栄通記

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2008年 04月 30日

616) 門馬・ANNEX 「本田征爾・展 ー幻灯世界ー」 終了・4月20日(日)~4月29日(火)

○ 本田征爾・展
    ー幻灯世界ー

 会場:ギャラリー・門馬 ANNEX
     中央区旭ヶ丘2丁目3-38・(バス停旭ヶ丘高校前近く) 
     電話(011)562ー1055
 日程:2008年4月20日(日)~4月29日(火)・会期中無休
 時間:11:00~19:00

 ※オープニング・イベント:F.H.Cライブ
     ①14:00~②18:00~(無料)
ーーーーーーーーーーーーーーー(4・29)

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 1977年 京都府生まれ
 2000年 北海道大学水産学部卒
 2002年~以後、断続的にマグロ延縄調査船に乗船
 2004年 この年の2月にギャラリー・エルエテで初個展、以後札幌では今回が6回目か?。他に大阪で個展。

 プロフィールに書いたように2004年から本田君は精力的に個展をしている。作品は水彩で、小品ばかりだ。画題は深海?の不知の魚達がほとんどだ。幸いその多くを見てきた。不思議なものだ。見初めの時は僕自身の興味からはすこしズレていたが、なぜだか毎年彼の個展を楽しみにしている。慣れもあるのだろう、彼自身の表現力の上達ということもあるだろう、自分とは違う感性をギャラリー廻りで楽しむことを覚えたからかもしれない。

 さて今展、明快に言えることが二つある。
 一つは細密画への挑戦だ。挑戦といえば新たな試みにみえる。発表としてはそうではあるが、落書き、デッサンなど普段の延長でもあると思う。
 それで、この細密描写がなかなか良いのである。今までの絵が、青い海中から生き物達が立ち現れることに主眼があったと思う。目に見えない生命の違う形での出現に重きがあった。画家一般が言うところの、「見えない世界を、見える世界にする」という作業だ。本田君にとっては「新たな生命の出現」は自明なことになったようだ。おぼろげに出現する姿が絵画的幻想を伴い魅力的ではあっても、ムードだけに止まる事から一歩前進したようだ。魚たちの目鼻口の相貌、何よりその姿を美しくであるが克明に描くことが別次元での生命の存在の証明であるかのように振舞っている。
 「私の体を見て!近寄って近くで見て!細かい形と形の間も、色と色の間も見て!私はここにいるのよ!」彼の絵は男女が肉感的に絡み合うという意味でのエロスは少ない。ユーモアで生き物の営みの一つとしてのエロス表現がせいぜいだ。だが今展、細密画に拘ったから、ユーモア精神が微妙に揺らいで見えた。性にしろユーモアにしろ、本田絵画はまだまだ期待するところが大である。

 もう一つの特徴として、個展の幅を広くしたことだ。立体作品もある。これが将来大きなウエイトを占めるかどうかはわからない。絵画作業の息抜きとしても、見るほうへのサービスとしても良いことだろう。
 コラージュにも意欲的だ。絵そのものが水玉世界なのだが、ビーズをちりばめてトリック的だった。煙草の箱を使って、都会的なお洒落な作品もあった。

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 ↑:左から、「ハナタコフネ」、「Erosion」。


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 ↑:左から、「玉降る」、「狭間の星」。


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 ↑:「行き止まりの迷宮」。

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 ↑:「花魚 Ⅲ」。

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 ↑:「Orbitalis」。


 少し長くなるが最後に。
 彼は関西人だ。会話すれば直ぐに分かる。その話振りがぶっきら棒な感じがするが、あれがかの地のノリだから何等の敵意はない。おそらく関西人の言葉のアクは日本を代表する伝統、人口の多さと商業を中心にした生活感覚から来ているのではないか。「でしゃばり根性」がなければ自分を見失うのだ。
 本田君の絵画も人間関係の振る舞いとして見ることができる。いわゆるアイデンティティーの問題だ。
 絵画世界での不知の魚が本田君自身だ。小さい世界でのユーモア的生物、それは人口過密な世界で、小さくてもヒョウキンな立ち居振る舞いで自己発揮していたのだろう。深海という闇から鮮明に姿を現す魚達、それは彼自身が沢山の人の中で自己をだし始めたのだろう。自信の現われだと思う。そして今展の細密でしっかりした魚達、ようやく、「本田征爾を見よ」と宣言しているのではないか。街の中を闊歩し始めたのだ。
 以上、絵に表れた栄通の本田征爾論の序論です。


