1 2014年 08月 07日
![]() 福岡幸一版画展 1億年のアンモナイトたち ~いしかり砂丘の風資料館の場合 会場:いしかり砂丘の風資料館 石狩市弁天町304 電話(0133)62-3711 会期:2014年7月19日(土)~8月31日(日) 休み:火曜日 時間:9:30~17:00 料金:300円 ※ ギャラリートーク ⇒ 7/27(日) 16::00~ 於・当館 「化石からのメッセージ」 ※ いしかり館ネットワーク4館同時展覧会。他会場の日程等の詳細はチラシ参照。 主催:(石狩市) ーーーーーーーーーーーー(7.27) ![]() ![]() 今展掲載の前に、版画家・福岡幸一氏に関する若干の予備知識を記しておきます。 1947年 北見市生まれ 以来、高校まで地元に暮らす。 1965年 19歳時、札幌圏の会社に勤務。 以来、札幌を生活、発表の拠点にする。 何年か前に石狩市に転居。現在に至る。 22年前の1992年に日本古生物学会員になり、10年前位からもっぱらアンモナイトばかりを銅版画制作している。 北見在住時は原色で勝負する自己発露型作家だった。それは青年特有のもので、その時だけのものか人生を貫くものかは未定だろう。その後絵画を止めて版画家になった。自己爆発型から対象をじっくり見つめる方向に転換していった。古き民家、生活感のあるたたずまい・・そして、りんごなどの樹木を描き始めた。そこまでは同じ画家や美術ファンからも注目されていた。 しかし、絶対に動くことのない「アンモナイト」ばかりを描き始めておかしなことになった。売れて売れてお金になるわけでもなく、誰かに依頼されたわけでもない。その作画姿勢に友人知人のなかには、「そんなボタニカルアートのような自分の無い表現は止めたら」と、ジョークで言う人もいる。友を失いはしないが作家としては見放され気味だ。 ところが、事態はいよいよおかしな事になって、博物関係の方達が注目し始めた。道内の博物館はもとより、本州でも展示予定が続く。 僕は福岡幸一の追っかけマンだ。「アンモナイト」よりも、人間・福岡幸一に多大な関心があると言った方がいい。仲間に疎まれても、倦まず飽かず黙々と「アンモナイト」に向かう姿に並々ならぬ好奇心を持っている。 僕はもともと社会史や歴史は好きだが博物誌、地誌は苦手だ。時系列指向派だから、因果律に関係しない空間律にはピントが合いにくいタイプだ。民俗学でたとえれば柳田国男よりも折口信夫を選ぶ。 だが、僕は福岡幸一を見続ける。 以上、「福岡幸一とアンモナイト」の現況です。 美術表現者、愛好者にはいささか疎まれ、しかし、博物関係者などの美術を取り巻く人達からは一部ではあるが歓迎されるという矛盾も秘めています。そんな福岡幸一の問題点、魅力などを今回の4館同時展覧会で少しでも記すことができればと思っています。 ![]() 会場は狭い。ゼミ教室のような雰囲気だ。博物館らしくアンモナイト化石と版画作品を組み合わせている。 今回の「福岡幸一銅版画展」は4会場だ。図書館、植物センタ-、市役所ロビー、そしてここ博物館なのだが、それぞれにテーマがあるとのことだ。この会場は「化石」そのものを見てもらう。版画に合わせて化石があり、版画を見ることによって化石もちょっと見方が変わるかな?深まるかな?空想も拡がれば、そういう主旨だろう。 ![]() 始まりは、アンモナイト・プロローグ。 アンモナイトは現在では絶滅している。今に生きている生物としてはイカが最も近い親戚か?オウムガイはアンモナイトの規則巻き(円形巻き)と形は似ているが遠い親戚みたいなものだ。そのオウムガイの貝殻が展示の始まりを飾っている。 氏にしては珍しくアンモナイト模型なども置いて遊んでいる。模型の足の部分、化石としては現れないから想像されたものだが、イカタコからの類推だろう。想像模型を展示に使うとは、氏にしては珍しい。いよいよアンモナイト版画制作も終盤、いや、ゴールにさしかかったからだろう。余裕の産物とみた。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ↑:右側、「テトラゴニテス属」・2012年制作 40×24.7㎝(2枚組)。 こういう感じで化石と作品を組み合わせての展示だ。時には、作品のモデルになった化石もあり、実物との見比べも楽しいものだ。 