栄通記

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カテゴリ:   (たぴお)( 153 )


2012年 04月 25日

1718)①「春へのコンチェルト」 たぴお 4月23日(月)~4月28日(土)

○ 春へのコンチェルト    

   
 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
      電話・林(090)7050-3753

 会期:2012年4月23日(月)~4月28日(土)
 休み:日曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00

※ オープニング・パーティー ⇒ 初日 18:00~

 【参加作家】
 糸原ムギ 菅野真由 後藤さとみ 田中季里 名畑美由紀 林教司 藤川弘毅 森実 YUKO 和田奈桜子 ・・・以上、10名。  
      
ーーーーーーーーーーーー(4.23)

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 久しぶりにオープニング・パーティーに参加した。手ぶらで行くのも何だから、時計台ギャラリーで合った髪を切った可愛い学生さんとの同伴だ。少しは参加平均年齢の低下の貢献をしたようだ。

 パーティーということで、全体風景の紹介はできそうにありませんが、以下適当に想像で補って下さい。





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 私はただ今禁酒中で、騒ぐでもなく、にこにこ顔で淡々と楽しんできました。こうして当日を思い出すのも良い気分です。

 今回の参加者は10名。とても全員集合、全員紹介は無理です。当然ながらお気に入りを中心に載せていきます。

 まずは爽やかな春から始めよう。


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          ↑:YUKO、「春風」。


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    空が口笛を吹くと 春が来た
    始まりの風よ  届けメッセージ
     ・・・・・・

 「届け メッセージ」。言い切りが心地良い。詩はこの後も長く続くが割愛しよう。ユキダルマと桜を見て春を満喫しよう。



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     ↑:和田奈桜子


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 「春の女心・七変化」だ。
 小さな白い壁に埋まる顔と心。外は春、覗き見ばかりしてても仕方がない。何か良いことはないか?いい男はいないか?外に出ようか。


 (今日は体調不十分で明日に続けて書きます。)


 以下②に続く。

 






 

by sakaidoori | 2012-04-25 23:47 |    (たぴお) | Trackback | Comments(0)
2012年 04月 22日

1715) 「渡辺信・個展」 たぴお 終了・4月16日(月)~4月21日(土)

  
○ 渡辺信・個展  

   
 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
      電話・林(090)7050-3753

 会期:2012年4月16日(月)~4月21日(土)
 休み:日曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00
      
ーーーーーーーーーーーー(4.21)

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 「イモノ、イモノ」という言葉が飛び交っていた。だから、「鋳物造形作家・渡辺信」と紹介したらいいのだろう。

 渡辺信さん、かなりの年配だが元気の良い方だ、そして話の間合いが面白い。小さな体を前のめりにして、指先に力を入れた仕草は、ほんとうに作品が好きなんだと納得される。ついついこちらも相づちを打つ。もし、工房での会話になったなら、あたりの作品や細々したものを肴にして、エンドレスの時間になるだろう。

 そういう作家を目の当たりにした個展だ。箇々の作品に、作家の相をあれこれと想像してしまって、実に愉快このうえない。作家自身が作品で、作品が作家の顔に逆転してしまう。それはまた、「地元」という顔が赤裸々になる時でもある。ベテランだからなせる自然の強みであり、味わいだ。ギャラリーたぴおは、強く地元性の良き面を発揮していた。


 さて、作品なのだが、長き創作活動の自選展だ。制作年を記していないから、作家の説明がキャプションだ。後は勝手に楽しむが良かろうというものだ。

 中央に大きめの作品が2点構えている。作家が選ぶ代表作なのだろう。


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     ↑:「揺籃」。


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     ↑:「あるホールのための夢想」。


 この2点、周囲の作品と少しばかり様子が違う。(もっとも、全ての作品は雰囲気を微妙に変えてはいるのだが。)一つは、完璧な球体ということがあり、一つはマグマ溜まりのようなパワーが肝心な所だ。重さも違う。球体は見かけとは違い軽い。球体の表面は薄くて、職人的巧みが詰まっている。子供の風船遊びがイメージかもしれない。ゴワゴワ器は重い、金属の塊だから。これを盃ににして酒を呑む豪傑を求めているようだ。

 作家は種のような「膨らんだ形が好きだ」と言う。その一つの行き着く先がツルツルした球体なのだろう。遊び心も作家にとっては重要な要素なのだが、完璧な形に「遊び」を入れるのは難しい。せめてはということで、若干の唐草模様を施したのだろう。自己に緊張を強いての作品ではなかろうか、この球体は。だから愛着があると同時に、なかなか二つとは作らなかったかもしれない。