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by sakaidoori | 2008-04-30 13:43 | 門馬・ANNEX
2008年 04月 29日

※ 栄通の案内板  4月(2008年)

 栄通の案内版連絡先以前の記事

 (メモ 4・16) 案内板の記事の掲載日のことで。
 期間の短い展示会(概ね10日以内)は最終日に載せます。記号は⇒。美術館などの期間の長い展覧会は始まる前は初日に(←記号)、始まってからは最終日に(記号は⇒)載せるようにします。


【最近の記事】

4・29記)・門馬 「木村環・作品展 『アリス!』」・鉛筆画 5月2日(金)~5月11日(日)
・ミヤシタ 「島村雅代・展」・テキスタイル 5月7日(水)~5月25日(日)
4・28記)☆紀伊國屋 「栂嶺レイ写真展 『知床開拓スピリット』」 5月17日(土)~5月22日(木)
☆近代美術館「追想ー片岡球子の世界」  4月22日(火)~7月5日(土)
4・25記)・時計台 「第28回 みずすまし会展(日本画」 5月5日(月)~5月10日(土)
☆アートスペース 「多田昌代 U・TSU・WA展」 4月24日(木)~4月29日(火)
4・24記)☆テンポラリー「小林麻美・個展」  5月9日(金)~5月15日(木)
4・19記)・NHKギャラリー 「木版画教室作品展(講師・山内敦子」 4月18日(火)~4月24日(土)
4・18記)☆HOKUBU記念絵画館「萩原英雄・展  abstrct only」 4月24日(木)~9月28日(日)
☆道立文学館 「企画展・加藤多一と北の風景 馬たちがいた」  4月26日(土)~6月15日(日)
・市民ギャラリー 「第23回 北翔展」 4月22日(火)~4月27日(日)
○音楽会:芸術の森 「おはなしとピアノのコンサート」 4月26日(土)・14:00~
4・16記)☆江差・風の待合室「西田靖朗・絵画展」 5月1日(木)~5月7日(水)
☆タピオ 「やさしい時間展 其の一(アクセサリー小物等)」 4月21日(月)~4月26日(土)
・時計台 「小野礼子・水彩画展」 5月5日(月)~5月10日(土)
・北都館 「石炭画家 早川季良・展」  4月13日(日)~4月19日(土)
4・15記)・小樽美術館・市民ギャラリー「13人展 Wave(ウエーブ)」 4月29日(火)~5月4日(日)
4・14記)・画廊喫茶・チャオ 「もっと-アバンギャルドー展」 4月25日(金)~5月7日(水)
☆さいとう「栃内忠男・展」  4月29日(火)~5月4日(日)
4・13記)・ポルト「テキスタイル・ミニアチュール展」 4月22日(火)~4月27日(日)
4・12記)・STVエントランス・ホール 「ダム・ダン・ライ彫刻展」 4月28日(月)~5月18日(日)
・札幌市写真ライブラリー「札幌学院写真部春季学外展」 4月22日(火)~4月27日(日)
☆オリジナル画廊 「加我雅恵・個展」 4月23日(水)~4月30日(水)
☆モエレ沼公園 「ウリュウ ユウキ写真展  chapter2ーそして春は」  4月20日(日)
4・11記)☆宮の森美術館「札幌宮の森美術館展 5」 4月4日(金)~6月1日(日)
4・10記)☆喫茶・いまぁじゅ 「平向功一・日本画小品展」  4月7日(月)~5月10日(土)
☆カフェ・エスキス 「佐藤香織 -点描画展」  4月10日(木)~4月29日(火・祝)
4・7記)・さいとう「SPRING  吉田英子・吉田ひかり」  4月8日(火)~4月13日(日)
・れんがギャラリー 「女3人白黒写真入門編(展) ~その2~」 4月12日(土)~4月20日(日)
4・5記)☆釧路芸術館「市民が愛したヨーロッパ絵画 ~バロックから近代へ」 4月12日(土)~6月11日(水)
☆大丸札幌店 「ヨーロッパ絵画名作展 ~ロココからコローとバルビゾン派の画家たち~」 4月2日(水)~4月14日(月)
4・4記)☆帯広美術館 「遠き道・展 ~現代日本画の行き先~」  4月11日(金)~6月15日(日)
☆旭川美術館 「エッシャー展  永遠なる迷宮」  4月19日(土)~6月1日(日)
4・3記)・さいとう「高畑宏治・絵画展」  4月8日(火)~4月13日(日)
・タピオ 「春へのコンチェルト」 4月7日(月)~4月12日(土)
☆時計台「富田知子・展」 4月21日(月)~4月26日(土)
4・1記)☆さいとう「2008 勝野好則・ガラス展」  4月1日(火)~4月6日(日)

