栄通記

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2008年 12月 02日

828) 小樽・ダラスペース 「曾田千夏・展」 終了・11月20日(木)~12月2日(火)

828) 小樽・ダラスペース 「曾田千夏・展」 終了・11月20日(木)~12月2日(火) ・展
      Chinatsu Aita Exhibition at Mt.Haruka  (曾田千夏at春香山)
       
 会場:ダラ・スペース(Dala Space)
     小樽市春香町292番
    (国道5号線沿いの山側。JRバス停「西春香」近く。国道山側にある張碓稲荷神社の隣で、会期中は看板有り。)
     電話(0134)62-0440
 会期:2008年11月20日(木)~12月2日(火)
 休み:水曜日(定休日)
 時間:11:00~17:00

 主催:ダラ・スペース
ーーーーーーーーーーーー(12・2)



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 曾田千夏の絵は全道展と、さいとうギャラリーでの夏冬企画展で定期的に見ることが出来る。公募展としての大きな力作と、買い易さを考慮した小品の優しい絵という両極端さではあるが。時々の心境はそれらで知れるが、こうして個展としてまとまって見れるのは実に良い。しかも、今年の作品が大半で、表現に幅がある。粋の良い作品群だ。沢山画いている、寡作家で無いのも頼もしい。
 その表現力に注目している人も多いと思う。全道展で最高賞を確保し、ドドーンと道内美術界の注目の人となり、その後の進展を見つめられている。
 表現に枠をはめること無く、静かにグイグイと進んでいるのが今展でも分かる。成長期の人である。

 表現の幅の広さを楽しませてもらったが、彼女の問題意識が激変したとは思われない。
 彼女は緑を多用する。植物的意味合いが強い。線描も得意とするが、最近は線を見せる作品は少ない。線描にはいろいろな意味合いがあったろう。画家の制御しきれぬエネルギーとか・・・、植物の関係で言えば、根毛や生命力であり、目に見えない大地の中の生き様でもあった。
 画家は目に見えない何かに執着していた。地中であり、森であり、地球、宇宙、見果てぬ何かだ。可視的生物と生物を支えている不可視な存在。その不可視な存在が線描の場合は薄気味悪さを伴いながらも、生き物を支えていた。今は不可視な世界は不気味さよりも、暖かい夢や幻想、命をはぐくむ力という面が絵には強くなっているようだ。
 それでも、「煦(アタタ)メラレ耿瞼(コウケン)豁(ヒラ)ケル刻(トキ)」の連作、暖かく夢薫る絵とも見えるが、不思議なあやかしさがある。だいだい色の割れ目からはみ出た表現、割り裂いて子宮が顔を出していると見える。綺麗な子宮だ。だが、子宮というものは外気に触れるものではない。幻想的に生命の象徴として画くか、切り裂いて強引に見せるしか方法はない。画家は欲張りだから両方を選んだ。肉片を裂いてそれを顕わにして、生の可能性を暖かく見つめようと。

 僕は植物としての生命を謳う姿勢に素直に愛着を感じる。それ以上に、それを支える不可視の世界を無意識でも異様な感じとして表現せざるをえない曾田・絵画が好きだ。


 「煦(アタタ)メラレ耿瞼(コウケン)豁(ヒラ)ケル刻(トキ)」、変なタイトルだ。「耿瞼(コウケン)」という意味が手持ちの辞書では見つけれなかったが、(明るい)瞼・まぶただろう。
 「(体を)暖められ、明るくまぶた開く時」という意味か?普通に書けばいいものを画家は死語を連発して鑑賞者を挑発しているようだ。「家に帰って調べて下さい!私のこだわりを感じて下さい!」と言っているようだ。それにしても「豁」の字、単に「開いて広い」ということではない。切り裂くほどの苦難をしたから、その先は広く大きいということか。谷を割るほどの思いで進めば、その先は開けている夢があると。
 まるで豊平川の悠久の歴史のようだ。雪解け時、谷あいを怒涛のように切り裂き進み、その土を札幌の地に扇のように広げて大地の恵みにした。



・「煦(アタタ)メラレ耿瞼(コウケン)豁(ヒラ)ケル刻(トキ)」・2008,10,14。
・「windpipe-sleety」・2008,11,18。
・「train」・2008、6、11。
・「日日蟲」


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828) 小樽・ダラスペース 「曾田千夏・展」 終了・11月20日(木)~12月2日(火) _f0126829_10443136.jpg
 家の小樽側には沢がある。いつ積んだのか、壊れそうな安直な石積みがある。その上には木が伸びている。ここは海に近い。突風でいつかは倒れそうだ。それを心配しながら、このギャラリーに通うことにしよう。
 沢の先は広い国道だから暗渠になっている。そして崖から落ちるように海にたどり着くのだろう。今度確認しよう。この沢の名前は?

by sakaidoori | 2008-12-02 21:31 | [小樽]


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