栄通記

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2010年 04月 16日 ( 3 )


2010年 04月 16日

1269) たぴお 「ーEveryone has a meritー  非連結展 Vol.11」 4月12日(月)~4月17日(土)

○ ーEveryone has a meritー
    非連結展 Vol.11
     (グループ展)


 会場:ギャラリーたぴお
    中央区北2条西2丁目・道特会館1F
    (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
    電話・林(090)7050-3753

 会期:2010年4月12日(月)~4月17日(土)
 休み:月曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00

※ オープニング・パーティー ⇒ 初日 18:00~

 【参加作家】
 名畑美由紀 林教司 能登健一 藤川弘毅 長谷川雅志 船水俊裕・・・以上、6名。

ーーーーーーーーーーーーー(4・14)

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 今回は長谷川雅志さんが般若心経一人旅で頑張っていました。というわけで、氏の作品を沢山載せる事にします。

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 カラフルな般若心経です。般若心経をバックにして旅に出たくなります・・・。

 「ブッセツマーカーハンニャーハーラーミッターシンギョー
 カンジーザイボーサツギョージンハーラーミッタージー
 ・・・・ 
 イッサイクヤク、シャーリーシー、シキフーイークー、クーフーイーシキ、シキソクゼークー、クーソクゼーシキ・・・」

 とお経は続いていきます。
 そして最後に
 「ギャーテー、ギャーテー、ハーラーギャーテー・・・」で終わります。
 この「ギャーテー」が英語の「go to ゴーツー」と同じ意味です。古代サンスクリット語がヨーロッパ語と語源を同じくしているのです。だから、印欧語族になるのでしょう。
 さて、梵語の「ギャーテー、ギャーテー」は「行こう、行こう」という意味らしいのです。何処に行くかというと「彼岸」です。更に言えば、エクスタシーの境地に行こうとしているのです。生死を超えた涅槃です。この「ギャーテー、ギャーテー」が般若心経の箴言です。ゴーギャンの問いと同じ疑問にぶつかります。「我々は何処に行くのか?」

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          ↑:藤川弘毅。

 これは・・・?アイヌが家宝にした和人の贈り物、それが最初の直感です。さてさて・・・。


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          ↑:名畑美由紀。

 現在、市民ギャラリーでの北海道抽象派協会展に参加しています。そこでは「黒」で勝負!だからでしょう、ピンクで軽く登場です。


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          ↑:船水俊裕。

 初めて見る作家です。うーん、もっと見たい。実際、会場の壁面は余裕があります。さわやか風のその全貌が知りたい。


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             ↑:能登健一。

 軽くデザインで参加する能登健一さんです。デザイン性は高いのですが、どこかオタッキー性があり、そのオタクっぽいところをもっと見たいと思っていました。その片鱗が垣間見える作品です。彼のオタクは「仲良しオタク」、人が好きなんです。人を優しく見る眼差し、それがウッスラと見える。


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     ↑:林教司、「FGOPPEに幻聴する ー2010ー」。

 「FGOPPE」はフゴッペでしょう。余市にある古代遺跡です。写真の写りが悪いのですが、「フゴッペ文字」の様な意匠も確認できます。
 副題に「2010」とあるから、作家はフゴッペをそれなりに題材にしているかもしれない。それはともかく、作品そのものは氏のライフワークである完結なる美としての、「女性・母体・子宮」が画題でしょう。そういう体内回帰的なことを「フゴッペ」という悠久の歴史に重ね合わせいる。それはまさしく作家個人の「幻聴」であり「男のロマン」以外の何ものでもありません。小品ですが、言葉と作品をクロスさせたいという作家の執念を感じる。
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by sakaidoori | 2010-04-16 23:24 |    (たぴお)
2010年 04月 16日

1268) ②市民ギャラリー 「’10 第37回 北海道抽象派作家協会展」 4月13日(火)~4月18日(日)

○ ’10 第37回
    北海道抽象派作家協会展


 会場:札幌市民ギャラリー 
     中央区南2東6(北西角地)
     電話(011)271-5471

 会期:2010年4月13日(火)~4月18日(日)
 時間:10:30~18:00
   (初日は13:00~、最終日は~17:00まで。)

 【出品作家】
 同人:石川潤(新同人・七飯) 今庄義男(岩見沢) 岩田琿(七飯) 後藤和司(札幌) 佐々木美枝子(札幌) 鈴木悠高(札幌) 外山欽平(函館) 名畑美由紀(新同人・札幌) 林教司(岩見沢) 三浦恭三(小樽)・・・以上、10名。

 一般:甲斐野弘幸(札幌) 甲斐野市子(札幌) 笹岡素子(江別) 鈴木薫(札幌) 能登智子(札幌) 横山隆(札幌) 吉田英子(札幌) 風間虹樹(帯広)・・・以上、8名。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(4・14)

