栄通記

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2007年 09月 30日

330)  短歌 菱川善夫選「物のある歌」-13・9月30日

 短歌 菱川善夫選「物のある歌」
 (北海道新聞2007年9月30日朝刊、日曜文芸・P29より)

・わが父祖の吾から数えて五人目に斬り殺されし男ありけり(冒頭歌)
・正しきを正しいと言う容易(たやす)さをひょろひょろ生きて逆賊の裔
・ほめられてぺろぺろ舐めて舐められてひとりになれてやっとさびしい
・自転車を燃やせば秋の青空にぱーんぱーんと音がするなり

   奥田 亡羊。
  「亡羊(2007年、短歌研究社)。1967年京都府生まれ。東京都在住。


 家系図をさかのぼること、5代前に殺された先祖を持つと作家・奥田氏は叫ぶ。次の歌から解釈するに、正しき主張が時の為政者の咎に合い、誅されたと言う。自分を逆賊の末裔と規定している。立派な血を引く自分の生き様に対して、自嘲的な歌が続き、何やら囚われの心を払拭したいのだろう、自転車を焼くのだ。「パーン」という音を聞いて安心感を得たのだろうか?

 僕はこうい歌は、歌人は好きではない。5代前の先祖をどうの、こうの言って、今の自分に引き寄せるとは何事だろう。しかも、愚痴っぽい。日本人で、古き家系図を持っている人など、どれ位いるというのか。武士階級と、それに連なる為政者組(名主・寺社関係など)、京都を中心にして、地方の数少ない商家ぐらいだ。「逆賊の末裔」?そんなことはどうでもいい。歌でもって、自分を初代にして「逆賊の奔り」と大きな叫び声を聞きたい。「さびしい」、生きることはさびしいものだ。それを歌でストレートに表現したら、文芸の女神は逃げていってしまう。短歌は「ラブレター」とは違うのだ。


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by sakaidoori | 2007-09-30 22:35 | ◎ 短歌・詩・文芸 | Trackback | Comments(0)
2007年 09月 30日

329)  短歌 菱川善夫選「物のある歌」-12・9月23日

 短歌 菱川善夫選「物のある歌」
 (北海道新聞2007年9月23日朝刊、日曜文芸・P25より)

・マナティーが月を抱きて歌うとき立つさざ波を不安というか (冒頭歌)
・背後より黒頭巾もてせまりくる死よすっぽりと我を捕らえよ
・強風にあんぱんの袋が飛んでいく私も飛びたいあんなに軽く
・ひと口のパンが喉(のみど)を通った日私は真紅の薔薇になった

  柳澤 桂子
 「萩」(2007年、角川書店)。1938年東京生まれ。理学博士。闘病の傍らサイエンスライターとして活躍。東京都在住。

  4首の歌が起承転結のような構成になっている。
  マナティーとは人魚のイメージの原型といわれる水生動物とのこと。そのマナティーが恋人(月)を抱いている幻想的な世界に不安を見つめる(「起」)。その不安は死に覆いかぶされる(「承」)。一転して、あんぱん袋になって自由に飛んで行きたいと軽やかに詠う(「転」)。ふくろうに入っていたであろう、パンが喉を通る時、私は「私は深紅の薔薇になった」と生命の輝きを詠って、菱川選歌は閉じられる(「結」)。

  短歌全体の世界を演劇を見るように視覚化されたことに、軽い驚きを感じた。柳澤さんは今年で70歳くらい。菱川さんにとって、同輩の女性歌人に対する応援メッセージだろう。「まだまだ人生はある。君は病に、僕は文芸と闘おう。短歌という同志へ!」


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by sakaidoori | 2007-09-30 21:50 | ◎ 短歌・詩・文芸 | Trackback | Comments(2)
2007年 09月 30日

328) 芸森 「澁澤龍彦 幻想美術館」 8月10日~9月30日(日)