by sakaidoori | 2008-04-29 18:07 | ★ 栄通の案内板
2008年 04月 28日

615) 春の旅① ー宮島沼

 渡り鳥マガンの泊り地宮島沼。ねぐらからの飛び立ちを見たくて、沼の駐車場で一泊した。

 一週間ほど前にマガンのねぐら入りを見た。日没前後から東から南から南西からV字に隊列を作って沼に帰ってくる。ただただ意味もなくあごを上げて、鳥達の飛行隊を見るのだ。完璧なV字形とは言えず、やっと帰ってきたという感じで乱れている。最後はバタバタと慌てるような姿勢で湖面に着陸する。飛行機は離着陸がもっとも危険だと聞くが、どうやら鳥も同じのようだ。
 初めて見る人はあまりの多さに歓声を上げる、見慣れた人は今年の飛来数などを教えたりして、例年との比較を語っている。見学地の反対側からマガンの占める影が増えていくのだが、暗さが増すにつれ手前に押し寄せて鳴き声も一層盛んになる。鳥の数は増えるのに反し、辺りは暗さが増していく。見物に気を取られて、時間の経つのを忘れるが、暗闇に月が昇り、鳥のうるさい鳴き声から距離をおいた時、心にあれこれといろんな思いが湧いてくる。

 ねぐら入りを見たのは一週間前だった。ある人のブログから朝のねぐら立ちの様子を見ることができた。他人の体験を羨んでいても仕方ない。急に自分自身も見たくなった。
 この日は既に鳥の数も減っていた。例年にない暖かさで、多くの鳥がユーラシア大陸の東端をを目指して飛び立ったのだろう。

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 廻り合わせとは面白いものだ。現場で若きカップルに鉢合わせた。遠目に女性の振る舞いが目に飛び込んできた。天真爛漫な笑顔だ。見覚えがあったので、近づいて顔をまじまじ見ればやはりそうだ。実はその彼氏のブログがきっかけで、今宮島沼に僕はいるのだ。折角だから、ツー・ショットを一枚撮ればよかったな。


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 4時起床。沼の傍のネーチャー・センターでトイレと顔を洗って、曇天の中で鳥の飛び立ちを待つ。情報では3回くらいに分かれての出発ということであった。残念だが、一斉にスタートということではなかった。大きなまとまりとしては5回ぐらい、適当な塊で何度でも飛び立った。それでも、その瞬間の羽根音のうるささが刺激的だ。彼らの意気込みのようなものが、朝もやの中で清々しい生気として伝わってくる。

 昨日の太陽だけの茜色と同様に、朝焼けで東の空が七色に覆われることはなかった。できれば秋にまた来よう。


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by sakaidoori | 2008-04-28 18:43 | ◎ 旅・飛行機・船
2008年 04月 28日

614) 一日散歩きっぷ

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 JR一日乗り放題。

 いつになく早い桜前線とともに、大型連休の時期になりました。
 時々紹介している一日散歩きっぷでのんびり電車の旅はどうでしょう。

○ エリア:札幌を中心にして、⇒石狩当別⇒新十津川。 ⇒岩見沢⇒滝川⇒富良野⇒美瑛⇒新夕張・夕張。 ⇒苫小牧⇒様似。 ⇒小樽⇒室蘭⇒苫小牧。
 エリア内の普通・快速列車、乗り降り・途中下車自由。(新夕張ー新得間のみ特急列車自由席利用可。)

