栄通記

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カテゴリ:北専・アイボリー( 38 )


2010年 02月 13日

1195) アイボリー 「札幌学院大学・写真部 卒業記念写真展2010(3名)」 2月10日(火)~2月14日(日)

○ 札幌学院大学・総合芸術研究会写真部 卒業記念写真展2010
      ※倉内亮 磯田千尋 蜂谷知広
    
 会場:ほくせんギャラリー ivory(アイボリー)
    中央区南2条西2丁目 
      NC・HOKUSENブロックビル4階
    (北西角地、北&西に入り口あり)

 会期:2010年2月10日(火)~2月14日(日)
 時間:11:00~19:00
     (初日は、15:00~。最終日は、~16:30まで。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(2・13)

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 広い会場だ。確かにもっと多く、という思いはある。が、しっかり学生達の現況を張り付けていた。短所は多いだろう、当然だ。会場で話した学生を中心に報告します。

○ 倉内亮の場合

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 僕は学生グループ展で彼の作品は知っていた。
 他の学生とは違って、しっかり現像技術をつかもう、今の心境を率直に表明しようとする真摯な態度が好ましかった。好ましいのだが、作風は夜の誰もいない公園だったりして、あまりに自分に閉じこもり気味で、かつ、それに甘えているようで、「もうそろそろ何とかならんのか」という気持ちだった。

 今展、彼はいろいろ出しているのだが、一つのシリーズは旧作だ。それが、上に載せた作品群だ。
 単純に言えば、夜中に放浪する、自分自身の投影であり、それに浸る甘えた心情だ。人恋しいのだが、人は撮らないという態度だ。そのことを責めない。ここから出発することは悪くはない。ここに長く留まることはよろしくないと思う。

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 今回の新作だ。ようやく変化した。しかも、ネオン街の「人」を撮り始めた。
 作品そのものは人を撮れた喜びで、腰が退けているのは否めない。バライタ印画紙や、現像の仕上げ具合の努力はたいしたものだが、「人」を撮るのに撮影者の心が退いているのが最大の欠点だろう。ベンチに腰掛けた女性を撮る視点は男の情けないロマンチシズムの表れで、ちょっと恥ずかしいところだが、やっぱり男はここから出発するのだから良しとしよう。今後は、意力を込めてもっともっと迫って撮る、あるいは余裕を持って一歩離れて撮るのだろう。倉内亮と被写体との対話が始まった。


○ 磯田千尋の場合

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 彼女は白黒やカラー、オーソドックスに動物を枠に収めて撮ったりと、ファンサービスを込めていろんなバージョンを披露していた。だが、面白いのは上に紹介したカラーの接写シリーズだ。
 自室にミニ・スタジオを作って、いろんなアイテムでそこを飾っての撮影とのことだ。今展の全作品はそこから生まれたのだろう。だが、建前と本音で撮ったのでは、見る人に与える印象は全然違う。本音中の本音が上の作品群だ。
 アイテムを並べる。カメラで自分の作った世界を覗く。ぐっと、接写で入り込む。そこに自分を発見するのかもしれない。そして、色付いた姿でこちらの世界にウインクする。カメラという眺める手段から入りはするが、決して眺める人ではないのでしょう。女の本姓というのか、色づき着飾り、チラリズムで廻りに対話しているのです。セクシーを自覚してはいないが、甘いピンク心がほの見えて、実に愉快だ。

 卒業後も、もっともっと作る世界を研いて欲しい。積極的に見せる機会を作って、ご自分の美学を邁進して欲しいものです。

by sakaidoori | 2010-02-13 22:52 | 北専・アイボリー
2010年 02月 03日

1181) ②アイボリー 「LOOP(2会場でのグループ展)」 2月1日(月)~2月6日(土)

○ LOOP

◎ 会場:ほくせんギャラリー ivory(アイボリー)
    中央区南2条西2丁目 
      NC・HOKUSENブロックビル4階
    (北西角地、北&西に入り口あり)

 【参加作家】
 道内作家: カトウ タツヤ(絵画) 川口巧海(版画) ヒグチ リサ(イラスト・絵画) 児玉陽美(彫刻) 佐々木仁美(金工・彫金)
 道外作家: 芦野公平(イラスト) 小崎慎介(映像・立体表現・他) 黒石美奈子(版画) 佐藤美紀子(平面造形) 野嵜貴子(油絵) 平井うらか(絵画) 平野直哉(版画) 東影智裕(立体)

