2008年 07月 18日
○ アジアプリントアドベンチャー ’08 in おといねっぷ 会場:音威子府村内各会場 電話・役所新興室(01656)5-3311 会期:2008年7月1日(火)~7月15日(火) 休み:無し 時間:10:00~17:00(各会場にて変動あり) 料金:無料。(ただし、ビッキーアトリエ3モアは無料でも見れるのかもしれませんが、実質的には美術館料金200円を払って美術館全体を見た流れで一室の作品展をみることになるでしょう。また、その方が格段にいいです。) ① 音威子府中学校(国道沿いの建物壁面) ② エコミュージアムおさしまセンター (BIKKYアトリエ3モア) ③ 音威子府公民館(メイン会場。外国人招待作家作品展示)。 ④ 高橋昭五郎・彫刻の家(日本人作家作品の主会場。) ⑤ おといねっぷ美術工芸高等高校(玄関先のホールの展示。) ⑥ 手塩川温泉ギャラリー(温泉施設とは独立させた通路空間。) 北星信金音威子府支店 音威子府商工会館 他 (数字を打った会場しか見ていません。以下、見た順番の報告&感想記です。) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(7・13) 「BIKKYアトリエ3モア」、素晴らしい公共美術館です。アトリエをそのまま残したかまぼこハウス、旧建築物をレイアウトして近代的美術意匠をふんだんに取り入れた美術館本体、何よりも自然に囲まれた美術館全体の雰囲気は腹の底から訪問の喜びが沸いてきます。自然は確かに素晴らしいのですが、そこに人智の結晶があるから僕を魅了するのだと思います。ただただ自然を誉めそやすのならば、登山の山中にはその魅力はかないません。「人ー作品ー自然ー訪問者」、この関係が素晴らしいと思うのです。 イベント展覧会は美術館の逆周り無料で見れるかもしれませんが、200円を払って、ビッキー作品を見た後に、会場の最終口で見たほうが良いでしょう。実際、ほとんどの人はそうして鑑賞したのではないでしょうか。この美術館の感想は後日に記したいと思いますが、会場風景と美術館の流れの後で作品を紹介したいと思います。 (前室の祈りの部屋はパブリックな部屋なのでしょう。次室にはビッキーの特大写真を暗がりに展示して、暗闇に格闘する画家を彷彿させます。) (次室の真っ暗な祈りそのものの部屋を最後に、イベント会場に入っていくことになります。) 小室で作品数お少ないのですが、非常に充実した部屋です。しかも、写真・C.G.・立体作品などがあり、「版画とは?」ということも考えさせます。 一見、トリック(合成)のようですが、そうではありません。雪に埋もれた家屋に出入りするビッキーの立ち姿です。ファインダーを拡げれば、普通の写真になるでしょう。白が雪に見えない。暖かく包んでいます。真ん中の模様は樹木の種のようで、フワフワと浮かんでいるようです。実際、「亡き人・ビッキー」を想えば、葬送の一枚と言いたくなります。自然と対峙した作家が、自然に包まれてうらびれた家屋を何事もなかったかのように暮らしているのです。雪を挟んで向こうの世界で。 この場合、映像が「版」であり、後藤作品全体をプリント表現としてとらえようということだと思います。 会場は非常に白い。掲載の写真は暗いですがそのつもり見て下さい。 白い空間に後藤作品の一齣一齣が機械仕掛けのように踊りながら、いろいろな図像を綾なしています。壁面作品(絵画)はそれらの一齣一齣を層のように重ねて、時空を閉じ込めていると見るならば、仮想空間の中でそれらの一枚一枚が離れては重なり結ばれて、絵画の層の中の様子を表現しているようです。 静かで白い部屋で、小さな映像の動きがとても印象的でした。 この地を謳った作品だと思います。風景を写真として取り込んでいます。 「冬」の作品、春を待つ春を悦ぶ作品でしょう。後藤さんの映像や絵画の一枚一枚のピースに応えたような画面構成です。後藤さんの場所に捉われないコスモポリタン性に対して、熱く音威子府の自然を讃えていて、不思議な気持ちの良い組み合わせでした。 ↑:左から今偉正(こん・いまさ)、「紙の彫刻(鮭)」・2008。蓬田やすひろ(よもぎだ・やすひろ)、「光景」・90×70cm。 (会場のキャプションや図録にも個々の作品の版に関する情報はあまりありません。少し残念です。 なおかつ、プロフィールは全文横文字ですから、作家のことを知るには非常に面倒です。不親切です。国際性のあるイベントといっても、この姿勢は支持しません。日本人に日本人を紹介するのに日本語のない文章ほど無意味なものはない。あえて言えば高慢な姿勢です。音威子府の児童・少年が作品を見て、「芸術って外国なんでね」という意識を生むばかりです。1000人にも満たない音威子府の住民が仮に全員が見たとしたら、どれだけの人が作家の画歴に関心を持つのでしょう?何人の日本語の読めない外人がこの地に見に来るというのでしょう?それは日曜日のだれもいない遊園地のようです。)
by sakaidoori
| 2008-07-18 23:50
| [音威子府]
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アバウト
丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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