栄通記

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2008年 09月 25日

764) たぴお 「高橋俊司・個展」 9月22日(月)~9月27日(土)

○ 高橋俊司・個展
    (ステプラーワーク #2008.9)

 会場:ギャラリーたぴお
    中央区北2条西2丁目・道特会館1F(中通り・東向き)
    電話(011)251-6584
 会期:2008年9月22日(月)~9月27日(土)
 時間:11:00~19:00 (最終日は、~18:00まで)

※公開制作スケジュール
   搬入日:21日(日)・13:00~19:00 
   会期中:22日(月)・13:00~15:00 17:00~
         23日(火)・13:00~15:00 17:00~
         24日(水)・13:00~15:00 17:00~
         27日(土)・13:00~15:00 

 (お詫び→お名前を「高橋俊二」と案内板を含めて書いていました。正しくは「高橋俊司」です。失礼しました。)
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 (↑:右側から)

○ 緑とウエーブ、そしてホッチキスマン・高橋俊司

 カチッカチッ・・カチッカチッ・・ホッチキスの音だけが部屋にこだましている。
 4種類の写真(10cm×7.3cm)を適当にホッチキスで縫い合わせて、作品が立ち上がっていく。静かに淡々と左手で写真を押さえて、右手でホチキスを操作している。時には作品の周りをうろつき、全体の均整や構築美を確認しながら作業が進むのだろう。二台の照明機が左右から作品を当てる。針の背がキラリと輝く。無数の針がまるでヒマワリの種模様のように意味を込めて流れている。
 来訪者との対応が手を休めることもあるだろう。それは「高橋俊司」という存在が作品の鏡として僕等の視野を覆う時でもある。

 (「何をしているのだろう?」「何が楽しいのだろう?」
 穏やかな人だ。直向な視線がお客に、作品にそそぐ。笑みを浮かべたその顔は可愛い。純な青年の実直さがある。既に五十に達した人なのに。)

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 ↑:正面から。

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 ↑:左側面から。

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 ↑:後方から。


 作品は僕には動物面(顔)に見える。八岐大蛇(やまたのおろち)とか、大きな耳だか角のある鹿顔の骨に色を付けて複成(再生)している感じだ。要するに生き物だ、顔だ。反復と増殖が制作のキー・ワードだろう。高橋さんの場合は均等(等質)拡大が特徴だ。中心点、あるいは中心線(バック・ボーン)が定まっていて、ブレがないと思う。だから、定向進化へとして作品は立ち上がっていく。ウエーブも色も、その全体から受け取るイメージは優しく美しい。作品の中に閉じ込められた反復・増殖のエネルギーは健康的な清しさとして、素直にこちらに迫ってくる。どこかにユーモラスな一面が垣間見える。今展は10年ぶりの個展だとのこと。その充電期間と、今後の展開の余裕が作品にユーモアを生んだのだろう。
 僕は彼の作品に「ブレが無い」と語った。基本は今後もそうだと思う。一方で、表現者としての自信のようなものが、自分の可能性を膨らませたいとうずいている感じがする。その突破口として、今後は「高橋俊二らしくない顔」が時折り出てくるかもしれない。


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 (↑:作業風景。
 あー、何て子供っぽい光景なのだろう。その心の中の静かさ激しさはどんなものだろう。ただただホッチキスの音を聞くばかりだ。)


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 ↑:右側は素材の4枚の写真。
 左上が原板の写真の一部。他は原板を拡大していて、左上の写真の一部が写っている。公園か何処かの沼地が被写体のようだ。


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 ↑:左側は部分図。
  右側は作品の耳の部分のようなところの裏側。写真の裏側は作家のローマ字ズペルが印刷されている。

by sakaidoori | 2008-09-25 12:38 | たぴお


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