◎ 会場:ギャラリーたぴお
    中央区北2条西2丁目・道特会館1F


 (両会場とも同じ)
 会期:2010年2月1日(月)~2月6日(土)
 時間:11:00~19:00
     (最終日は、~18:00まで)

 事務局: 鈴木悠高造形芸術研究所


ーーーーーーーーーーーー(2・2)

 グループ・ループは、若手中心、美術分野混合、札幌在住者を中心に幅広く国内から、を謳っている。彼等自身は「境界を越えた活動を目指すノマド(遊牧民)的表現者集団」と自称している。

 さて、2カ所の会場雰囲気はかなり異なる。
 当館アイボリーは、広い、高い、綺麗。そんな空間で、それぞれがテリトリーを微妙に侵犯しながら、静かにギラギラ自己主張している。道外作家の今の傾向だろう、ちょっとポップに、ちょっと胸騒ぎ、コンパクトで綺麗な仕上げ具合。
 ギャラリーたぴおは、広くない。会場をもっと埋め尽くしたかったと言わんばかりにエネルギッシュだ。ストレートな一本勝負と言った感じ。


 さて、アイボリー作家を何人か載せます。会期終了後でも、もう少し載せたいと思っています。

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     ↑:カトウタツヤ、「(全て無題)」。

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 見つめる男(自画像)に背を向ける見つめられる女。
 確かにイメージの世界だと思う。男と女の役割も若者心を反映していてロマンチックではある。だが、イメージを二次平面にバッチリと構築しようという、作家の強い意志が伝わり、一つの傑作だ。

 作家は札幌出身で金沢の大学で美術を学んだ。今回、見知らぬ人ではあるが道外作家と交わるわけだ。そのことに非常に刺激を受け発憤したと思う。もっとも、昨年来、自分の殻を飛び越えたいという意欲が、画面に透かし見えた。そういう作家自身の方向性に、上手くグループ展が混じり合って一つの結果を出したのでは。

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 つぶされた目、深みは無いが大胆な行動だ。女の背、いつも男はそれに魅せられる。もう少しエロチックだったらと思うが、それは僕の勝手な願望。


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     ↑:小崎慎介(埼玉出身)、バブルジェットプリント 阿波和紙。

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     ↑:小崎慎介、(ともに)「a guidepost」・バブルジェットプリント 阿波和紙。


 入り口付近の展示なのだが、帰る時に非常に人の心を悩ます作品群だ。ほんとに小さい作品なのに広い壁一面を使って、ズルイ!と仲間が言うかもしれない。だが、この壁には他者が入り込めない雰囲気。表現演出が抜群に秀でていて、他者は負けちゃいそうだ。

 作品は黒から赤提灯の舞台が立ち上がるというシチュエーション。「黒と赤」だが、闇夜を貫くどす黒く激しい哀愁ではない。深い意味はないのだが人の脳裏に入り込んで、入ったら心地よく遺伝子に組み込まれそうなウィルス的生命体だ。
 作家はとても器用な人だろう。写真・映像・音楽・舞台作りと何でもこなせるのでは。新しさの最前線に位置する人だが、大衆の人情にも気配りができる。神社からリッチ・バーまで等価に彼の前には「風景」があるのだろう。
 目の前に分かれ道がある。細い道と広い道。彼は悩みはしない。気分の趣くままに、進むのだろう。選ぶ道?選ぶ前にどんな「風景」にも、向こうの世界を軽く作るのだろう。



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     ↑:黒石美奈子(山形県出身)、エッチング メゾチント。


 これまた、小さな世界に若い女性心の軽さ楽しさ、そして、ちょっと悩ましい世界だ。
 意図的に「黒」表現にいろいろと取り組んでいると説明されている。その黒さがベストかどうかは解らない。こだわっている姿勢が強く作品に出てていて、イメージ作風のたゆたゆさと重なり眩しい。


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 ↑:左から、「何かを透かしてみる」、「ぺぇ」・エッチング メゾチント 雁皮刷り。

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     ↑:「待ってるの」・・エッチング メゾチント キャンバスに雁皮を裏打ち。



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     ↑:佐藤美紀子(北海道出身、関東在住)、全て「手の詩」・紙粘土 アクリル その他。