○ 澁澤龍彦 幻想美術館

 会場:札幌芸術の森美術館
     札幌市南区芸術の森2丁目
    電話(011)591-0090
 会期:2007年8月10日~9月30日(日)
 休み:月曜日 
 時間:9:45~17:30 (入館は17:00まで)
 料金:一般1000円、高大生800円

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 明日、どこかの展覧会に行きたいと思っている人、抜群にお奨めです。

 澁澤が文芸家なので、行くのをそびれて、今日(29日)行ってきた。文学館的要素は微塵も無く、「澁澤的『幻想』」に焦点を絞った美術展だった。行く前に知人の情報として、「いやー、歩きました。疲れました。良かったです」という言葉を聞いた。行って解ったのだが、本当に疲れるほどダイジェスト的に盛りだくさんで、中身が濃いいのだ。加納光於などの写真展として、ボス・ゴヤなどの版画展として、「幻想」史観による絵画史として、シュールリアリズムの確認、日本美・博物誌、澁澤に集う日本人脈伝として、昭和史の一断片として面白いのだ。「史」という言葉を多く使った。それは美術館の澁澤の切り口としての方便だ。本来は「誌」としての展示にした方がより澁澤に近づけると思う。一般教養的・歴史的人物としての澁澤へのアプローチとしては今展は実にてんこ盛り・説明的で解り易く楽しいのだ。ダリ展も面白かった。モジリアーニー展も面白かった。しかし、展示作品の総合的高さとしては、抜群だと思う。気の緩む作品が余りに少ないのだ。

 図録・2700円、澁澤著「幻想の画廊から」(河出文庫、P234)・850円、買ってしまった。

 明日、30日(日)までです。

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by sakaidoori | 2007-09-30 00:41 | ☆芸術の森美術館 | Trackback(25) | Comments(0)
2007年 09月 29日

327)いろへや 「田中康晃・展」・インスタレーション 9月27日(木)~9月30日(日)

○ 田中康晃・展
    『小宇宙』 vol 01

 会場:いろへや
    中央区南11西13
     東南角地の2階建てアパート風の建物が「プラハ2+ディープ・さっぽっろ」で、その2階にある小さなレンタル・スペース。
 会期:2007年9月27日(木)~9月30日(日)
 時間:13:00~21:00


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 田中君は関東出身の道都大学・デザイン科の4年生。今年になって、北広島市民ギャラリーの個展を含めて精力的に発表しています。

 製作は障子紙に舞い落ちる雪をちりばめて、青いスプレーで色を落とし、色の付いた雪を払い落として残った色の世界。雪の部分が白で、余白が青ということになります。その上からコーティングして、色落ち防止や紙の補強をしています。

 今展では、その作品を幅1m、奥行き3mの一段下がった空間、下から30cm程の高さに水平にして、真ん中を垂らし気味にして展示しています。垂れた箇所には水が溜まっています。イメージとしては紙の上に残っていたであろう雪が解けて流れて淀んでいるということです。その凹んだ部分に、下から白と青の照明を当てて、模様の付いた障子を浮かび上げる、雪の化身である白い部分を膨らませています。写真ほど紙の皺はきつくなく、自然なデコボコ感が走っています。雪が障子に落ちる時の音も収録していて、会場に流れています。

