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栄通記

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2008年 08月 11日

722) 円山・CAI 「くだらない展覧会」 7月26日(土)~8月8日(金)

○ くだらない展覧会

 会場:CAI現代研究所
     中央区北1条西28丁目2-5
     (1条通りを走り第一鳥居を抜け、次の広い環状線を横断。直ぐの左側の中小路に入り、50mほど先の右側、コンクリートの一階建て。)
     電話(011)643-2404 (13時以降)
 会期:2008年7月26日(土)~8月8日(金)
 休み:定休日が日曜日
 時間:13:00~23:00 

 主催:CAI現代研究所

 【参加作家】
 Azkepanphan 石倉美萌菜 西城民治 高幹雄 高橋喜代史 徳田直之・・・以上、6名。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・1)

 とりあえず会場風景を載せます。

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 「くだらない展」、関係者の意図がどこにあるかは別にして、非常に難しくて面倒なネーミングにしたものだと思います。
 言葉通りに「くだらない」と吐き捨てられたら身もふたもないし、かといって「ワンダフル、ビューティフル、ベリー・ベリー・グッド」を期待しているとは思われない。「普通ジャン」ではどこかが寂しい。

 こういう意味ありげな企画展の場合は企画担当者の意図がもっとも問われるであろう。企画者と参加作家や作家同士の意思の疎通をどう計ったか。この場合には結果が不首尾であっても、プロセスがしっかりしていたならば彼等の今後の活動には有益な何かが残るであろう。
 企画者側の一方的な意図があって、参加作品は彼の手段という場合がある。この場合は結果を厳しく吟味する必要があるだろう。

 さて、今展はいかなるプロセスを踏んだのだろう?


 僕の全体の感想は少しおとなし過ぎたかな、単に作品を並べただけに終わったかな、という感じです。
 やはり、アット驚く「くだらなさ」を見たかった。
 しっかり書かれた作家プロフィールが面白かった。その生真面目さが今展のタイトルとミスマッチな感じで笑ってしまった。


 もう少し個人作品を中心に写真を載せます。
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 ↑:西城民治、「現代美術っぽい自転車」・自転車 空気入れ 袋。
 1945年、札幌生まれ。現教育大学満了、他職歴学歴を淡白かつ詳細なプロフィールがあります。
 タイトルが全てのような作品。若い作家たちの仲で、ミスマッチのようなおかしな作品。この作品を生かす他の作家の作品が一点欲しい気がするが・・・。

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 ↑:徳田直之、「カンチョーの手 中・小」
 1979年、七飯町生まれ、現在東京在住。2002年、CAI現代研究所修了。
 作品自体は面白いが、全体とのからみでは物足りない。

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 (↑:モデルは作家とは何の関係もありません。こういう作品は使っているところが見たいものだ。幸い良い写真が撮れました。)


○ Azkepanphan の場合

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 ↑:左から、「浩志 29歳」・F15、「浩志29歳 リバース」・2008年 700×450。

 自画像です。
 左の作品は少し傾けて展示しています。独特の色感があり、素直な良い絵だと思う。

 彼はデザイン感覚も優れています。独特なムードを持っているようで、2人展やグループ展に多数参加して、存在感があります。音楽空間を作ったり暴力的エロスを表現したりして多才な面を出しています。ところが、彼自身の線の細さ真面目さ優しさが邪魔をして、そのパフォーマンス的作品を生かしていないのではと思っています。起用に上手にこなすのですが、インパクトが少ないのです。能力の問題ではないでしょう。さ迷っている感じです。

 左の自画像、どうして傾けた展示にしているのでしょう?余りに素直な絵を「くだらない展」で、ストレートに出すのが恥ずかしいのでしょうか?そもそもこんな良い絵を出さないほうがいいのでは?こういう所にこういう絵を出すのが、彼の不思議な面でしょう。


○ 石倉美萌菜の場合

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 1986年、札幌生まれ。2006年、北海道造形学園。2008年、CAI現代研究所。現在大谷短期大学?

 肉体と性に執着する石倉さんです。その若さの余りにストレートな表現に圧倒されます。武田浩志君とは全く逆の路線です。路線と言いましたが、彼女にはまだまだ戦略的に美術表現をしようという余裕はないかもしれません。

 絵の女の子ははブスです。このブスさが絵の魅力に花を添えています。きっと自画像でしょう。そしてこれ程本人はブスではないでしょう。画家自身が己を見た時にこんな感じで醜く見えるのでしょう。鏡を見たら、そこにはパンティーを被った自分が見えたのでしょう。手は怪しげにうずくのでしょう。
 見ているほうは嫌らしさよりも、健康的な若き女性の妄想を見る思いです。もっともっと肉体と性と妄想を表現してもらいたいと思う。
 絵から発散するバイタリティー、エネルギーが素晴らしい。
 若き男性諸君!彼女の下敷きにならないように注意!


○ 高橋喜代史の場合

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 左上のパの消えた「パチンコ」とモナリザに簡単にいたずらしている作品が高橋作品です。(訂正:モナリザは高幹雄・作品です。すいませんでした。)
 まー、言葉通りくだらない作品です。ですから、「パチンコ」は栄通大賞を上げてもいいな。モナリザはくだらないというよりも使い古されたワン・パターン的哀しさがあって、ダメ。もう、モナリザはいいよ。
 
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 ↑:壁にぶら下げられた、飛び散った模様のある布作品、「コラージュ」。
 

○ 高幹雄の場合

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 高君はビデヲの中に居た。一人芝居だ。「熱いすし」だったか、熱くて食べられない演技を馬鹿笑いをあげながらの熱演である。なかなかの役者である。つぎはビデオではなく、生のパフォーマンスを期待しよう。


 (記録が不備で、記事に仕上げるのに随分と時間をかけてしまいました。断続的掲載で申し訳ありませんでした。) 

by sakaidoori | 2008-08-11 22:24 | CAI(円山)


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