(ひたむき)に堅実に進んでいる、毎回毎回静かな進歩を感じる。
 今回の作品、戦時中の若き洋画家達の自画像に通じるムードがある。彼女の求めているテーマは「現代と青年、その群像心理」と理解している。立っている青年、きっと彼女自身でしょう。

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 ↑:上野秀美、「life」。
 赤が眩しい。絵全体としてはどこか「もう少し」と言いたくなるが、この赤の眩しさは素敵だ。

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 ↑:田村直子、「山菜採りの日」。
 絵本原画展みたい。ユーモラスな春の山菜採り風景です。口をワンパク小僧のように開けて、はしゃぎ回っている動物達。昨年のこの展覧会で田村さんのことを知りましたが、いっぺんにファンになりました。


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 ↑:野口裕司
 透明のアクリル板に墨絵のような作品が「ごろり」。その作品の裏側に映像作品が流れていて、上の写真はその一齣です。だいたいこんな感じで流れています。タイトルは「流転」。音は有るのか無いのか、ビデオの機械音のようなノイズがいつも聞こえていました。

 「日本画とは何か?」を考えることがこの企画展の主旨だ。野口君の作品は、音響や映像を取り入れた総合美術・現代美術ということになるのだろう。どこが日本画かというと、彼が北海道で日本画を学び、日本画の団体に所属することを許され、彼がその団体に出品した時に、その団体が日本画として出品したことで日本画になったのだ。極端な話し、描き手が日本画と宣言すれば日本画として認めるということだ。

 今作、美しさから離脱したいのだが、どこかに形式美を引きずってしまう野口君を思ってしまった。作品そのものにそれ程の価値は感じないが、発表するという行為・動機に価値があるのだろう。本人にとっては意味も意欲もあるのだろうが、少しから回りした意欲を感じる。悶えていてもいいのだが、素直に「美」を取り入れたほうが野口君らしい。こういう時期を過ぎないと次に進めないのかもしれない。


 ②に続く。

by sakaidoori | 2008-05-27 23:01 |    (時計台) | Trackback | Comments(0)
2008年 05月 26日

629):Dr.ツクールのギャラリー 「いちご いちえ」・インスタ 終了・5月10日(土)~5月25日(日)

○ いちご いちえ(ささき みずほ展)

 会場:Dr.ツクールのギャラリー
    中央区南11西13
     東南角地の2階建てアパート風の建物が「プラハ2+ディープ・さっぽっろ」で、その2階にある小さなスペース。隣がいろへや。)
 会期:2008年5月10日(土)~5月25日(日)
 時間:?:00~?:00(おそらく、いつも開放しているのでは?)
ーーーーーーーーーーーーーーーー(5・25)

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 実にノー・テンキなハッピーな展示会だった。部屋中の壁にサクマのいちごキャンディーの包み紙をびっしり糊付けして、枝を置いて模型のいちごをぶら下げて(いちご食い競走みたい)、床には適当にぬいぐるみやお供え風のいちごキャンディーの山盛りがあったりしているだけ。写真で見ると、一瞬は草間弥生風にみえるかもしれないが、狂気性とは違って、ただただいちごキャンディーの包みを壁に貼ることの作家・みずの喜びがあるだけだ。そうなんだ、ただこの一点の為にみずは初個展をしたのだ。


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f0126829_11372116.jpg ぼくはみず・こと、ささきみずほのことは全然知らない。会場でお会いしたが、若い女性、ただそれだけだ。
 この日は写真家・ウリュウユウキ展の最終日とのことで、慌てて見に行った。(その報告もするつもりだが、少々遅れます。)誘われるままに、2階に行き、「驚きますよ」という案内でドアを開けた。間口半間(90cm)奥行き1間半(270cm)?の空間がピンク、ピンク、ピンクなのだ。
 僕はこういうのには驚かない。ただただ嬉しくなって仕方が無い。何が嬉しいかって?見ればすぐに分かるのだが、美術の技が上手いとか、ことさらセンスが良いとか、何かのメッセージを伝えたいかとか、そういうことを求めての展示会ではないのだ。多分、「部屋中を包みで埋め尽くしたい、それだけでは寂しいから、何か飾りもしよう、何を飾ろうか?とにかく壁を包みで埋めよう!」それだけだったと思う。そういう一途な感情というのかエネルギーが小さな部屋を埋め尽くしているのだ。
 ぺたぺた、ぺたぺたと壁に貼っているみずの後姿が見える。入り口左側の張り面は糊のベタベタ感が残っていて、壁を触る手に冷たく伝わる。彼女は入り口のここから張り合わせたのだ。そして、あまり上手に張れなくて、糊が表にくっついてしまったのだ。要するに失敗の痕跡だ。あー、残念なのは天井を張り忘れたことだ。忘れたのではなくて、天井という存在に気付かなかったのだ。きっと彼女はそのミスを心地良く悔いているだろう。「次はマルシマに文句を言わせない部屋を作ろう」と。

