2008年 08月 04日
○ 2008年 第6回 富樫正雄・アトリエ展 ー山の見える風景ー 会場:富樫正雄アトリエ・ギャラリー 手稲区富丘2条7丁目2-13 (JR手稲駅より徒歩約10分・国道5号線沿いのバス停より徒歩約3分。) 電話(694)4218 担当・富樫耕 会期:2008年7月30日(水)~8月6日(水) 時間:10:00~17:00 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・1) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 富樫正雄(1913~1990 享年78歳) 富樫アトリエには3回目の訪問。 それはいつも暑い時期だ。夏らしいどしゃ降りの日もあれば、光燦々とまばゆく目を刺す日もあった。見終わった後で、テントの下で親族の方と絵のことや、それにまつわる思いでの団らん、別次元の時の流れを感じる。 絵を交えての会話、不思議な物だ。画家・富樫正雄氏とは一面識もなく、その作品を知ったのも6年ほど前というのに、既に氏は亡くなられて幾歳月が過ぎているというのに。 僕は絶筆に代表される晩年の作品が好きだ。 点描のように筆を粗く押し当てて色を重ねていく。光の通る空を空気をその手法で埋めていく。そこに葉の付いていない枝がせわしげに伸びていく。それは老人の肉体のように、生きる上での一切の無駄を削ぎ落としたような姿だ。この枝振りと、粗いタッチの空気が呼応しあっている。画布は平面なのだ。なのにその粗いタッチの重なりの隙間に枝の末端が入り込み、裏の影を作り、深みと立体を呈して僕の眼に飛び込む。 枝の先々、枝が空気と触れる瞬間に画家は言い知れぬ「何か」を見出したのだろうか?生きとし生きるものへの賛歌かもしれない。全ての物への畏敬かもしれない。 僕はただただ、その何の変哲も無い枝振りが空気と触れる瞬間の震えにいつも驚く。 ![]() ![]() 今展は「山」がテーマですが、厳密には「山とその周辺展」と言えましょう。作品は小中品が中心です。縦長の狭い会場ですから、手ごろな大きさの展示だと思います。 古い作品もありますが、晩年の作品の比率が高い。おそらく所蔵作品の都合上だと思います。全部を「山」で埋めれなかったのも同じ理由だと思います。 ところが、僕個人にとっては実に都合の良い展示なのです。上掲の作品群、全てこれ僕好みの羅列ですからたまりません。始めの文章に「葉のない樹」のことを書きましたが、葉があってもなくても同じ文意です。 ![]() ![]() 展示後半ばかりを紹介してしまいました。失礼。前半部分の作品です。 ![]() 右側後方に緑に見える部分は暑寒別の産軍です。 ![]() ![]() ![]() ![]() 昇り勾配の向こうには手稲山が見えます。この近辺が丘であること、手稲山が目と鼻の先なのがよく分かります。今はビルの合間から顔を覗かしています。 ![]()
by sakaidoori
| 2008-08-04 10:51
| 富樫アトリエ
|
アバウト
![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
検索
最新の記事
ファン
カテゴリ
全体 ★ 挨拶・リンク ★ 栄通の案内板 ★アバウトの写真について ★ 目次 (たぴお) (時計台) 市民ギャラリー (写真ライブラリー) さいとう 大丸藤井スカイホール (ユリイカ) ミヤシタ テンポラリー af 北専・アイボリー CAI(円山) CAI02(昭和ビル) (大同) アートマン アートスペース201 大通美術館 STVエントランスホール コンチネンタル 資料館 門馬・ANNEX 百貨店 (カコイ・ミクロ) 4プラ・華アグラ 石の蔵・はやし (シカク) ☆道外公共美術館ギャラリー (アッタ) 奥井理g. ★ 案内&情報 ★ 訪問客数 ◎ 樹 ◎ 花 ◎ 山 ◎ 本 ◎ 旅・飛行機・船 ◎ 温泉 ◎ 個人記 ◎ 風景 ◎ 短歌・詩・文芸 ☆★ ギャラリー巡り 写真)光映堂ウエスト・フォー (いろへや Dr.