 どういうわけだか、2人一組で見てしまった。
 A室の離ればなれの壁で向かい合った、今庄義男×外山欽平
 A室B室の床を女性的ムードで侍っていた、笹岡素子×吉田英子
 方向性は全く違うが、僕にはお気に入りの、甲斐野市子×名畑美由紀
 一心不乱の若手コンビ、鈴木悠高×石川潤
 画質とコンパクトな充実感で訴える、後藤和司×三浦恭三
 ・・・、などなど。無理して2人一組で見る必要はないのだが、そういう形で紹介していきます。

・ 外山欽平×今庄義男

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     ↑:同人(函館)・外山欽平、「MOVE ON」・F100×12枚組み。

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     ↑:同人(岩見沢)・今庄義男、「古里 (イ)(ロ)」・180×240㎝×2組。


 外山欽平氏の個別作品は先週の個展の折りに紹介済みです。そもそも個別の作品はこの会場でいかに展示するかという雄大な構想の一部なのです。だからどうしても今展を見なければ外山・ワールドは完結しない。その応えがこの展示です。
 巨大な水槽の中に、大きな箱を静かに順番に沈めて律儀に積み立てていく、一つ一つが身動きできずに重たく重なる・・・そんなイメージです。そして、ズルイというか巧妙なのは今庄義男氏の作品を反対壁にびっしり並べて相対しているのです。これはたまたまではないでしょう。どちらのおしくら饅頭が愉快かを競っているのです。外山氏は積み木タイプで、今庄氏は豪華絢爛たる帯として。

 今回の今庄氏はきらびやかです。いえ、渋い郷愁が隙間無く並べられ、巨大な帯に変身した。身にまとう麗人が連想される。氏は大ベテランの画家です。枯淡というものからは遠い存在だ。

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・ 甲斐野市子×名畑美由紀

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 ↑:一般(札幌)甲斐野市子、「何かのためのウエイティング」・90×90㎝。


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     ↑:同、「クレイ」・90×120㎝。

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 作品は他の方に比べれば小さいが、中味は密度が濃くて気力充実している。特に「クレイ」は緩む事を拒否して、どこまで限りなく美しく。蕾のような木くずはパリパリして気力を妊んでいる。
 作家は決して若い年齢ではないが、作品はすこぶる若い。乙女のような清々しさと寄らばトゲが刺さりそうな緊張感がある。そう、緊張しっぱなしだから、作品としてはどこか拙さがあった方が見る方は遊び心が触発されて、作品に埋め込まれた執念を忘れてしまう。今作、あからさまなミスはあるのだろうか?木くずという素材は美しく作品の中でたたずんでいる。形も心地良い。色も木色を損なわなくてシックだ。だが、何という努力・懸命さ!敷き詰められた木くずは陽に当たる水面のよう。カールされた木くずと絡めてみれば、カーテンを開いて朝陽を素肌で浴びているよう。ロマンそそる晴れやかな作品だ。

 この2点で今回は充分だとは思う。だが、この会場は広い。広さを生かしたより大きな作品も見たいものだ。


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     ↑:同人(札幌)・名畑美由紀、「綴り」・100号×2。

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 名畑美由紀にはいつも驚かされる。好きな画家だから大いなる期待をして見に行くのだが、見ない事には何も言えないし他人にも勧められない不安。仮に変な作品であっても(実際変な作品も多々あるのだ)、不思議な満足感を覚えてそくそくと作品から引き下がる。
 早い話が、名畑美由紀は「これで勝負」という創作態度ではないと思う。上手い下手とか、失敗成功とかには構っていないと思う。インスピレーションを受け取ったら、とにかく仕上げきる。そこまでは他の画家もするだろう。彼女の凄さは、出来上がった作品は有無を言わさず独り立ちさせる。あたかも推敲とか反省とか添削とかはしないが態度なのだ。・・本当の所はわからなし、そんなはずは無いと思うが、そんな感じで作品はあるのだ。

 僕はそういう潔いというか、過去は振り返らずに、「今」出てくる物をつかもうという姿勢に感心している。だから、作品には残念に思う時は確かにあるが、作家行為に裏切られた事がない。心配しながらも常に満足させてくれる作家である。

 今作、良い作品か不出来な作品かはそれぞれで鑑賞して下さい。僕は、ピンクや色が飛び交う部屋で「こう来たか!」と思わず笑ってしまった。


・ 笹岡素子×吉田英子

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     ↑:一般(江別)・笹岡素子、「無題」・500×300㎝。

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     ↑:一般(札幌)・吉田英子、「being(重さと儚さ)」・300×250×高さ75㎝。


 笹岡素子は伸びやかに伸びやかにどこまでも・・・、天女が衣を引きずりながら、まろやかにだらしなく思えるほど伸びていく。
 吉田英子もピンクや色の淡さは同じだが、素材がビニールで鏡面も利用していて、少しばかり才長けている。それでも両者のピンクが目に痛い。どうしてこんなに素直に乙女気分を出せれるのだろう。違う部屋なのだが期せずして共通の空気を醸し出してくれた。