 いちごが踊っていた。宙に浮いていた。キャンデーの臭いがした。いちご・いちえ(一期一会・絵)だった。


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by sakaidoori | 2008-05-26 11:57 |    (いろへや Dr.ツクール) | Trackback | Comments(2)
2008年 05月 25日

628)北専・アイボリー 「福井利佐・展&CCP」 終了・5月11日(日)~5月24 日(土)

○ 福井利佐・個展(RISA FUKUI EXHIBITION VOL.2)
     「KI RI GA」展 @SAPPORO

 会場:ほくせんギャラリー ivory(アイボリー)
    中央区南2西2 NC・HOKUSENブロックビル4F・北向き
 会期:2008年5月11日(日)~5月24 日(土)
 時間:11:00~19:00 
 休み:月曜日が定休

 主催:PHILL、moss linkage(IMPRVIDE Co.、Ltd)
 共催:CULTIVATE CREATION PROJECT実行委員 

※カルチベイト・セミナー 02
 「Risa Hukui ~切りつづける理由~
 5月11日(日) 15:00~18:00 1,500円
 於・個展会場(ほくせん・アイボリー)

 「二ヶ月に一度日本のトップクリエーターを講師に迎え開催するCULTIVATE SEMINAR(カルティベイト。セミナー)。第二回目は東京を拠点に切り絵作家として活躍している福井利佐さんを講師に迎えます。・・・
 切り絵という手法に革新をもたらし、繊細かつ力強い彼女の作品は人の記憶に切り刻まれます。・・・自らの来歴と共に、作品発想の根源、作家としての未来への切り口を中心にお聞きします」
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 「静岡県生まれ。切り絵作家として幅広く活躍。受賞歴多数。・・・切り絵という作風ながら、大胆な構図と描写のきめ細やかさが見るものを惹きつける。・・・型にとらわれない活動フィールドは新たな切り絵業界の継承者との呼び声も高い。2007年に初の作品集「KI RI GA」を出版。2008年3月にはSTUDIO4℃と制作したオリジナル映像作品と原画をまとめた作品集『たらちね』も出版」(パンフより)


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 切り絵作家の切り絵作品展。作家のオリジナル映像作品が会場に流れていて、その原画展を含めた映像と切り絵展だ。それらはL字型会場の半分ほどで、上の写真の間仕切り左側。真ん中に台があるが、生け花があったのだ。ちょうど撤去したばかりだ。映像風景を完全に写真に撮り忘れた。写真の左側に大きなモニターと、その前の10脚ほどのイスを連想して下さい。
 映像の為の原画作品だから、作家の全貌を伝える為の近作が趣向をこらして間仕切り右側に十数点の展示。
 映像原画のシンプルさと、一点物の細やかな世界を楽しむのだ。

 映像作品の正式名称をメモしてこなかったが、「たらちね(垂乳根)」と理解していいだろう。原画作品集のタイトル名がひらがなのそれだから。
 「命」あるいは「誕生」をテーマにしている。盲目の子供と母と古里風景が題材。母が白無垢風の簡易な着物スタイルで、なぜだか割腹自殺する。死を通して、新たな生の誕生と神秘な力の世継ぎを暗示している。
 映像作品原画はそんなに細やかさを追求してはいない。一目で顔の表現に刺青にも通じる不気味さ凄みがある。
 顔のあやかしさは2面的だ。一つは映像作品がそうであるように、装飾過多と美への誘いへの新たな切り口としての手段だ。要するに映像全体が綺麗過ぎて、顔の不気味さからくるイメージとは違って、少し不満な感じ。安易な生命賛歌に陥りがちな映像である。音楽が流れていて、アイヌ・トンコリ奏者のオリジナル・メロディーなのだが、そのアイヌ調が異国的で全体にムービー効果を高めている。

 原画以外の作品で、普段の彼女の魅力がわかる。
 刺青的装飾美、ドロドロした線描画的世界が好きなのですね、作家は。確かに技術的にも、表現力としても一見の価値がある。それらは人間追求の表現手段としてではなく、線がうねって集まって、一つの生き物の輪郭を構成して、生きる物の活動の証・存在証明のような力動感だ。どこかでおぞましさが消えているから、一般受けし易いと思う。目に見えない「綺麗な部分」を表現していのだろう。

