2008年 08月 03日
○ 久野志乃・個展 「物語の終わりに、」 会場:テンポラリー スペース 北区北16条西5丁目1-8 (北大斜め通り・西向き、隣はテーラー岩澤) 電話(011)737-5503 会期:2008年7月22日(火)~8月3日(日) 休み:月曜日(定休日) 時間:11:00~19:00 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(7・25) ![]() 7月25日の午後のひと時。光燦々とした時間での3人での絵画鑑賞だ。僕とカメラマンと大きな大きなカメラ君とで、じっくりと久野絵画を見た。 ![]() ![]() ![]() ![]() カメラばかりを載せて時間だけが過ぎてしまいました。 「空間との語らいの人」というイメージを彼女に持っています。小林麻美さんがねじれた空間と強引に関わろうとするならば、彼女の場合は不思議な入り口を見つけよう、そこからは光が発しているだろう、その光に身を包みたいという感じで、少し甘ったるいロマンも感じていました。 「齋藤・久野2人展」では「生娘的女王(お姫様)」を中心にして、広い会場に負けずに若さ溢れる展示でした。台湾帰りの発表で、南国の光と異人との交流が彼女の「他者」を見る目を大きく育てたようでした。ですが、展覧会は齋藤さんが巧に彼女を引き立たせる役目を演じていて、彼女自身はひな壇に座っている感じでした。 その後、CAI02のオープニング展では仲間と伴に暗がりにいる自己を確認、そして今展のテンポラリーです。 今展はそういう意味では「一人立ち展」です。タイトルは「物語の終わりに、」。どんな物語なのでしょう?何が終わるのでしょう?そして、何が始まるのでしょう? 今展は「自画像展」と明快に言い切りたい。たくさんの少女がいます。どれもこれも彼女自身でしょう。光を友達にして背筋をスーと伸ばしています。過去の「空間」という物語は、少女の門出を満たすことができなくなったようです。それでは何処に行くのでしょう?それは今後の久野・絵画の鑑賞の楽しみにしておきましょう。行きつ戻りつ「少女」が「女」になっていくのです。 今展、素直に彼女の「今」を楽しみましょう。「光と闇」に、「明と暗」に、「過去と未来」に、「人間と空間」にこだわる画家。なにより自己を強く引きずっています。今展の「久野志乃・自画像展」を、こちらも素直に見れば充分です。あまりに素直すぎて眩しい・・・、もしかしたら、これが彼女の求めている「空間」かもしれない。 ![]() まるでジャンヌ・ダルクのようです。「女・ドン・キホーテ」です。 戦士と久野絵画は似合わない感じですが、今後は何を彼女が描くかは分からない。そういう僕の決め付けはよくない。 ![]() 不思議な絵です。誰かを見送っているようです。誰に手を振っているのでしょう? 一方で、陸から離れていく船から、見送りの人や景色に「さよなら」をしているように見えます。「訛りなつかし故郷」への別れにも見えます。 ![]() これも不思議な絵です、トリッキーな絵です。中央のピンクがたなびく影の人型に見え、影でピンクとは若い発想だなーと見ていると、下の方に倒れた娘が目に入り、ピンクの虚像と娘の実像が頭の中でくるくると反転していく。 同時に久野絵画の人物描写に「逆さま」表現はないが、どこか「倒錯」的癖愛をこの絵に感じてしまった。 ![]() 今展の力作、大作です。 野原の水平線で画面を完全に二分割している。上下は全然別の世界だ。 「野原」を美しいと人は言う。「野原」ほど怖い所はないと僕は思う。そこは隠れるところもない。風が吹いて、草木が怪しく音をたてる。霧に包まれれば自分自身の位置を見失う。 そういう野原の藪の中で少年が遊んでいる。草や虫がチクチクと肌を刺す。左上の物体が僕には戦車に見えて仕方が無い。破壊が頭上を覆っている。 ![]() ![]() ![]() ![]() 左上の作品は追加されていた(8・1撮影)。 ![]() ![]()
by sakaidoori
| 2008-08-03 10:09
| テンポラリー
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アバウト
![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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