ツクール) JRタワーARTBOX ポルト 写真)富士フォト・サロン 道新プラザ 紀伊國屋書店 S-AIR ◎ 自宅 (ニュー・スター) 札信ギャラリー (マカシブ) (自由空間) 真駒内滝野霊園 サード・イアー (どらーる) 区民センター ★★ 管理人用 山の手 富樫アトリエ (プラハ2+ディープ) ★ギャラリー情報 ★ パンフより 創(そう) (オリジナル) ATTIC 美容院「EX]内 ADP 粋ふよう エッセ ◎ 雑記 ★「案内版」アバウトの写真 ☆北海道埋蔵文化センター ☆三岸好太郎美術館 ☆本郷新彫刻美術館 ☆芸術の森美術館 ☆函館美術館 ☆札幌・近代美術館 ☆モエレ沼公園 ☆旭川美術館 ☆北海道開拓記念館 ☆帯広美術館 ☆関口雄揮記念美術館 (☆夕張美術館) ☆(倶知安)小川原美術館 ☆(岩見沢)松島正幸記念館 ☆(室蘭)室蘭市民美術館 ☆北武記念絵画館 ★その他 【道外・関西】 ー [石狩] [ニセコ]有島記念館 [岩見沢]キューマル 他 [音威子府] [深川] [苫小牧]博物館 [洞爺] ☆小樽美術館 市民ギャラリー [美唄] [江別] [室蘭] [小樽] [帯広] [恵庭] 夢創館 【北広島・由仁】 [函館] [夕張] [三笠] [赤平・芦別] 【幌加内(政和)】 (くらふと)品品法邑 (茶廊)法邑 (カフェ)れんが (ブックカフェ)開化 (カフェ)アンジュ (カフェ)北都館 (カフェ)エスキス (画廊喫茶)チャオ (カフェ・soso) (カフェ)ト・オン (カフェ)アトリエムラ (カフェ)サーハビー 槌本紘子ストックホルムキ記 (画廊喫茶)仔馬 (ギャラリー&コーヒー)犬養 Plantation CAFE BLANC(ブラン) - コレクション ■ 複数会場 公共空間 ー ◎ 風景 新さっぽろg. ー ○ 栄通日記 学校構内 ー ◎ライブ路上パフォーマンス 道銀・らいらっく (コジカ) ▲個人特集 (風景)サイクリング・ロード (風景)札幌・都心 A.S.T(定山渓) 趣味の郷 公共空間・地下コンコース 六花亭 ◎今日・昨日・最近の風景 500m美術館 Room11 アルテポルト・ART SPACE サテライト 【2010年旅行記】 【2010年 ロシア旅行】 【海外旅行】 【2012年上海旅行】 【震災跡地2回目の旅】 【2013旅行記】 ◎ 川・橋 OYOYO コケティッシュ ・我が家 レタラ カモカモ 北のモンパルナス チチ クロスホテル札幌 黒い森美術館 Caballer ▲原田ミドーモザイク画 SYMBIOSIS (ハルカヤマ藝術要塞) 群青(2016) チカホ space1-105 100枚のスナップを見る会 北海道市民活動センター 群青(2018) HUG(教育大文化施設) 札幌グランピスタ 大洋(大洋ビル) - 未分類 タグ
個展(242)
グループ展(183) 油彩画(183) 企画展(153) インスタレーション(115) その他(98) 学生展(93) 現代美術(74) 写真(71) 公募展(70) 写真展(59) 総合・複合展(43) 温泉・山・旅行・雑記(42) 彫刻・金属・ガラス・陶(40) 日本画(38) 北海道教育大学(37) 版画・イラスト(31) シルクスクリーン(26) 藤谷康晴(25) 卒業展(24) リンク
○ 美術関係以外
古い日記 (サカイ・ヒロシさんのブログ) ○ 美術愛好家のブログ Ryoさんのイートアート (サカモト・キミオさんのH.P.) 散歩日記V3 (SHさんのブログ) ○ 表現者のブロブ(相互リンク?) Photo Foto Blue (コバヤシ・ユカさんのブログ) 水彩の旅 (タケツ・ノボルさんのH.P.) アートダイアリー (マエカワ・ヨシエさんのブログ) 画像一覧
最新のトラックバック
以前の記事
2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2017年 08月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 02月 more... ブログパーツ
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
|
ファン申請 |
||