栄通記

sakaidoori.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

2010年 04月 09日 ( 1 )


2010年 04月 09日

1258) アイボリー 「 おんなのこ展 erica※ 吉田紋子 児玉陽美」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)

○ おんなのこ展
   erica※ 吉田紋子 児玉陽美
 
    
     会場:ほくせんギャラリー ivory(アイボリー) 紋

    中央区南2条西2丁目 
      NC・HOKUSENブロックビル4階
    (北西角地、北&西に入り口あり)

 会期:2010年3月23日(火)~3月28日(日)
 時間:11:00~19:00
     (初日は、14:00~。最終日は、~17:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーー(3・)

 この時期、札幌市内で女性3人展が三ヵ所で開かれていた。今回紹介するアイボリー展、札幌駅北口のエッセ展、北大傍のテンポラリー展。おそらく、全員が20代前半で学生が大半だと思う。会場の広さの違い、会場内の空気の違い、会場内と会場外との距離感の違い、学外者との交流・学内同士・同じ研究室同士という違い、何よりもそれぞれの作家交流の違いと場の作り方の違いがあり、興味深かった。別個の無関係な3展覧会だ。無理にそれらを関連づける必要も無いだろうが、性を同じくし、年齢も近い人の展覧会だ。その比較は何ほどかの「今」を考える材料になるだろう。

