栄通記

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2008年 03月 31日

581)さいとう「八子晋嗣・八子直子展」  終了・3月25日(火)~3月30日(日)

○ 八子晋嗣・八子直子展

 会場:さいとうギャラリー
     南1西3 ラ・ガレリア5階B室
     電話(011)222-3698
 会期:2008年3月25日(火)~3月30日(日)
 時間:10:30~18:30(最終日は17:00迄)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・29)

 八子さんご夫婦による二人展です。

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 展示は晋嗣さん抜きの直子さんと、そのお父さんによるとのこと。キャプションは子供さんが書き、画題も子供さん、まさしく家族展です。

 この展示方法が八子晋嗣さんの立体作品に思わぬ効果をもたらせたようです。具体的な点は省きますが、小品の作品同志の組み合わせ、部品の位置、寝かせたり立たせたりと、作品も以前とは違った表情で目に入ってきて、心地良い刺激を受けました。
 その小品を覆うようにして、八子直子さんのあっけらかんとした子供の顔があります。意外に静謐な沈み込んでいく場になっていました。

 まず、ご主人の八子晋嗣・立体。基本的に僕は彼の作品は好きですし、関心も高いのですが、今展も新作は大いに満足でした。

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 ↑:「海にかえる」
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 ↑:海の森」
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 ↑:「ラルカのかけら」

 上の二つ、ピーナッツのような形が良いですね。目に優しく、触りたくなるむっくりした形態です。彼の造形感覚は人体のフィット感にあるようです。抱いていいし、枕にしていいし、転がして遊びたくなります。
 下の作品、二種類の木の部品の組み合わせです。亀ですね。円い部分が一人コタツに見えるので「コタツ亀」と勝手に命名しました。やはり触りたくなります。「触らせる、触りたくなる」、まさしく八子晋嗣のエッセンスです。
 優れた近作小品の3連発、彼は充実している。「近美のアミューズメント・ランド」だったか?、子供向けの近美の冬の企画ですね。是非是非、八子さんを出して貰いたいですね。

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 八子さんはご自身の子供を自分の肖像画のように大きく描きます。
 八子直子の魅力、それは大事なものを恥じらいやてらいも無く、ドーンと僕達の前に晒すこと、その行為です。絵画的トリックとか造形的追及とかは強制的に後ろに引っ込んでいって、まるでそういうことは問わない姿勢に見えるのです。「愛は全てを隠す」と言いたげです。好きなものを好きなだけ描く、表現する。この行く着く果てに何が有るのか?表現は膨らむのか?枯渇するのか?実験でもあり、八子直子の生き様でしょう。こちらは一人で舞い上がる八子さんを見守るしかない。それが、どう見る者に還って来るか。結論を急ぐことは無い。まだまだ八子さんは舞い上がるのだから、暫くは見続けていこう。


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by sakaidoori | 2008-03-31 21:18 | さいとう | Trackback | Comments(0)
2008年 03月 31日

※栄通の案内板  3月(2008年)

