栄通記

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2008年 11月 09日

800) 時計台 「第3回 水彩連盟北海道札幌支部展」 終了・11月3日(月)~11月8日(土)

○ 第3回 水彩連盟北海道札幌支部展

 会場:札幌時計台ギャラリー・A室 
    中央区北1条西3丁目・札幌時計台文化会館
    (中通り南向き)
    電話(011)241ー1831
 会期:2008年11月3日(月)~11月8日(土)
 時間:10:00~18:00 
     (最終日は、~17:00まで)

 【参加作家】
 古田瑩子 勘野悦子 三村克彦 青坂龍子 畔原信子 遠藤直子 竹津昇 湯浅美恵 大山栄子 甲斐野弘幸 高田みち子 中田美紀子 松倉文子 山平博子 渡辺範子・・・以上、15名。
ーーーーーーーーーーーーーーーー(10・11)

 多人数のグループ展です。竹津昇に焦点を当てて語ります。 (以下、敬称は省略。)

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 ↑:竹津昇、「遺された物」。

 意欲的な作品だと思う。小さな変化の蓄積が大きな変化の前触れのようだ。そして、「良くなったか?」と問われれば、簡明に応えることができる。描きたいことが未整理で、あれもこれもと手を出して、消化不良の絵になったと思う。以下の3点に僕なりに整理してみた。
 ① 画質感
 ② 構図
 ③ 画家の主張(意思)

 ① 画質感。
 竹津昇は壁が好きだ。その壁の色は赤茶びたもので、水彩特有の白が重なりあっている。その壁色が画面全体を覆っているとも言える。その赤茶びた竹津色を深めるということが画家自身の課題でもある。
 今作、壁面よりも床面が多い。垂直軸よりも水平軸にチャレンジしているのだ。壁と違い床は一様ではない。何かが置かれ、そこには影が出来る。画家の単純な画質に対する意欲の現われが乗り物の廻りの藁のある部分だ。異様にリアルに描いている。絵を遠くから見ると、この部分が他とは異質な存在感がありすぎる。凄みのある写実画家になっている。おそらく、画家はこの部分をもっと広げて描きたいのでは?暗闇で藁くずがうねるように存在し、画面全体を覆い、ブラック・ホールのような魅入られる世界を描きたいのでは?
 僕自身は竹津絵画のユーモアとヒューマニティーを愛しているから、好みの方向ではないが、画家は描きたいことを推し進めるべきだと思う。乗り物描写に現れた何ともいえない可笑しさと愛情表現、濃厚な藁の画質感と高い次元でマッチングできればと願う。

 ② 構図
 屋内中心の絵画世界で外の世界とどう繋ぐかを課題にしているのではと想像している。今までは「窓」を多用していた。今作、納屋に通じる囲まれた通路を描いている。アイデアはすごく良いと思う。だが、床面・壁面・通路・通路に差し込む光と影、そしてなによりもタイトルにある屋内の「残された物」たちと、意欲満々にびっしりと構図を築いた。構図も賑々しく、物も賑々しく、画質感もいつに無く賑々しい。決して小さい絵ではないのだが、この絵の大きさには収まりきれない意欲が画面を覆っている。きっと、大作の大作を描きたいのだ。それは意欲倒れになる可能性もあるだろう。だが見てみたいものだ。描いてもらいたいものだ。

 ③ 画家の主張(意思) 
 今作は意欲が画面からはみ出して、きつく硬い絵になっていると思う。
 先にも書いたが竹津絵画の魅力の一つにユーモアがあると思う。それは技量不足からでは無い。画家自身の感性だと思う。だが、優しさを一方に抱きながら、意欲満々な絵を描こうとしている。「過去への愛惜」と「未知への挑戦」と言い換えよう。絵画上の意欲と表現したい事との亀裂を感じた。

 小さく絵がまとまりがちな傾向も時には感じる。ヒューマニズム過度も。それら全てをまぜこぜにしながら、混乱しながら暫くは強い絵を進めていくのだろう。描き進めながら自己反芻していくのだろう。



 (会場風景と他の作家の絵を何点か載せます。明日、明後日と留守にするので、更新を含めて12日から書きます。)

by sakaidoori | 2008-11-09 22:39 |    (時計台)


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