 以下、見た順番に紹介します。

   ~~~~~~~~

 雑誌や小説の挿絵にそのまま使えそうなグループ展だ。自分の表現したい世界を、外に吐き出すというスタイルで、外向きのオーラ、そのごまかしの無いエネルギーが心地良い。これからも学校やいろんな人や作品から学ぶ事は多いだろうが、自分は自分という姿勢だ。

 それぞれが壁一面を引き取り、さほど大きくないサイズ。今の彼女達の等身大のサイズでもあろう。これから大きくもなり、いろいろと変化していくのだろう。

○ 児玉陽美の場合

1258) アイボリー 「 おんなのこ展 erica※ 吉田紋子 児玉陽美」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_11265255.jpg


 道都大3年生。非常にエネルギッシュな学生だ。昨年の末から多いに楽しませてもらっている。
 悪たれ娘といった感じのキャラクター的女の子がモチーフだ。顔や体は横向きで目がこちらを透視している。エジプトスタイルだ。線が角張っているのも特徴だ。線と女の子の風貌が、繊細かつ攻撃的に迫ってくる。「何かアタイにモンクあるの!アタイ、好きにするのよ」そんな勢いだ。
 背景は何も描かれてはいない。空気の中を闊歩する児玉陽美だ。色で覆われた空気という背景、今はそういう時期なのだろう。
 モチーフの顔はキツイが天真爛漫でもある。何より作家自身が怖い者知らずという面持ちでの作画であろう。頼もしい存在だ。
 
1258) アイボリー 「 おんなのこ展 erica※ 吉田紋子 児玉陽美」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_1142586.jpg
1258) アイボリー 「 おんなのこ展 erica※ 吉田紋子 児玉陽美」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_11422370.jpg
     ↑:「ませ!おて!ふて!」・アクリル ニス。

1258) アイボリー 「 おんなのこ展 erica※ 吉田紋子 児玉陽美」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_11491789.jpg
          ↑:「絶滅!!」・アクリル ニス。

 これは「ワニ」ではありません。絶滅をしてしまった、あるいは絶滅しそうな「ゴジラ」です。女の子がそのゴジラを慈しんでいるシーンです。


1258) アイボリー 「 おんなのこ展 erica※ 吉田紋子 児玉陽美」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_11545019.jpg
     ↑:左から、「ねこ おんな」・アクリル ニス、「女の子のゲップはお花よ」・同。

 恋すれば相手の全ては美しい。女の子に恋する画家には、全てが美しいのだろう。世界は彼女のために回る。


1258) アイボリー 「 おんなのこ展 erica※ 吉田紋子 児玉陽美」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_1204445.jpg
1258) アイボリー 「 おんなのこ展 erica※ 吉田紋子 児玉陽美」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_121358.jpg
     ↑:左から、「ある映画のワンシーン 02 01」


○ 吉田紋子の場合

1258) アイボリー 「 おんなのこ展 erica※ 吉田紋子 児玉陽美」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_127454.jpg


1258) アイボリー 「 おんなのこ展 erica※ 吉田紋子 児玉陽美」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_12824100.jpg

1258) アイボリー 「 おんなのこ展 erica※ 吉田紋子 児玉陽美」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_12914.jpg
     ↑:左から、「waver」・パネル アクリル、「under water」・同。

 大谷大学短大部の学生。
 大谷の絵画を学んでいる学生がこういう絵を出品しているの少なからず驚いた。嬉しくもあった。何故かというと、良きにつけ悪しきにつけ公募展的作風の学生が多すぎると思っていたからだ。それはそれで良いのだが、公募展的美学になじめない学生がいるはずだ。非公募展な自分の美学をもっとストレートに出せばと思っていた。そこから公募展なりデザインなりインテリアに進めばいいのだろう。

 今作はナルシズムだ。自分に酔っている。何よりそこが良い。
 日本画的な美意識で貫かれている。はっきりとした輪郭線、間を意識した空間処理、もののあわれとか細き美意識で統一しようとしている。

 左側の赤い花が眩しい。それは初潮の印だろう。大人になるという吉田敏子の宣言でもあろう。

 右側の作品、何も描かれていないところが随所にある。僕はそういう絵に強い関心が向く。この絵自体はどう作るかに苦心していて、未完成な部分が多いと思う。描かないというか省略にこだわっている。
 僕は思うに、絵は消去が大事な作業になると思うが、「描き過ぎ」を覚えないことには単なる間の美学に終わるのではないだろうか?過剰な精神が過剰な消去を生む、僕自身の美学はそういうものだ。そういう目で絵を見ている。
 おそらく学生はようやく自分の美学に手応えを感じ始めた時期なのだろう。そのたゆたゆしい喜びが絵を覆っている感じだ。水面の下の不可視な部分にこれからチャレンジしていくのだろう。もっとロマンとエロティッシュに満ちるのを期待しよう。


1258) アイボリー 「 おんなのこ展 erica※ 吉田紋子 児玉陽美」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_19212561.jpg
     ↑:「アオノヘヤ」・板 包帯 ガーゼ アクリル。

 今展ではガーゼをコラージュした作品が多々あった。上掲の作品もそうです。ガーゼの透けて通るような艶めかしさと、肉感に通じる生理をみているのでしょう。作品として効果的かどうかは別にして、なんとか絵を自分のものにしたいという声が聞こえてきそうです。

1258) アイボリー 「 おんなのこ展 erica※ 吉田紋子 児玉陽美」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_19264093.jpg
     ↑:「カタクナニ」・キャンバス ガーゼ 包帯 油。

 小さな作品。どうのこうの言う作品ではありません。学生自身の痕跡を今展に残す為の作品だと思う。こういう作品を他人に見せるのが大事だと思う。


○ erica※の場合

1258) アイボリー 「 おんなのこ展 erica※ 吉田紋子 児玉陽美」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_19355484.jpg


1258) アイボリー 「 おんなのこ展 erica※ 吉田紋子 児玉陽美」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_19372582.jpg
1258) アイボリー 「 おんなのこ展 erica※ 吉田紋子 児玉陽美」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_19373822.jpg



1258) アイボリー 「 おんなのこ展 erica※ 吉田紋子 児玉陽美」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_19445940.jpg1258) アイボリー 「 おんなのこ展 erica※ 吉田紋子 児玉陽美」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_19452543.jpg
1258) アイボリー 「 おんなのこ展 erica※ 吉田紋子 児玉陽美」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_19453740.jpg
     ↑:「三匹ヒオンナノコのカミ」。


1258) アイボリー 「 おんなのこ展 erica※ 吉田紋子 児玉陽美」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_19494364.jpg
1258) アイボリー 「 おんなのこ展 erica※ 吉田紋子 児玉陽美」 終了・3月23日(火)~3月28日(日)_f0126829_19495568.jpg
     ↑:左は、「とおくのイエ」。


 専門学校の方と伺ったが、詳しく聞いてこなかったので詳細は不明です。いずれにせよ、他の参加者と年齢は近いでしょう。
 マイペースというスタイルでの展示と作風。きっと線描が好きなのでしょう。それを小さな世界でまとめている。見る立場としては、もう少し大きな作品で、画面の中で物語を開いてくれればと思う。今は壁をキャンバス(支持体)にして、部品としての一つ一つを暖め楽しんでいるみたい。もっと、顔なり家なり髪なりが独り立ちしたら楽しいだろう。


 (吉田さんの名前が間違っていたので訂正しました。誤・吉田敏子⇒正・吉田紋子 あやこ)

by sakaidoori | 2010-04-09 12:36 | 北専・アイボリー