 一方の力強いゴワゴワ器、遊び心と内面のパワーが合体したのだろう。鉄の重さへの讃歌だ。だが、こういうストレートさも作家の体質とは違っていたようだ。遊びから離れすぎのパワー・オンリーも面白くないのだろう。

 僕はたった2点で作家の志向性を勝手に推測した。おそらく当たっていないだろう。そんなことはどうでもいいのだ。小さな遊び心を携えた小品達、それらに囲まれた自信作、その自信作に作家の年輪を見るからだ。


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          ↑:「春炎」。

 
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     ↑:左側、「春芽」。右側、「あるホールのための・・・」。


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     ↑:左から、「ワグリーⅡ」、「作品 S」、「作品 F」。



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     ↑:左から、「舞う」、「コンポジション(微風)」。


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          ↑:「独立不羈」。


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 何とも言えない愉快な個展だった。愛すべき作品達だった。渡辺信さんに「乾杯」がしたくなった。



f0126829_21174356.jpg →:「パンセ」。















        ~~~~~~~~~~~~~


 この日は快晴。


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by sakaidoori | 2012-04-22 21:49 |    (たぴお) | Trackback | Comments(0)
2011年 11月 16日

1617) ③「コレクト マニア・展 3rd!!」 たぴお 11月14日(月)~11月19日(土)

○ コレクト マニア・展 3rd!!
   

 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (仲通・東向き。建物1階に郵便局有り)
     電話(011)251-6584

 会期:2011年11月14日(月)~11月19日(土)
 時間:11:00~19:00

※ オープニング・パーティ⇒初日 18:00~ 

 【参加者】
 川井流叶 加賀谷智子 佐藤栄司 藤川弘毅 丸島均 名畑美由紀のダンナ様 能登健一 タカダ ヨウ・・・以上、8名。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(11.14)

○ タカダ ヨウさんの場合・・・「ポスト・カード」

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 今展の華です。11列×10段のポスト・カードです。好みに徹して集めたものでしょう。明るくって、ちょっとエッチで夢があります。そんな少女趣味的な統一感が素晴らしい。
 僕の展示(丸島均)は自分の部屋をそのまま持ってきた感じですが、こちらは出品者の頭の中を濾過してコジャレに展示している。
 美術館や個展会場での収集品でしょう。一枚一枚の価格はしれています。が、一度には決して集めれません。気がつけば、そこはゴッソリお宝の山でした。

 これは一見の価値があります。栄通推奨のコレクションでした。


○ 能登健一さんの場合・・・「ポスター」


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 当館開催の展覧会ポスターであり、同時に能登さんの出品作品でもあります。
 一つの展覧会で数枚出展していますが、こうして展覧会を横断して見ると、その特徴がくっきり浮かび上がってくるようです。「大きなすっきりした優しさ」、と言いたいです。

 一番好きな作品がこれです。

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 そして、感心しまくったのが名前を記した次の部分です。

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 このネーミングにはしびれる。「たぴおへの愛」を感じる。


○ 藤川弘毅さんの場合・・・「ビートルズのポスター」


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 ビートルズが解散したのはいつ頃だろう?僕はそれほどのファンではないので、というか音楽全般に疎くてほとんど何も彼等の事を語る事ができない。中学の頃だったか、彼等の来日で日本列島が熱く燃えたのを覚えている。僕には宇宙の出来事だった。
 ファンではないが僕だってビートルズの名前ぐらいは知っている。ジョン・レノンの顔はしっている。なぜだか彼のレコードがあるから何度も聴いた。昔ならばこうした大きな顔は無視しただろう。今は違う。
 一枚だけ四隅の一ヵ所が破れている。深い意味のない破れだろう。でも、この破れが良い。


 ④に続く

by sakaidoori | 2011-11-16 16:14 |    (たぴお) | Trackback | Comments(0)
2011年 11月 16日

1616) ②「コレクト マニア・展3rd!! 『急募!! 葉書サイズの・顔」たぴお 11月14日(月)~11月19日(土)




○ 急募!! 
   葉書サイズの「顔」 
      送って下さい
!!!



   コレクト マニア・展 3rd!!  

