栄通記

sakaidoori.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

2010年 04月 19日 ( 2 )


2010年 04月 19日

1273) ②テンポラリー 「藤谷康晴・展 ANALOG FLIGHT」 4月13日(火)~4月25日(日)

○ 藤谷康晴・展
    ANALOG FLIGHT
      ーSAPPORA→ー


 会場:テンポラリー・スペース
     北区北16条西5丁目1-8
     (北大斜め通りの東側。
      隣はテーラー岩澤。)
     電話(011)737-5503

 会期:2010年4月13日(火)~4月25日(日)
 休み:月曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00

ーーーーーーーーーーーーーー(4・17)

1273) ②テンポラリー 「藤谷康晴・展 ANALOG FLIGHT」 4月13日(火)~4月25日(日) _f0126829_21402377.jpg


 中作が4点の出品。その内の2点は既発表と思う。ということは新作は2点だ。1年数ヶ月ぶりの個展としては少ない。発表ブランクは制作量のブランクなのだろうか?彼はライブ・ドローイングというイベントもこなすし、作品からも火山性爆発型作家と連想したくなる。が、本当は闘志を内に秘めた非交際型の閉じこもりタイプかもしれない。発表ブランク中、描く事にも距離を置いて、自分自身を見つめていたのかもしれない。


1273) ②テンポラリー 「藤谷康晴・展 ANALOG FLIGHT」 4月13日(火)~4月25日(日) _f0126829_2261230.jpg


 左側は一昨年の作品。ドロドロした婆娑羅スタイルは圧巻ではある。装飾と怨念、あるいは伝統美に対する近親憎悪をモチーフにしている。
 対して右側は昨年の作品だ。

1273) ②テンポラリー 「藤谷康晴・展 ANALOG FLIGHT」 4月13日(火)~4月25日(日) _f0126829_22102584.jpg


 今展のベスト作品だと思う。

 画題は当館・テンポラリー・スペースだ。そして、画題としてのテンポラリーと、空間としてのテンポラリーを意図的に交差している。非常に理知的にトリッキーに構成して、愛すべき場と、空間そのものの畏怖なり可能性を表現している。
 エッシャー風のトリッキーが幾重にも張り巡っている。
 少女の描かれている面、これはテンポラリーの壁であり床だろう。
 まず、普通にギャラリーの入り口からの風景としてみて問題はない。この視点は壁をフラットに見る日常の視点だ。だがこの壁はテンポラリーの2階から見た時の床面にもなっている。この場合は描かれた絵よりも凹みとしての1階の部屋全体の空間を表現している。
 壁画を近代都市という風俗を交えながらも装飾的に描き、同時に空間そのものの異化作用を演出し、人の感覚を異次元に誘おうとしている。
 壁画と同時に凹み空間、彼が表現しているテーマだ。壁画にウエイトがある場合は、オドロオドロした情念なり感情むき出しの模様で塗りたくり、塗りたくる事によって何かが生まれる事を願っている。写真紹介した左の作品がその典型だ。
 だが、怨念で埋め尽くされる壁とは、怨念が噴出する異次元があるから可能なのだ。だから、怨念と異次空間とは同じ事の違う顔でしかない。藤谷はその両方を何とかして視覚化したいのだろう。その一つの答えがテンポラリーで感じもし見えたのだろう。

 上掲の画題の骨格は今述べた事だと思う。だが作品にはいろんな仕掛けや工夫で藤谷ワールドを演出している。冷めた目と熱い心が織りなしている。
 左側の黒い四角い穴、それは2階にあるにじり口だろう。選ばれた人の出入り口だ。それと・・・。語ればきりがない。是非当館に行って、この作品がテンポラリーを入れ子にしているのを楽しんで下さい。


1273) ②テンポラリー 「藤谷康晴・展 ANALOG FLIGHT」 4月13日(火)~4月25日(日) _f0126829_23511626.jpg

1273) ②テンポラリー 「藤谷康晴・展 ANALOG FLIGHT」 4月13日(火)~4月25日(日) _f0126829_2352357.jpg


1273) ②テンポラリー 「藤谷康晴・展 ANALOG FLIGHT」 4月13日(火)~4月25日(日) _f0126829_2353766.jpg
          ↑:上掲作品の部分図。