 栄通の案内版連絡先以前の記事

 (コメント3・28)久しぶりに音楽会の紹介です。場所は石狩の花畔。○印は音楽会です。
 (コメント3・26)今日は女性の展覧会です。

【最近の記事】

3・31記)・ギャラリー・エッセ「石垣渉 水彩画の世界展」  4月15日(火)~4月20日(日)
・近代美術館「第75回記念独立展  独立展北海道展」  4月2日(火)~4月13日(日)
☆ ミクロ 「黒川祐輔・漫画展  ーbaby cart-」  4月11日(金)~4月25日(金)
3・30記)・ArtWarm「響韻と、『在る』 下沢敏也(陶)×石川亨信(版)」  3月31日(月)~4月6日(日)
☆市民ギャラリー 「’08 第35回北海道抽象派作家協会展」 4月15日(火)~4月20日(日)
3・29記)☆STVエントランス・ホール 「美水(よしみず)まどか・展」  3月31日(月)~4月20日(日)
3・28記)・af 「栗田健 絵画・版画展 『room』」 3月25日(火)~4月5日(土)
○ArtWarm「在る・を聞く ユビクトス×下沢敏也(陶)×石川亨信(版)」  3月30日(日)当日3300円
3・27記)☆ラジオ&レコード「ウリュウ・ユウキ写真展 春を迎えに行く(chapter1ー夜を越えて)」  3月31日(月)~4月12日(土)
☆門馬 「Seiji Yaagishi  Takashi Yaaguchi・影一刻」 3月30日(日)~4月6日(日)
3・26記)・アートマン「春展 08(Sali 蓮 田中まなか 菊池亜沙美)」 4月8日(火)~4月13日(日)
☆ファインアート器野 「菅原美穂子・作品展 ー紡ぎ詩ー」 3月30日(日)~4月4日(金)
☆東京・ギャラリーSOL 「熊澤桂子・展」  3月24日(月)~3月29日(土)
3・25記)★ 宮の森「札幌宮の森美術館展 4」 1月12日(土)~3月30日(日)
・芸森 「イタリア美術とナポレオン」  4月15日(火)~5月25日(日)
★芸森 「愛する美術 Part2  ハッピー・ライフ」 2月2日(土)~3月30日(日)
3・24記)☆NiCoビル ハナアグラ「共振展(石井誠・大泉力也2人展)」 4月1日(火)~4月7日(月)
☆NiCoビル ハナアグラ「森本めぐみ・展」 3月24日(月)~3月31日(月)
3・21記)★時計台「外山欽平・油絵個展 ー作品Kシリーズー」 3月31日(月)~4月5日(土)
★市立小樽美術館 「阿部典英・自作を語る」  3月22日(土)
★近代美術館「美術講演会:港千尋×岡部昌生」  3月22日(土)
3・20記)☆時計台「松田奈那子・展」 3月31日(月)~4月5日(土)
☆さいとう「八子晋嗣・八子直子展」  3月25日(火)~3月30日(日)
☆ミヤシタ 「秋田智江展」・フレスコ画 3月26日~4月13日(日)
3・19記)★資料館「みつば乳業 (3人展)」  4月15日(火)~4月20日(日)
★時計台「中田絵美・大場優子展」 3月31日(月)~4月5日(土)
★門馬 「本田征爾・展 ー幻灯世界ー」 4月20日(日)~4月29日(火)
★af 「フランク・ゴルドブロン写真展『異なるもの奇異なる物』」 4月8日(火)~5月24日(土)
3・18記)・ニュー・スター「ハルナデ展 JobinとPaterの二人展」 3月10 日(月)~3月23日(日)
・ギャラリー・エッセ「沢田千香子・写真展」  3月16日(火)~3月23日(日)
・創(ソウ)「交わる平行線・(教育大学2年生・6人展)」  3月26日(水)~3月31日(月)
・山の手 「版画シリーズ5人展」  3月4日(火)~3月25日(火)
3・17記)☆ADPギャラリー 「小樽商科大学写真部三月展 『お前は今までに食べたいパンの枚数を覚えているか』」 3月16日(日)~3月23日(日)
3・14記)☆さいとう「道都大学中島ゼミ 関谷修平・小菅和成 『無窮展』」  3月18日(火)~3月23日(日)
3・8記)☆カフェ・エスキス 「森美千代・写真展 ーONIKESHIとNESSAー」  3月13日(木)~4月8日(火)
3・4記)・学生・写真展)写真ライブラリー「北海学園大学写真部 卒業記念写真展」 3月12日(水)~3月16日(日)
3・3記)・北都館 「本田滋・絵画展  風の彩ー西の風・風力2」  3月16日(日)~3月23日(日)
・法邑 「油彩3人展 リアルとシュールのジャンク・カクテル」 3月12日(水)~3月20日(木)
3・2記)☆大通美術館 「カルチュレ 2008 油彩展(3人展)」 4月1日(火)~4月6日(日)
・タピオ 「長谷川雅志・個展  『供物』」 3月10日(月)~3月15日(土)
・たぴお 「絵画サークル  空(そら)展」・教室展  3月3日(月)~3月8 日(土)
3・1記)・ユリイカ 「木村環・作品展」  3月18日(火)~3月23日(日)
・ユリイカ 「本宮順子・個展」  3月4日(火)~3月9日(日)

by sakaidoori | 2008-03-31 20:03 | ★ 栄通の案内板 | Trackback | Comments(0)
2008年 03月 30日

580) たぴお 「高田稔・個展」  3月24日(月)~4月5日(土)

○ 高田稔・個展 

 会場:ギャラリーたぴお
    中央区北2西2・道特会館1F (中通り東向き)
    電話(011)251-6584
 会期:2008年3月24日(月)~4月5日(土) (会期中無休)
 時間:11:00~19:00

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・29)

 今年で26回目位の個展(昨年聞いた話に基づけば27回目です。)お馴染みと言うか、春には彼の個展を見ないとどこか安心できません。絵に力があって、定期的に開いているのを見ると、作品がカレンダーのようになっていて、その日が来ないことには落ち着かないのです。

 やはり画題はいつもと同じです。海があって、少年がノスタルジックに背を向けてノスタルジックに海の彼方を見詰めているというものです。

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 ↑:古い作品群。
 展示は右側3分の1位が以前の作品。