  

 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (仲通・東向き。建物1階に郵便局有り)
     電話(011)251-6584

 会期:2011年11月14日(月)~11月19日(土)
 時間:11:00~19:00

※ オープニング・パーティ⇒初日 18:00~ 

 【参加者】
 川井流叶 加賀谷智子 佐藤栄司 藤川弘毅 丸島均 名畑美由紀のダンナ様 能登健一 タカダ ヨウ・・・以上、8名

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(11.14)

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 現在、ギャラリーたぴおで「コレクト・マニア展」が開かれています。たまたま私も3回続けて出品しています。
 
 今回は「顔」というテーマでコレクション?を陳列しています。本来、「美術品」のみのコレクションを見せる展覧会ではないのです。ちょっと勇み足気分で購入した美術作品なども並べています。版画、写真、書、お面、立体作品、本、DM等の絵葉書、レコードのジャケットなどなどです。要するに人に限らず「顔」を並べているわけです。

 会場に居られる人にも「顔」を描いてもらい、展示コーナーは楽屋の舞台裏のようになってしまいました。美学も何もあったものではありません。ならば、もっとうるさくというわけで、読者の方の「顔」も貼りたくなりました。何の特典もサービスもありません。 「顔」を葉書に描いて送ってくれませんか!!札幌市内の方ならば、金曜日の午前までに投函していただければ展示最終日の土曜日までに着くでしょう。今すぐ送って頂ければ、とっても嬉しい。届いた日に、いそいそと会場に貼りに行きます。最後は協力して頂いた方々のみの作品で記念撮影です。そして本編による展示会です。


 送り先: 003-0021
       札幌市白石区栄通11丁目1-7  丸島均



 追記:18日(金)9:00
     ぞくぞく到着!!と言いたいところですが、予想通りというか一通の「顔」葉書も頂いていません。
 というわけで、宜しくお願いします





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by sakaidoori | 2011-11-16 16:00 |    (たぴお) | Trackback | Comments(2)
2011年 11月 15日

1614) ①「コレクト マニア・展 3rd!!」 たぴお  11月14日(月)~11月19日(土)

○ コレクト マニア・展 3rd!!
   

 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (仲通・東向き。建物1階に郵便局有り)
     電話(011)251-6584

 会期:2011年11月14日(月)~11月19日(土)
 時間:11:00~19:00

※ オープニング・パーティ⇒初日 18:00~ 

 【参加者】
 川井流叶 加賀谷智子 佐藤栄司 藤川弘毅 丸島均 名畑美由紀のダンナ様 能登健一 タカダ ヨウ・・・以上、8名。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(11.14)

 栄通(丸島均)も参加しているコレクション展です。ですから、大いに宣伝したいと思います。見に来て下さい。参加者の楽しみが訪問者の楽しみにもなれば嬉しいです。ガッカリされても怒らないで下さい。その時は、「ゴメン」です。

 まずは会場風景から。


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○ 佐藤栄司さんの石けん水と仲間達


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 ホテル備え付けのお化粧品セットです。
 佐藤栄司さんは、この企画展の常連参加者です。第1回目の時にも、このシリーズでした。展示最中の振る舞いといい、「ヨーロッパに行ってこんな立派なホテルに泊まったんだぞ」、といい実にまぶしき「ジマンタレ展」」でした。
 2回目はパネルに行儀良く半券を入れていました。その時、よせばいいのに僕は詰まらない事を言ったのです、「サトウさん、今回はフツウですね」
 「フツウ」と言われて喜ぶ人はいないでしょう。笑顔の佐藤さん、お腹の中の悔しい思いに耐え、こんにちに至ったのです。原点からの再起に期したのです。そして、十二分に僕の目を楽しませてくれたのです。

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 何が素晴らしいかというと、ネームプレートです。かわいく並べられたプレートと、アルファベットを堪能して下さい!僕は老眼にもなっているから、こんな小さな字の行列は読めない。だから読まない。ですが、佐藤さんが、一人パソコンに向かって横文字を並べている姿、プリントされた紙を細やかに切っている姿、そして最後にこの会場でニンマリとして石けんに添える姿、実に実に悦の境地の極みだったでしょう。

 ヨーロッパを彷彿させるご自慢の品々です。ヨーロッパを知らない僕の心境を某詩人の詩で代弁しましょう。

 「フランスに行きたしと思えども フランスはあまりに遠し せめては新しき背広を着て 気ままなる旅に出でてみん。
 汽車が山道を通る時、窓辺によしかかりて・・・」


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 >②に続く。

by sakaidoori | 2011-11-15 12:55 |    (たぴお) | Trackback | Comments(0)
2011年 11月 11日

1613) 「自我の形象展 10th」 たぴお 11月7日(月)~11月12日(土)