以下、作品を載せて行きます。作品に関係なく適当に化石も載せていきます。「何故組み合わせて載せないのか?」って。面倒だからです。スイマセン(^_^;)。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ↑:「キャナドセラス属」・2005年 20×20㎝。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() この日はギャラリートークだった。お客さんの入りを心配しだが、狭い会場だが埋め尽くした。質問も飛び交って、なかなか盛況だった。 ![]() ▲
by sakaidoori
| 2014-08-07 23:32
| [石狩]
|
Trackback
|
Comments(0)
2014年 07月 27日
「福岡幸一 銅版画展 1億年前の北海道のアンモナイトたち」を見に石狩市・いしかり砂丘の風資料館へ行った。日帰り温泉・番屋の湯の直ぐ側と言えばわかるかもしれない。石狩川の河口近くだ。資料館から東に行けば石狩川が見えるはずだ。今日の夕方はひどい天気だったので、川の散策は取り止め。西側には海が見える。海水浴場だ。雨と風、とくに風が強かった。傘はさせない。少し濡れながら海岸の様子を急ぎ足で撮った。 ![]() ![]() ![]() ![]() 次は、海水浴場の駐車場の様子です ![]() 車はほとんど無い。たぶん関係者の車だろう、数台あるだけだ。 ![]() 低い場所には水がたまっている。 ![]() 海だけでは申し訳ない。展覧会場の「いしかり砂丘の風資料館」辺りを載せます。個展の様子は少し遅れます。 ![]() ![]() ![]() ![]() 資料館の様子を少しだけ載せます。 ![]() ![]() ![]() それでは続編は3、4日後。 ▲
by sakaidoori
| 2014-07-27 23:26
| [石狩]
|
Trackback
|
Comments(0)
2013年 11月 07日
第2回 石狩美術協会展 会場:ArtWarm(アート・ウォーム) 石狩市花畔1条1丁目56番地 (道道石狩手稲線沿い東側。 石狩市役所より北方向へ500m、 レンガ造りの建物。) 電話(0133)64-4664 ![]() 休み: 時間:10:00~18:00 (最終日は、~16:00まで。) 【参加作家】 (チラシを拡大して確認して下さい。) 主催:当協会 共催:当館 ーーーーーーーーーーーー(11.6) ![]() ![]() ![]() ![]() 「ArtWarm(アート・ウォーム)」、何回か行っているが、当ブログには初登場みたいだ。初めて見に行ったのは、教育大学の院生展だったか?10年ぐらい前だったか? 初掲載だったらもっと周りを載せたかった。暗かった。次回の楽しみにしよう。 昨年立ち上げた「石狩美術協会」。会場風景を載せます。 倉庫を改造したギャラリーです。ワンフロアー、広くて高くて、なかなか利用しがいのある空間です。本格的大インスタレーションも可能だ。そんな個展を私的にする、そういう作家が道内でいるだろうか?いれば最高だ。個展が無理なら、3人展でも。札幌からも遠くはない。駐車場もあるし、利便性は良い。 気になった作品を何点か載せます。 ![]() 「古潭の丘」、時期は夏か?暗さと色爛漫さが混じり合い、一本気な元気さを越えて執念すら思う。80歳に近い大ベテランの気合いの入った力作だ。いつまでも濃い愛情表現をされる方だ。 「古潭・・・30年ほど前に住んでいました。7、8年暮らしましたか。当時スケッチしていたのを探し出して、今展のために描きました。先日、当地を見に行ったのですが、誰もいない。だから、民家は想像ですよ。・・・近くに漁港の堤防がありましたが、当時は無かったですな。・・・絵は15年ほど描かない時期もありましたが・・・今年、お誘いがあったので頑張って描きましたよ。・・・」 午後5時過ぎの訪問。屋外は既に真っ暗。会場は受付の石川康夫氏以外にはだれもいない。ギャラリーと玄関の間には、それなりに広いくつろぎスペースがある。小綺麗さだけを残して深閑としたものだ。もしかしたら、この大きな建物に、僕と石川氏だけかもしれない。