・ 佐々木美枝子

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     ↑:同人(札幌)・佐々木美枝子、「作品」・S60×2点 F60×2点。


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 二つの部屋の出入り口の壁の展示。なぜだかここにもピンクがあり、次室の吉田ピンク作品に繋がっている。

by sakaidoori | 2010-04-16 18:21 | 市民ギャラリー
2010年 04月 16日

1267) 市民ギャラリー 「第25回 北翔展 (久守絵画教室合同展)」  4月13日(火)~4月18日(日)

○ 第25回 北翔展
   (久守絵画教室合同展)


 会場:札幌市民ギャラリー・2階全室
     中央区南2条東6丁目
     (北西角地)
     電話(011)271-5471

 会期:2010年4月13日(火)~4月18日(日)
 時間:10:00~17:00
   (初日は、13:00~)

ーーーーーーーーーーーーーー(4・14)

1267) 市民ギャラリー 「第25回 北翔展 (久守絵画教室合同展)」  4月13日(火)~4月18日(日)  _f0126829_10511374.jpg


 久守浩司 氏の教室展
 対象(自然)を強く見つめて、その強さを油彩にしっかりと張り付ける、そんな教室展です。たゆたゆしい心象風景からはかなり遠い画風で、オーソドックスな具象(風景)画と言えばそういうことですが、描き手の心意気という存在感、あるいは自然の光の強さという存在感を引き出すような指導のようです。


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          ↑:本宮順子、「パムッカレの石灰棚」・F50号。

 外国の景勝地。おそらく海も空も青々しているのだろう。海際か山腹か?石灰の地層が露出している。かつては海であっただろう、その岩肌のみを描いている。
 ただただその岩肌だけを描いている姿勢が好ましい。描きたい物を中心にして構図を決める。「この辺が空いているから、何かそれらしい物を入れようか」などという配慮は一切無い。画家がその白さに魅入ったのか、あるいは石灰という生きものの年輪が埋め込まれた塊に魅入ったのか。海外旅行という二度とは来れない場で、1対1でつきあえる存在に会えた喜びが伝わる。
 本宮さんは水彩にも取り組んでいる。水彩は巧みな手さばきや軽やかな勢いを表現するのには良いのだろうが、油彩的粘着感や画家の執着心を定着させるのには大変だ。今作のような、グッと踏ん張った明るい絵、それは彼女の持ち味だと思う。その彼女らしさに久しぶりに会えた。強い姿を見る事ができた。


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          ↑:熊野美子、「春を待つ」・F60号。

 まるで追悼画のようだ。なのにタイトルは「春を待つ」。間違った印象かもしれないが、素直に見た印象を書こう。
 僕は誰かの為の追悼だと見る。それにしても、大胆な大きさだ。全てはこの大きさに託した鎮魂だ。大いなる思いは大きな姿で再現されねばならない。それでもまだまだ大きく描きたい。大きさで思いが満たされるならばどこまでも大きくしよう。
 画家はその人と共に春を迎えたいのだろう。


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          ↑:里見弘子、「錦繍(新宿御苑)」・P20号。

 太くてたくましい茶色い幹、溢れる黄色、子供が遊んでいる。絵が小さいのが心残りだが、いつも見るのには最適の大きさかもしれない。僕ら他人はもっと大きいのを見たくなる。全くの黄色の世界に、枠からはみ出す巨樹にシルエット、それらに包まれて人が点景として存在する・・・、そんな絵を勝手に夢見た。


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     ↑:左側、夏堀幸江、「イギリス庭園の秋」・F30号。
     ↑:右側、小野寺麗子・「窓辺」。

 久守教室展の特徴をいかんなく発揮している絵です。強く強く、明るく明るく、鋭く元気に踊る、自然という存在は絵で満たされているのだ、と主張しているようです。


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          ↑:蔵崎美佳、「約束」・F50号。

 水平線はやや中心より高めにして、空は横拡がり、大地は古典的遠近法を使い前後に拡がる雄大さを表現している。拡がる視線に反して、色合いはムンムンと内側に反響しそうな重たさ。どこか嵐の前触れのようでいて、畦には多くの色が満ちている。その色が稔りを「約束」しているのだろう。



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          ↑:吉川恵美子、「知床連山」・F50号。

 ここには三つの世界が自己主張している。空は空として、「空を飾りとして見るな」と!山並みはゆったりと中心に据えられて、「この絵は私が主人公よ」と。ところが近景の木立は山並みを際だたせる事を拒んで、「この森を、一本一本の木々を見よ」と叫んでいる。
 さて、僕らはどこを中心にして見ようか?あれかこれかではダメと画家が言っている。あれもこれもと、欲張りに主張している。なかなかに強欲な絵だ。そこがこの絵の魅力だろう。


 あと少し紹介したいのですが、きりがありません。また来年お会いしましょう。

by sakaidoori | 2010-04-16 13:16 | 市民ギャラリー