 

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 上の写真が映像原画。横たわった女の作品が好きだ。実にあっさりした線の世界だ。装飾性を消して、ストレートな力が伝わってくる。
 下の作品は近作。写真ではその巧みの技は伝わりにくい。色は切り絵の下に色紙を置いて表現している。切り絵がデッサンだとしたら、全体で絵画になっているのだろう。

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by sakaidoori | 2008-05-25 00:22 | 北専・アイボリー | Trackback | Comments(0)
2008年 05月 24日

627) 創 「ARTISTS WEEK Vol.1 “air”」・写真展  ~6月28日(土)

○ ARTISTS WEEK Vol.1(第1回 アーティスト・ウイーク)
   “air”(空気)  
    
 会場:ギャラリー創(ソウ)
    中央区南9条西6丁目1-36 U-STAGE1F(地下鉄中島公園駅から徒歩5分。南9条通り沿いの南側、北向き入り口。)
    電話(011)562ー7762
 会期:2008年?月?日~6月28日(土)
 休み:火曜日
 時間:10:00~18:00
 ※駐車場は2台分完備

 【出品作家】
 山岸誠二 廣島経明 置田貴代美 高井稜 中橋修 (会期中、メンバーの変更あり)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(5・24)
 企画展覧会です。

 3月末の教育大学岩見沢校・学生展(2年生展)以来の訪問。時々ギャラリー前の道路を通るのだが、いつもいつもここでは展示会を催してはいない。おそらく、それではイカンと関係者は思ったのです。来月末までの変化球を含めた連続展示会の興行だ。変化球というのは、メンバーの変更等、勝手気ままに行うのだ。いつまで現在の作品が並んでいるかは分からない。

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 ↑:中橋修

 今展は写真展と言ってもいいと思う。一人インスタレーションで気を吐いている中橋さんだ。三角形作品でも分かるように、シンプルで都会的な幾何学美、空気感を特徴としている。そして、下に転がった円球は、それを置くことによって場の風なり、空気の流れを微妙に変える変化球だ。グループ展だから、他の方の領域を侵さないようにおとなしく置かれている。室外の入り口付近にもそれとなく置かれている。
 久しぶりに氏の作品を見れてスッキリした。ギャラリー廻りを始めた頃に知った作家で、一所懸命に個展を見に行った。新鮮に思い出された。7月には個展の予定。


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 ↑:山岸誠二、「continue」。
 以下の写真家はこの2月にたぴおで開かれた「MOVE展」にも参加していた方達ばかりだ。そういう意味で、今展覧会の作家のまとめ役は山岸さんかもしれない。違った場所での表情を楽しもう。

 横一列の写真にスーッと光が走っている。光は白だが、七色の世界を飛び跳ねるようにして、白が走っている。

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 ↑:廣島経明
 御馴染みの宇宙創成の色の語り部が、ブロックに囲まれての展示。


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 ↑:置田貴代美
 他の方を含めて、今回はピンポイントの作品紹介はしません。独特の空気感によるイメージ、あるいは心象の世界です。一人白黒です。

 
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 ↑:山岸せいじ、「air」。
 壁作品は入り口から左回りに紹介しています。摺りガラスの壁の横に並べられています。光、光にあてられたこちら側と向こう側、どこまでも明るく明滅し、光の女神の力を借りて「何か」を捉えようとしている・・・これが僕の山岸ワールドです。僕の目は曇っているから、彼の見たものがなかなか見えない。

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↑:高井稜
 女性写真家です。たぴおで見つけた僕のお気に入りの一人です。風景ですがあえてダブらせて、力強い作品です。ダブっていて、くっきりしているーこれが高井さんの魅力です。対象を見る画家の一本気な力を想像しています。


 適時、作品は入れ替わるとのこと。また行って写真を撮ってきます。

 今回は担当者・本庄女史と雑談をしてきた。内容はここの認知度を高めること。その為にも、できるだけ展示会を埋めていくこと。ここは貸しギャラリーだけを目的にしていないとのことだ。ならば、しっかりした企画を考えねばなりません。「ギャラリー創」ならぬ、「本庄美術館」と云われても良いではないですか。意気込みと意欲に期待したい。そして、良い展示会の時には褒めよう、当然問題があれば叱咤激励しよう。

by sakaidoori | 2008-05-24 23:13 | 創(そう) | Trackback(1) | Comments(0)