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 ↑:「Don’t think twice it’s、all light」

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 ↑:「休日」

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↑:「It’s a beautyfull day」

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 ↑:「船にのって行く」

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 ↑:「さんぽ」


 栄通記の写真再現度はご存知のようにあまり高くはありません。それで仕方ないと思っているのですが、高田さんの場合は心苦しいものがあります。画家は色をーこの場合は空の色をー表現するのにかなり心配っているからです。上から2番目の空の色がかなり近いのではと思っています。季節で言えば、今日のように青白く棲んだ色です。秋の抜けた青では無くて、春先に蒸気が少し白んでいる色と思って下さい。

 色のことを長々書いたのですが、その薄青色に拘っています。
 画面をかなり横長にして本当にマリーン・サイズに合わせようとしている点。
 後ろ向きにも拘っています。

 横長、薄青、後ろ向き・・・そこから何かを語れば良いのでしょうが、その薄青に浸るばかりで、あまり考えなかった。
 

 昨年の個展⇒こちら

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 ↑:「風に吹かれて」

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by sakaidoori | 2008-03-30 23:44 |    (たぴお) | Trackback | Comments(4)
2008年 03月 30日

579)NiCoビル ハナアグラ「森本めぐみ・展」 3月24日(月)~3月31日(月)

○ 森本めぐみ・展
       
 会場:Hanaagura Gallery(ハナアグラ・ギャラリー)
     札幌狸小路マーケットNiCoビル2階 hanaagura
     中央区南3西2(狸小路2丁目)ニコービル2F
     電話(06)6311-3322
 会期:2008年3月24日(月)~3月31日(月)
 休み:定休・水曜日
 時間:平日→12:00~21:0020:00
     土日祝→11:00~21:0020:00
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・29)

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 ↑:左側の大きい作品は「ひみつしかない Gyaraxy」。
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 ↑:「HZを想う I imagine Habitable zone.」<Habitable zoneは恒星(太陽)の周りに同心球状に拡がっている生物(人間)の生存可能領域のことです。ー作家の説明より>


 今年、森本さんは札幌高専を卒業、そして岩見沢の教育大学に2年次で編入入学。

 非常に印象的な絵を描く人です。目、口のきつい描写、赤の多様さと黒の配置などが見る人に強烈な印象を与えるのだと思います。
 それと、漫画的絵画あるいは落書き的絵画という特徴が、こちら側にいろんな物語を生みます。決して彼女の絵は説明的というのではありません。彼女自身がノートの片隅にびっしりと落書きをして、その絵が自分自身の分身として遊び悩み始める。その一齣に色付けし、絵として立ち上げていった、そんな感じで森本・ワールドを見ました。一枚の絵の裏側に幾多の彼女の想念・妄想を想像してしまうのです。しかも、風船が弾けて爆発しそうなエネルギーが絵の裏側に見えて、圧倒されそうです。それは、多感な若さと言ってしまえば簡単ですが、画家自身の普段の表に出さない心の葛藤と思うと、絵の中の人の心の二面性や絵の可能性を考えてしまいます。

 ところでアニメ的絵画として奈良美智の睨みつけるような少女絵があります。森本さんとの違いで言えば、奈良の少女にも奈良自身の分身的要素が在るとは思うが、少女自身が自立した存在として自動運動しているように見える。それは奈良の情念というよりも、「視覚的思想」と言った方が近い。その点、森本さんの主人公は画家・森本を抜きにしては独り立ちできない絵画としての弱さも感じる。この弱さは、人間・森本が心の裏と表を見透かせれるようになった時に、画家・森本の中でどう成長するか。

 今展は見せる展覧会というよりも、画家自身が一歩引いてエネルギーを溜め込むといった感じが強い。これからの学生3年間の静かなスタートでもある。いつもは目のように見える花は、この絵では主人公の口に見える。それは口を塞ぐ役割しか与えられなかった。直に、部屋一杯、花で狂おしく覆われる展覧会を見ることが出来るだろう。


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 ↑:「マザーマザーマザー Mother.Mother,Mother.」


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 ↑:左から、「しずかにもっとしずかに Silent more and more」、「かれではなくとも I'm not him but...」、「こぐまウーマン A little bear woman」。



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 ↑:「インプレッシブ・フライト Inpressive flight」



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 ↑:「あのこはわたし」

 (森本めぐみさんからタイトルと作品の関係、タイトルの説明を頂きました。有難うございます。)

by sakaidoori | 2008-03-30 20:52 | 4プラ・華アグラ | Trackback | Comments(3)
2008年 03月 29日

578) 大通美術館 「鈴木喜景・油彩展」 3月25日(火)~3月30日(日)