○ 自我の形象展 10th
 

 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (仲通・東向き。建物1階に郵便局有り)
     電話(011)251-6584

 会期:2011年11月7日(月)~11月12日(土)
 時間:11:00~19:00

※ オープニング・パーティ⇒11月7日(月) 18:00~ 

 【参加作家】
 伊藤詩帆 井村郁子 岩佐淑子 タカダヨウ 竹内はるみ 名畑美由紀 林教司 原田勢津子 兵藤いずみ 藤川弘毅 三上詩織能和和行・・・以上、11名

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(11.3)

 オープン初日、しかも遅い時間の宴たけなわ頃の訪問でした。見知った顔、見慣れぬ顔、たくさんのお顔の間からの作品鑑賞になり、写真もあまり撮れませんでした。そういう訳で、全体風景と幾つかの個別作品の紹介で、言葉は限りなく少なくなると思います。


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          ↑:名畑美由紀


 賑わっている会場に突然の参加、いきなり目に入ったのが上の作品だ。「何だ、こりゃ?」というもので、色はピンクで心地良いのですが、何とも形が不格好だ。瞬時に、「ふわふわお岩さん」と名付けてしまった。当会場でこういう変な作品を力強く出す作家は「名畑美由紀」さんしかいない。「ナハタミユキの変なシリーズ」絶好調版でした。


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          ↑:井村郁子

 気品漂う紫です。この作品は距離をおいてゆったりと見る方が良い。紫が静かにドッドッドッドッと近づいてくる。着物の生地色のような細やかさで、押し殺した派手さが迫ってくる。


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          ↑:伊藤詩帆


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 日々の気持ちを絵日記にして貼り合わせたものだ。その日の幸せ気分の心象画というよりも、青春のギラギラ光る一断面といった感じがあって肉声画に近い。その日記行為は発表を前提にしたもので、他人に晒す直接的な自我の表白でもある。意欲満点で今展のタイトルにふさわしい。「自我の形象」だ。
 作品は濃淡のバリエーションはあるが、基本的に薄い。だから、見た目には迫ってこない。一般的に言えるのは、強い主張線は濃い。だから、主張をもやらしている感じだ。それが作家の「自我だ」と言えばこちらは何も言えない。作品として見るならば意欲的気分に反して見る側の目からは遠ざかる。そのアンビバレンスが作品効果になれば良いのだが、印象度高める効果にはなっていない。おそらく、今展に関わる強い気持ちと、「見せる」という行為の遠慮がちさが、作家の中で整理不足なのだろう。
 強さと弱さが入り混じった、好感のもてる作品だった。



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          ↑:能和和行


 学生ではあるが、発表経験は充分だ。だからだろう、多人数のグループ展ではあるが、遠慮することなく広いスペースで開示している。そして、横拡がりの空間を生かすようにして、たゆたゆしい模様が浮遊している。



[#IMAGE|f0126829_911189.jpg|201111/11/29/|mid|          ↑:兵藤いずみ


 シナプスの連合体のような模様を描く画家だ。基本的には個展の人なのだが、こそっとグループ展に参加して自作の傾向・雰囲気を他人の作品の中で確認している。
 本当はじっくり見たかったが、酒ばかり呑んでいて遠くからの眺めに終始してしまった。強さ・奥いき・運動の程度などを確認しているようだ。



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          ↑:藤川弘毅


 ノートパソコンの画面と一眼レフカメラが合体したようなムードだ。その目で宇宙を除いている。

 最近の作家は遊び心はあるにはあるのだが、立体造形そのものを凝視している。写真家でもあるから、写真も使うのだが、最近は素材としての写真であり、立体造形の強さ調和の一環でしかない。
 今回は気楽な感じで、自己の頭の中を切り取って世間を浮遊している感じだ。


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          ↑:林教司、「月とレモン」。


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          ↑:タカダ ヨウ


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     ↑:原田勢津子


f0126829_932553.jpg アトリエからの直行のような青年がいた。良いね~、楽しくなっちゃう。派手ではあるがイマイチ派手ではない。

 「赤がないではないか、ピンクがないではないか!」
 「はぁ、スイマセン」
 「ド派手なショッキング・ピンクで街を闊歩だね。次はよろしく」

by sakaidoori | 2011-11-11 09:05 |    (たぴお) | Trackback | Comments(0)
2011年 11月 03日

1603) 「林教司・個展 『Water Seed (水の種子) 2011』」 たぴお 10月31日(月)~11月5日(土)