○ 料金:2,040円。

○ 発売日:当日のみ(前売り)。土曜、日曜、祝日、春休み(3・22~4・6)、G.W.(4・26~5・6)、夏休み(7・25~8・20)

○ 発売箇所:札幌市内はほとんど大丈夫です。石狩当別、上野幌、北広島、島松、恵み野、恵庭、千歳、南千歳、新千歳空港、岩見沢、小樽。


 女房殿は昨日友達と二人旅です。小樽散策と倶知安。小樽美術館、ヴェネチア美術館、小川原美術館の旅です。倶知安の小川原美術館は歩いて30分以内に着くそうです。
 ゴールデン・ウィーク中も利用できます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 最近、記事が休みがちです。花粉症でテンションが下がっているみたいです。

 先日、①宮島沼のマガン、②カムイコタンの遺跡とカタクリ、旭川美術館「エッシャー展」、③男山のカタクリ、④美瑛郷土資料館、⑤十勝岳展望台と散策してきました。旭川美術館の「エッシャー展」が一応のメインなのですが春の行楽ですね。簡単に足跡記を残しておきます。

 先週はほとんど展示会には行けれませんでした。案内を頂いたのも有るのですが、残念ではありますが仕方がありません。

by sakaidoori | 2008-04-28 16:37 | ★ 案内&情報
2008年 04月 24日

613)テンポラリー 「佐佐木方斎展 『meta絵画』」  4月23日~5月4日(日)

○ 佐佐木方斎展
     「meta絵画」

 会場:テンポラリー スペース
     北区北16西5 (北大斜め通り・西向き 隣はテーラー岩澤)
     電話(011)737-5503
 会期:2008年4月23日~5月4日(日)・月曜休廊
 時間:11:00~19:00
ーーーーーーーーーーーーーーーー(4・24)

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 作品はキャンバスの白一色の世界。その白も抜けるような白とか、「あー、この白は綺麗ですね」と色の美を語るものではない。これだけの「白」を見せるのだから、作家が意図的に描いたものであることは間違いない。間違いないが、完結した「白」の世界としては僕には見れない。描かれた時は知らないが、今展の作品の表面はわざとか保管上の問題か汚れているのだ。僕は彼の版画作品を見たことがある。格子状の模様で、輪郭線や色が几帳面とも言えるほどクリアーな仕上げになっていた。そういう人が今展のような作品を最終的作品として提示することに信じ難い思いだ。

 三つのことを思った。
 一つは、「壁の前にも3年」という禅問答のようなこと。そして、見る人は誰かというと、画家自身だ。鑑賞家はこの作品を何年見ても埒があかない。作品を見ている画家の思いを想像することが鑑賞家の楽しみだ。

 一つは、作品は問題があっても展示されたからには最終作品だ。だが、これらは今から何かを描こうという下地のようである。また、描かれた何かに白く塗りつぶしているから、何かを閉じ込めているとも言える。そして、描く意思を棚上げにしている画家がいる。

 最後に、作品の白とキャンバスの枠ラインが展示会場の壁色やいろいろな線と妙に一体感があるのだ。部屋全体が支持体として見えてしまった。この入れ子状の仕上がっていない白の世界を、画家はこれから少しづつではあっても何かを付加しようとしているのではないか。
 タイトルの「メタ絵画」。絵画を超える絵画、あるいは絵画を語る絵画、ということだろう。僕には「メタ佐々木方斎」展であった。過去及び現在を越える(語る)佐々木方斎展だ。


