栄通記

sakaidoori.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2008年 07月 24日

703) 時計台 「第6回 櫂展」  終了・7月14日(月)~7月19日(土)

○ 第6回 櫂展

 会場:時計台ギャラリー 2階A・B・C室
    中央区北1条西3丁目 札幌時計台文化会館
    (中通り南向き)
    電話(011)241-1831
 会期:2008年7月14日(月)~7月19日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00まで)

 参加作家:梅津薫 田崎謙一 福島孝寿 川本ヤスヒロ 斉藤嗣火 藤井高志 渡辺貞之
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(7・19 土) 

 早いものでこのグループ展も6回目である。そして、僕が一般ギャラリーの作品を見るようになって、6年目ということになる。

703) 時計台 「第6回 櫂展」  終了・7月14日(月)~7月19日(土)_f0126829_2053225.jpg

703) 時計台 「第6回 櫂展」  終了・7月14日(月)~7月19日(土)_f0126829_20553298.jpg

703) 時計台 「第6回 櫂展」  終了・7月14日(月)~7月19日(土)_f0126829_205724.jpg
 ↑:以上がA室。

703) 時計台 「第6回 櫂展」  終了・7月14日(月)~7月19日(土)_f0126829_2059474.jpg

703) 時計台 「第6回 櫂展」  終了・7月14日(月)~7月19日(土)_f0126829_210679.jpg
 ↑:以上がB室。


 以下、一人一作の掲載と簡単なコメントです。

703) 時計台 「第6回 櫂展」  終了・7月14日(月)~7月19日(土)_f0126829_2143210.jpg
 ↑:藤井高志、「橋のある情景」・150号F。
 川があって、橋があって、少年がいて、それらはいつもの写実画家・藤井高志さんのお気に入りのアイテムではあるが、いつになく動きがあって、川に映る橋の影も黒を避けて抜けた表現で、藤井さんの意欲旺盛な快作だと思う。
 絵の中に吸い込まれる気分と、絵からはみ出す気分の、見る側の相反する心の動きを引き出している。以前の回顧主義、ロマンティシズムが適度に抑制されていて好ましい。川の流れや道の方向は怪しげに徘徊し、旗はそれらに関係なく素直にたなびいている。何と言っても橋の影に心を奪われる。橋と云うものの象徴性を充分に引き出すような抜けた色の世界、どこにこの橋と影は人を誘うのだろう?


703) 時計台 「第6回 櫂展」  終了・7月14日(月)~7月19日(土)_f0126829_21242121.jpg
 ↑:田崎健一、「群棲」・200×420cm(変形)。
 大作だ。クローン・ベイビーの薄気味悪さを田崎さんは表現し続けている。
裸の赤ちゃんの肌色が画面が覆っている。胎児が羊水の中で群れているのだろう。

 田崎さんはホッペが膨らんでいる姿が大好きな画家ではないかと思っている。単に好ましいというのではなくて、愛憎を孕んだ美学や造形の原点ではないかと思っている。そのご自身の造形の美学を社会批判や文明批判の原点にしているのが、昨今の絵画だと思っている。皮膚が膨らむという現象になんともいえない生理的な愛憎を抱く画家ではないのだろうか?今は負(文明批判)のみの道具にしているが、この「肌が膨らむ」ことに正負の表現が入り乱れたらどうなるのかな、見てみたいものである。
 描かれた作品以前に、画家自身の造形上の生理を、ストレートに出している姿に多大の関心を寄せている。


703) 時計台 「第6回 櫂展」  終了・7月14日(月)~7月19日(土)_f0126829_22183299.jpg
 ↑:川本ヤスヒロ、「赤のピラミッド B」・30号F。
 青を背景色にした大きな作品もあるのだが、この赤のコンパクトな作品が気に入りました。ロクロとピラミッドはそのものズバリの関係ですが、土色に近い赤が眩しかった。
 それにしても、ロクロにこだわる川本さんです。泣き笑いしたくなるようなロクロ、ただただ大きいだけのロクロ、挽歌としてのロクロ、意味も無く次も見たくなります。

703) 時計台 「第6回 櫂展」  終了・7月14日(月)~7月19日(土)_f0126829_22291647.jpg
 ↑:渡辺貞之、「黒い羽根の天使 無関心ゴッコ」・100号S。
 「目の人・渡辺貞之」さんは予想した通りに、目の強さを落として画面全体に目配せしています。僕自身の好みは「目を強いまま」にして、その強さに負けない画面構成を期待し続けているのですが、その方向には行きそうもありません。その代わりに、いろいろなことを画面に挿入しています。今作は画面右下の子供の落書きが面白い。演劇空間としての子供のゴッコ遊びに落書きという普段着の子供の遊びに、虚実の絵画のカラクリを楽しむことが出来ました。


703) 時計台 「第6回 櫂展」  終了・7月14日(月)~7月19日(土)_f0126829_22395781.jpg
 ↑:福島孝寿、「時刻(とき)」。
 昨年に引き続いてのギリシャ風を感じさせる絵画。とにかく力強い。白い下着と肌色だけの人物と緑の葉、画面全体の野性味はゴーギャンを連想させる。
 白は目に迫る色という。色気無く迫る人物が面白い。僕はこの女人に色気(エロス)を感じないが、おそらく福島流のエロティシズムがあるのかもしれない。


703) 時計台 「第6回 櫂展」  終了・7月14日(月)~7月19日(土)_f0126829_23462311.jpg
 ↑:梅津薫、「静かなる生成・黄昏」・100号F。
 青と潅木の世界を得意とする梅津さん。普段の色とは違う色合い、形の変化に新鮮さを感じました。


703) 時計台 「第6回 櫂展」  終了・7月14日(月)~7月19日(土)_f0126829_2351250.jpg
 ↑:斉藤嗣火、「再生」・100号F。
 先日個展を終えたばかりの斉藤さんです。
 斉藤さんの古代的感覚と現代への関心がクロスした作品ではないかと理解しています。

 梟(ふくろう)、それは北海道の守り神的存在ですが、斉藤さんにとっては哲学的表現も含意しているのではないでしょうか。「梟(ミネルブァ)は夜に羽ばたく」という諺があります。夜、全てが終わった後に活動するということです。哲学(思惟)するということは、全てが終わった後にあれやこれやと考えることでもあるのでしょう。そういう意味で、ヨーロッパは古代から知恵なり思想の体現者として梟を当てはめます。
 梟の好きな齋藤さん。ガス・タンクと梟とギリシャ風女神、そこにはどんな寓意を込めているのでしょう?

by sakaidoori | 2008-07-24 22:49 |    (時計台)


<< ※)アートスペース201 ④「...      702) たぴお 「キャバレー... >>