1273) ②テンポラリー 「藤谷康晴・展 ANALOG FLIGHT」 4月13日(火)~4月25日(日) _f0126829_23545915.jpg

1273) ②テンポラリー 「藤谷康晴・展 ANALOG FLIGHT」 4月13日(火)~4月25日(日) _f0126829_23554712.jpg



 久しぶりの藤谷康晴・個展だ。語りたい事は沢山ある。作品には必ず描かれてある「四角い窓」のこと、今展では「青丸」が登場した。それは太陽のようでもあるが、ぞんざいな描き方が一つの工夫だ。成功しているかどうかはわからないが、画家自身の抜けた心境だろうか。
 抜けたと言えば、上掲作品は「漫画」という彼自身の原点にも立ち返っている。もちろん、漫画と紹介するには限りなく高みに登ったのは間違いないが、現代風俗と「漫画」を取り込もうとしているのは間違いない。

 今展は「サッポロ→」がテーマだ。その作品も次に書きたいが、あまりにシツコイ紹介だろうか?


1273) ②テンポラリー 「藤谷康晴・展 ANALOG FLIGHT」 4月13日(火)~4月25日(日) _f0126829_041578.jpg

タグ:

by sakaidoori | 2010-04-19 23:28 | テンポラリー
2010年 04月 19日

1272) 4プラ 「佐野妙子 富樫はるか・2人展  vol.5」 終了・4月10日(土)~4月18日(日)

○ 佐野妙子 富樫はるか・2人展  vol.5

 会場:4丁目プラザ 7階4プラホール
    中央区南1条西4丁目
    電話(011)261-0221

 期間:2010年4月10日(土)~4月18日(日)
 時間:10:00~20:30
    (最終日は~19:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(4・17)

1272) 4プラ 「佐野妙子 富樫はるか・2人展  vol.5」 終了・4月10日(土)~4月18日(日)  _f0126829_1332309.jpg


1272) 4プラ 「佐野妙子 富樫はるか・2人展  vol.5」 終了・4月10日(土)~4月18日(日)  _f0126829_1335365.jpg


1272) 4プラ 「佐野妙子 富樫はるか・2人展  vol.5」 終了・4月10日(土)~4月18日(日)  _f0126829_1336284.jpg


1272) 4プラ 「佐野妙子 富樫はるか・2人展  vol.5」 終了・4月10日(土)~4月18日(日)  _f0126829_13362530.jpg



 余りにも女性的な展覧会。しかも、若い2人。若いとはいっても30才近いし、その年齢の割にはロマンとかメルヘンとかが多いのかもしれない。だからといってロマンチック街道まっしぐらというわけではない。何かしら、小さな心のわだかまりがあって、そのわだかまりみたいなものが、絵を描く事によって少しずつ溶ろけていっているような、そんな溶ろけぐあいを見てはあれやこれやと考えている。だから、「何を、どう描いた」という事よりも、腕の運びとか、気持ちのノリ具合とか、進んでいるようで淀んでいるような作家の心音(こころね)をいろいろと想像しては楽しんでいる。


佐野妙子の場合

1272) 4プラ 「佐野妙子 富樫はるか・2人展  vol.5」 終了・4月10日(土)~4月18日(日)  _f0126829_14313098.jpg
     ↑:①「終わらない旅」・油彩(100号並の大作)。

1272) 4プラ 「佐野妙子 富樫はるか・2人展  vol.5」 終了・4月10日(土)~4月18日(日)  _f0126829_14332192.jpg
1272) 4プラ 「佐野妙子 富樫はるか・2人展  vol.5」 終了・4月10日(土)~4月18日(日)  _f0126829_14335089.jpg



1272) 4プラ 「佐野妙子 富樫はるか・2人展  vol.5」 終了・4月10日(土)~4月18日(日)  _f0126829_14342454.jpg
     ↑:②「ポポロンの通り道」・板 アクリル 小品。

1272) 4プラ 「佐野妙子 富樫はるか・2人展  vol.5」 終了・4月10日(土)~4月18日(日)  _f0126829_14355762.jpg
1272) 4プラ 「佐野妙子 富樫はるか・2人展  vol.5」 終了・4月10日(土)~4月18日(日)  _f0126829_1436178.jpg


1272) 4プラ 「佐野妙子 富樫はるか・2人展  vol.5」 終了・4月10日(土)~4月18日(日)  _f0126829_14375741.jpg
     ↑:③小品群。