○ 林教司・個展 

     Water Seed (水の種子) 2011
 

    
 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
      電話・林(090)7050-3753

 会期:2011年10月31日(月)~11月5日(土)
 休み:日曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00
      
ーーーーーーーーーーーー(11.2)

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     ↑:「water seed ー水の種子 2011」・2004。

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 綺麗な個展だ。
 暗く沈鬱なテーマが、ずっしりと迫る。


 「2004年 悲しき海よ、静かであれと
   祈りを込めて種子に封じた。
     2011年 かなしき海をあの日と同じに
       祈りを込めて種子に封じた
               
           water seed (水の種子)
                       林 教司」


 2004年と2011年の「悲しき海」に「静かであれ」という。巨大地震による海の恐怖だろう。スマトラ沖地震と東北地方太平洋沖地震のことだろう。

 スマトラ沖地震の時、映像で津波の恐怖を目の当たりにした。攻め寄せる津波に人々は逃げ、退いた後の人々の街は無惨な姿を残していた。しかし、他国の出来事として僕は見ていた。その時僕とは違って、何かの真実を見、それを画家は絵にした。
 そして今回の日本地震と津波だ。同胞の街を人々を襲った。

 林教司氏のライフモチーフは鎮魂と挽歌だと思っている。
 家族のこと、肉親のこと、両親のこと、伴侶のこと・・・画家の私的動機が楕円形の卵として結実する。それは子宮であろう、種子であろう、生命の主張でもあり、回帰すべき女性への思慕でもあろう。
 荒れ狂う海はもしかしたら画家自身かもしれない。やさしき女性の怒れる姿かもしれない。

 全(まった)き水辺線、完璧な直線と楕円形。全ての色は剥ぎ取られ深い一色のみ、卵形の中だけが海のしじまを映している。それは個人史に支えられた生命史への比喩と象徴と昇華であろう。


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     ↑:右側、「「water seed (水の種子)」・2005。


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 暗い絵画達と伴にいる喜び、それは不思議な時間だ。やはり絵画は個展だ。
 それにしてもニクイ個展である。このお洒落さは何なのだろう。多くの画家はうらやむだろう。


f0126829_21581937.jpg     →:「種子の為の27」。





 

by sakaidoori | 2011-11-03 22:15 |    (たぴお) | Trackback | Comments(0)
2011年 10月 30日

1594) 「第6回 水彩連盟北海道札幌支部展」 時計台 終了・10月24日(月)~10月29日(土)

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○ 第6回 水彩連盟北海道札幌支部展    


 会場:時計台ギャラリー 2階A室
      中央区北1西3 
       札幌時計台文化会館
      (中通り南向き)
     電話(011)241-1831

 会期:2011年10月24日(月)~10月29日(土)
 時間: 10:00~18:00 
      (最終日は~17:00まで。)

 【参加作家】
 竹津昇他、16名。
 (DMを拡大して確認してください。)
  
ーーーーーーーーーーーーーーーー(10.24)

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 さわやかな水彩展だった。さわやかといっても、大きな絵ばかりだし公募展的美学なのだから、自由気ままな雰囲気というのではない。それぞれの主義は異なるが、それでいて突出した極端表現からは遠く、ある種の範囲内の安定感といえばいいのか。「水彩だから」という雰囲気ではない。水彩画のイメージからは遠い。アクリルも使っているかもしれない。水溶性なら何でもありの団体かもしれない。

 沢山の作家達です。お気に入りの作品、気にかけている作家を中心に何点か載せます。


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     ↑:畦原信子、「卓上の景」・80F。

 今展一のお気に入り。
 軽さ明るさ気ままさが良い。そして右下に描かれた絵画的窓が良い。全体の弾んだムードが、なんの変哲もない四角い空間と会話して、生き生きさが倍増している。


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     ↑:小路七穂子、「初夏のよろこび Ⅳ」・60F。

 
 今展一の驚き。
 何が驚いたというと、強い絵だからです。僕は作家の作品を少しは知っている。小品の風景画などは、鋭く才長けた雰囲気がある。最近は俄然大作にいどんていて、主に女性を描いている。が、「女性美」にこだわりすぎて、ちょっと残念な気分だった。大作慣れしていないから仕方がないのだろう。

 今回は良い。色も強い、女性もどっしりしている。絵が大きく見える。
 背景をこれからはどうするのだろう。今回のように、画題を引き立たせるためのムード主義でいくのか?物で埋まっていくのか?一点画題主義で行くのか?構成的側面が加わるのか?今後の楽しみが一つ増えたのは間違いない。