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 何とも、怖いような心地良いような・・・摩訶不思議な世界。
 ネズミの巣の世界を思う。ネズミの糞はほこりと土が混ざり合い、固まり形を与えられ、一つの生き物ー「手」として蘇生した。妖しきまでに人を手招きする。素性は綺麗な物ではないが、「生」を与えられた存在には浄・不浄は意味をなさない。
 巣穴を一生涯の住み家とし、何かに寄り添い、手招きし、孤独という友と遊び詩(うた)っている。






 

by sakaidoori | 2010-02-03 11:49 | 北専・アイボリー
2010年 02月 02日

1179) ①アイボリー 「LOOP(2会場でのグループ展) 東影智裕の場合」 2月1日(月)~2月6日(土)

○ LOOP

◎ 会場:ほくせんギャラリー ivory(アイボリー)
    中央区南2条西2丁目 
      NC・HOKUSENブロックビル4階
    (北西角地、北&西に入り口あり)

 【参加作家】
 道内作家: カトウ タツヤ(絵画) 川口巧海(版画) ヒグチ リサ(イラスト・絵画) 児玉陽美(彫刻) 佐々木仁美(金工・彫金)
 道外作家: 芦野公平(イラスト) 小崎慎介(映像・立体表現・他) 黒石美奈子(版画) 佐藤美紀子(平面造形) 野嵜貴子(油絵) 平井うらか(絵画) 平野直哉(版画) 東影智裕(立体)

◎ 会場:ギャラリーたぴお
    中央区北2条西2丁目・道特会館1F


 (両会場とも同じ)
 会期:2010年2月1日(月)~2月6日(土)
 時間:11:00~19:00
     (最終日は、~18:00まで)

 事務局: 鈴木悠高造形芸術研究所


ーーーーーーーーーーーー(2・2)

 昨年のグループ名を変更し、より多くの参加作家と2会場というバージョンアップのグループ展。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

 1会場が7名(たぴお)と13名(アイボリー)の総勢20名です。とても全員は紹介不能です。何はさておいて、お気に入りの作家・東影智裕の「へたった動物」を載せます。

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     ↑:東影智裕、「カンガルー」。


 2体ともカンガルー。おっそろしくリアルだ。そしてヘタッたユーモラスな表情。もう、こういう作品は見て楽しむしかない。

 僕にとって好む作品の基準のようなものが幾つかある。その一つに、作品の中の相反する主張が強烈に訴えかける時だ。
 東影・動物の場合は、そのリアルさと嘘さ加減だ。
 リアルさは職人的なあるいは芸術家の執着心と言い換えても良いかもしれない。嘘さとは表現者・東影智裕の遊び心なのだろう。
 リアルや嘘と言ったが、僕は厳密には「カンガルー」の細かい写真像を知らない。だから、作品の中で、どこまでが写実的で、どこまでが誇張なのかを言うことができない。でも、そんなことは作品鑑賞にとってはどうでもいいことだ。人が持っている暗黙の知識、ーそれは誤解だらけなのだがーで充分なのだ。
 まるで剥製のような皮膚感が嘘の始まりだ。実際は油脂の表面に着色したに過ぎないのに。極端に本物臭くないと、作品が作家の所有物から独立していかない。それでは何が独立していくかと言うと、もう一人の「東影智裕」の影だろう。極端なまでにストイックに制作に集中し、どうしてももう一人の自分を作品という形で吐き出さないと、「生活」が全うできないのだろう。東影智裕自身が「へたる」かもしれない。内なるエネルギーを外に昇華させないと、身動きがとれない。そうは言っても、こんな作業を何時間も続けることはできない。作家には申し訳ないが、その辺の限界値あるいは自己制御みたいな点をこちらは勝手に想像し、作家の影の作品を楽しんでいるわけだ。「もっと突き進めばいいのに、途中で止めたな」とか「オッ、この踏ん張りはどうしたことか!」とか・・・。