 会場に着いたときは既に日没、人気も無く薄暗い建物の中を二階の知った場所に。男靴が一つ、「あー、作家がいるのだな」と思いながら、狭い入り口から中を覗き込むと・・・、手前のちゃぶ台の部屋の青年を素通りして、何やら奥にうずくまった物が見える。暗がりに綿を敷き詰めているようだ。作家に声を掛け、彼を無視して作品の「場」にたたずむ。「綿と思ったが、紙なのか。ふんわりと優しい紙だなー」改めて、製作者の顔を見る。醤油顔のハンサム・ボーイだ。誰もいない、電気も点いていない。ようやく作家の笑顔が幻想の世界から人の温かみのする場に誘ってくれる。作品の説明を聞く。関東育ちの青年が「雪」に憧れて、この地を訪れ、雪を彼なりに閉じ込めようとしての成果である。今展と合い通じるような作品達が頭を過ぎる。「此処にも、何かに託して自分の思いと研鑽している青年がいるんだなー」彼の笑顔が等身大に近づいてきてまぶしい。音響効果が作家の気持ちに反して、心地良く伝わってこない、もっともっと、現場の収音に対して、研ぎ澄まされた「耳」になって欲しい。それにしても、単なる一枚の紙を、選んだギャラリー空間に並べる。タイトルにあるように、自分の作品で空間を遮り、自分だけの「小宇宙」を作りたいのだろう。その意欲、次も期待したい。

 雪近きこの時期に、改めて我々は雪を身近な物として付き合っていたのだと気づかされた。田中君は「雪」の何に魅入られたのだろう?

by sakaidoori | 2007-09-29 23:44 |    (いろへや Dr.ツクール) | Trackback(1) | Comments(1)
2007年 09月 28日

326) 市民ギャラリー 「北の墨人選抜展」・書 終了・9月19日(水)~9月23日(日)

○ 第8回 北の墨人選抜展

 会場:札幌市民ギャラリー 2階
     南2東6
     電話(011)271-5471
 会期:2007年9月19日(水)~9月23日(日)
 時間:10:00~18:00(最終日16:00まで)

 書の楽しみ。
 書の鑑賞者を見ていると、多くの人が字を腕でなぞっている。何の字だか分からなくても、タイトルに導かれて作品と反復作業をしている。時には、初発の筆の置き具合に体ごと動かす場合がある。全体を流れるように宙に書く場合もある。書き順を通して、作家と身体的に感情移入をしているのだ。「書き順」、余りに文化に張り付いた芸術表現だ。作品の良し悪しは、他の視覚・平面表現と同様に一瞬にして判断される。だが、ひとたび気に入って作品の中に入る時は、作品に埋め込められた時間軸、描き順という時間に対決している作家の全身性が見る者を襲ってくる。一瞬に閉じ込められた時間の蓄積だ。
 その点では、絵は作業上の時間性は当然だが、時間よりも空間、二次平面の三次元化が見る者を襲ってくる。下地処理などの描き順は大事なことではあるが、書の絶対性という意味は持たない。
 デザインにいたっては描き順という問題性すら限りなく薄くなっていく。デザインとして書を描いたらどうなるのだろう。「一(イチ)」という字は書にとっては左から右に伸ばすのが絶対だ。しかも、起筆、伸ばし、終筆と「字」をたんに書く以上の「芸」としての「技と心」を育んできた。まさに、書は字であるが字を超えた芸術行為である。デザインはそういう約束事を無視する。「一」などはどう描こうと自由だし、単なるボッコでしかなくなっても構いはしない。文化の重みなど否定や揶揄して、軽く飛び跳ねることを身上としている。いつでも、どこでも、だれでもがアートとして参加できるのだ。アートという言葉も不思議な響きだ。アート=芸術なのだが芸術という言葉が伝統を引きずって重たく高尚な印象を与える。アート、なんて軽い響きだろう。

 「書」、その素晴らしさを薀蓄を込めて語っても仕方が無い。当今の何でもありの美術・文化表現。なんでも有りでは成り立たない、「書」芸術。だが、がちがちの伝統と安易な大衆化では「書」が泣いてしまう。過去の何かを捨てて、「書」で無い何かを足す以外に現代以後には意味をなさないだろう。


 「墨人会」、あまたある書の団体でも特異な歴史を持つと聞く。不勉強なのと、個別の作品を語る能力と根性をいまだ持ち合わせていない。幸いにも事務所を引き受けている樋口雅山房と親しく書の話を伺える関係である。書は彼を中心にして考えていきたい。写真掲載の許可も頂いた。暫時、個別の書家の字を文章家していこう。今回は写真だけということでお許しを。

