栄通記

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2008年 08月 26日

741) 時計台 「荒巻かおる・お久しぶり展」 終了・ 8月18日(月)~8月23日(土)

○ 荒巻かおる・お久しぶり展

 会場:札幌時計台ギャラリー ・1階A室
    中央区北1西3 札幌時計台文化会館
    (中通り南向き)
    電話(011)241-1831
 会期:2008年8月18日(月)~8月23日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日は~17:00まで)
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 明治30年(1897年)11月15日 茨城県水戸市に生まれる  
          大正の終わりに小樽市に渡り、先代荒巻熊次郎の事業を継ぐ
 昭和 2年(1927年)  荒巻組(土木砕石業)代表社員
 昭和19年(1944年)  事業の中心を札幌に移し、北建工業㈱を創設
 昭和24年(1949年)  札幌自動車運輸㈱を創設
 昭和44年(1969年)  若き頃からの夢であった文化事業を発心。
                札幌時計台文化会館を建設、当館理事長に就任
 昭和46年(1971年)  月間美術誌「21 ACT]創刊
 昭和49年(1974年)  「かおる文庫」創設 「札幌時計台文化会館美術大賞」設定
 昭和52年(1977年)  新春恒例の橿原神宮参詣ののち東京に倒れ入院
 同年3月19日午前4時25分  永眠 享年81歳 

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 おそらく画家は田中角栄のような土建屋であったろう。ただ角栄は中央に進出し首相の座を射とめた後、公的には失脚し公認の影の権力者を維持し、最後は失墜した。
 荒巻かおる(芳)氏は地方の名士で止まり、本職の事業以外は裏方を好んだようだ。その一つが札幌(北海道)美術界への支援だ。いわゆるパトロンである。今では企業の支援活動をメセナと言うが、個人の顔が強い分、「パトロン」と語ったほうがふさわしいだろう。

 そして、支援活動という外野からの応援ではなく、荒巻氏ご自身が絵を嗜んだのが大きな特徴である。
 
 会場に居られた関係者によると、画家は60過ぎてから描き始めたとのこと。残念ながら展示作品の制作年代が不明なので、技術の上達や画題や画趣の関心の移り変わりや深まりを確認することはできない。
 ご子息、荒巻義雄氏が父の絵を評して「素人の絵」と語っている。 
 確かにその通りだと思う。だが、絶筆を見た時、「やはり絵描きだなー」とつくづく思った。DMの大通の人の居る冬景色も良い。
 以下、作品紹介します。オーソドックスな作品は撮らなかった。多くは「素人の風景画」ではある。しかし、「絵画的探究心」が制作に見える。心の安らぎや、楽しみを求めるだけではなく、自分なりの「絵画の可能性」も視野に入れていたようだ。そういうのが感じられる作品を載せます。


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 ↑:「絶筆」・F8。
 他の作品とは異質な作品です。色の組み合わせが全然違う。暗い雰囲気の中で人に着目している。暗いが若い絵だ。画題は外国の路地裏の庶民であろう。対等な目線で彼らを見て彼らの生活感と、画家の前向きな情念がうまく絡み合っている。
 
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 ↑:「雪の日」・P15。
 晩年の作品だと思います。詩情豊かな絵です。故郷、それも雪のある札幌を慈しんでいる絵です。人のたたずまいがどこか古風ですが、何ともいえない力強さとロマンが漂っています。
 ある人はこの絵の噴水に「冬にこんな光景があるのか?」と疑問を投げかけたそうです。あー、絵は嘘なのです。嘘を前提にした美学であり、思想なのです。画家が冬に噴水を描かざるを得ない心情に思いを馳せなければならいのです。たとえそれが上手くいかなかったとしてもです。


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 ↑:左から、「街」・F6。「セビリアの風景 =スペインー」・P8。


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 ↑:左から、「野原の道 デンマルクの田園風景」・F6。「ブタペストの坂道」・F8。


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 ↑:左から、「塔」・P20。「タジマハール」・F12。


f0126829_1128318.jpg →:武石文樹氏画、「荒巻芳氏」・F30。

by sakaidoori | 2008-08-26 11:56 |    (時計台)


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