 作品を綺麗に仕上げる、引き立つように見せる、全てはそこから始まる。強い自己宣言として、「へたったカンガルーと牛」が、苦笑いしながら、晒し首としてそこにいた。


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     ↑:全て「cow」。


   ~~~~~~~~~~

 下記会場でも、同期間・時間で開催されています。
 アイボリーの他の作家を含めて、段々と紹介できればと思っています。

◎ 会場:ギャラリーたぴお
    中央区北2条西2丁目・道特会館1F
    (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
    電話・林(090)7050-3753

 【参加作家】
 道内作家: 石川潤(絵画) 鈴木悠高(絵画) 手塚昌広(絵画) 向中野るみ子(絵画) 渡辺和弘(塗装工芸・カシュー漆) 坂本正太郎(彫刻)
 道外作家: 村上知亜砂(大阪区・ファイバーワーク) 

by sakaidoori | 2010-02-02 12:44 | 北専・アイボリー
2010年 01月 12日

1155) アイボリー 「オバケ!ホント?展 (岡田善敬 & 倉橋寛之)」 1月6日(水)~12月16日(土)

○ 東京ADC賞受賞記念
   オバケ!ホント?展
     岡田善敬 & 倉橋寛之
    
 会場:ほくせんギャラリー ivory(アイボリー)
      中央区南2条西2丁目 
      NC・HOKUSENブロックビル4階
      (北西角地、北&西に入り口あり)

 会期:2010年1月6日(水)~12月16日(土)
 時間:11:00~20:00
     (最終日は、~17:00まで。)

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 「何かに白い布をかぶせて黒い目をつけるとオバケになる・・・」、そういうアイデアで生まれた「オバケ展?」です。そうして生まれたオバケ達が日本各種のデザイン賞を受賞しての作品作家の地元のお披露目展です。
 一人がアイデアを出し、一人が作品(商品)化するという役割分担。いわゆるアートのためのアートではなく、商業デザイナーの仕事の中から生まれた作品であり、二人展です。ですから、こういう個展というか二人展は初めての経験とのことです。

 何が良いかというと、作品がとにかく綺麗です。部屋全体の作りというか、工夫が上手です。抜かりのない仕上げ具合には感心させられます。
 作品自体が「白と黒」ということですから、その二人?の対比を生かして、「シンプル・イズ・ビューティフル。明るく楽しく軽やかに。そして、ちょっとやんちゃで小さな冒険心」、そんなムードが会場を覆っています。

f0126829_17225331.jpg 「デザイン」と「アート」には大きな溝があると思っています。ですが、他人に見せるとなると共通したなまめかしい問題があるでしょう。

 一つ一つには工夫がされてあり、会場で楽しんでください。意外な発見があると思います。個人的には、「撮影。大いにokという文字には嬉しい限りです。確かに「アーティスト」と「デザイナー」は違うようです。
 16日までです。









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by sakaidoori | 2010-01-12 17:29 | 北専・アイボリー
2009年 12月 07日

1111) アイボリー 「佐野妙子・個展 ~12月の贈りもの~」 終了・12月2日(水)~12月6日(日)

○ 佐野妙子・個展
   ~12月の贈りもの~

    
 会場:ほくせんギャラリー ivory(アイボリー)
    中央区南2条西2丁目 
      NC・HOKUSENブロックビル4階
    (北西角地、北&西に入り口あり)

 会期:2009年12月2日(水)~12月6日(日)
 時間:11:00~19:00
     (最終日は、~17:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(12・3)

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 広いアイボリーの会場を半分に区切っての展示、明るくて今展の画家の気分を反映させるのはもってこいのようだ。何より、100号二枚で200号の出来栄えを確認できただろう。

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     ↑:「」(メモるのを忘れました!。気分は「12月の贈りもの」ということにして下さい)・2009年 F100×2。

 画家は春から夏の気分を画くのが得意な作家だと思う。色が好きなのだ。背景を油彩独特の厚塗りや重ね塗りにして、藪や森の中にいるような気分を表現している。今回、色の無い冬にもチャレンジしたかったのだろう。
 冬といえば白、白を中心にした表現が、この大作の大きな課題なのだろう。その白の世界に作家の分身のような少女がどう位置づけられるのだろう?