 佐々木方斎といえば、1980年代の札幌現代美術の仕掛け人として有名だ。活動は「美術ノート」という言語活動、国や地域に捉われないグループ展などの企画・展示会活動、ギャラリー運営と話をお伺いすれば実に多彩だ。原点はぶれてはいないのだが、現象としては一つに落ち着くことなく蠢くタイプのようだ。それも激しく情熱的に。そして次から次へと。佐々木氏とは年齢的にはそんなに違いはないが門外漢の僕には彼の過去の活動の多くは語れない。
 知名度高き過去の業績、それは大事なことではあるが、こうして個展をするからには彼は現在進行形の人だ。病気であったが、体調は相当回復したようだ。過去の仕事は「情報」ということが大事な要素のような気がする。現在は体調のこともあり、情報からは一歩はずれた見地から新たな発信源であって欲しい。

f0126829_2205488.jpg 幸い何冊かの「美術ノートを頂いた。読み進んで行けば、時折り紹介したいと思う。「言葉」の利点は時空を超えて検証ができるということだ。だから、誤解や間違いも付随する。であっても、過去を今の目で訪ねるということは、相手が訪ねがいがあればスリリングのものになるだろう。不明なことがあれば、次の機会に問うことにしよう。


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 (佐々木氏は気さくな人だ。若い表現者との交わりを欲しているようだった。不思議な展覧会と同時に、氏との会話も楽しんではいかがでしょうか。)

by sakaidoori | 2008-04-24 22:15 | テンポラリー
2008年 04月 21日

612) お休み

 三日ほど休みます。
 あまりコメントの来ない一方的なブログですが、返事等は遅くなります。

 日々好天が続きます。庭の花もそれなりに咲き始めました。桜もサイクリング・ロードでは咲き始めました。凄く早い。花見で一杯の時期が近づいてきました。

by sakaidoori | 2008-04-21 15:56
2008年 04月 21日

611)市民ギャラリー ④「’08 第35回北海道抽象派作家協会展」 終了・4月15日(火)~4月20日(日)

○ ’08 第35回北海道抽象派作家協会展

 会場:札幌市民ギャラリー 
     中央区南2東6(北西角地)
     電話(011)271-5471
 会期:2008年4月15日(火)~4月20日(日)
 時間:10:30~18:00(初日は13:00~、最終日は~17:00迄)

 【出品作家】
 同人: あべくによし(旭川) 今庄義男(岩見沢) 後藤和司(札幌) 佐々木美枝子(札幌) 近宮彦爾(旭川) 外山欽平(函館) 林教司(岩見沢) 三浦恭三(小樽)・・・以上、7名。

 一般:石川潤(江別) 岩田琿(七飯) 甲斐野弘幸(札幌) 草野裕崇(江別) 笹岡素子(江別) 渋谷美智子(札幌) 鈴木薫(札幌) 鈴木悠高(札幌) 名畑美由紀(札幌) 宮川市子(札幌) 横山隆(札幌)・・・以上、10名。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 (2008年 協会展  ①・②・③の続き。
 当初の予定に反して、④まできてしまいました。こういう大所帯のグループ展を一人一人に拘っていることに、読まれる方は辟易されるかもしれません。お許し下さい。いろんな意味で、展示会を手際よく書きおけるといいのですが、どうもそういう能力に欠けています。現在の「栄通記」の特徴と思ってください。個人の発信として、試行錯誤の状態です。)

 
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 ↑:同人・佐々木美枝子、上から、「作品 D・C・B・A」・S60。

 作品を全部の載せました。色、それもピンクを中心にして、ざっくばらんな丸や三角を描く人です。今庄・後藤・三浦各氏の惹き込まれる色ではないのです。情念をぶっつけるとか、しみ込むような色というのではない。素直な気持ちになって、春の野山を散策しているような色、ピンクですから恋の色といえなくもないのですが、そういう色恋も感じさせない。強いて言えば初恋の色か。カルピスの初恋の味か。
 初めて見た時、そのあっさり感に「若い人が描いたのかな?でも、若い人がこんなに情熱を抑えて、抜けたような世界が描けるのかな?」と思った。彼女は今庄さんと同じく創立会員で、ベテランです。若い絵を描く人だ。こういう絵は男には描けない。拘りがあまりにも感じない絵だ。
 

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 ↑:一般・宮本市子、左から、「ミカエル」・180×180cm(4枚組)、「ギターの色」・180×180cm(4枚組)。

