栄通記

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2008年 08月 08日

717) 時計台 「伊藤光悦・展」 8月4日(月)~8月9日(土)

○ 伊藤光悦・展     
   
 会場:札幌時計台ギャラリー 2階C室
    中央区北1西3 札幌時計台文化会館
    (中通り南向き)
    電話(011)241-1831
 会期:2008年8月4日(月)~8月9日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日は~17:00まで)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・5)

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 伊藤光悦さんは1990年から隔年で個展をされています。全て時計台です。
 画題は乗り物、特に飛行機に関わる絵が多い。飛行機そのものを描かない場合でも、遠くの空中からの展望絵画が多い。
 そして、「界」を見詰めている。灯台は「界」を見詰めている。それが「国境」の絵になる。想像上の村が国境をになっている。
 この「界」が空間としたならば、「過去ー現在ー未来」という時間軸の表現がクロスしていく。


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 ↑:「国境の村」・25F。
 映像のワン・シーンのようです。(画家は演劇感覚で描いたとのこと。)カメラはだんだんと近づいていき、村人を、戦車を、武器を移動しながら拡大していき、光を巧に使いながら画面中央下の少女に大きく迫る。
 今度は逆にカメラは離れていき、背景の暗い塊がどんな自然なのかを鮮明にしていく。さらにカメラが遠のけば、背後の山々、そして国境を接している付近の様子をまざまざと見せてくれる。
 戦車は左を向いている。おそらく国境ラインはそちらにあるのだろう。戦車があるからにはそこは尋常な世界ではないだろう。だが、戦争であれなんであれ、村人は日常生活を送らねばならない。食して寝て・・その繰り返しである。だが心の状態は我々と同じはずは無い。画家は「希望」という光を少女に当てる。それはロマンチスト・伊藤光悦の反映だろう。だがロマンだけでは片付けれない画家の目もそこにはある。

717) 時計台 「伊藤光悦・展」 8月4日(月)~8月9日(土)_f0126829_032276.jpg717) 時計台 「伊藤光悦・展」 8月4日(月)~8月9日(土)_f0126829_043730.jpg












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 ↑「CRASH LANDING」・30S。
 「国境の村」は多くの物語を連想させる。
 この絵も写実からくる物語性もあるのだが、より絵の形が魅力的だ。そして墜落という軍用機にとっては悲劇ではあるが、どこかに漫画的な可笑しさがある。それは戦争を揶揄している画家の反抗精神かもしれない。
 墜落のような不時着をして、二度と飛ぶことはない腹太軍用機。子供や大人が寄ってたかって修理して、「ポンコツ新生号」として舞い上がるかもしれない。そんな漫画、なかったかなー?
 大きな大きなふくよかな体形が魅力的だ。渋い茶が何とも合っている。シンプルな表現力。軍用機に不釣合いな夢を見てしまった。s

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 ↑:左から、「遠い海」・50F、「DESERT」・100F。

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 ↑:「防波堤 ’08」・(小品)。

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 ↑:「午後の防波堤 ’07」・4F。

by sakaidoori | 2008-08-08 00:41 | 時計台


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