 少し型にこだわり過ぎたようだ。白と青の組み合わせに苦しんだみたいだ。その反映が白の垂れ流しになったみたい。白を厚塗りに、重ね塗りにして良いのかどうかはわからないが、佐野妙子らしく、藪の中のような白相互のリズムもあったのでは。白と交じり合う青い雪もあるのでは。少なくとも、もっと自由な白の方が僕は好きだ。
 だから、少女が単に可愛いだけになってしまったみたい。
 
 だが、これは大事なステップ、きっと冬気分(白)を画くことの難しさを得たことだろう。


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     ↑:「草原に泳ぐ」 (いずれも小品)。

 右の作品はキャンバスに地塗りをしないで、そのまま画きあげたもの。キャンバスの茶色が、なぜだか他の色に影響されて黄色風に見えた。
 こういう自由さが最近の画家の成長ぶりだと思う。こういう内にこもるような画き方で、外に発散する絵、しかも爽やかに飛び立っている。こういう明るくて暗い世界は僕には無い世界だ。もっともっと孤独に内にこもり、自由にさわやかに外に出る絵を見たい。


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     ↑:「夢に紡ぐ」・2009年 (小品)。

 黄色の中での線の影、まだまだ遠慮がち。次は筆持つ腕がしなやかになっているだろう。こういうのをもっと大きくしてみたいものです。トナカイの全身像がなくても、けっこう夢を紡いでいる。

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     ↑:「優しい時間」・2009年 (小品)。

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     ↑:「sodatu」・2009年。

 愛すべき絵です。もうすぐ年が終わる。年の瀬への画家からの贈りものです。


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by sakaidoori | 2009-12-07 23:19 | 北専・アイボリー
2009年 03月 19日

940) アイボリー 「石刻画 山田光造・展」 3月17日(火)~3月22日(日)

○ 石刻画 山田光造・展

 会場:ほくせんギャラリー ivory(アイボリー)
    中央区南2条西2丁目 NC・HOKUSENブロックビル4階
    (北西角地、北&西に入り口あり)
 会期:2009年3月17日(火)~3月22日(日)
 時間:11:00~19:00 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・17)

 山田光造氏のH.P.こちら
  上記H.P.内の「安井金比羅宮・著作権侵害差止請求事件についてこちら・・・以上、2012年11月30日追記。


      ~~~~~~~~~~~~~


 会場を左回りで載せます。

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 「宇宙」シリーズ、20点ほどの展示です。
 広い会場に少ない作品数、しかも小さいですから写真では物足りないと思うかもしれません。現場は決してそんなことはありません。
 というのは平面作品が空間造形になっているのです。作品の力と照明だけで強いムードを引き起こしているのです。音楽も流れています。足音、部屋の空気、不定形な作品展示によるリズム、もろもろの触れ合いが肌に伝わり「宇宙」を見ることになるのです。

 作家は本州住まいで今展は作品の提供だけです。展示には作家の指示があったかもしれませんが、作家不在で見事に空間を作り上げたものです。設置された関係者が山田・ワールドに深い理解と共感があるのでしょう。
 例えば、作品は少し高い位置にあります。見るには少し疲れます。「宇宙に囲まれた、宇宙の中にいる展覧会」という立場にたてば、会場作りには合っているのでしょう。


 ファイルの中に版画としての「石刻版画」も用意されて販売されています。イスに座ってめくってみては。


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 どこか「おっぱい」に見える。可愛くて綺麗。宇宙の目であり、誕生の徴(しるし)。
 作家にとっては宇宙や石や絵画は「万物の母」では。そこから生まれ、そこに還る。物語やロマンの尽きせぬ源泉では。


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by sakaidoori | 2009-03-19 19:40 | 北専・アイボリー
2008年 12月 01日

826) ①アイボリー 「藤谷康晴・ライブドローイング&展覧会」 11月30日(日)~12月6日(日)

○ 藤谷康晴・ライブドローイング&展覧会

 ◎ ライブドローイング  -黒い祭典ー

 会場:ほくせんギャラリー ivory(アイボリー)
    中央区南2条西2丁目 NC・HOKUSENブロックビル4階
    (北西角地、北&西に入り口あり)
 会期:2008年11月30日(日)
 時間:14:30・オープン 15:00・スタート 
 料金:1,000円

 ◎ 展覧会  -ウルトラサイレンスー

 会場:(ライブ会場と同じ)
 会期:2008年12月2日(火)~12月6日(日)