○ 鈴木喜景・油彩展
    ー版画 スケッチ・デッサンー

 会場:大通美術館  
    中央区大通西5丁目11 大五ビル(東向き)
    電話(011)231-1071
 会期:2008年3月25日(火)~3月30日(日)
 時間:10:00~19:00 
ーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・29)

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 遊び心一杯の鈴木絵画です。
 以前は資料館で個展を開いていたのですが、より街中での個展です。そのせいか、ここの会場の様子伺い的で、少しおとなしい個展になっていました。大きな絵が少なかったのが寂しかったですね。

 以前、鈴木さんとの会話で、「絵にいろいろな要素があると思います。技術的なこと、自己表現、色や線や形の絵画的なことなどですね。でも、ほんのわずかな1、2%の味の素、芸術という味の素が難しいんだなー」と、力を込めてぼやいていたのを良く覚えています。

 鈴木さんは高齢です。鈴木流の「へたへた」か「へたうま」か分かりませんが、大きな絵で元気印の鈴木絵画をこれからも宜しく頼みます。

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 ↑:「水辺の牛」・F12。
 会場外に展示。最新作で、ご本人はあっさり仕上げたとのこと。鈴木さんにしては色も無く、女も無く、力強さをシンプルに表現している。今展の一番のお気に入り。

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 ↑:「ビヤガーデン」・F30。
 今展の最大の作品。以前にも見たことはあるのですが、わかりやすすさ、鈴木絵画のオーソッドクスな魅力が伝わると思います。林檎のやヒップの円さのリズム感と人間の生き生きさ、前景の賑々しさ、中景の普通さ、後景も負けずに明快な描き方。画題一つ一つに手を抜かずに描いて、絵全体の中に収めるという手法です。

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 ↑:左から、「道南風景」・F8、「石狩鮭漁」・F15。


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 ↑:木版画、「裸婦」。

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 ↑:大通公園」・変形。

by sakaidoori | 2008-03-29 23:23 | 大通美術館 | Trackback | Comments(0)
2008年 03月 29日

577) 時計台 ③「第7回 サッポロ未来展」 終了・3月17日(月)~3月22日(土)

○ 第7回 サッポロ未来展
     THE PRESEN  


【参加作家】

 渡辺直翔 藤田有紀 吉田浩気 平野可奈子 宮澤祐輔 明円光 片山美季 秋元美穂 高村葉子 長屋麻衣子 こうの紫 青木美歌 西山直樹 渡辺元佳 佐藤仁敬 谷地元麗子 福森崇弘 風間真悟 齋藤麗 田中怜文 宮地明人 河野健 竹居田圭子 波田浩司 水野智吉 村山之都   ・・・・・・以上、26名
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・22)

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 ↑:渡辺直翔。
 上の写真を見ればわかるように、整然とびっしりと沢山沢山の展示。同室がガラスの青木美歌さんだから、部屋全体がやや薄暗い。、一瞬では何を撮っているのかは分からないのだが、何を撮っているのかがわかってもただただ同じ写真の行列に感心するばかりだ。
 映像を学んでいる20歳の学生だ。現代の明滅する社会現象の瞬間・連続・増殖運動とか、表現者自身の自己表出とか難しいことで分析すればいいのかもしれない。むしろ、ドロー・ペインティング的な表現者の「行為」として楽しんだ。ただただ規則正しく並べていくだけ。きっと誰かが手伝ったんだろうが、それでもただただ貼っていくだけ。
 人はなぜかしら連続模様に脳神経を揺さぶらされるのだ。渡辺君、ご苦労さん!俺はしっかりこの「映像」を見たよ。焼き付けたよ。

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 ↑青木美歌。
 今展はオーソドックスな展示。現代工芸女流作家のガラス作品販売展示にもなっている。実際、彼女の作品が幾等するのか、値段に折り合いが合えば、購入する人も沢山いるだろう。
 僕自身はガラスの作る造形美にも関心はあるのだが、それらが光に当たって他との関係性、それがたとえ「場の空気」というボリュームであっても、何かと関係して輝いているほうが見ていてゾクゾクする。そういう意味では少し物足りないが、テーブルに置かれた作品達はやはり楽しく綺麗にに並んでいた。


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   ↑:竹居田圭子、「この星で生きていくこと」。
 不思議な作家だ。

