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栄通記

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2008年 11月 27日

820) p2+d 「チQ [山鼻宇宙0ランド 0+0+2]」 終了・11月21日(金)~11月23日(日)

○ チQ [山鼻宇宙0ランド 0+0+2]

 会場:プラハ2+ディープサッポロ・1F 9J
     中央区南11条西13丁目2-12
     (東南角地の2階建て民家)
 滞在期間:2008年11月1日(土)~
         不定期で鑑賞できます。
 会期:2008年11月21日(金)~11月23日(日)
 時間:11:00~19:00

※ レセプション:11月22日(土)、19:00~

ーーーーーーーーーーーーーー(11・27)

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 ↑:入り口からの眺め。ご覧のように9畳の部屋は全面黒く塗られている。

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 今回、部屋中を黒く塗るとは聞いていた。わかってはいても、「黒い部屋」を目の当たりにして驚いてしまった。7月の真夏の部屋がカラー一杯、日の沈むのも早い冬本番のこの時期にモノトーンで沈鬱な世界。気持ちの天秤が左に大きく傾いていたのを、一気に右に揺れ戻したという感じだ。

 黒を沈鬱と語った。しかしこの黒は優しい。深く沈みこむような色ではある。人は白い部屋に作品があれば、白は単なる飾りか作品を壊さない存在としてみてしまう。黒は全然違う。黒自体に表現する意思がある。白は他者を引き立てようともするが、黒は自分の自立点から下がろうとはしない。確かにここの黒は優しいが、やはり沈鬱な部屋と言う他は無い。

 黒を塗るチQ君、それだけで展覧会では半分の自己主張をしたといえる。
 塗られた色はシルバー、ユーモラスな雷のように黒に攻めかかっている。マーカー特有の角張った線だ。前回との連続としてこの模様は見れば、目に見えなかったランドとしての古里の骨格を、浮き彫りにさせること事かもしれない。札幌という都会の黒いアスファルトの下に走るものは何か?都会の道標としての見えない道路を、それだけを見つめているようだ。

 ランドという言葉はテンポラリー主宰の中森氏が日々書かれている「テンポラリー通信」からの拝借だ。テンポラリーに出入りする二人の青年の作品を思い出す。
 一人は凹みの谷口顕一郎君。ベルリンの道路の傷跡を凹みの素材として再現していた。最終的には道路の傷跡とは無縁な美の構築の材料になっていく。
 一人は中嶋幸治君。鉄筆で札幌の地図を白い紙に掘り込んでいた。その白地(支持体)があまりに美しく、鉄筆跡があまりに鋭く、その両者の響きが痛ましさを感じた。

 チQ君は彼らに触発されたのだろう。若き表現者達の作品が古里へのこだわりを避けれないものにしたのだろう。意外にもチQ君の織りなす色の世界は、作るというよりも吐き出す過程に今はあるのかもしれない。その燦々とした無手勝流の色の華やかさに気を取られすぎたのかもしれない。

 古里ばかり見ているからいけないのだ。世間も世界も広い。


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by sakaidoori | 2008-11-27 16:33 |   (プラハ2+ディープ)


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