 時間:11:00~19:00 
    (最終日は ~17:00まで)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー(11・30)

 ライブを見に行った。

 ①ライブ作品考、②ライブ考、③展示作品考と3回に分けて書きます。
 幸い、写真掲載快諾、有難う。

○ ① ライブ作品考 

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     ↑:①
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     ↑:②

 何が起こるかは分からない無手勝流の線描ライブではない。2時間限定での公開絵画制作であり、仕上げきるというものだ。

 左右に幅広の刷毛で何かを画いた段階で、絵画制作と認識した(写真①、②)。
 ①は走る巨人、あるいは逃げる妖怪であり、②はそれを見つめる鳥獣だ。遁走するサルと、見つめるニワトリである。
 あとは空間(背景)を画家はどう処理していくかだ。二つの存在の中間は両者を繋ぐ何かが描かれるだろう。純粋の背景は装飾的に覆われるだろう。そして、画材には印鑑を用意してある。その使用が最後という合図である。同時に強く日本画(伝統)を踏まえていることを主張している。実際、日本画的装飾で背景は塗りつぶされていくのであろう。

 僕の問題意識は絵としての細密度の深まりよりも、余白をどんな感じで、どこまで残すのかに注目して見続けた。過剰なエネルギーで全部を塗りつぶして真っ黒にする・・・かもしれない。が、そうはならないであろう。仕上げを無視した白の余白が全体のバランスを崩すような、白い紙としての生理を晒(さら)すのを期待した。画家が統御できない視覚存在を「お手上げ」という状態で支持体に残してしまうことだ。
 それは僕の好みを要求しているだけではない。藤谷康晴は「見えない何か」、「感じる何か」に捉われている人間だ。絵を画くことはそれにこだわることの一つの証である。だが、画いたからといって「目に見えた」と安心できる心理でもないだろうし、全容を画けるわけが無い。その辺の葛藤を絵として表現するには?全面を塗りつぶす。絵として細密で全面を覆い、余白の恐怖を避ける。あるいは、絵画放棄と受け取られない、画かれない、絵ではない部分を挿入する。ホワイト・ホールが人を誘うのだ。鑑賞者は絵を見て、絵から離れて幻想していくのだ。

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 ↑:太い骨格線を入れた後に細い筆で肉付けしていった。
 その後に、二本の黒テープが貼られていった。

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 ↑:太いマジックで竹の筋のようなものを画いていった。これは実に素晴らしい。黒太で破線にしていくのだが、実にシンプルなことなのだが心で唸ってしまった。

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 ↑:手形を花びらのようにして叩いていった。竹に手花が咲いた。

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 ↑:木炭チョーク?で背景が塗られていった。チョークの腹で大きな波模様が蛇模様が画かれていった。遁走する巨人(サル)の砂塵とオーラの痕跡だ。強い線がアクセントを付けていった。
 いわゆる絵としての背景処理作業だ。

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 ↑:僕は左の物体を逃げるサルとして見ていた。栄通の目をあざ笑うように、鳥を睨む目が描かれた。仕上がった左の妖怪は遁走とばかりは言えなくなった。それでも負け惜しみのように僕は言いたい。巨人の背から現れた体内妖怪、ソイツが目となって画面を支配しようとしているのだ。

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 ↑:出来上がった作品から黒テープを学ラン姿のスタッフが剥がしていく。テープは紙と引っ付いていて簡単には取れない。紙をむしる音が聞こえる。スタッフは思いの他の難事に、真剣である。見ているほうも緊張する。ある意味で本日の一番クライマックスともいえる。
 スタッフは白い手袋をしている。この時までにライブでの細やかな片づけで手袋は汚れているのだ。はがしながら汚れが紙に引っ付いていく。

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 ↑:ライブ終了後、藤谷君はいつになく自分を語っていた。有料でも来て頂いたお客への感謝とお礼の気持ちだろう。あるいは、1年ぶりのライブということで、公式に語りたかったのかもしれない。

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 藤谷康晴君の迫力を久しぶりに味わうことができた。

 作品としては予想の範囲内で終止した。「余白に対するこだわり」ということでは、期待通りには終わらなかった。僕の思い込みだから仕方が無い。
 絵としても伝統的な世界に現代感覚を足したところで終わった。絵全体の破綻の魅力はないが、線描と線描の間に凄みを感じた。そういう意味では筆先と紙と墨との、接点のミクロの世界に魅せられた。