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     ↑:石垣渉、「クローバーの祝福」・80F。

 青色を得意とする画家だが、緑中心の作品だ。発色の強い作風という印象だったが、今回は薄く淡い。つまりイメージの「石垣渉・風」ではない。それに、公募団体に属しているのも気づかなかった。ビシッと決める「小品中心の風景作家」を大きく脱皮したいのだろう。「公募展作家・石垣渉」として注意しよう。

 公募展が「見せる・競う場」と捉えれば、少し迫力不足のようだ。それに、小品でできることを、大きくしたメリットが少ない感じ。その実力からして、物足りなかった。


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     ↑:山平博子、「まどろむ大地」・80F。

 大地を、地面を、石?土の塊?を描いているだけだ。恐ろしく地味な作品なのだが、愛おしい。長(たけ)の低い草、そこのここに大地を見つめる。強くて、フックラとして、大きな存在がある。ただそれを見つめる。
 絵としては暗い部分がアッサリした感じだ。それが、特異な世界を表現しながら、イマイチ目立たないのだろう。


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     ↑:渡邉範子、「不撓(ふとう)」・100F。

 樹を描く人だ。画題はほとんど同じだ。今回、随分と立体的に見えた。ということは今までは平面的だったということだ。遠近感は意図的なのか、技術の進歩なのかはわからない。表情としても美しくなった。
 「不撓=(困難にあって)ひるまないこと」、ガチガチしたひるまない精神から、美しくしなやかな立ち姿、やっぱりここにもさやかな風が吹いていた。


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     ↑:三村克彦、「有機体へ」・100F。

 機械の暗く蠢く世界を描く人。モミモミ画法を駆使して、機械という存在に迫る。今回もいつもと同じ作品なのだが、わずかな描き込みで、がらっと様相を変えてしまった。
 小さな蝶を浮きたたせて描いている。貼り絵のようにくっついて見える。コラージュと思いきや、しっかり描いていた。三岸好太郎風のシュールを求めているのか?リアルで浮いた蝶を描くことによって、「暗い機械たち」への眼差しを転換したいのか?あるいは今後の為の実験なのか?見る側を立ち止まらせるには充分だった。


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     ↑:遠藤直子、「倒木」・100F。



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     ↑:竹津昇、「吊るされた袋・80F。

 今回は既発表の旧作。この画家が一点しか出品しないのに、旧作を見せるというのは少しおかしい。変調をきたした行為だ。絵の場合は変調も時には魅力を増す。美術作品においては、その変調は不思議がることではない。しかし出品の姿勢の変調はおかしい。それで何かとお話をしたのだが、その理由がわかった。確かに忙しさはあるのだが、楽しい予定が控えていて、その為の準備不足のようだ。竹津ファンにとっては寂しい展覧会ではあるが、仕方がない。楽しき後の視点の変調を期待しよう。

by sakaidoori | 2011-10-30 14:50 |    (たぴお) | Trackback | Comments(0)
2011年 06月 01日

1578) 「愉(たの)しき玩具展 (4名参加)」 たぴお 5月30日(月)~6月4日(土)

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○ 愉(たの)しき玩具展     

   
 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
     電話・林(090)7050-3753

 会期:2011年5月30日(月)~6月4日(土)
 休み:日曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00

 【参加作家】
 佐々木仁美 佐藤一明 林教司 益村信子  三上詩織  

※ オープニング・パーティー ⇒ 初日 18:00~    

ーーーーーーーーーーーー(5.30)

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 5名の参加予定でしたが、1人は欠席、1人は賛助出品のような形で、実質は3人展です。予定外の少ない出品で、会場を賑わす展示ではありません。確かにそれは残念なことですが、それなりに面白い。フワーっと良い気分にしてくれます。「玩具」としての夢は、知的な夢も備わっています。中高年の夢、若き夢、男女の夢、玩具という夢、ほんのチョッピリ哀しさを秘めた愉しき玩具展です。


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          ↑:佐々木仁美、「零レ落チル」。(「玉のような音色が落ちる、舞う」の意か。)