 特に今作品は悩ましい。作品は「結合双生児用子供服」の展示だ。単なる子供服の展示と思って、その中身を見過ごしてしまった人が多いのではなかろうか。
 「結合双生児」それは尋常ならざる子供である。ベトナム戦争の枯葉剤の犠牲による子供を直ぐに想定してしまった。だが、その文脈では反戦や人間の尊厳の象徴として子供は扱われがちだ。
 竹居田は作品を象徴的に提示するのを好まない。そのものを素直に見て、そのものの良さを認めたところを立脚点にしている。あまりに健全な視点に、皮肉や揶揄は無いのだろうか?有る、有るのだがそこを軽くすり抜けるフットワークの良さの方が目に付いて、彼女の真意をつかむことなく、笑いや機智で終わってしまう。
 今展、重いテーマをあまりに普通に扱っている。「共生」という倫理的美名の綱渡りを見ているようだ。世間を肯定して肯定して、それでいて軽い刃物を突きつけるような凄みがある。こんな作品は絶対に男には作れないだろうな。男は否定から、建前から入りがちだから。竹居田圭子に脱帽だ。

by sakaidoori | 2008-03-29 01:26 |    (時計台) | Trackback | Comments(0)
2008年 03月 27日

576) 時計台 ②「第7回 サッポロ未来展」 終了・3月17日(月)~3月22日(土)

○ 第7回 サッポロ未来展
     THE PRESEN  

 会場:時計台ギャラリー 2階3階全室
    中央区北1西3 札幌時計台文化会館・(仲通り北側)
    電話(011)241-1831
 会期:2008年3月17日(月)~3月22日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00まで)

【参加作家】

 渡辺直翔 藤田有紀 吉田浩気 平野可奈子 宮澤祐輔 明円光 片山美季 秋元美穂 高村葉子 長屋麻衣子 こうの紫 青木美歌 西山直樹 渡辺元佳 佐藤仁敬 谷地元麗子 福森崇弘 風間真悟 齋藤麗 田中怜文 宮地明人 河野健 竹居田圭子 波田浩司 水野智吉 村山之都   ・・・・・・以上、26名
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・22)

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 ↑:明円光(みょうえん・ひかる)。
 初めにおわびします。作品に関する話を作家から聞いたのですが、きっかけの話の面白さと、鏡の展示効果と、僕のほうで作家に関係なく展示空間を楽しんだので、作家のコンセプトは正確にはわかりません。ゴメン。

 おそらくタイトルは「不思議の国のアリス症候群」では。この言葉は正式な精神科用語です。対象が小さく見えたり大きく見えたり、遠ざかって見えたり近づいて見えたりする症状です。直ぐにジャコメッティーのことが頭に浮かんだ。彼は自分の異様な距離感覚、空間感覚を近代的造形空間に視覚化することに努めた。彼はこれだったのかもしれない。
 鏡には、鏡に写った人がご自分の顔をなぞっていて、ご本人の写真が肖像のように添えられている。少し邪魔な顔の絵のある沢山の鏡を斜めに見ていると、何も描いてない綺麗な鏡に自分の顔が同時に目に入り、顔顔顔の浮島模様の部屋の四隅が「カガミの国のアリス」状態になってきて空間に幾つもの境界線がデジタルラインのように走り出してきて・・・う~ん、明円仕掛けに白旗を上げてしまった。 
 線は細いが都会的なシャープな感覚を明円君に見た。病的な題材を健康的に処理している。

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 ↑:風間真悟、「crystal」。
 風間君は以前は精悍な油絵を僕たちに見せていた。楽しみにしていたが、ある時「僕は絵を描かない」宣言をした。イベントなどで環境インスタレーションをしている。だから小空間での彼の作品は見れなくなったのだ。展示はいつも既存のイベントの写真紹介である。それなりに面白いのだが生の熱気が伝わらなくて寂しいおもいだった。
 今展のイベント展示は実に良い。詳しい説明はほとんど無い。それでも充分に制作意図・主張が良く分かる。と言うより、展示が作品発表になるような屋外企画を案出し、演出・編集しての構成になっているのだ。ずばり、「現代美術」を嘲っていると見た。

 舞台は旭川市忠別川護岸のフラットな雪野原。ものものしい服装に包まれて、重そうな実は軽い偽ジュラルミン版で雪の上に六角形の雪の結晶模様を刻印していく。そのことが文字で語らなくても分かるように展示されているだけだ。
 思わず黄色い放射能防御服のヤノベを連想した。その服装の「カザマ」がジュラルミン版を手に持って白の上に立っている。雪にそんなに道具立てをして模様を付ける意味があるのだろうか?「ハザマ」は彼自身を含めて「現代美術」にアイロニーを込めて、愛を込めて「何か」を言っているのであろう。

