788) 野幌森林公園散策

　南郷通りを新札幌方面にどこまでも突き抜ける。信号があり目の前に学校が見えて、行き止まりのような景観になる。そこをもろともせず真直ぐに進めば野幌公園に到着する。幅広い砂利道は公園を横断することが出来るが、通行止めの標識のあるところに駐車しての公園の散策だ。正式には瑞穂の池駐車場という名称だ。


　右側の遊歩道は人工林が覆っている。ここは戦後の開拓農地と入り口に記載があった。野幌公園は自然林ではない。全ては明治以降の開拓の後での二次林だ。人工林はフラットの景観で眺めとしてはたいしたことはないが、ここが戦前戦後の開拓開墾地と思えば何とも言えない感慨が込み上げてくる。
　トドマツ林、春先に来れば春セミの抜け殻が無数に木にへばりついているだろう。雪解け時に来れば、静寂の中で木々が水を吸い上げる音が聞けるかもしれない。ピチッピチッと。


　（↑：今日は突き抜けるような青空だ。小鳥が鳴いている。妻がそのさえずりを、「ショーチュー、チョーダイ」と聞こえると言う。確かに。）













　（↑：こちらのコースはほどほどにして駐車場に戻る。その出入口の風景。何とは無しに撮ったのだが、「門」になっているのに驚く。）


　駐車場に戻り瑞穂の池に向かう。
　紅葉の盛りは過ぎてはいるがもみじの朱が眩しい。葉の付かない木々が天に向かう姿はたくましい。落ちる枯れ葉は人の意識を別世界に誘う。風吹けば多くが舞い落ちる。何の知らせもないのに一枚の枯れ葉がゆらりと落ちる。どこまでも空は青い。














　（↑：落ち葉に追われてシャッターを押したのだが、努力不足でただの笹薮を撮っただけだった。）

　（↑：池の近くに行くといきなり畑が現れた。昔の開墾地のだろう。それにしても此処は国有地だ。なぜ私有地の姿で残っているのだろう？）



　（↑：瑞穂の池。カモだろうか？その向こうに白サギが隠れている。）

　ここ野幌は明治２０年代から開かれた。開墾が進み、伐採は水不足を招いた。大正１３年から灌漑用のため池設置を道庁に請願し、付近の反対や資金不足の中で、昭和３年に完成した。（近くの記念碑より。）
　今は防火用水として道が管理している。ここの公園には他にも多くのため池の跡地がある。放棄されたわけだから、不向きな土地だったのだろう。記念碑にはこのため池の水が石狩川に注ぎ、日本海に流れいくと誇らしげに語っている。それにしても今日の空は青い。まるで夢の後のような敷地だ。だがそれはそんなに古くない軌跡でもある。














　（↑：右側、水芭蕉が来年のために伸びている。こうして年を越すのだろうか？）





　↑：公園への入り口付近に北星新札幌高校がある。その正面玄関に設置されているモニュメント作品。設立２０周年記念の関係者の贈呈品である。作品にまつわるプレートを見つけれなかった。おそらく国松明日香氏だろう。１９９４年の設置。