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 ↑:樋口雅山房(札幌)。「花」、100×180cm。
 他の方と一線を画して、非常に分かり易い。大仰でない力強い土塊を感じます。氏の作品に共有な、躍動する造形美を併せ持っていると思います。

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 ↑:左側、渋谷北像(旭川)。「康」、142×88cm。
 他の意気盛んな書よりも、なぜだかこういう優しい字のほうが好ましく見れます。
 右側、太田俊勝(札幌)。「超」、140×180cm。

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 ↑:左側、久保哲哉(札幌)。「深」、140×180cm。
 右側、石田光子(札幌)。「悦」、140×180cm。
 入って直ぐの壁の展示作品。強い印象を与えます。似たような作風で、同じ書家かと思いました。

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 ↑:ネーム・プレイトは雅山坊さんが全て書いています。細い体がくねくねと遊んでいるように見えます。この書体が氏の普段着です。

by sakaidoori | 2007-09-28 14:36 | 市民ギャラリー | Trackback | Comments(0)
2007年 09月 27日

325)テンポラリー 「中嶋幸治・展」・インスタレーション 9月25日(火)~9月30 日(日)

○ 中嶋幸治・展
     インスタレーション・Dam of wind、for the return

 会場:テンポラリー スペース
     北16西5 北大斜め通り・西向き 隣はテーラー岩澤
     電話(011)737-5503
 会期:2007年9月25日(火)~9月30 日(日)
 時間:11:00~19:00

 綺麗な展示だ。まるで標本のようだ。何の標本だろう?

 作家は24歳の青年。青森・南津軽地方の平賀町(現・平川市)から、この春に札幌に来たという。初個展とのこと。初めてにして、これほど「美」を纏め上げるとは、たいした力量だ。几帳面な青年のようだ。製図、あるいはデザインとして、いつもきっちり形を描いているのかもしれない。そして、詩人というのか、静かな音楽的なリズムを感じる。だが、恋人に愛を語るエロティシズムの持ち主ではないようだ。若いのに、エロス薄き美への賛歌だ。若い男の情念は女に向かうとは限らないのか。それに代わって、故郷とその自然に目を耳を傾ける。

 会場、左の壁には燭台のような置物を9個取り付け、小さいカップに六分程水が入っている。少しばかり土の粉が黒く張り付いて、親しみがもてる。直ぐ上の照明に当たって、教会の蝋燭のように輝き、綺麗な規則正しい影を生んでいる。これ等は正面の梅ノ木の引き立て役になっている。
 正面には9本の梅ノ木の苗が左から順番に右上がりに吊り下げられえている。下には白い土を地鎮祭の小山のようにして規則正しく、9個、8個、7個・・・・と数を減らして並んでいる。これ等は梅ノ木の添え物、あるいはこの部屋に立ち込めているであろう八百万の神・風や光の依り代でもある。

 問題はこの土だ。故郷の白岩地区にある、まさしく白い岩山の土なのだ。辺りはブナなどの緑に覆われた森林、岩肌は雪とも見間違うとのことだ。四季折々に風情を変え、自然の一大宝庫とのこと。中嶋君はこの白い土を見て育ったのだろう。愛しているのだろう。白土のある、この森林が創作の原点なのだろう。その故郷を意識的に後にして、白土ならぬ白雪の地に来て、なぜ故郷の土をもてあそぶのだろう?故郷がエネルギー源である事は当然としても、故郷そのものを表現手段として使うのは、どこかに甘えがあるのではないだろうか。いや、今回は初個展だ。自分と故郷の関係を問いただすための発表かもしれない。「何の標本だろう?」と冒頭に書いた。もしかして、自立への角立ちとして故郷をテンポラリーの空間に閉じ込めて、合い対峙し、出発の記念碑にしようとしているのかもしれない。

