栄通記

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2008年 08月 08日

718)コンチネンタル ①「プラス・ワンのメンバー 千代明&坂東宏哉・展」 8月5日(火)~8月10日(日)

○ Contemporary art exhibition by two mnmbers of PLUS 1
    千代明 ※ 坂東宏哉
     「次元の断面 -創造の起源ー」

 会場:コンチネンタル・ギャラリー
    南1西11 コンチネンタルビルB1F
    (入り口は西11丁目面した東向き)
    電話(011)221-0488
 会期:2008年8月5日(火)~8月10日(日)
 時間:10:00~18:00
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・6)

 まずは会場風景を載せます。

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 展覧会のテーマは非常にシンプルで明快です。
 「宇宙。その起源を尋ねてー」ということです。そして、宇宙の姿を二人がクロスして表現するものです。いわゆる「インスタレーション」として。

 二人の交差した表現が素晴らしい。2人展ですが、融合展です。1+1=1です。結果としての「作品展」をどう評価するかは見る人により好みの分かれるところですから、ひとまず措きます。


 インスタレーション考。
 インスタレーションには二つの側面があると思う。

 一つはその場限りの一回性。
 場所の特性を生かして、その場でしかない展示です。撤去を前提にした屋外の展示は大半がこれにあてはまるでしょう。屋内でも、暗室にしたり部品としての作品を様々に配置して、個々の作品を超えて見る者に既成の固定観念をずらして主張します。テンポラリー・スペースが古い民家という特性を生かして、作家達が果敢にチャレンジして成果を収めています。
 日本の場合、四季に養われた「一瞬の美学」の持ち主ですから、他の国の人とは異なった価値観・親近感で「インスタレーション」に取り組んでいると思います。茶の「一期一会」の精神が「一期一美」に集約されているのです。

 一つは作品作りまでの過程・関係性を大事にすること。
 特に公共空間や私有地が混在している展示が分かり易い事例だと思います。
 関係者・機関に承諾を得る為に交渉しなければならない。その為には主旨を明快に言語なり文字にすることと、一定の手続きを踏むことがもっとも大事でしょう。
 自己資金以上のお金が必要ならば、それを集める努力をしなければならない。協力人無しでは実現不可能ならば、そういう人を集めねばならない。
 「ならない」尽くしで、制作以上の時間と努力を使う場合があります。
 実はこの場合の「インスタレーション展示」はその過程の方が重要なのです。作家が「こんなことをしたい」ということを作品以前に訴えることがその展示のエッセンスなのです。「作品」は種であって、その種を中心にして既存の価値とは違った社会関係が生まれる、ここが主眼だと思う。「自己表現としての作品」を否定はしないが、超えた存在たらしめることです。

 クリストでしたか、包む作家は?彼の作業はそういうものだと理解しています。本当のところは、欧米人の「インスタレーション」は公共空間が大事であって、それ以外にはないのではないかと僕は思っています。ですから、作品には反社会性なり、社会に対する批判精神が常にあるのではないでしょうかそこから「現代美術」として発展していったのではないかと思っています。。「社会批判なき作品は現代美術にあらず」という意見も起こるのです。便器を公共空間に展示した時からそれは始まっているのでしょう。
 ですが、その精神を超えて形が伝播していきます。
 日本の場合は個人の表現様式の一つとして、流布しているようです。

 今展はあくまでも美術表現の域を超えるものではありあせん。ですが、「インスタレーション」の大事な側面、作品の仕上がりまでの過程と関係性をとても重視しています。展覧会場には二人親和力が満ちている。気心の知れた仲間だから成立したのは間違いありませんが、なかなかここまで徹した展覧会は珍しい。素晴らしいことだと思う。

 肝心の今展の紹介を置き忘れました。お許し下さい。②で載せることにします。

by sakaidoori | 2008-08-08 12:34 | コンチネンタル


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