栄通記

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2008年 07月 30日

707) S-AIR ②「レジデンス2名のオープン・スタジオ」 終了・7月26日(土)~27日(日)

○ レジデンス2名のオープン・スタジオ
    ウエイド・マリノウスキー(豪州)&チャン・ヨンチア(マレーシア)

 会場:インタークロス・クリエイティブ・センター(ICC) 3階・アーティスト・スタジオ
    豊平区豊平1条12丁目1
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(7・27 日)

 マレーシア人のチョン・ヨンチア君の個展のテーマは「死あるいは死者」です。彼の作品と交流者とのワークショップ作品の展示です。

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 ↑:「ソヒーの世界(Sophio’s World)」・2008年 油彩。
 大作かつ力作です。あいにくと作品の説明を聞かなかったので画題説明はできません。
 黒色は色としての深みを出すというよりも、ベターとしたコルタール状の粘着力を感じます。三途の川の物語のような、死者との別れを表現しているようです。タイトルは「ソヒーの妄想世界、死の入り口」と理解しました。表現には日本漫画の影響があるのでしょうか?全体が不気味なヴェールに包まれていて、顔を描いたり描かなかったり、描いても妖気が漂っています。

 以下、キャプションの説明文。
 ---。日本到着直前に思わず起こった出来事に由来しています。作品はその出来事に対する私の反応です。
 友人の5歳の娘の死そのもの、娘を亡くした友人の胸の内、彼女が喪失に向き合っていることを想像し描きました。


 以下、「植物と動物シリーズ」という、手のひらに収まるような小物作品があります。貝などの食材としての廃棄物を再利用したペンティング作品です。タイトルは省略します。

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 ↑:同じ作品を角度を変えて撮影。

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↑:本当に小さい作品です。接写しての撮影です。


 以下は、今展のもう一つの大事な展示空間です。

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 ↑:「追悼の刺繍」
 ワークショップ作品。参加者が木綿の布に愛しい人(物・ペット)を刺繍したものです。3回行ったそうです。

 参加者が故人をしのび、個人の想い出を形にするということを通じて、参加者相互の語らいの場や人間信頼の契機にしようとするものでしょう。美術を利用してのグループ・コミュニケーションです。相互理解や情操教育に役立つのは間違いありませんが、過度な感情移入の危険性もあります。開かれた方法として、いろいろな美術的アプローチがあるのでしょう。
 キャプションによると30名の参加です。9割が女性です。テーマによるのか、関係者の努力不足なのか、あまりの男女比のアンバランスが気になります。
 このワークショップのおかげだと思います。ヨンチア君のスピーチ・タイムには多くの参加者がいました。


 キャプションにはヨンチア君の「死への関心」を綴ったメモがあります。
 彼は非常に若い青年です。中国系の敬虔な仏教徒ではないでしょうか。単に「死」への関心に止まらず、自然と宗教(仏教)が視野にあると思います。名辞宗教に疎い僕としては、「芸術と宗教」の日本との違和感を感じました。彼にとっては宗教心が芸術表現の内発的な力になっているのですね。
 同時に、最近義兄の通夜や葬式に出席していて、「死に顔」がリアル過ぎて、今展を深く考える余裕がありませんでした。
 
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by sakaidoori | 2008-07-30 17:16 | S-AIR | Trackback | Comments(0)
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