 何のこだわりの無い梅ノ木の立ち姿、可愛い白き小山、守護神のような水の入ったカップ、余りに美しい世界の裏側に青年の悩みは覆い隠されている。

 (写真撮影の許可をオーナーから頂きましたが、ブログ掲載の確認をするのを忘れました。可能ならば、なるべく早く載せたいと思います。)

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 ↑:2階の展示作品。特に左側は屋根裏に安置してある藁人形のよう。東北の歴史を感じさせる民芸品のよう。書体は浮世絵でおなじみの絵柄の説明文に似ています。






 

by sakaidoori | 2007-09-27 23:33 | テンポラリー | Trackback | Comments(3)
2007年 09月 26日

324)道新プラザ 「松田芳明 写真展・矢野直美 作品展」9月20日(木)~10月2日(火)

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○ 松田芳明 写真展
    夕張炭鉱(ヤマ)に生きた人々

 会場:道新プラザ・ギャラリー
    大通西3 北海道新聞社北1条館1F・入り口は東向き
    電話
 会期:2007年9月20日(木)~10月2日(火)
 時間:10:00~18:00 (最終日16:00まで)

 会場3分の2のスペースでの炭鉱写真展。
夕張の真谷地炭鉱が舞台。松田さんが坑内に入って、労働風景、坑内での昼食時ーアルミの弁当箱を少し開いて顔を真っ黒にしての写真などが展示されています。仕事を終えた直後の、やはり真っ黒顔の風呂の光景は笑顔と重なってヒューマン・ドキュメントです。受付けに最近出版した写真集が置かれています。その大判の原版がほとんど全て展示されています。

 会場には作家の松田さんが案内役を勤めています。常駐のようです。訪れる人は被写体の人物を知っている人もいるようで、実名を挙げての写真談義を傍にいるだけで聞くことが出来ます。覗き聞きから・・・「・・ここにタオルで耳を隠して、ほおっかぶりをしている人がいるでしょう。その上にヘルメットをしています。普通、坑内では異常音を聞き分けるために耳を隠してはいけないのです。ですが、真谷地では粉塵が多くて、ベテランの人は皆こういうスタイルなのです。だから、新人は耳を隠していないので、直ぐに見分けが付くのですよ。タオルがプライドになっているのですね・・・・」なるほどと思いながら聞き入ってしまった。



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○ 矢野直美・作品展
    ゆれて ながれて であって

 同会場の奥の方での写真展。(期間等、全て松田さんの項目と同じ。)
 矢野さんは時々テレビに出演しているので、名前は知っていました。ジャーナリズム出身で電車と旅、旅の写真と文章を綴る人です。出会いということにスポットを当てた仕事をしているようです。テレビ受けするチャーミングな笑顔の持ち主です。

 作品は刺激的なということではなくて、旅情や思い出を醸し出すように加工されていて、スーと入って、スーと出て行く感じです。炭鉱写真を見た後には、いかに松田さんの写真の笑顔が素敵だといっても、現場の迫力が強いので、ミスマッチのような感じで見てきました。


(以下、道新への雑感。続く)→書きたいこと、書かねば成らないことが沢山あります。次の機会に「道新への雑感」を書きます。

by sakaidoori | 2007-09-26 13:59 | 道新プラザ | Trackback | Comments(0)
2007年 09月 26日

323)時計台 「鈴木なお子・個展」・木版画 9月24日(月)~9月29日(土)

○ 鈴木なお子 木版画展

 会場:時計台ギャラリー 3階EF室
    北1西3 札幌時計台文化会館・中通り南向き
    電話(011)241-1831
 会期:2007年9月24日(月)~9月29日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00まで)


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 猫、猫、猫、猫だらけ。白、黒のはっきりした木版画に猫が這い回っている。

