栄通記

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2008年 06月 27日

676) 近代美術舘 ④「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)

 【参加作家】
 阿地信美智  阿部典英 荒井善則 泉修次 伊藤隆弘 柿崎煕 加藤宏子 国松明日香 小石巧 佐々木けいし 下澤敏也 菅原尚俊 鈴木隆 高橋昭五郎 武田享恵 田村陽子 ダム・ダン・ライ 中江紀洋 楢原武正 韮沢淳一 野又圭司 林弘堯 伴翼 藤井忠行 藤沢レオ 藤本和彦 松井茂樹 森川亮輔 山田吉泰 山本良鷹 渡辺行夫
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(6・15)

 当初の予定に反して、4回目の記事です。立体展の回し者かと思われそうですね。個人の発する札幌・美術感想記です。偏りを楽しんで下さい。沢山載せたいのですが、他の展覧会の記が滞ります。一気に最後の報告です。


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 ↑:鈴木隆、「フェイス」・2008年 180×140×210cm 木材・アクリルカラー。
 何と言っても今回はこの作品です。どうだと言わんばかりの顔です。その顔ににらっみこをしている青年がいるではありませんか・・・、というのは嘘で、会場で楽しんでいた青年に、モデルになってもらいました。有難う。全然知らない若者ですが、僕らはフェイス繋がりになったのです。

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 ↑:野又圭司、「壁」・2008年 250×250×75cm 銅。
 大作のインスタレーション的立体を好んで造る野又君ですが、コンパクトにキリリと輝く作品を持ってきました。
 彼は今冬、北見方面の美術館で個展を予定しています。今はその制作に没頭しているでしょう。男・野又圭司が試される時です。
 今作、小振りだが引き締まったムードが印象的です。何より、「僕の作品は美には無縁だ」と言った彼の言葉に反して、綺麗だ。彼はロマンチストだと思う。その辺をどう乗り越えるかを、その個展で期待したい。


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 ↑:ダム・ダン・ライ、「サークル」・2008年 350×350×400cm 木。
 つい先日まで、殆んど同じ作品がSTVエントランス・ホールに展示されていた。抜群にこちらの方が良い。
 どこが良いかというと、床の作品はほぼ円形に並べられている。この円形が二重・三重になって鑑賞者に迫ってくるのだ。
 全体で一つの祭壇になっている。明快に画家の思想を雄弁に語っている。どう読み解くかは見る人それぞれが思えば良いことだが、ライ君の宗教性がこれほどはっきり表現されたのは珍しい。
 一つ一つのパーツは彼の遊び心の反映でもある。骨と露骨に見てもよいだろう。自然のムードや実景の模写とも見れる。繋がれて一つの世界を共有しようとしている。
 付言。円表現は平等主義と見ることが出来る。円卓会議やストーンサークルにはメンバーの平等感が反映していると。だが、円という形式を組まねば平等が保てないという緊張感も同時にそこにはある。真の平等とはランダムなはずだ。この作品にはそういう、強制にも通じる緊張感が素晴らしい。


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 ↑:柿崎煕、「林縁から」・2008年 15×860×240cm 木(カツラ・アクリリック)。
 柿崎さんの御馴染みの「林縁から」です。現在行われている、芸森の「サッポロ・イズ・ホワイト」にも出品しています。頻繁に見ることができる柿崎・林縁ですから、展覧会の風景になってしまった感じがします。


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 ↑:中江紀洋、「旅の果て(自然律)」・2007~2008年 450×450×150 木(シナ材)・他。
 悶え苦しむ人体や、不気味な黒い歯型で人の苦しみを表現していた中江さんです。「ありゃりゃどうしたことか、何て可愛いお魚さんでしょう」という作品です。
 もちろん、鮭の遡上は産卵による生命の誕生と、雄雌の鮭たちの死という代償が伴っています。中江流生死の表現です。だが、深刻ぶったところはなくて軽い。作家がこういう作品を出す時は、何かの構想の一里塚だ。彼の年齢から来るものか、重く暗く深刻な表現を克服する作品が次は必ず出てくると思う。重たいテーマを、重く表現するばかりが作品ではないだろう。


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 ↑:楢原武正、「大地/開墾 2008-6」・450×450×300cm 廃材にトタン板・古紙。
 我が道を進む楢原さんです。作冬の「存在派・展」では紙を使ってのインスタレーションでした。やや気の抜けた作品でした。やはり、こうきたのですね。
 おびただしい柱状は紙です。御馴染みの柱に釘が打ち込められた楢原・柱はしっかりと一本だけ立っていました。


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 ↑:小石巧、「森・環」・2008年 400×200×200cm 木。
 小石さんは無言でいるとちょっと怖い顔をしていますが、面白い人です。
 自分の作品に首を載せて、ポーズをとっての記念撮影。写し終わると、「どうだ、どうだ、晒し首みたいだろう」と、一人はしゃいでいるのです。たまたま脇で、その光景を撮ったのですが、モニターで晒し首風にアップしてご本人に見せると、すこぶるご満悦。その写真掲載の許可を貰い忘れたので、見せれないのが残念です。
 作品は日を背中に浴びて、木のウエーブ・ラインが見せ所です。立っている作品よりも、無造作に転がしている作品の方が、目に優しく、さわり心地がシャープです。


 なぜだか非常に楽しい展覧会であった。テーマ無き展覧会も良いものだと、一人悦に入ってしまった。


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 ↑:近美の中庭。ポプラの種が夏雪のようだった。

by sakaidoori | 2008-06-27 18:32 | ☆札幌・近代美術館


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