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栄通記

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2008年 07月 21日

696) 大丸藤井セントラル 「北海道を包む・展」  終了・7月15日(火)~7月20日(日)

○ 北海道を包む・展

 会場:大丸藤井セントラル・7Fスカイホール
    中央区南1条西3丁目2
    電話(011)231-1131
 会期:2008年7月15日(火)~7月20日(日)
 時間:10::00~19:00(最終日は~17:00まで)

 主催:社団法人・日本パッケージデザイン協会
     (「北海道を包む」展・実行委員会事務局。
       連絡先・(011)642-2035)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(7・19)

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 会場に入った時、パッケージというパフォーマンス展かと勘違いした。学生なり有志の人達が「パッケージにチャレンジ!」していると思った。コンパクトに綺麗に丁寧な展示が勘違いの原因なのだが、キャプションの「JPDA会員」という肩書きも何かに似せてのネーミングに見えて、なかなかプロ集団の展覧会という実感が湧かなかった。

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 洞爺村の立体ピエンナーレ展のような、「手のひらの宝箱」展です。
 そうはいっても日本デザイン・パッケージ協会(以下、JPDA)はマネジメントに関わる団体です。企業や商行為とは切り離せないので、自己表現・オンリーの美術表現とは一線を画します。一方で「デザイン」で我々の消費活動は満ち満ちているわけですから、その意匠は単にコマーシャリズムとして無視することは出来ないでしょう。良い商品だから買うわけではないのです。商品の実用性を離れて何らかの魅力があるから、物を買うのです。「人を惹きつける魅力」、それは芸術活動一般と会い通じるものがあるでしょう。それに作家達は生活の手段としてもデザインやコマーシャリズムに関与しているのですから、「デザインの何たるか?」は美術の自己表現、社会化にとてっは常に考えさせるものがあるでしょう。

 ついついいつもの癖でお喋り過多になりました。本題です。

 参加作家は北海道のJPDA会員を中心にして道外のデザイナーや道内の学生達です。

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 ↑:会員・金澤和彦(中札内村)、「A PULANET IN BLUE]。ガラス制作は勝野好則。
 球体のガラスの中にゴミとしてのパッケージを閉じ込めたものです。他とは違った逆転の発想です。非常に綺麗です。
 何がこの作品を際立たせているかと云うと、ご本人が白い手袋をはめて定期的に綺麗に綺麗に磨いていることです。触ってもいいのですが、時間をおいて指紋を消しに金澤さんはやってくるのです。訪問客の少ない会場で、優しく慈しむようにガラスを磨く金澤さんの姿は印象的でした。

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 ↑:会員・中島洋一(札幌市)、「ほっきめし」。
 貝殻を弁当にしたものでしょう。飲兵衛の栄通さんはこういうのを見ると目が輝きます。これから年に一個買って、傘寿の訪れを楽しみにしたいものです。長生きはしたいが、その努力を怠る栄通さんでした。

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 ↑:市立札幌高等専門学校・柏谷未希&松浦理沙、「道産百科大事典」。
 飲兵衛の栄通さんは、イイフリコキですからこういうのにも目がないのです。呑んで枕して壮大な夢を見たいものです。

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 ↑:会員・渡辺有史8東京)、「結晶」。
 「美しすぎて美しすぎて、お米がこわい」、大賞の第一候補でしょう。余りに完成度が高いのが気に入りませんが、文句の言いようがありません。

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 パッケージ・デザインには二つのテーマが与えられています。

 ①北海道の任意の素材をイメージしたパッケージ。
    北海道は素材の宝庫といわれています。早い話が、凝った味付けをしない方が美味しいのです。ということはノン・パッケージが最良と云う意見もあるでしょうが、それでは当協会は立つ瀬がありません。単にシンプル・イズ・ビューティフルでは能がないし・・・。

 ②北海道米のためのパッケージ。
    北海道はどうのこうのいって、米生産王国です。その理由に「人」、「土地」、「温暖化」があると思います。植民地としての北海道の入植者の大半は米作り農民でした。しかも、内地の貧困階層です。明治の初期、国家は畑作を奨励しました。なかなか上手くいかない中、彼ら米作り経験者は広大な石狩平野を土作りから始めて、手馴れた農作業に精魂傾けたのです。寒冷地に向いた品種改良という努力も実りましたが、明治以来の緩やかな気象の上昇が米作に有利に働いたのは見逃せないと思います。北海道全体の開発に有利な時期だった。
 昨今、温暖化が議論されています。北海道は間違いなく温暖化で有利に働いた土地だと思います。現代文明の負の遺産としての温暖化は問われなければならないでしょう。身の回りから考えることも大事でしょう。ですが、あまり倫理的に議論されるのを僕は好きではありません。
 気象変動は100年スパンで、1000年スパンで、人類の環境適応史で考える側面があると思います。
    


 

 

by sakaidoori | 2008-07-21 13:25 | 大丸藤井スカイホール


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