 ただ猫達だけの作品、ゆっくりとした小川のような闊歩猫。記念写真のように動きを止め、大きさと体の向きだけで自分を主張している猫達。
 猫だけでは彼等も可愛そうだ、見る人も退屈するだろう、それに画家の主張も不十分だ。いろんな小道具が作家の世界を広げていく。誕生プレゼントの前でお澄まししている猫、この猫は作者本人だね。こんな誕生日を夢見る鈴木なお子・ネコ。僕は男だから可愛さ以上の興味は湧かないが、女性の心理には響くものがあるだろう。僕の方はビールに遊ぶ「ネコ&ビール缶絵巻」が好きだ。カップラーメンのも良いが、そんなに食べれないからビールの方が数段良い。愛用「クラシック」は隅の方に小さく、高値の「エビス」は堂々と目立つところにある。発泡酒も多くて気に入らないが、貧乏猫だろう、仕方が無い。「書」に励む「ネコ・寺小屋風情」も大好きな絵だ。栄通の知性と教養に訴えかける。

 きっと鈴木さんは画狂人・北斎や若冲に多大な興味があるだろう。他の画題・表現様式から判断して、日本美・江戸の美学(粋)への関心がうかがえる。そして日本人好みの「ネコ」が画題だ。こういう作家はトコトン画題や様式におもねって、極端を鈴木流・極端ににまで押し上げて、今様式を確立してもらいたい。

 ことさら笑っている猫はいない。怒った猫もいない。個性的な猫がいるわけではない。輪郭のまろやかさ、白・黒のメリハリ、デザイン的な装飾性、絵画的な造形空間、会場全体が包まれて優しさと夢の拡がる展覧会だ。


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by sakaidoori | 2007-09-26 12:11 |    (時計台) | Trackback | Comments(0)
2007年 09月 26日

326) 富士フォト・サロン 「駒井千恵子写真展」 9月21日~9月26日(水)

f0126829_116041.jpg○ 駒井千恵子写真展
    野に山に誘う「花のギャラリー」

 会場:富士フォトサロン札幌
    北3西3 札幌北三条ビル1階・北向き
    電話(011)241-7366
 会期:2007年9月21日~9月26日(水)
 時間:10:00~18:30

 富士フォトサロン・札幌が移転しました。既に9月の初旬のことです。直ぐ近くで、西武百貨店の南向かい側です。隣にコンビニがあります。

 いつも何のあても無く行くのです。今回は北海道の山の花の写真です。
見慣れたお花畑、見慣れた写真・・・・なのですが、不思議ですね。一枚一枚は何の大仰なところも無く、普通なのです。どこがどういう風に良いのか上手く言えないのですが、写真との距離感が縮まってきて、親しみがもてるのです。女性の優しさといえばいいのでしょう。決してスナップ写真などではないのですが、写真から伝わる自然な空気感、自然との触れ合い、花を愛でる気持ちが心地良いのです。

 この会場では、ほとんどブログ用の写真を撮ったことが無いのですが、何だか自然に会場風景の掲載をお願いして、気さくに許可を頂きました。本も一冊買ったのですが、途中の雨に気を取られて、某ギャラリーに忘れてきたのです。その本に書かれた作家の言葉などを引用しようと思ったのですが、今は手元に無いので細かい紹介は出来ないのです。
 会場風景を何枚か紹介します。やはり、連続的に写真を体感してもらわないと、優しさは解りにくいと思います。

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by sakaidoori | 2007-09-26 01:23 | 写真)富士フォト・サロン | Trackback | Comments(0)
2007年 09月 25日

325)ポルト他 「絵画の場合」・油彩他 10月8日(木)~11月18日(日)