 できれば年末の定例イベントにしたもらいたいが・・・。

 今週の土曜日までです。他の作品同様に是非見に行ってあげて下さい。
 若さのエネルギーの痕跡を確認して下さい。


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 ↑:展示会場風景。

 

by sakaidoori | 2008-12-01 13:12 | 北専・アイボリー
2008年 05月 25日

628)北専・アイボリー 「福井利佐・展&CCP」 終了・5月11日(日)~5月24 日(土)

○ 福井利佐・個展(RISA FUKUI EXHIBITION VOL.2)
     「KI RI GA」展 @SAPPORO

 会場:ほくせんギャラリー ivory(アイボリー)
    中央区南2西2 NC・HOKUSENブロックビル4F・北向き
 会期:2008年5月11日(日)~5月24 日(土)
 時間:11:00~19:00 
 休み:月曜日が定休

 主催:PHILL、moss linkage(IMPRVIDE Co.、Ltd)
 共催:CULTIVATE CREATION PROJECT実行委員 

※カルチベイト・セミナー 02
 「Risa Hukui ~切りつづける理由~
 5月11日(日) 15:00~18:00 1,500円
 於・個展会場(ほくせん・アイボリー)

 「二ヶ月に一度日本のトップクリエーターを講師に迎え開催するCULTIVATE SEMINAR(カルティベイト。セミナー)。第二回目は東京を拠点に切り絵作家として活躍している福井利佐さんを講師に迎えます。・・・
 切り絵という手法に革新をもたらし、繊細かつ力強い彼女の作品は人の記憶に切り刻まれます。・・・自らの来歴と共に、作品発想の根源、作家としての未来への切り口を中心にお聞きします」
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 「静岡県生まれ。切り絵作家として幅広く活躍。受賞歴多数。・・・切り絵という作風ながら、大胆な構図と描写のきめ細やかさが見るものを惹きつける。・・・型にとらわれない活動フィールドは新たな切り絵業界の継承者との呼び声も高い。2007年に初の作品集「KI RI GA」を出版。2008年3月にはSTUDIO4℃と制作したオリジナル映像作品と原画をまとめた作品集『たらちね』も出版」(パンフより)


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 切り絵作家の切り絵作品展。作家のオリジナル映像作品が会場に流れていて、その原画展を含めた映像と切り絵展だ。それらはL字型会場の半分ほどで、上の写真の間仕切り左側。真ん中に台があるが、生け花があったのだ。ちょうど撤去したばかりだ。映像風景を完全に写真に撮り忘れた。写真の左側に大きなモニターと、その前の10脚ほどのイスを連想して下さい。
 映像の為の原画作品だから、作家の全貌を伝える為の近作が趣向をこらして間仕切り右側に十数点の展示。
 映像原画のシンプルさと、一点物の細やかな世界を楽しむのだ。

 映像作品の正式名称をメモしてこなかったが、「たらちね(垂乳根)」と理解していいだろう。原画作品集のタイトル名がひらがなのそれだから。
 「命」あるいは「誕生」をテーマにしている。盲目の子供と母と古里風景が題材。母が白無垢風の簡易な着物スタイルで、なぜだか割腹自殺する。死を通して、新たな生の誕生と神秘な力の世継ぎを暗示している。
 映像作品原画はそんなに細やかさを追求してはいない。一目で顔の表現に刺青にも通じる不気味さ凄みがある。
 顔のあやかしさは2面的だ。一つは映像作品がそうであるように、装飾過多と美への誘いへの新たな切り口としての手段だ。要するに映像全体が綺麗過ぎて、顔の不気味さからくるイメージとは違って、少し不満な感じ。安易な生命賛歌に陥りがちな映像である。音楽が流れていて、アイヌ・トンコリ奏者のオリジナル・メロディーなのだが、そのアイヌ調が異国的で全体にムービー効果を高めている。

 原画以外の作品で、普段の彼女の魅力がわかる。
 刺青的装飾美、ドロドロした線描画的世界が好きなのですね、作家は。確かに技術的にも、表現力としても一見の価値がある。それらは人間追求の表現手段としてではなく、線がうねって集まって、一つの生き物の輪郭を構成して、生きる物の活動の証・存在証明のような力動感だ。どこかでおぞましさが消えているから、一般受けし易いと思う。目に見えない「綺麗な部分」を表現していのだろう。

 

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 上の写真が映像原画。横たわった女の作品が好きだ。実にあっさりした線の世界だ。装飾性を消して、ストレートな力が伝わってくる。
 下の作品は近作。写真ではその巧みの技は伝わりにくい。色は切り絵の下に色紙を置いて表現している。切り絵がデッサンだとしたら、全体で絵画になっているのだろう。

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by sakaidoori | 2008-05-25 00:22 | 北専・アイボリー