人気ブログランキング | 話題のタグを見る

栄通記

sakaidoori.exblog.jp
ブログトップ
2008年 07月 03日

681) CAI02 ②「オープニング展覧会・サッポロ・アート展」 終了・5月24日(土)~6月21日(土)

○ オープニング展覧会
    「サッポロ・アート展」
        
  【出品作家】
 伊藤隆介 今村育子 岡部昌生 上遠野敏 黒田晃弘 鈴木涼子 3KG 清治拓真 仙庭宣之 高幹雄 高橋喜代史 武田浩志 中嶋幸治 端聡 坂東史樹 久野志乃 祭太郎 wabisabi・・・以上18名。
ーーーーーーーーーーーーーーーー(6・13)

681) CAI02 ②「オープニング展覧会・サッポロ・アート展」 終了・5月24日(土)~6月21日(土)  _f0126829_22105498.jpg


 ここは兎に角、地下2階に行くのです。地下に下りる階段が幾つかあり、見つけにくいとことですが、迷路を楽しんで下さい。1階、地下1階の店舗内通路をさ迷いながら、目指す地下二階のCAI02を見つけて下さい。

 階段を降りきれば、左側が①で紹介した第1室です。右側が上の写真の第2室です。(パンフにはこれ等の空間をraum1、raum2と名づけています。おそらくドイツ語で、「ラオム・1、ラオム・2」と公称は呼ぶのでしょう。raumはroomだと思います。オーナーのドイツ好みが分かります。)

681) CAI02 ②「オープニング展覧会・サッポロ・アート展」 終了・5月24日(土)~6月21日(土)  _f0126829_22225959.jpg

681) CAI02 ②「オープニング展覧会・サッポロ・アート展」 終了・5月24日(土)~6月21日(土)  _f0126829_22244651.jpg


681) CAI02 ②「オープニング展覧会・サッポロ・アート展」 終了・5月24日(土)~6月21日(土)  _f0126829_22264822.jpg

681) CAI02 ②「オープニング展覧会・サッポロ・アート展」 終了・5月24日(土)~6月21日(土)  _f0126829_22282820.jpg681) CAI02 ②「オープニング展覧会・サッポロ・アート展」 終了・5月24日(土)~6月21日(土)  _f0126829_22304885.jpg










 ↑:仙庭宣之、「plane」。
 仙庭さん好みの飛行機シリーズの飛行機そのものです。
 飛行機をリアルに描きつつ、リアルさを壊さないでもう一つの世界を垣間見せたいということでしょうか。不思議な魅力のある絵画だとは思いますが、あまりに静かに深く同じ画題に取り組んでいて、表現にブレが無いのが不気味なくらいです。


681) CAI02 ②「オープニング展覧会・サッポロ・アート展」 終了・5月24日(土)~6月21日(土)  _f0126829_22383599.jpg
 ↑:武田浩志、「Afterward」。
 武田君は第1室で現在個展をしています。早急に載せたいと思います。コメントはその時に書きます。


681) CAI02 ②「オープニング展覧会・サッポロ・アート展」 終了・5月24日(土)~6月21日(土)  _f0126829_22424590.jpg
 ↑:wabisabi、「Flesh and Blood」・シルクスクリーン。
 「肉と血」という意味でしょうか。何ともドロドロしたタイトルですが、体の中の血流をユーモラスに表現しているみたいです。


681) CAI02 ②「オープニング展覧会・サッポロ・アート展」 終了・5月24日(土)~6月21日(土)  _f0126829_8592842.jpg
 ↑:中嶋幸治、「往来、なけなし」・2008年 紙。
 今展で注目すべき作品の一つだと思う。作品の全体図はただ白い絵にしか見えないので、次に部分図を載せます。

