2008年 12月 16日
○ 小牧寿里(写真展) [Drift Vol.1 -暗夜漂路ー] 会場:プラハ2+ディープサッポロ・1F 9J 中央区南11条西13丁目2-12 (東南角地の2階建て民家) 会期:2008年12月12日(金)~12月15日(月) 時間:11:00~19:00 ※ レセプション:12月12日(金)、19:00~ ーーーーーーーーーーーーーー(12・15) ![]() ![]() ![]() 「動く光と動かない風景」 光のプリズムを挿入した風景写真です。 基本的に暗闇で海あるいは川を後ろから引き気味に撮影し、背景としての風景の中で光が踊り飛び交っている。 光の線が落書きのように水面で踊っている写真がある。これは撮影者の遊び心で、作品としてはビシッと光が「存在」した写真の方が良い。 かすかな姿ではあっても、どの写真も都会の光を写している。 水平線上に蜃気楼のように灯る街の明かり、こっそりとしっかりと存在している。賑やかしい七色の光の隙間に都会のビル、小さくしっかりと写っている。光に気をとられてる、思わず視線を下げれば川が暗く大きく流れている。 光と川(海)と都会、小牧の目はこの3者に注ぐ。これらが彼の風景だ。川(海)の静けさ暗さは向こうの世界への入り口のようだ。だが、入り口はそれだけではないようだ。むしろ、光も川も都会も、全てが向こうの世界の入り口のように開いている。三つのドアと言ってもいい。 それらに撮影者は「暗夜漂路」と名づけた。「漂」には水の上に浮かば軽さ心もとさの響きがあるが、作品はそんなに軟(やわ)ではない。強い。写真家が向こうの世界を写せれるかどうかは知らないが、被写体の全てからはしっかり対峙する清々しさがある。 光はトリックとして捕まえられ、川(海)はリアルな姿を曝け出し、都会は我等が住む分身として常にそこにある。薄暗い写真全体は全てを覆っている。 「漂路」、それは「漂止」であり「漂視」でもある。「漂流」であってはならない。写真家は流されてはいけない。 ※ 以下、個別写真を載せますが再現度が非常に悪いです。 現物は被写体は小さくてもしっかりと写っていて、そこが今作の良いところでもあります。それらが僕の写真では迫ってきません。心象的な写真になってしまいました。 ![]() ![]() ![]() 動いているモノレールから撮られたもの。何秒間のカメラ目の開いた景色。モノレールは海の上、海に囲まれた都会の景色。都会の虚実の姿。 ![]() ![]() ![]() →:やはり写真の右端には、左のような経緯度を示す数字が書かれている。上段が本州のある都市の風景で、下段が北海道のある地点の風景。 ![]() ![]() 目の楽しみだけを考えれば、この展示方法は素晴らしい。その代わりに、作品と視覚対話をしようとしたならば、その質の高さは言語の入る要素を狭めている。 ![]() 「小牧寿里」。「寿里」を「ジュリ」と読んで、勝手に粋な女性だと思っていた。「ヨシサト」と読むのだ。充分に知っている男性であった。男っぽい顔だ、男らしい写真であった。
by sakaidoori
| 2008-12-16 12:39
| (プラハ2+ディープ)
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アバウト
![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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