 
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 ↑:齋藤麗。
 いつもはろうけつ染めによる黒白模様の増殖する空間を表現していた。
 今展もテーマは同じだと思うが、ファックスの感光紙を使った紙と流体と模様の増殖だ。ファックスという支持体をオブジェにしたものだ。紙の白さが目立って、いつもより「美」が強調された感じ。
 好きな作家だけに久しぶりにちゃんとした作品を見れてすっきりした。STVエントランス・ホールあたりでしてくれると良いのだが。人の流れ、人口光、自然光の絡み具合い、カガミを挟んだ内と外、天高くどこまでも上へ上へと階段状に増殖する姿、見てみたいな。

(③に続く

by sakaidoori | 2008-03-27 23:11 |    (時計台) | Trackback | Comments(0)
2008年 03月 27日

575) 時計台 ①「第7回 サッポロ未来展」 終了・3月17日(月)~3月22日(土)

○ 第7回 サッポロ未来展
     THE PRESEN  

 会場:時計台ギャラリー 2階3階全室
    中央区北1西3 札幌時計台文化会館・(仲通り北側)
    電話(011)241-1831
 会期:2008年3月17日(月)~3月22日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00まで)

【参加作家】

○ 渡辺直翔  1988年  伊達市。武蔵野美大在籍。
   (佐直麻里子  1987年)
○ 藤田有紀  1986年  札幌市生。武蔵野美大日本画在籍。
○ 吉田浩気          札幌市生。武蔵野美大在籍。
   (稲實愛子 1985年)
  平野可奈子         倶知安町生。多摩美大在籍。
  宮澤祐輔          札幌市生。多摩美大在籍。 
  明円 光           滝川市生。武蔵野美大在籍。  
  片山美季   1984年  苫小牧生。女子美大日本画専攻在籍。
  (小林愛美)    
  (菊池博江)   
  秋元美穂   1983年  函館生。武蔵野美大卒、全道展、函館教育大付属学校勤務。   
  高村葉子          士別市生。武蔵野美大在籍。
  長屋麻衣子         斜里町生。多摩美大卒(予定)。
  こうの 紫   1981年  札幌生。女子美大修士課程修了。
  青木美歌           東京生。武蔵野美大ガラスコース卒。
  西山直樹          東神楽町生。京都造形大在籍。
  (藤井康子)    
  渡辺元佳          伊達市生。武蔵野美大卒。  
  佐藤仁敬   1980年  滝川生。金沢美術工芸大修士課程修了。独立展会友。
  谷地元麗子         江別市生。道教育大研究科修了。道展会友。
○ 福森崇弘          苫小牧市生。武蔵野美大卒。
  風間真悟   1979年  東川町生。武蔵野美大大学院在籍。
  齋藤 麗    1978年  北海道生。多摩美大大学院修了、御茶ノ水美術専学勤務。
  田中怜文           旭川生。東京在住。
  (三浦卓也)    
  宮地明人   1977年  岩見沢市生。武蔵野美大在籍。全道展会友。
  (渡辺和弘)  1975年  札幌市生。教育大卒。道展会員。
  河野 健    1973年  苫小牧生。愛知県立芸大卒。
  (久津間律子)   
  (佐藤正和)   
  竹居田圭子  1971年  東京生。道教育大卒、道展会友。
◎ 波田浩司           江別市生。教育大卒。独立展準会員、全道展会。
  水野智吉   1969年   函館市生。上越教育大大学院修了。全道展会員。    
  村山之都          旭川市生。武蔵野美大大学院修了。
  (戸山麻子  1967年)

・・・・・・以上、26名。○印、今年初参加。◎印、代表。アンダーライン、全展参加。( )印、昨年までの参加
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・22)  

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 ↑:以上、2階。

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 ↑:3階。

 7回目の札幌展。7回目にしてようやく全6室を楽しく見れた。
 昨年はとても充実していた。しかし、交流による他地域の画家作品の導入による全体の底上げの結果だった。今展では彼らは参加していない。同人だけの展示として、全体としてきっちりしていた。展示として空間を埋める作業に6回もかかるのかと驚いている。個々の作品はともかくとして、全体のレベルの向上が来年からの本当の課題だと思う。
 特に3階のインスタレ-ション的展示が良かった。大胆・ワイルドと言う作品は無いが、コンパクトな主張が小気味が良かった。
 2階の壁面作品群、正直な気持ちとしては全体にもっと元気があっても良いのではと思うが、期待度としては7割位の満足度だが、これはこれで良いか、という気持ちだ。気に入った作品、見直した作家作品もあったので、全体としてはほっとしている。ほっとしている・・・もっともっと実験的作品、意欲的な作品が見たいという意味だ。