681) CAI02 ②「オープニング展覧会・サッポロ・アート展」 終了・5月24日(土)~6月21日(土)  _f0126829_2341044.jpg
 紙に鉄筆による線描画だと思う。間違いなく札幌の地図です。今春のCAI修了制作展でも、彼は同じような作品を出していた。その時は航空写真の模写として見た。何処かは深く考えなかった。今回は、海に面したラインも、札幌のメイン道路の線も明瞭なので札幌であることは間違いないと思う。札幌の西の川が、周りの直線の風景を斜めに曲がりながら遮断している。鉄筆の曲線が筋くれだって見えて印象的だ。
 その白さ美しさに驚かされる。それ以上に、一筆一筆の線に乗り移った、激しいエネルギーを感じる。美しく閉じ込められているから、その集合体は余りに痛ましい。紙を肉体に譬えることができるかもしれない。身を刻めば赤い血が流れる。地図としての札幌ならば、その白さは雪に譬えることができるかもしれない。赤雪(せきせつ)。だが、僕にはこの白さが雪に見えない。自然の雪、ボリュームという生命体のそれに見えない。風土としての時間軸の重なりを抽象化した白に見える。そこに記憶なのか、痛みなのか線を刻んでいく。ガリガリと音がする。静かな部屋に音だけがする。
 なぜ札幌か?それは知らない。彼にとって愛すべき街なのか、憎むべき街なのか?青春の磁場と言えば詩的だが、わからない。僕達は作品でどこまで作家に迫れるのか?彼は何かを言いたくて発表し、何かを拒否したくて、ただ鉄線を入れていくだけに見える。
 「なけなし」、自分を打ち捨てたさすらい人の響きがする。さすらい人が街を「往来」している。

681) CAI02 ②「オープニング展覧会・サッポロ・アート展」 終了・5月24日(土)~6月21日(土)  _f0126829_23501134.jpg681) CAI02 ②「オープニング展覧会・サッポロ・アート展」 終了・5月24日(土)~6月21日(土)  _f0126829_23511279.jpg










 ↑:中嶋幸治、「sanctuary sheet」、、「sanctuary sheet/view」・2008年 紙・インク。
 サンクチュアリは「聖域」ということだろう。この白い絵が聖域なのか、画家だけの秘密の場所がこの絵に閉じ込められているのか?
 都市における「サンクチュアリ」と聞けば「アジール」という言葉を思い出す。中世において宗教色の濃厚な治外法権地域だ。この作品の「サンクチュアリ」が、限りなく「個」を引きずる処なのか、「個と社会(制度・風習・因習)」の緊張を前提にしているのか・・・。
 「サンクチュアリ・シーツ」、中嶋君はテンポラリーで昨年個展を開いた。あそこは、今年に詩人・吉増剛造氏を常設展で長く紹介していた。氏の作品に「石狩・シーツ」がある。彼を意識した作品だろうか・・・。


681) CAI02 ②「オープニング展覧会・サッポロ・アート展」 終了・5月24日(土)~6月21日(土)  _f0126829_935242.jpg
 上遠野敏、「地の塩・・世の光」・2008年 原皮をなめした羊の毛皮 耳・おっぱい付き。
 タイトルと羊ということで、聖書好みが分かります。左側が「地の塩」で、聖書をモチーフに、右側が仏典をモチーフにした八百万信仰です。
 非常に硬いテーマですが、「おっぱい付き」というのが、上遠野風の遊びでしょう。


681) CAI02 ②「オープニング展覧会・サッポロ・アート展」 終了・5月24日(土)~6月21日(土)  _f0126829_106568.jpg
 ↑:清治拓真、「対、空き巣メモ(改)~ピン!ときたら110番、の巻~」。
 一人我が道を行く清治拓真(せいじ・たくま)君です。ポップとアートとユーモアを模索しているようです。


681) CAI02 ②「オープニング展覧会・サッポロ・アート展」 終了・5月24日(土)~6月21日(土)  _f0126829_10135642.jpg
 ↑:高橋喜代史、「ア」。
 お馴染み「ドーン・男」の、別名「飛び出し野郎」の高橋喜代史君です。春は近美で大きな大きな飛び出し「富士山」を披露した。昨年はCAIで「ドーン」を僕の前に見せてくれた。「意味は無いが意欲はある」と、栄通記に書いた。続けてこのシリーズを見ていると、「意味はあるが意欲はあるのだろうか?」と書きたくなる。哀しい高橋君の性を思ってしまった。
 ところで何故「ア」かというと、円山のCAIオープン時に高橋君は墨を含んだ雑巾で、壁に「あ」と書いたとのこと。祝砲だ。その縁にあやかって今回はカタカナの「ア」。元気よく飛び出そう、ということです。

by sakaidoori | 2008-07-03 23:57 | CAI(円山)


<< 682) 門馬 「槌本(つちも...      680) たぴお 「竹田博・遺... >>