栄通記

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2010年 04月 10日 ( 2 )


2010年 04月 10日

1259) エッセ 「ハコイリムスメ展 (道都大・3人展)」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)

○ ハコイリムスメ展  
    (道都大・3人展)
   

 会場:ギャラリー・エッセ
     北区北9条西3丁目9-1 
       ル・ノール北9条ビル1階
     (南北に走る片側2車線道路の東側。)
     電話(011)708-0606

 会期:2010年3月23日(火)~3月28日(日)
 時間:10:00~19:00
     (最終日は、~17:00まで)

 【参加作家】
 抽象画・三戸愛 象嵌・嘉野有華 版画・中村理紗

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・17)

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 全員が2007年4月入学の道都大学3年生。版画、絵画、木工と研究室を横断しての親しい仲間だろう。

 広い会場をゆったりと見せている。
 アイボリー・3人展とはうって変わってオーソドックスな淡々とした展示だ。それぞれの方向性は見据えたが、まだまだ研究中といった感じ。タイトルに「ハコイリムスメ」と自称している。DMも顔を隠したポートレート3人娘だ。撃って出る前に、もそっと自分を暖めているのだろう。微笑ましくもあり、遠慮することはないよとエールを贈りたくなる。


○ 中村理紗の場合

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     ↑:左から、①「向こう側」・インク メディウム、②「赤くなる」、同。

 彼女の「デッサン力が無い・・・」という意味の言葉が気になった。実は彼女に限らず、絵画に取り組んでいる人からはよく聞く言葉だ。彼女の場合、その言葉を具体的な物の描写力と理解して話を進めよう。
 上の作品の人物のシルエット、確かにデッサンただ今修行中という感じだ。そして①の作品はカーテン模様のすっぽりしたライン、面、少ない色数は面白いが、人は面白味に欠ける。②の誇張された人物は面白い。共に、「風景」をあっさり見ている学生の心象世界が垣間見える。
 デッサンにしろ絵画において類い希な技術は驚異だ。実際、絵画がそういう技量に支えられていることは事実だ。だから、その技量を確保する為に画家は尋常成らざる忍耐と努力を傾けるのだろう。
 それでは、修行中の拙い線なり構想が詰まらない作品かというと、決してそんなことはない。僕の場合、何を見て楽しんでいるかというと、画面に残った消すことのできない汚さという悩み。逆に、その人らしさが生き生きと画面に出ていている場合だ。
 ①の人物は拙さは仕方がないが、悩みの痕跡がひ弱なので面白味に欠ける。②は「これが私の世界よ」と語りかけているみたいで、一緒になってもっと聞きたくなる。

 デッサン力、自分の線を沢山描いて、それをそのまま出したらと思う。それがデッサン力だと思っている。箱から線が飛び出たらいいのだ。


○ 三戸愛の場合

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          ↑:「こみあげる」・アクリル。

 心象模様の抽象画。
 華やいだ色が多い割には「ハコイリムスメ気分一杯」ではない。色を強く出す、あるいは色の個性を楽しむというよりも、色を重ねて重ねて、その中から何かがこみあげてくるのを待ちわびている感じ。「待っている女」という印象。
 残念なのは作品数というか、大作が少ないことだ。ここは天井も高くて広い。派手な作品にはよく似合う。おそらく、まとまった数の発表歴は少ないのだろう。今回の経験を生かして、大量生産による大量発表を期待したい。「もっともっとコミアゲル三戸愛・心」だ。

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     ↑:左から、「夜にとけてしまいたい」・アクリル メディウム、「あの日」・アクリル メディウム 消しゴムスタンプ 和紙。

 華やいだ色が好きな学生だと思うが、上の作品のようにチョット屈折した絵が印象的だった。


○ 嘉野有華の場合

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     ↑:「品(かず)」・セン ウォールナット クルミ ナラ。

 埋め込まれた木の材質による色や模様の違い、そして見た目には分からないが堅さの感触がどうデザインなり意匠として生かされたかを楽しむもの。修作中だから多くは望めないが、エッシャー風の迷宮が見たかった。

 木象嵌(もくぞうがん)です。彼女の場合は貴金属ならぬ「木」を木の中に埋め込む。職人的作業に裏付けられた工芸的要素の強い作品だ。沢山作ることしか上達は無いのだろう。
 地味な職人作業だから、テンションを常に高く保つのが大変だ。出来上がったら、逐一他人に見せるのが最良の方法だと思う。デザインやアイデアは通学中などに絞り出して、いつもいつも木のはめ込まれた表面を研磨しないといけない。彼女がどれくらい上手くなったかは手のひらを見れば一目瞭然だろう。ゴワゴワの手に成れるかどうか、次回お会いしたら手を見たいものです。

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     ↑:「ハヤクコイ」・セン ウォールナット クルミ ナラ メープル。

 機械的な模様よりも、たとえ拙くても肉声の伝わるラインのあるほうが楽しい。「ハヤクコイ」、元気があって良い言葉だ。

   「冬去りぬ五弁の姿ハヤクコイ  狂へや狂へ花よ乙女よ」

by sakaidoori | 2010-04-10 22:42 | エッセ
2010年 04月 10日


 1258番「おんなのこ展(3人展)」の文章、吉田紋子さんの写真とericaさんの項目を追加しました。

by sakaidoori | 2010-04-10 20:04