栄通記

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2008年 11月 15日

807) CAI02 「FIX MIX MAX!2 『門馬よ宇子・展』」 11月8日(土)~12月6日(土)

○ FIX MIX MAX!2
    門馬よ宇子・展

 会場:CAI02
    中央区大通西5丁目 昭和ビル・B2 ラオム1
    (地下鉄大通駅1番出口。注意⇒駅の階段を下りてはいけません。昭和ビルの地下2階です。)
    電話(011)802-6438
 会期:2008年11月8日(土)~12月6日(土)
 休み:日曜日・祝日(定休日)
 時間:12:00~23:00

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(11・14)

 FIX MIX MAX!2が始まりました。とても全部は書けれません。関心の赴くままに掲載します。 

 門馬よ宇子・展、素晴らしい。

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 展示は3部構成。

 中央の蚊帳は映像作品のスクリーンだ。確か3年前だったか、自宅ギャラリーで個展をされた。その時の映像作品だ。うかがった記憶ではヨーロッパ旅行でのビデオである。テーマの一つは「家族」(夫婦)ではなかったか?

 壁面左側は最晩年に彼女が退院した折に、病気回復を祝って門馬ギャラリーに訪れた人達による門馬さんの似顔絵だ。思い出(オマージュ)・展の部分だ。

 圧巻は女史自身による似顔絵だ。正面と右側の壁にびっしりと貼られている。
 以下、その似顔絵を概ね制作順に載せます。(クリックして下さい。大きくなります。)

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 配列順は左下から右方向、上方向と概ね並べられている。
 上の写真はその始まりの部分で、「14、2、1」と記されている。写実的で優しい顔だ。そういう顔はすぐに無くなり、ほとんど同じ顔が日付と色を替えて連綿と続く。やや細くて面長、きつい表情ばかりだ。

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 上の作品は「15、7、20」。会場出入口傍の最上段の展示。実は最後の作品は一段上の右端にあって、平成15年9月初中旬あたりの日付だと思う。

 昨日、関係者に簡単に作品経過をうかがった。
 「およそ6年前。体が病んでいて、痛くて痛くて、その時期に制作したものです。360枚ぐらいあります。痛みがひいたら、描くのを止めました」

 痛みを和らげる為に、忘れる為に描いていたのだろうか?痛みと対峙する作家の精神、ダイレクトに転写し記録として残し置く作家の強い意志を思う。色を変える事がわずかな救いなのだろうか?その痛みは病からくる個人的なものだ。だが、見る人は肉体的苦痛を忘れて、美とは異質な精神的痛みを思う。彼女自身に向けたもの、家族に向けたもの、同朋に向けたもの、社会に向けたもの・・・痛みを描き続ける意力が見るものの目を焦がす。
 それにしても凄い迫力だ。僕は晩年の彼女しか知らない。背筋が真直ぐで凛とした立ち姿と、たやさぬ笑顔しか知らない。笑顔には嘘は無かった。だが、それが全てではなかったのだ。

 人はいずれ死ぬ。
 亡くなられた方を悼み、供養するのは残された者の務めだ。だが芸術家の「死」はそれだけではいけない。
 芸術家の精神・苦痛・歓喜はその人だけのものだ。決して共有などできない。共有という幻想に捉われた宗教集団になる必要はない。
 作家の残した作品に自分自身の心の種が震える時がある。何かを表に出さざるを得ない、という精神に駆られる時がある。

 無造作にブロック壁に貼られたスケッチの一枚一枚。それはあまりに普通の紙だ。どうか大事に剥がして下さい。何かの機会に別の場所で会わせて下さい。




 
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 会期は長いが、長いと思うといつの間にか終わっている。見たい方は是非早めに行かれて下さい。

by sakaidoori | 2008-11-15 23:11 | CAI(円山)


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