異様な静けさだが、絵好きにとっては慣れれば天国だ。そこで、何とはなしに作家と会話を楽しむ。石川氏、声の通りも良く、矍鑠(かくしゃく)たるものだ。 「古潭」、会話では望来と聚富の間であったが、もしかしたら望来の向こうの古潭川河口近辺かもしれない。近くに漁港があったという。それを目安に訪問しよう。 ![]() 家も密集しているし、シャッター街という場所でもないし、山の季節を自然を謳歌しているし、明るい日差しもあるし、なのに寂しい雰囲気だ。青を基調にしているからか?タイトルが「裏通り」だからか?几帳面な絵だ。輪郭をはっきりさせ、縦ラインを強く意識している。見る視線は膨らんだ下から、道路に沿いながら上に持ち上がり、山姿の壁にぶつかる更に山、そして空。拡がる視界とは裏腹に、人気の無さがいつまでも付きまとう。 ![]() 石狩川の旧渡船場跡地だろう。知らなかった。「古潭」同様に見に行こう。 画家はここで何度も船に乗ったのだろう。川岸から対岸を眺めてみよう。きっと広々しているだろう。だが、画家は辺りの風景を無視する。ただ渡船場跡のみを絵筆に納める。 ![]() 向日葵をしっかり強く描いているが、海が描きたかったのかもしれない。思い出を心象世界で再現しているのだろう。 色もタイトルも「黄昏」だが、描き手は「暁(あかつき)」を見つめているみたい。おそらく、向日葵に画家らしい「祈り」のようなものを暗示したいのだろうが、のたうち回っている姿は現在進行形だ。目的は過去表現だろうが、今を踏ん張っている。 ![]() 森の中の暗いムードは個人的に惹かれる。どこまでも暗さを僕は求めるが、この絵の暗さは明るさのための暗さだ。 画家は端正な人だから、妖しげにとか不明瞭には描かない。むしろ闇の中での大事なものに精を尽くす。そこに光を当てて白い空間と明るく花を描く。個人的にはこの花はいらない。もう十二分に花の心を絵は表現し尽くしている。女性は欲張りだ。なかなか足下の一輪だけでは満足しない。 ![]() 明るく暗く激し夕暮れだ。 ロクロでお馴染みの川本ヤスヒロ氏だ。ロクロも良いが人や生き物のいない世界も魅せてくれる。絵が人間臭いから、何を描いてもマンパワーが渦巻いている。 人はいないが、今回は曲がる道と、夕焼けの照らす水平ラインが見た目の主役だ。 ![]() ![]() ご存じ「アンモナイトの福岡幸一」です。 「アンモナイト!?もういいよ!!!・・・!!!。 ま~、そう仰らずに見ましょう。「執念の人・福岡幸一、恋する人・福岡幸一」なのですから。発表者にとって「執念と求愛」は究極の原点かもしれない。それを素直に見せているのですから、見方によっては「可愛い人・福岡幸一」かもしれない。実際、今回のアンモナイトは可愛くないですか? こんな駄弁を書いていては石狩美術協会に失礼でしょう。お詫びに全作品を載せます。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 皮膚のもじょもじょラインがセールス・ポイント。少し痛々しい。 ▲
by sakaidoori
| 2013-11-07 14:19
| [石狩]
|
Trackback(24)
|
Comments(0)
1 |
アバウト
![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
検索
最新のコメント
最新の記事
ファン
カテゴリ
全体 ★ 挨拶・リンク ★ 栄通の案内板 ★アバウトの写真について ★ 目次 (たぴお) (時計台) 市民ギャラリー (写真ライブラリー) さいとう 大丸藤井スカイホール (ユリイカ) ミヤシタ テンポラリー af 北専・アイボリー CAI(円山) CAI02(昭和ビル) (大同) アートマン アートスペース201 大通美術館 STVエントランスホール コンチネンタル 資料館 門馬・ANNEX 百貨店 (カコイ・ミクロ) 4プラ・華アグラ 石の蔵・はやし (シカク) ☆道外公共美術館ギャラリー (アッタ) 奥井理g. ★ 案内&情報 ★ 訪問客数 ◎ 樹 ◎ 花 ◎ 山 ◎ 本 ◎ 旅・飛行機・船 ◎ 温泉 ◎ 個人記 ◎ 風景 ◎ 短歌・詩・文芸 ☆★ ギャラリー巡り 写真)光映堂ウエスト・フォー (いろへや Dr.