 工作的コラージュ作品。右側の作品にはローマ字で文章を綴っている。白く見えるのが釘頭で、黒く蟻の行列に見えるのがアルファベット。その文意といい、ミカエルというタイトルといい、どこか平和への祈りを込めた作品だと思う。
 そういう画家の思弁的な主張に関係なく、非常にこちらが素直になって見ることのできる作品だ。ハート・マークの羽根をあしらった茶色の部分は木屑を張り合わせている。丁寧に丁寧に造作しているのが素晴らしい。コラージュなどの部分部分はどこをとっても技術の巧みさは感じないが、全体から伝わるイメージは実に良い。画家が制作している時のリズムが楽しく想像される。良い作品に廻り合えた。宮本市子、覚えておこう。


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 ↑:名畑美由紀、全て「細胞」・F100(右二枚は対作品)。

 名畑美由紀さんは昨年の新道展以来大作に挑戦しているのではないか。僕はたぴおで小中品を見ていたので関心のある作家だ。大作の特徴を一口に言えば、その大きさをもてあそんでいるようだ。画質感を濃密に仕上げるには大きすぎる。だから、この作品を含めて雑さが目立つ。瑞々しい抽象模様のリズミ感が良さだと思うのだが、この大きさに表現するのに苦心しているようだ。
 ただ、タイトルが「細胞」と聞いて、納得するものがあった。彼女の抽象模様のキーワードを「細胞」としてこれから見ていこう。

 
 

by sakaidoori | 2008-04-21 12:22 | 市民ギャラリー
2008年 04月 20日

610)モエレ沼公園 「ウリュウ ユウキ写真展  chapter2ーそして春は」  終了・4月20日(日)

○ ウリュウ ユウキ写真展・「春を迎えに行く」
     chapter2ーそして春は  

 会場:モエレ沼公園・ガラスのピラミッド内2階・アトリウム2
   東区モエレ沼公園1-1
   電話(011)790-1231
 会期:2008年4月20日(日)
 時間:13:00~17:00
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(4・20)

 半日限りの写真展。
 その中に公開展示風景と、公開撤去風景も入っている。階段状ではあるが単に写真を並べた風変わりの写真展ともいえるし、展示過程を公開するという意味ではパフォーマンス展ともいえるし、この日この時間の一回限りという意味ではインスタレーションともいえる。
 定義は定義として、好天に恵まれ初夏のような雰囲気、多くのお客さんに恵まれ、充実した展示会だったと思う。
 開始から1時間程いたので、紹介と雑感です。

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 先日まで琴似のカヘェバー「ラジオ&レコード」の展示会作品と、未発表を合わせた30点ほどの展示会。あらかじめシュミレーションしているはずだから、展示は順調にすすみ30分ほどで終わった。準備していたとはいっても、ウリュウ君は汗をかきかき、相当緊張していた。

 被写体はモノクロで雪と雪景色がほとんどだ。
 会場には撮影者の言葉があった。それには信州生まれということ、新潟育ちということ、東京に少し住んだが雪がなくて寂しかったこと、札幌に住んで北国の雪に会えたこと、その白い景色は春を迎える雪(冬)だと謳っていた。
 今日の天気は春真っ盛りで、光が燦々と作品に当たっていた。冬を懐かしむ感じの作品展にもなっていた。その分、普段の展示会とは違った、雪への撮影者の暖かい声が聞こえてきそうだった。

 階段状に作品が置かれているから、なんとも手にとって作品に接する感じで見ることになる。
 雪のある風景の空気感、それが表現の大きな柱だと思う。雪と背景、雪と物との関係で表現されたり、直線に区切られた窓からの覗きとして表現されたりする。雪景色全体のボリューム感や、表面の雪質感にどことなく人間臭い暖かさを保っている。
 雪の表面だけを撮った作品が多数あった。空気感や質感を超えて、雪(対象)そのものに迫ろうとしている。線の構成美やロマンとは一線を画した、強い撮影者の「目」を感じた。撮影者自身のストレートな主張ともとれる。今までとは違った新鮮な驚きだった。


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 ↑:単作としては最も愛情溢れる作品だと思う。人間を撮っているからだろうが、寒い冬なのに雪質感と人の歩みが辺りの風景の密度に変化を与えている。