 昨年は道内関係者が32名、招待作家が4名の36名の出品作家数だ。
 今展は道内関係者だけの26名だ。入れ替わりもあり、随分昨年の作家がいなくなったことになる。(参考までに参加作家欄に不参加の作家の名前も書いておいた。)その辺の事情は知らないし、これがこの会の姿勢だからどうのこうの意見を言う筋合いではないだろう。2階の壁面作品群がおとなしく見えたのも、作家減少が原因なのかもしれない。

 ②で個別の作品を載せます。

by sakaidoori | 2008-03-27 20:08 |    (時計台) | Trackback | Comments(0)
2008年 03月 26日

574)ギャラリー・エッセ「沢田千香子・写真展」  終了・3月16日(火)~3月23日(日)

○ 沢田千香子・写真展
     ーカラクルー
       
 会場:ギャラリー・エッセ
     北区北9条西3丁目9-1 ル・ノール北9条1F
     電話(011)708-0606
 会期:2008年3月16日(火)~3月23日(日)
 時間:10:00~19:00(最終日は17:00迄)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・23)

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 組写真や普通の大きさの連作で、部屋を大きく伸びやかに使っての展示だ。作品は小樽の街を背景にして、昔懐かしキャラクター・おもちゃを主人公に見立ててのユーモア写真展だ。
 小樽の街は衰えたとはいえ、今も道内を代表する街。今は観光都市として、往年はニシンなどの港町として、商業・金融都市として盛えた。その古き袂を残す小樽の街を少し古いおもちゃ達が闊歩している。<カラクル>、「カラクり、おたル」だ。

 写真そのものは何等のトリックはない。映画の特撮とは言はないがその基礎的応用だ。
 カメラ視点とおもちゃと背景の距離感で小さなおもちゃが人間のように振る舞い、感情表現している。だが技術とは使う人の味がでる。会場に入った瞬間、大きな作品群があまりに等身大にこちらに迫ってくるのだが、作家の個性が反映して実におおらかで違和感が無い。嘘(うそ)を嘘として眺めてしまった。まるでこちらがおもちゃになって、あごを上げて辺りをうかがっているみたい。
 親しみを込めて魅入っていくと、おもちゃの無い小樽だけの写真もあるのだが、不思議にその写真の街灯やら、コンクリートの人工物などがおもちゃに見えてきてしまう。すると、トリックのような写真にリアリティーというのか、心地良さが湧いてきて、小さな写真が大きな夢になったり、かつて記憶の一齣と勘違いしたくなったり、鏡の国の入り口にもなったりしてしまう。


 現代人は多くの映画を見ている。写真を見ている。コマーシャルを漫画を見ている。一つのおもちゃはそれだけで明快なメッセージ(命令)を持っている。記憶の隙間隙間に無意識に転写された現世肯定の視覚世界と意味付けは、ある種のきっかけでその人の心の中で自動運動しようと待っている。昨日まで眠っていた遺伝子内ウィルスが何かに反応して自己増殖するように。

 沢口さんは「からくり小樽」という演出で、見る側の一人一人に「あなたの夢に目覚めて!」と、後押ししているようだ。


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by sakaidoori | 2008-03-26 23:22 | エッセ | Trackback | Comments(2)
2008年 03月 26日

572)ADPギャラリー ①「小樽商科大学写真部三月展」 終了・3月16日(日)~3月23日(日)

○ 小樽商科大学写真部 三月展
    『お前は今までに食べたいパンの枚数を覚えているか』 
    
 会場:ADPギャラリー
    中央区南2西10丁目1番地 アラゼンビル3F(東北角地、中小路の南側に入り口)
    電話(011)214-8411(担当・北野原)
 会期:2008年3月16日(日)~3月23日(日)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00迄)

 協賛:㈱アラゼン
 後援:ADPギャラリー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・23)

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 会場はビルの3階。若手の表現者を支援する為に、無料で会場を提供している。真四角な場所で事務所という感じだが、利便性も良く、適当な広さだし、是非個展でもグループ展でも利用されてはどうだろう。詳細は会場を見学するついでに、上記の担当者と相談されたらいいと思う。

 小樽商科大学、美術にはあまり馴染みのない大学だ。それと、小樽は歴史もあり美術館内の市民の発表の場など充実しているから、ダイナミックな札幌ー小樽の交流は少ないのではないだろうか。こうして、学生ではあっても、わざわざ札幌で開催されることを嬉しくもあり、応援したくなる。彼等自身が札幌の学生・表現者と積極的に交流されたことであろう。

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 今展の記は少し大上段的ですが、展評風に書き進めます。ほとんどの意見は当日会場に詰めていた岩村君と話したことばかりです。思いっきり自分の意見を述べました。文章で丁寧語や歪曲表現はかえって失礼と思い、美術愛好家の断定意見を述べます。