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○ 「絵画の場合」展

 出品作家:谷口明志、小林麻美、八子直子、久野志乃、大井敏恭、安藤文絵、田畑卓也、レスリー・タナヒル、渋谷俊彦、林亨


 上記10名の作家達によってポルト会館を中心にして各種展覧会、イベントが行われます。各展覧会ごとに「栄通の案内板」にも載せます。
 参加作家の出入りがあるようですね。記憶が定かではないのですが、齋藤周さんが抜けて、八子さん、久野さん辺りが新メンバーのようです。田畑さんも初参加かもしれません。

 今展で3回目。楽しみにしているイベントです。
 「絵画の場合」を考えること、鑑賞者や協力者との有機的関係を模索することに主眼があるようです。もちろん参加作家の個々の作品製作とその鑑賞が中心であり、大前提です。FIX・MIX・MAX展のオープニング・パーティーでもパフォーマンスを演じた近未来美術研究所も何か活劇参加をするみたいです。個人的には全然関心がありませんが、彼等を取り込むということで、今までは見えてこなかったこの会の特徴がより鮮明になったということでしょう。
 それと、会の趣旨とは直接関係しませんが、主会場のポルトは金銭的不祥事で学問の場の信用を落とした北翔学園(旧浅井学園)が運営主体です。そういう学校と物理的支援を前提にした継続的な交流に内部的にはどのように話し合われたのでしょう。民間有志を中心にした大規模な、大事なイベントですし、美術の積極的社会参加を目指している会ですから、気になるところです。

 以前、林さんに「大変でしょうが5回は続けてください」と、すれ違い際に声を掛けたことがあります。今年は春に予備的な展覧会をafで行いました。満を持しての本展です。嬉しくもあり、エールを送りたくなります。

 以下イベントの概要を記します。


○「絵画の場合」展  全作家の作品展示

 会場:ポルトギャラリー
      中央区南1西22
      電話(011)618-7711
 会期:2007年10月20日(土)~11月11日(日)
 休み:月曜休館
 時間:12:00~19:00(最終日17:00まで) 
  
○「レスリー・タナヒル、田畑卓也、八子直子」グループ展

 会期:2007年10月20日(土)~11月1日(木)
 時間:13:00~19:00
 休み:日曜休館 
 会場:CAI現代芸術研究所
      中央区北1西28-2-5
      電話(011)643-2404
  
○「渋谷俊彦」個展

 場所:カフェ エスキス
    北1西23-1-1 メゾンドブーケ円山1F・南東角地
    電話(011)615-2334
 期間:2007年10 月18日(木)~11月13日(火)
 休み:水曜日
 時間:12:00~24:00 (日・祝日は、~21:00まで)

○「林 亨」個展
   
 会場:ギャラリーミヤシタ
    南5西20-1-38 西向き  
    電話(011)562-6977
 会期:2007年10 月31日(水)~11月18日(日)
 休み:月曜日
 時間:12:00~19:00 (最終日17:00)


★お問合せ:北翔大学美術プロジェクト 林亨 電話(011)387-3894


関連イベント
 会場はすべてポルトギャラリー(入場無料)

○10月27日(土) 15:00~ オープニングイベント&パーティー
 スペシャルパフォーマンス 近未来美術研究所

○10月20日(土)、27日(土)、11月3日(土) 13:00~14:30
 ワークショップA(担当:林亨)

○11月3日(土) 13:00~14:30
 ワークショップB(担当: 安藤文絵)

○11月3日(土) 15:00~
 ギャラリートーク(出品作家による作品解説)



《チラシの案内文》

 それでも絵画は制作され続ける。
 インスタレーションやビデオアートなど、美術の尖端がますます多様化する。
 21世紀にあっても、絵は描かれ続ける。
 わたしたちの「生」と相渉り、「美」の突端と切り結ぶために。
 「絵画の場合」は、札幌圏の10人の作家が展開する絵画の現在形のフィールド。
 作品は、あなたと対峙し、会話する日を待っている。
          梁井 朗(北海道美術ネット主宰)


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by sakaidoori | 2007-09-25 23:49 | ポルト | Trackback | Comments(2)