ツクール) JRタワーARTBOX ポルト 写真)富士フォト・サロン 道新プラザ 紀伊國屋書店 S-AIR ◎ 自宅 (ニュー・スター) 札信ギャラリー (マカシブ) (自由空間) 真駒内滝野霊園 サード・イアー (どらーる) 区民センター ★★ 管理人用 山の手 富樫アトリエ (プラハ2+ディープ) ★ギャラリー情報 ★ パンフより 創(そう) (オリジナル) ATTIC 美容院「EX]内 ADP 粋ふよう エッセ ◎ 雑記 ★「案内版」アバウトの写真 ☆北海道埋蔵文化センター ☆三岸好太郎美術館 ☆本郷新彫刻美術館 ☆芸術の森美術館 ☆函館美術館 ☆札幌・近代美術館 ☆モエレ沼公園 ☆旭川美術館 ☆北海道開拓記念館 ☆帯広美術館 ☆関口雄揮記念美術館 (☆夕張美術館) ☆(倶知安)小川原美術館 ☆(岩見沢)松島正幸記念館 ☆(室蘭)室蘭市民美術館 ☆北武記念絵画館 ★その他 【道外・関西】 ー [石狩] 未分類 [ニセコ]有島記念館 [岩見沢]キューマル 他 [音威子府] [深川] [苫小牧]博物館 [洞爺] ☆小樽美術館 市民ギャラリー [美唄] [江別] [室蘭] [小樽] [帯広] [恵庭] 夢創館 【北広島・由仁】 [函館] [夕張] [三笠] [赤平・芦別] 【幌加内(政和)】 (くらふと)品品法邑 (茶廊)法邑 (カフェ)れんが (ブックカフェ)開化 (カフェ)アンジュ (カフェ)北都館 (カフェ)エスキス (画廊喫茶)チャオ (カフェ・soso) (カフェ)ト・オン (カフェ)アトリエムラ (カフェ)サーハビー 槌本紘子ストックホルムキ記 (画廊喫茶)仔馬 (ギャラリー&コーヒー)犬養 Plantation CAFE BLANC(ブラン) - コレクション ■ 複数会場 公共空間 ー ◎ 風景 新さっぽろg. ー ○ 栄通日記 学校構内 ー ◎ライブ路上パフォーマンス 道銀・らいらっく (コジカ) ▲個人特集 (風景)サイクリング・ロード (風景)札幌・都心 A.S.T(定山渓) 趣味の郷 公共空間・地下コンコース 六花亭 ◎今日・昨日・最近の風景 500m美術館 Room11 アルテポルト・ART SPACE サテライト 【2010年旅行記】 【2010年 ロシア旅行】 【海外旅行】 【2012年上海旅行】 【震災跡地2回目の旅】 【2013旅行記】 ◎ 川・橋 OYOYO コケティッシュ ・我が家 レタラ カモカモ 北のモンパルナス チチ クロスホテル札幌 黒い森美術館 Caballer ▲原田ミドーモザイク画 SYMBIOSIS (ハルカヤマ藝術要塞) 群青(2016) チカホ space1-105 100枚のスナップを見る会 北海道市民活動センター 群青(2018) HUG(教育大文化施設) 札幌グランピスタ 大洋(大洋ビル) - タグ
個展(242)
グループ展(184) 油彩画(184) 企画展(153) インスタレーション(115) その他(98) 学生展(94) 現代美術(74) 写真(71) 公募展(70) 写真展(59) 総合・複合展(43) 温泉・山・旅行・雑記(42) 彫刻・金属・ガラス・陶(40) 日本画(38) 北海道教育大学(37) 版画・イラスト(31) シルクスクリーン(26) 藤谷康晴(25) 卒業展(24) リンク
○ 美術関係以外
古い日記 (サカイ・ヒロシさんのブログ) ○ 美術愛好家のブログ Ryoさんのイートアート (サカモト・キミオさんのH.P.) 散歩日記V3 (SHさんのブログ) ○ 表現者のブロブ(相互リンク?) Photo Foto Blue (コバヤシ・ユカさんのブログ) 水彩の旅 (タケツ・ノボルさんのH.P.) アートダイアリー (マエカワ・ヨシエさんのブログ) 画像一覧
最新のトラックバック
以前の記事
2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2017年 08月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 02月 more... ブログパーツ
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
|
ファン申請 |
||