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 これは振って鈴の音を愉しむ玩具だ。
 早速作家に振ってもらった。20代中葉と若い。その若さで両手でしっかり持ち、強く振った。まさしく鈴の音が「ガラガラ、シャラシャラ、ジャラジャラ」と小刻みに高鳴った。
 色っぽく揺すってはいけない。耳を作品に添え、かすかな音色を愉しんではいけない。神社の鈴のように、辺りにこだます気分で強く振らないといけない。なぜとならば、佐々木仁美は無我夢中で一所懸命に作ったからだ。針金の絡み具合を見よ。自身の元気さを作品に乗り移らせたからだ。自分を強く振ってもらいたいのだ。他人に握られ振られ揺すられ、玉のような歌声を発したいからだ。
 佐々木仁美はブロンズ作家だ。札幌育ちだが、富山の大学で学んだ。私は彼女の作品を幾つか見た。小さい作品がほとんどだった。その小さきものへ自身の愛情を注いでいた。「何か」を作るのではなく、「自分の分身」を愛情一杯に作るという姿勢だ。かといって、男の耽溺とはちがう。美化につながるお守りのようなものだ。そのことを誰も文句は言えないだろう。所詮作品とはそういうものだ。だが、飴玉をただ見るばかりで面白味に欠けていた。「作品」には「面白さ」という味の素が必要なのだ。やっとそういうものを見せれるようなった。
 会場に行かれて、是非、巨大鈴玉を振って下さい。意外に静かで綺麗な音です。
 6月13日から18日まで、当館で「佐々木仁美・初個展」が開かれます。こちらの方も宜しく。


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          ↑:林教司、「ラプンチェル考」。


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f0126829_8363885.jpg 全く驚いてしまった。「鉄の人 エロスの人・林教司」作品なのだ。ファンタスティックに林教司の登場。何を作っても上手い人だ。ただただ脱帽である。

 だが、このメルヘンさは今展だけのものではないだろう。昨秋からの絵画作品は何かを脱ぎ捨てたかのような正直さがあった。今展と同様な稚児的戯れが画面を支配していた。怨念を見ることを止めたわけではないだろう。見続けることに疲れたからではないだろう。新境地と言うべきか、引きずらない「自由」さがあった。今展はタイトルに身を委ねるようにして「愉しき玩具」をつくったのだろう。

 しかし、「愉しさ」にもいろいろあるものだ。
 タイトルの「ラプンチェル考」とは重く哀しい名付けだ。「妊娠」と「性」が覆う愛と哀しみのグリム童話だ。「食(ラプンチェ=ちしゃ=レタス)」と「髪」は重要な味の素だ。
 長き階段は主人公である処女ラプンチェルの長き髪だ。建物は出入り口のない天空の建物だ。娘をレタス(ラプンチェル)の代わりに妊婦から奪い取った魔女は、そこで彼女を育てる。乙女の長い髪を階段にして彼女に会いに行っていたのだ。それを見ていた王子は、夜な夜なその階段を伝わり、逢瀬とまぐわいを果たし身籠もらせた。二人の関係を知った魔女は・・・。
 話は不幸な形で展開する。最後は、母となっていたラプンチェルの涙の滴で、失明していた王子の目を癒やし、目出度く童話は終わる。
 (佐々木仁美・作品が「滴」ならば!男涙て階段をしめらすだろう!)

 やはり作品にはエロス・林教司があった。「哀しき玩具」でもある。









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 (以下、時間が無いので写真だけ載せます。夜になって、簡単なコメントを添えます。
  以下、6月2日午前に記す。)



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          ↑:益村信子


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 青色と円の好きな益村信子さん。
 軽そうな玉を、「ここに置いてみようかな、そこにも置いてみようかな・・・、あらあら、何だか海の真珠貝みたい、泡のよう・・・ブクブクブクブク・・・ふわふわブクブク・・・」、他人の部屋まで押し入っては失礼かな、そんな気分で自分のお庭で静かにブクブクふわふわしています。どうということはないのですが、コンパクトに綺麗に収まった益村信子・海の幸ワールドです。



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          ↑:佐藤一明

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 今回は佐藤一明・顔見せ出品のよう。「ストーブの人・佐藤一明をお忘れなく。そして、ストーブだけではない佐藤一明をどうぞよろしくお願いします」
 聞くところによると、大きな作品の見本(エスキス)のようです。確かにそうです。閉じこめられた蒔、表面の角張った伶俐さが印象的です。完成品を見たいものです。

by sakaidoori | 2011-06-01 09:40 |    (たぴお) | Trackback | Comments(1)
2011年 05月 28日

1573) 「女が表現する 女・4人展・」 たぴお 5月23日(月)~5月26日(土)

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○ 女が表現する 4人展     

   
 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
     電話・林(090)7050-3753

 会期:2011年5月23日(月)~5月26日(土)
 休み:日曜日(定
 時間:11:00~19:00

 【参加作家】
 北村穂菜美 工藤エリコ 坪内あい 名畑美由紀

※ オープニング・パーティー ⇒ 初日18:00~    

ーーーーーーーーーーーー(5.27)