 名前から判断して男性6名・女性2名、一人1点から10点の展示構成。  敢えてくくって言えば、男性陣は「人物」との距離感に特徴がある。女性陣は「美」に特徴がある。

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 ↑:佐々木貴博
 カラー2点を含めて7点の展示。上の写真が強烈に迫ってくる。人の痕跡を一瞬の強烈な光の中に閉じ込めようとしている。閉じ込めずにはおれない強い意志を感じる。それと、佐々木君の特徴は絵画的構成美を写真の白と黒と輪郭・光で表現している。
 上の写真と絵画美という視点に立って、展示を見直す。僕にはカラー作品は邪魔だと思う。白黒のメリハリの強さがカラーはボケてしまっている。強い1点の視点で作品の取捨選択の余地がある。

 
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 ↑:高橋隼人。被写体はインド、チベットと旅先で出会った英国人。
 自分自身の体臭をもろともせず、相手にグイグイ接近して、ゲタゲタ大笑いして「パチリ」。人間大好きの典型的な作品だ。揺らぎがないのが良い。 更に良いことは、メインのインド・チベット人とは違って、知り合った西洋人青年を撮っているのだ。それは西洋人が旅先で現地の人達とくつろいでいる光景で、それ以上に西洋人を自分の分身の様に扱い、展示空間に「高橋隼人」を忍ばせているのだ。憎い演出効果だ。
 問題はこういうカメラマンが「日本の人」をどんな風に収めるかだ。外国だから可能、許せることがある。その手腕を日常性の中で見たいものだ。

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 ↑:中津川道也
 小振りの作品4点を斜めに並べての展示。
 一見たゆたゆしく心もとない写真だが、僕は繊細な強情さを感じる。特に、上の写真の様に子供を撮った写真が2点ある。良い写真だ。道路を一人歩く少年の強い意志、孤独・・それをカメラマンは睨みつけるように後追いしている。そこには叙情性はない。もちろん、その可能性をカメラマンは体質的に備えてはいるが。小さいがピンと張り詰めた心という風船、カメラマンは執拗に追いかける。5・6点程度の組写真でいいから、もっと沢山発表経験を積んで、中津川君の感性を確信として発表してもらいたい。経験を積むべきだ!

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 ↑:岩村亮太
 岩村君と人の距離、それは着かず離れず、傍観者にも当事者にもなりきれない中途半端な位置を取る。それは現代青年気質を正直に表明している。好きな女の子に「お茶飲もうよ・・・それじゃ、また明日」と笑顔で分かれる。人生はそれでいい。被写体との距離感もそれでいい。ダメなのは表現は徹底しなければならないということだ。中途半端な位置が自分の距離感と見定めたのならば、その距離感で作品の全体構成をすべきだ。幅のない展示は面白くないという批判を受けるかもしれない。だが、ぶれない定点を自分なりに掴むことが先だ。その自信が少数作の発表の時に、自分なりの幅・変化を入れる呼吸を生むと思う。
 今展、いろいろな要素を入れ過ぎた。文章説明が多すぎた。バスの写真、良い写真だと思うが全体との整合性に疑問だ。気に入った作品だから挿入したのだろうが、断腸の思いで排除の選択もあったのでは。
 「人との関係が中途半端な距離」と言った。だからと言って彼は人間不信ではない。「覚めた目」、「温かい目」の自覚と、作品に対しては冷たい態度をとるべきだ。君の被写体は身の回りに沢山ある。君の目を通して僕自身が「人間」を再発見したい。

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 ↑:芳岡完祥(ひろただ)、「ZZZ ~親愛なるkkk へ」
 彼はこの作品1点だけだ。
 KKK(クー・クラックス・クラン)とは、アメリカの白人至上主義団体だ。おぞましい黒人排斥・暴力主義は止まるところを知らず、行き着くところまで行って消えてしまった。アメリカ南北戦争の南部敗戦を契機に生まれ、1929年の世界恐慌の中で社会的存在意義を失った。現在はどういう形で生き残っているのかは詳しく知らない。
 そういう政治色の強い「人物」の一枚勝負。ことさら展示方法に異を唱えないが、あと何枚か連作として見たかった。芳岡君の主張が皮肉にあるのか、ユーモアにあるのか、チュッとした冗談にあるのか、そういう芳岡ワールドを楽しみたかった。そういう意味で、僕にとっては論ずべき対象ではない。昔を思い出して簡単な勉強はさせてもらった。
 残るのは写真の出来栄えとしての技術的なことだが、僕には皆目分からない。

 (②に続く

 

by sakaidoori | 2008-03-26 14:34 | ADP | Trackback | Comments(1)