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栄通記

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2008年 12月 07日

836) 門馬ANNEX 「馬橇組・展」 終了・11月18日(火)~12月6日(土)

○ 馬橇組・展
   (進藤ばちばち冬華&清治バチバチ拓真)

 会場:ギャラリー・門馬 ANNEX  (細長い通路ギャラリー)
     中央区旭ヶ丘2丁目3-38
     (バス停旭ヶ丘高校前近く) 
     電話(011)562ー1055
 会期:2008年11月18日(火)~12月6日(土)
 時間:11:00~19:00

 主催:FIX MIX MAX!実行委員会
ーーーーーーーーーーーーーー(12・)

 「さぁー、馬橇を書こう」と気合いを入れてつぶやいたら、妻が「つまらん展覧会だったナー」とささやいた。

 「つまらん」、どういう意味だかは詮索しなかった。言葉通りか可笑しさか?馬橇が冬の必需品として暮らした年配者にとっては、いろいろと思い出があるのだろう。
 北九州育ちの僕にとっては、博物館では味わえない馬橇を探求することが出来た。この展覧会は進藤君と清治君との二人ユニットでの合作だ。二人は北海道人だろうが、多分若いから「馬橇」に関する体験は僕とそんなに違わないかもしれない。知らないことを知ろうという探求欲、だがそのアプローチは馬橇世代には大きな違和感を生じたのだろう。

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 馬橇と馬に付ける道具(馬具)は本物です。馬具を空中に吊るして、馬に付けている様です。馬具と馬橇の連結部分はかなりいい加減な感じでの材料です。おそらく
それらが手に入らなかったからでしょう。馬橇組みのいい加減精神の方法が、結果的には馬と馬橇の関係を確認することにもなったのでしょう。

 
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     ↑:馬の顔の部分。
 馬と橇は3っつの道具で結ばれいます(以下、①、②、③)。
 白い紐(①)は馬を制御する為のもので、停止や方向転換の為のブレーキとハンドルの役目、橇の馬追(御者)と馬を繋ぐものです。二つの鉄のワッコは金属で結ばれています。その金属を馬はくわえているのです。


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 ↑:馬の首の付け根の金具。
 右側の2本の金具は馬と橇を連結させる為の金具で、緑の紐(②)で結ばれています。ひどい紐を作家は取り付けていますが、実際は切れにくい丈夫な皮だったのでしょう。

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     ↑:馬の胴体の部分に縛られて固定されている馬具。
 首の付け根の金具のブレ止めと、馬と橇とを安定した距離を保つ為の棒(③)の受け皿にもなっています。
 鈴とかが付いていて、おしゃれな部分にもなっています。

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     ↑:馬の尻の部分。用途は不明。

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     ↑:橇側の連結部分。
 木の棒(③)が橇の側面のワッコに挿入されています。この棒は馬と橇の距離を保つものなので、馬側も固定されてはいません。特にカーブの時などは片方が自由に延びる構造になっていると思います。
 緑の紐の先の赤い紐(②)は先ほども書いたように丈夫な一本の皮です。そして、この赤い紐の取り付け位置は間違っているようです。この位置では紐が邪魔になって馬が走れない。それとたわみ過ぎですね。

 先日、帯広にばんばレースを見てきました。馬具の記事の参考にして下さい。それと、文章に誤りがあるかもしれません。詳しくご存知の方、ご指摘頂けたら嬉しいです。

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 次に橇で気がついた巧の技を紹介しましょう。

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 ↑:橇の雪との接着部分。
 滑りやすいように平たい鉄が打ちつけられています。農家とは鍛冶もしていたのですね。


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 ↑:木の×野部分に注目!
 橇前部の左右にある支柱が切られることなく、樹皮のだけ残してカーブして反対側に固定されています。なかなかの工夫です。この工夫に作家は感心したのか、水着女性の写真をペッタンこ。

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 左右の橇の骨組みを木で固定するのですが、長い木を細くして巧に3本の寄り木のようにしています。結んでいると表現したほうがいいでしょう。

 前部の橇の大きなカーブは暖めて何人かの力で円く曲げたものと思います。日本は馬車が発達しなかったから、馬車の木のタイヤ作りなどは欧米ではしっかりした歴史があるでしょう。基本的な橇技術はやはりアメリカ人の技師から習ったのでしょうか?


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 作家達は馬橇を現代のデコトラになぞらえています。年配の方、彼等の美術としての馬橇展示、怒らないで下さい。博物館では、ただ眺めるだけに終わったかもしれない馬橇、しっかりと勉強させてもらいました。


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by sakaidoori | 2008-12-07 15:10 | 門馬・ANNEX


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