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 4人だけの参加だから、スキッパーを危惧していたが、そうではなかった。テーブルなどの設置工夫もあるのだが、それぞれの作品が女性らしい爽やかな発散型だったからだと思う。画風が異なっていたのも幸いした。決して沢山の出品ではないのだが、間合いはゆとりになっていた。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


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          ↑:工藤エリコ (切り絵)。


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 今展の主人公は工藤エリコの切り絵だろう。切り取った作品を額装に入れることなく、壁にピンで浮かせての展示だ。微妙に影が写り、目を楽しませてくれる。
 作家に伺ったところ、こういう構想での予定ではなかったと言う。壁面の空き具合で、急遽決めたそうだ。大きな額装作品も予備での搬入だった。会期中、乙女を取り巻く装飾模様は随分増えたとのことだ。なるほど、発展・増殖する展示で実に素晴らしい。実際、良い展示になったと思う。

 しかし、ここは写真の姿を最終展示風景として、チェックしたい。
 シンメトリーを基本的に好む作家のようだ。そのことは作家の気質だから構わない。構うのは、作風の与える流動感覚が、今回のシンメトリー展示では充分に生かされていないようだ。流動性と、シンメトリーの与える重厚性、かつ今回の方法の増殖性、これら三者がからみ合って、壁面全体に雄大なドラマが生まれたらと、勝手に夢想した。いずれにせよ、作者自体のエネルギーをこの壁に打ち込まねばならないだろう。今回は期せずして、その可能性を垣間見てしまった。ここで止めるか、突き進むか?雄渾なるドラマを持ち得るかいなか、それを具体的にするエネルギーがあるかだ。期待しよう。


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     ↑:名畑美由紀

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 今回も名畑美由紀は面白く見せてくれた。
 僕は名畑美由紀のファンだ。
 中間色や線による抽象画は爽やかでリズミカルだ。若さ自由さが良い。
 それは作品の質のことだが、それ意外に特筆すべき魅了がある。どうでも良さそうな出来映えの作品を、無造作にスポーンと発表として見せるのだ。その無防備というか、無神経というか、無手勝流というか、ざっくばらんな精神がすこぶる宜しい。それは主婦のもったいない精神のようで、「作ったんだもの、見せちゃおう」という感じだ。「良い悪いなんて、どうでもいいわよ見て見て、見たくなければ見なくともいいわ」という態度だ。僕は発表者としての、その精神を高く評価している。見せる人はかくあるべしと思っている。

 今展もそういう要素が強い。だから決して上手い作品ではない。それでも見せたい理由が今作にはありそうだ。しばらく、当館に彼女は出品していなかった。だから、心機一転、再出発という思いからだ。それには「女展」とはうってつけだ。「画き慣れない女を画こう、自分も画いてみよう」ということだろう。名畑美由紀の潔い態度を大いに楽しむことができた。


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          ↑:坪内あい

 「夢見る乙女、襲いかかる目ン玉」だ。
 「目ン玉」は意外に怖くない。女性の夢見心地の水玉心が何故に目ン玉になったか?絵だからだ。夢が増殖して、目ン玉として自動運動を起こしそう。何より黄色が迫力満点だ。黄色の中に星の王子様がいるのかもしれない。水底に眠る美女と、黄色で泡立つ王子様、目ン玉は娘を安全にどこまでもどこまでも誘うのだろう。
 坪内あいのシュールな愛と冒険物語が始まりそう。ところが、彼女自身は「普通の風景を描く人です」、と自分のことを語っていた。新道展に出品しますとも。
 何はともあれ、円の好きな人だ。


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          ↑:北村穂菜美


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 よくコンパクトにしっかりと色と線描を入れ込んだものだ。絡ませたものだ。色合いと言い、空間の埋め方といい、このバランス感覚は素晴らしい。
 「女の子の垣間見る人間社会の不安や覚束無さ」を表現している。その女の子達を「ほなみチャン」と言いたくなる。不安を描きたいから、大きな絵にしたいのだろう。一杯描かないと、より一層不安になりそうだから。そう思わせる北村穂菜美の追跡力だ。画面一杯に揺るぎがない。確かに漫画ティックだが、見る目を引き込ませる力がある。なめるような丸い線描を得意とする人でもある。この辺にも彼女の魅力がありそうだ。

by sakaidoori | 2011-05-28 22:37 |    (たぴお) | Trackback | Comments(0)