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 ↑:僕はウリュウ作品の直線的構図に惹かれる。右の電信柱、左の作品と一緒になって見るのが良い。どこが良いかというと・・・。

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 鑑賞の後にモエレ山に登った。沢山の人がいた。ウリュウ君の展示会場のピラミッドの館を眺めた。不思議なものだ。たかだかそこには30枚ほどの写真が並べているだけなのだ。なのに、作品達の真ん中にウリュウ君が真っ直ぐに立っていて、その彼が作品を睨み返している様子が想像される。
 藤谷康晴ドローイングに、ウリュウ ユウキは触発されての展示会だ。藤谷君はエネルギーを会場の窪んだところに充満させて、爆発点を見つけるようにもがいていた。ウリュウ君はその目が作品に注ぎ、館のガラスを真っ直ぐに突き抜けてモエレ山の僕をも睨みながら微笑んでいるようだった。
 それは春の陽気の妄想のような一時だった。

by sakaidoori | 2008-04-20 22:34 | ☆モエレ沼公園
2008年 04月 19日

609) 定山渓・夕日岳(594m)

 今年二回目の登山。
 
 定山渓の夕日岳。低い山だ。ガイドブックでは1時間足らずと紹介している。30分の休憩を入れて1時間40分で登った。
 この山の魅力は春先の花が素晴らしい。定山渓神社脇から登るのだが、神社の遊園地辺りはエゾエンゴサクがびっしり咲いている。

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 登山は北西斜面を登っていく。直登ではなく、斜面を右に左に大きくジグを切って進むのだが、全然標高を稼げなくて、面白味に欠ける。だが、短所は長所とはよく言ったものだ。この斜面は雪が遅くまで残り、その関係でカタクリの群生地(お花畑)を3箇所ほど見ることができるのだ。当然、標高の低い所から咲き始めるから、全てを満開状態で見れることはないが、これほどまとまって見れる場所は札幌でもそんなにないのではないのか。
 少し花の時機には早いと思った。案の定、お花畑はこれからという段階だった。でも、雪解けは例年よりも1、2週間早いようだ。一箇所だけ雪の残っている処もあったが、問題なく歩けた。花の好きな方は来週からがカタクリの見ごろだと思うので散策されてはどうでしょう。

 道すがら、適当に道端の花と景色を紹介します。

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 ↑:定山渓神社左脇が登山道。砂防ダムを過ぎた川の流れ。登山はこの川を左に横断して別れて、本格的?な登山。

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 ↑:カタクリ

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 ↑:左から、ヒメイチゲ、ナニワズ。

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 ↑:1時間ほど登ると見晴台がある。定山渓の街並と無意根山から余市岳までを見渡せれる。これから先は花もなく、頂上の展望もたいしたことはないので引き返す人もいる。

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 ↑:左後方の雪山は無意根山。
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 ↑:左後方から、定山渓天狗岳、小天狗岳、定山渓ダム。
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 ↑:見晴台からの展望。
 ところでこの山は「夕日岳」という名前。街の向かいには「朝日岳」という同じような低い山がある。定山渓の街から夕日・朝日が当たるのでこういう名前になったのだろう。

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 頂上。見晴台から20分ぐらい。いきなりベンチが迎えてくれる。他にも人がいる時には座って食事をするには憚る感じだ。この日は誰もいなくて、夫婦仲良く座っての弁当です。

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 下山後、神社から左側にあるホテル「ゆらら」までの散策路を一回り。この辺はエゾエンゴサクがびっしり。適当に花が咲いていたので載せます。

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 ↑:左から、スミレ、キバナノアマナ?。

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 ↑:左から、ニリンソウ、エンレイソウ(これは登山中の花)。

by sakaidoori | 2008-04-19 21:22 | ◎ 山
2008年 04月 18日

608)市民ギャラリー ③「’08 第35回北海道抽象派作家協会展」 4月15日(火)~4月20日(日)

○ ’08 第35回北海道抽象派作家協会展

 会場:札幌市民ギャラリー 
     中央区南2東6(北西角地)
     電話(011)271-5471
 会期:2008年4月15日(火)~4月20日(日)
 時間:10:30~18:00(初日は13:00~、最終日は~17:00迄)