 佐野妙子には三つの流れがある。上の写真作品が参考になると思う。
 一つは、教育大学以来の本格的油彩絵画。古典的ともいえる濃密な重ね塗りだ。自分の中の悶々する気分を吐き出す絵画だと思っている。描く事によって何かが生まれてくるのでは、あるいは生みたいという真摯な作風でもある。
 一つは、心象模様を腕の流れで一気に画布に定着させる。波が寄せては消えて、またやってくる、そんなリズムとしての絵画。水平線のように横に伸びる自由さ。
 一つは、おっかなびっくりながらも年々強めている少女気分的な世界。とても正直なのだが、小品中心でか細い。
 濃密な真摯さ、拡がる自由、正直な気分という三つの特徴。僕自身は自由な腕の振り、そこからうまれる線や色の七変化を期待しているのだが、自分自身のトゲを気にしているのか遅き歩みだ。自分を守りすぎた生き様だったのだろうか?絵を描く事によって自由になろうとしているみたいだ。


・ 富樫はるか の場合

 富樫はるかは日本画。
 日本画特有の「線」を愛し、その線を武器に粘着的に自分の夢物語に迫り、それでは余りに疲れるのでキャラクター絵画でも楽しんでいる。
 最近は昔のようなストレートな悩める青春恋慕的世界からは限りなく遠ざかっている。メルヘンに身を潜めて、その時その時の気分を過激にならずに旅気分で遊んでいる。それでも「旅」というテーマは、軽く物語を紡ぐのには便利なのだが、心穏やかなるぬ物事を思い出しもする。ましてや絵は意図を持って取り組んでも、絵空事としての世界が絵空事でなくなって作家を攻めても来る。身を潜めていた向こうの世界を旅する夢気分が頭をもたげたりする。
 だが、そんなに深刻に見る必要はないのだろう。楽しそうでいて、ちょっともの悲しげな富樫夢路に付き合っていこう。画家本人の風采に似た、飄々とした歩みを楽しもう。

1272) 4プラ 「佐野妙子 富樫はるか・2人展  vol.5」 終了・4月10日(土)~4月18日(日)  _f0126829_19382598.jpg
          ↑:「samsara」。

 小品です。もの悲しい遊園地です。誰もいない遊園地に完璧な円形の観覧車、富樫好みの放物ラインが印象的です。「道」、でしょう。流れ誘われ吸い込まれて・・・三日月が見守っている。小川未明風の童話や、永島慎二の漫画を思い出してしまった。こういうのを見れるのが富樫・日本画の魅力です。
 「サムサーラ」、意味を聞いたのだが忘れてしまった。サンスクリット語でしょう。流れるような優しい響きです。サムサーラ、サムサーラ・・・流れ流れて何処何処行くの・・・。


1272) 4プラ 「佐野妙子 富樫はるか・2人展  vol.5」 終了・4月10日(土)~4月18日(日)  _f0126829_19581959.jpg  


1272) 4プラ 「佐野妙子 富樫はるか・2人展  vol.5」 終了・4月10日(土)~4月18日(日)  _f0126829_195948100.jpg
     ↑:「無想」。

 どうも、今回の富樫はるかは仏教じみている。人物はそれらしくないが修行をしているお坊さんでしょう。樹が全てを語っている。万物を覆う生命樹でもあり、釈迦の沙羅双樹と理解したくなる。遊園地の絵のように、人が居ない方がよかった。
 彼女の支持体は模様の付いた生地です。その模様を絵として利用しているのです。手抜き画法です。おそらく、花の園としての涅槃を、画面に埋め込み浮き立たせて絵を描き進めたいのでしょう。初めからそこに花がある、そこから始まる。


1272) 4プラ 「佐野妙子 富樫はるか・2人展  vol.5」 終了・4月10日(土)~4月18日(日)  _f0126829_2011282.jpg


 一番左側の「snow」が特に好きなのです。円いラインと円い部分のボリューム感に惹かれるのです。つい夢うつつの世界に引き込まれるのです。菩薩さんの手のひらで遊んでいる迷える富樫はるかのようです。


1272) 4プラ 「佐野妙子 富樫はるか・2人展  vol.5」 終了・4月10日(土)~4月18日(日)  _f0126829_20204351.jpg


1272) 4プラ 「佐野妙子 富樫はるか・2人展  vol.5」 終了・4月10日(土)~4月18日(日)  _f0126829_2021819.jpg
          ↑:「イグネシア」。

 富樫はるかの久しぶりに見る香しき異性です。伶俐な死人のような彼氏です。
次は同性愛的「富樫ベルサイユ」だ.



1272) 4プラ 「佐野妙子 富樫はるか・2人展  vol.5」 終了・4月10日(土)~4月18日(日)  _f0126829_20244947.jpg


by sakaidoori | 2010-04-19 20:40 | 4プラ・華アグラ