 【出品作家】
 同人: あべくによし(旭川) 今庄義男(岩見沢) 後藤和司(札幌) 佐々木美枝子(札幌) 近宮彦爾(旭川) 外山欽平(函館) 林教司(岩見沢) 三浦恭三(小樽)・・・以上、7名。

 一般:石川潤(江別) 岩田琿(七飯) 甲斐野弘幸(札幌) 草野裕崇(江別) 笹岡素子(江別) 渋谷美智子(札幌) 鈴木薫(札幌) 鈴木悠高(札幌) 名畑美由紀(札幌) 宮川市子(札幌) 横山隆(札幌)・・・以上、10名。
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○ 第二室
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 (第一室同様、右回りに書いていきます。普通に並べれば左回りが人間の生理にあっていると思います。実際、第一室の作家毎の作品展示は左回りが大半でした。ですが、ここの会場構成が出入口の関係で右回りに向いています。個々の作家の意思と人の流れがミスマッチなのが、市民ギャラリーの欠点です。)


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 ↑:同人・三浦恭三、上から 「浮遊 3・4・2」・全てF100。(他に同じような青系の作品が一点あります。)

 本当に青の水色が綺麗だ!水そのものと理解している。縁取りをお洒落に色分けしている。こういう作品は見て綺麗だなーと思ったら充分だ。水の中に抽象模様が遊んでいる。青色だけでは寂しいので、緑を共にしている。青と緑が早春を奏でている。画家は年配の男性だ。男の美にはほのかなエロスがつきものだ。だが、残念と言うべきか、素晴らしいと言うべきかエロスが無いではないか!
 三浦さんは以前は循環など、やはり水を想起するような抽象絵画を描いていた。失礼だが、色の薄さに反して理念的で面白味に欠けていた。今展、何という変身だろう!「水の具象画家」と言っても全然おかしくない。


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 ↑:同人・後藤和司、「’08 春のscene」・M100×3 (下は左の作品の部分図)。

 後藤氏は最近はこのシリーズだ。織物のような色のグラデーションの世界。無味乾燥な極小アートとは似て非なる世界。ミクロの世界に迫りつつも、全体の美を常に保っている。この織物のような蜘蛛の巣的美の世界に木の葉が舞い散るような絵を描いたりしていた。今回はあまり細かいことには拘らない、そのまんまの静謐な絵だ。
 三浦氏が後藤氏の仲間に入った感じで、後藤氏の美の世界が膨らんで見える。


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 ↑:一般・渋谷美智子、上の右から「2008-Ⅰ Ⅱ Ⅲ」・F100 F60(下の写真作品) F60。

 色は中間色、あっさりした大き目の抽象記号を重ね合わせ、盛り上げ、抽象の何たるかを研究しているみたいだ。ざっくばらんと言うのか、おおらかな気分が伝わってくる。


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 ↑:一般・鈴木悠高、「Yellow2008」・116.7×700.2cm。(Sサイズ6枚の組作品。)

 幸い鈴木悠高君は数年前から見続けているので、今展で見たかった若手の画家だ。今展は昨年の個展時の作品を連作という形で再発表したもの。僕はその時の個展を見れなかったので、二度楽しめた。
 若さのある画質感の中に、これまた若さの象徴である情動をいかに付加するか、あるいは滲ませるか、そんな風に作品を見た。気分はモネの中にゴッホを取り込みたいのではないか。ただ、ゴッホのようなストレートな激しい筆跡は好まないようだ。筆跡を残さない薄塗りの重ね絵は今のところ論外のようだ。
 そして色全体のパワーで何かを表に出そうとしているみたいだ。
 強い情動の持ち主だと思う。それを抑制するような気質の画家でもなさそうだ。彼の色との闘いは結構見ていて楽しい。どんな風に進むのかはわからないが、興味のある作品と人間である。秋には時計台で個展をすると言っていた。今展と似た作品かも知れないが、人間と一緒に載せたいものだ。
 
 
 (④に続く)

by sakaidoori | 2008-04-18 23:40 | 市民ギャラリー